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ウ イ ク セ ル 効 果 に つ い て

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(1)

ウイクセルの資本理論は︑主として︑静学的均衡論的な分析構造の上で展開されたが︑そこには︑既に近代動学分

析への発展の種をふんでいた︒現代的な動学化への種をケインズ的な有効需要理論の一般化︑長期化というプロセス

の中で培養したのは︑J・ロビンソンである︒彼女の﹁資本蓄積論﹂において使用された生産力函数およびこれに相

関連するいくたの分析を検討すれば︑このことは明らかである︒ウイクセル自身の寄与は︑あたえられた技術的条件

と︑静態的な仮定の下で︑実質貸銀と〝生産期間″−−この概念は勿論︑ポエームしバグェルクより継承したものだ

が−の名称で特徴づけられた生産方法との間の関係を明確にした点である︒

静態的仮定の下では︑実質貨銀率と資本−産出量比率との間に確定的な関係を設定することができる︒そして︑こ

の資本−産出量比率は︑生産技術の変化と︑資本財価格の変化を通じて︑実質貸銀の変化によって影響をうける︒資

本財価格変化の影響はウイクセル効果とよばれている︒正常的には︑賃銀率水準が高いほど︑生産方法は機械化され

資本−産出量比率は高くなる︒これは︑ロビンソンの↓蓮根論﹂に於て導き出された命題である︒かくて︑ウイクセ

ル効果は︑ウイクセルとロビンソンを結びつける媒介項の一つである︒

ウイクセル効果について二五

(2)

古典派経済学者が主として関心を払った問題は︑資本蓄積︑利潤︑賃銀︑地代が︑経済発展乃至成長の過程におい

て示すところの相互関係の問題であった︒そして︑古典派理論のもっと乙ろの論理の終極的な帰結は︑収穫逓減傾向

のもとでは︑地代︑貨幣賃銀の上昇︑利潤率低下の結果は︑資本蓄積率が零という定常的長期均衡の状態││この状

ロビンソンの黄金時代の特殊な場合でもある︒ーーの到来であった︒そしてこの到来をおくらす主要な戦略的

要因は技術的進歩であった︒人口成長と技術進歩のレlスは結局に於て前者の勝利に終るというのが古典派理論の基

本的な考へ方であって︑かかる技術進歩の︑利潤乃至賃銀︑資本蓄積にたいしてもつ関係については︑古典派理論

は︑積極的な寄与をあたえておらない︒乙の残された問題を科学的に解明する乙とが︑ロビンソンの主要課題であっ

たわけであるが︑彼女は︑ウイクセルが資本理論で展開した分析手法を使用するととによって解明しようと乙乙ろみ

た︑ウイクセル効果の分析は︑その解明に直接的な手がかりをあたえる︒

資本は︑実質貯蓄の投資によって創造される︒即ち︑労働と土地の用役を購入する生存手段によって︑資本財が生

産され札ω資本の創造は︑その長短はあっても︑時間を必要とするプロセスである︒完全雇用の水準では│ウイクセ

ルの分析では︑完全雇用均衡が仮定されている︒│←実質賃銀率︑地代があたえちれておるとすると︑実質貯蓄率が労

働増加率をこえる場合にのみ︑新しい資本の創造が可能である︒乙の場合には︑新資本の形式は︑必然的に︑従来消費財

の生産に雇用されていた土地労働の若干を︑資本財生産に転用することを必要ならしめるであろう︒そ乙で︑資本財

生産と︑消費財生産との聞に︑労働と土地に対する競争が生じ︑賃銀率と地代の上昇が生じるであろう︒乙の賃銀

率︑地代の上昇は︑その上昇がなかった場合に︑実質資本の形成に投入された実質貯蓄の一部分をくいつぶす乙とに

なる︒ここで︑実質資本の形成はそれだけ阻害されたことになる︒ζの現象が︑ウイクセル自身で説明されたウイク

ワ 耐

セル効果である︒ロビンソンはウイクセル効果を︑資本財の再生産費の側面から考察して︑﹁実質賃銀率にもとづい

(3)

て︑資本設備が︑その歴史的費用を乙えて高くなること冶﹂と︑解釈している︒賃銀率の上昇による貯蓄の部分的吸

収︑資本の社会的限界生産力と利子率との離反︑そして最後に資本財の生産費乃至価格の上昇と︑ウイクセル効果の・

解釈について︑多面的な見方がある︒それらの解釈上に本質的な相違があるか︑以下の考察を通じて乙れを明らかに

しよう︒たY乙︑で注意したいのは︑ロビンソン分析の場合︑資本を機械のととき耐久的固定資本設備として考へ

られているが︑ウイクセルでは︑資本は生存手段乃至流動的な資本である︒いはば︑賃銀基金的な意明に解釈きれた

資本概念がとられている︒耐h外的な固定資本については︑アツカlマンの批判において初めて分析の中にとり入れら

9d れたが︑われわれはまず︑資本を生存基金的な意味に解釈してウイクセル効果の考察をはじめたい︒

Aウイクセル効果は資本増加の過程においておこる現象であるから︑明らかに︑動学的な性質をふくむものであり︑

乙の概念は過程分析的な概念である︒かかる過程分析的な概念が︑本来的に静態的なウイクセル資本理論にふくまれ

ていた乙とを指摘して︑ロビンソンは︑つぎのように述べている︒﹁ウイクセルの分析によって呈示された主な困難

は︑彼が種々異った資本量をもっ諸々の静態の比較と︑時聞をつ︐

U

じて進行する蓄積の過程とを同時に論じているよ

Uうにみえると・いうことであるよ資本蓄積にともなって︑一つの均衡の位置から他の均衡の位置へ移行してゆく過程

ノの分析は確に困難な仕事である︒彼女の﹁資本蓄積論﹂はこの困難な問題に真正面から取組んだ努力の結品であるわ

Jけだが︑われわれ︑まずウイクセル自身の分析を見てい乙う︒

ウイクセル効果は︑ウイクセルの生産函数の概念とまず結びつ

K

︒ウイクセルは︑価値論については︑ワルラス︑

a u 

資本理論については︑ボエlム・バヴエルクの立場を継承したが││勿論︑ウイクセルの寄与はボエ!ム資本理論の

(4)

二入

単なる数字的再生をこえている︒││所得分配の理論では︑限界生産力説の代表的な主張者の一人に数えられている

ことは周知のところである︒しかし︑賃銀︑地代︑利子の決定について︑彼はチユ!ネン所説に関連してまずつぎの

ようにいっている︒﹁もし︑しばらく︑資本の生産力││あるいは価値創造力ー

I

の根源の問題をはなれるならば︑

上に展開した理論を︑資本に容易に適用する乙とができる︒どの特定の生産要素にしろ︑それに帰属する生産物の分

け前は︑その要素の限界生産力によって決定きれる︒事実︑これは︑チユlネンの乙ころみたものである︒チユl

ンにしたがえば︑最後の労働の付加的生産物が賃銀を規定すると凡悼慨に︑すべての資本にたいする利子率は︑最後に

﹃ ︐

使用される資本部分の収益によって規定されるo﹂と述べた後で︑彼はさらに付言する︒﹁しかし︑さらによく検討

一方において︑利子︑他方において︑賃銀と地代との聞におけるこの類推は不完全であることは明らかとな

る︒労働と土地については︑既に指摘したととく若干の保留をむってではあるが︑限界生産力の法則は︑全体として

の経済にも︑すべての個別的企業にも同様に適用しうる︒:::しかし︑乙の理論は︑通常考へられる如く︑賃銀と地

代が︑市場で決定されたデlターであるととろの個別的企業の立場から見た場合にのみ︑資本に適用される︒もし︑

社会の総資本の増加││あるいは減少ーーを考えるならば︑結果として生ずる社会的総生産物の増加││あるいは減

少ーーが︑利子率を規定するということは決して真実ではない︒第一に︑新しい資本は︑古い資本と競争する︒その

結果︑おそらく生産物の技術的構成或は量に大した変化を生ぜしめることなく︑賃銀と地代が上昇する︒乙の理由に

よって︑利子率は確に低落する︒しかし︑たとえ︑新資本の付加的生産物が︑ほとんど零であるとしても︑利子率は

00  

零まで低落する必然性はない︒﹂また︑ウイクセルは別の個処で︑﹁周知のCとく︑チユlネンは︑平均賃銀は最後

の労働者の生産物に依存すると述べるところの彼の有名な命題に類以した利子水準の法則を樹立した︒この法則によ

れば︑利子率の水準は︑最後広投資された資本部分の生産性に依存する︒この定理とボエlム・パヴエルクの定理と

(5)

の一致は明らかであり︑且ボエlム・パヴエルクの正しく強調するところである︒た

r

こ︑で留意されねばならぬ

ことは︑それは常に個別的な企業家の資本投資の問題であるということであり︑その場合︑賃銀はあたえられたもの

であり︑またそJ彼定されねばならぬ︒乙の定理は︑国民資本自体の増加︑まにそれによって生ずる余剰収益には決

凸 ロ

して適用できない︒﹂乙の関係をさらにつぎのウlルの説明で補なう︒ボエlム・バヴエルクは彼以前の生産力説が

価値生産力と物量的生産力との区別をなしえなかった乙とを指摘する︒然し乙の批判も静態を仮定するならば解消す

るとヴイクセルはいう︒なんとなれば︑静態では︑資本の限界物量的生産力も︑限界価値生産力も同じであるから︒

しかし︑動態においては︑ボエl

lネンのような生産力説をとる人々もともに部分的に正しく

部分的にまちがっている︒その正否は資本の限界生産物測定の方法と水準に依存する︒もし︑実質資本の供給函数が

純実質貯蓄表であたえられるならば企業水準で︑ニユメレlルで測定された資本の限界生産力は︑・企業の実質資本需

要を決定する乙とによって利子率を決定する︒そこで︑もし︑経済の全企業の資本需要を合計するならば︑総資本需

要をうる︒このような根拠で︑利子率は資本の限界生産力によって決定されると主張する乙とはできる︒チユl

lム・パヴエルクが考へていた乙とがもしこれであるとすれば︑彼等は共に正しく︑同じことをいっているの

だと考へることができよう︒しかし︑彼等の考へていることがマクロ的経済水準の分析だとするならば︑即ち︑全体

としての実質資本の社会的限界生産力が利子率を決定するというのであるならば︑彼等はともにまちがっている︒実

質資本の社会的限界生産力は︑常に利子率より小であるからである︒こ︑に︑われわれのテlマである資本に関する

ウイクセル効果が登場するのである︒賃銀率は︑ミクロ水準では︑各企業にとって││完全競争を仮定するかぎり

││所与のものであるが︑しかし︑マクロ水準では︑賃銀率は決定せられるべき変数にかわる︒社会の労働力を一定

とすれば︑社会的資本の増加は︑賃銀率の上昇を結果し︑乙れが︑資本の社会的限界生産力と利子率との離反を生ぜ

(6)

ζ

Cとく︑ウイクセル効果は過程的な現象である︒ウイクセルが社会

の限界生産力が利子率より常に小であるというのは︑それは過程において生ずる現象であるという意味であって︑均

衡において見る現象ではない︒静態においては両者は一致しなければならぬ︒こ︑に︑既にかかげたロビンソンの批

判の意味があるDところで︑資本の社会的限界生産力と利子率との離反をウイクセル自身どのように説明しているで

﹁利子率と︑実質資本の社会的限界生産力とのこの奇妙な離反の説明はまったく簡単である︒労働と土地

とはそれぞれ︑それ自身の技術的単位(労働日︑労働月︑年当りエlカ等)で測定されるが︑資本は︑交換価値の和

として計算される︒換言すれば︑各特定資本財は︑それ自身にとって外生的な単位で測定される︒もし︑資本もまた

技術的単位で測定されるならば︑その欠陥は是正され︑各生産要素の社会的限界生産力と個別的限界生産力との一致 あろうかb

は完全となる︒しかし︑ろの場合︑生産資本は道具︑機械︑原料等々というような多数のカテゴリーに配分されねば

ならぬ︒そこで生産における資本の役割について統一的な取扱いは不可能となるo﹂ウイクセル効果の問題はたんに

生産要素の生産力測定単位の問題ではない︒それを越えた問題である︒右のウイクセルの説明はこの点にかんするか

ぎり不十分である︒

ウイクセル効果は︑社会的資本の変化についてのみ作用し︑資本を一定として︑労働力の変化については作用しな

い︒そこに解明さるべき問題が伏在する︒次節で検討する︒

土地が自由財である定常的な経済を想定しよう︒そして︑消費財についての生産函数はすべての企業は同一であり

国 ︐

且一次の同次性を仮定しよう︒労働一単位の年産出量をP︑平均生産期間(年で測ろう)をtで示さ

F U

こ︑で︑生

産期間は︑資本家的企業家が︑彼の利潤(利子)を極大化するよう仕万で操作するパラメーターである︒生産函数を

次のととくおく︒

(7)

乙の函数は次の性質をもっ︒

v u

( )

(

) V

0

資本は︑労働にたいする前払いとして︑必要に応じて︑均一的に支払はれると仮定する︑平均投資期間はt

2

る︒年賃銀率をw︑資本利子率をz

Pの価値は次の式であたえられねばならぬ︒

向 ︑ ( 同

) 八 ︒

( )

司目当

+ 3

(

)  

こ﹀で︑資本家的企業家の行動様式をみる︒いま

w

をコンスタントとして︑

ω

式よりz

zを最大ならしめる生産期聞を求めると

1 1  

1 : : '

""1  1 

( )

ω

式をtについて微分して︑

1 1   C

I

PoIPo 

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M l t  

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ω

(8)

ltt

Hd弓+件││2

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1 1  

ι │ ε  

(

)  

いま︑社会の実質資本をKで示し一定としよう︒労働一単位の雇用に必要な資本は帆一

2

であるから︑社会の労働

量をAで示し一定とすると︑全資本が使用されるためには︑均衡条件として︑

1 1  

N

I

<:0 

1 1  

(

Ml

l l )

官~.g 

の式が成立しなければならぬ︒

川式と

ω

twzが決定される︒そこで︑定常均衡の条件はつぎのCとく要約しうる︒即ち︑投資期

間は︑均衡では︑賃銀率と労働量との積州︑‑乙れは︑実質貯蓄あるいは資本に対する需号示す︒ーが社会

の総資本を完全に使用しつくすような状態で決定される︒均衡賃銀率は︑労働の平均生産物と︑資本家所得自白と

の差にひとしく︑また︑労働の限界生産力によって決定される︒資本家所得は︑あたえられた賃銀率についてz

大ならしめるような点で決定される︒

(9)

国民産出量(実質所得)をY

JU

( )

この式をAについて微分すると︑

制 定

1 1  

...... 

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...... 

p令

z l E  

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1 1  

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E J J H

ω

i

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ll

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問 ︑ ( 昨

)

角 田

ω

式と同じ結果をうる︒賃銀率は労働の限界生産力にひとしい︒ところで︑

ω

式に代入すれば︑

u

k (

)

となって︑実質産出量は︑

~

( 豆 M

o. 

また賃銀率︑労働量︑資本ストックの函数として示す乙とができる︒ウイクセルの投資期

t

一 2

で示されるが︑乙れはまた

ウイグセル効果について

(10)

AU

ロビンソンの分析における実質資本比率にひとしい︒即ちロビンソンの生産力函数は︑ウイクセルの生産函

ロビンソンは︑ウイクセル的生産期聞について︑つぎのととく述べている︒

数から誘導される︒しかし︑

ルが指摘するのは︑生産期間の長さは︑それ自身では︑資本の労働に対する比率を決定するものではない︒けだし︑

一定の生産方法に必要な資本の価値が実質賃銀率に依存するからである︒ということである︒これは︑生産期間の長

さは︑実質資本比率を示す過度に単純化された方法であるという反論以上に︑ボエlム・パヴエルクの理論に対する

はるかに根本的な批判である︒われわれがすでに見てきているように︑ウイクセルのこの点こそ︑資本の蓄積および

A

賃銀利潤の決定に関する全理論の鍵である︒﹂資本の価値が賃銀率に低存する点を明確にするものこそウイクセル効果

利子率についてみよう︒YKについて微分しよう︒

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乙れは

ω

式にひとしい︒資本の社会的限界生産力は利子率にひとしい︒しかし︑この場合︑︐wをコンスタントとして

いる︒社会的資本の変化は︑労働量を一定とすれば賃銀率を変化せしめる︒即ちwを変数と考へるというのが︑ウイ

(11)

グセル効果の出発点であった︒われわれの考察もこの点にはじまる︒しかし︑その前に︑ウイクセルの結論的な言葉

を引用しておこう︒﹁大なる量の資本と比較的小なる労働者の量は︑常により長い生産期間︑高い賃銀︑低い利子率

と結びつく︑換言すれば︑資本家が企業家である場合︑生産期間の延長化は︑賃銀の上昇︑利子率の低下に対抗する

家本家側の反動であると考えられる︒しかし︑この生産期間の延長の結果︑利子は再び或る程度まで上昇する乙とが

できる︒しかし以前の低賃銀水準の場合の水準に達するととはできない︒反対に労働者が企業家である場合︑資本需

要の増加によって︑利子率が上昇すると︑彼等は生産期間を短縮するであろう︒そして再び利子率の上昇によって減

少した彼等の所得(賃銀)を或る程度まで改善することができる︒しかし︑賃銀も利子も全く以前の位地にはもどり

えない︒﹂ミクロ水準では︑賃銀率の上昇は︑最適生産期聞を延長ならしめ

Wl 

ウイ

グセ

ル効

果に

つい

マクロ水準では︑賃銀の上昇は社会的資本存在量の制約を通じ

て生産期間の延長を阻害する︒以上の関係を︑われわれは︑ドルフマンの図 る

︒し

かし

によって解説明しよう︒

生産函数を

ω

式であたえると︑仮定により︑乙の生産力曲線は︑上方に凸 の形となる︒曲線Iは

ω

式よりみちびかれる︒KとAとを一定しとているか

ら︑生産期間は︑賃銀率の変化にたいして︑逆比例的である︒曲線Eは︑各

生産期間の値に対応する労働の限界生産力を示し︑次のようにして生産曲線

1 2  

より導出される︒たとえば︑生産期間を任意の点

h

でえらぷとしよう︒この

点より上向に垂直線をえがき︑生産力曲線との交点をE

点と

しよ

う︒

E点

乙れが︑縦軸と交わる点を町点で示そう︒生産力曲線の接線を求受

一 五

(12)

一 六

同(了

)

f

(f)

問より垂直線引に向って横軸に平行な直線をえがき︑これがれ線と交わる点をe点としよう︒乙のよう

にして求められたe点の軌跡が曲線Eをえがくものである︒そこで︑図において︑wの賃銀は曲線Iと曲線Eとの交

点より求めた賃銀水準一Wより高位にある︒引の賃銀水準では︑個別的な企業家にとっては

h

で示された生産期聞が

最適である乙とは明らかである︒したがって︑企業家の合理的な行動を仮定するかぎり︑生産期聞を

h

において選択

するであろう︒確に賃銀率の上昇は︑他の条件を不変とすれば︑最適生産期聞を延長せしめる︒しかし︑マクロ的経

済水準では︑社会的資本Kは一定という制約がある︒乙の制約の故に︑wの賃銀水準では︑生産期聞がらである場合

にのみ︑資本ストックの存在量は完全雇用をあたえる︒そ乙で労働需要の不足が生じ︑賃銀率は低落するであろう︒

w以下の賃銀水準では︑賃銀率を引上げる力が作用するであろう︒それ故に︑曲線Iと曲線Eとの交点で見合

うところの︑賃壁面と生産期間一

tとが︑均衡賃銀率︑均哩産期間である︒明らかに︑技術的にあたえられた生

KAの比が大であるほど均衡賃銀率水準は高い︒右のグラフ的説明はドルフマンがボエl

ルクの利子理論の解説に使用したものであるが︑ウイクセルにも妥当するであろう︒ところで︑ドルフマンは︑利子

P‑Ip

~I ベ

h

3 1

h

と生

より︑ぺが零に近づないかぎり︑即ち︑生産期間の延長が生産的であるかぎり︑利子率は零とはならないというボエ

1ム・パヴエルクの立言を証明している︒ウイクセル自身についていえば︑利子率が零となるかどうかは︑生産期間

(13)

がきわめて長期化された場合︑生産函数の勾配がどうなるかによゥてきまる乙とだとしてL

l

ム・バボエルクの

立言に反して利子率の動向について確定的な推論を下していない︒また︑われわれが右のグラフより読みとりうるこ

とは︑賃銀率は︑生産期聞が零の場合よりも︑零より大となるにしたがって︑より高くなるという乙とである︒

その意味では労働者は資本蓄積によって利益をうるものだという乙とができる︒

定常経済が維持されるためには︑また︑資本家的企業家の消費支出は︑その利子収入にひとしく︑労働者の収入は

その支出にひとしい︒そ乙で︑

J T d

+

+

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H

( +

)

とかきなおすととができる︒

1 1  

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つぎのととくかきあらためる乙とができる︒

1 1  

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Po.IPo. 

F令1'1:)

§ 

新しい資本が形成されるためには︑資本家的企業家の支出が︑その収入より小であらねばならぬ︒

(労働者は貯蓄

(14)

しないと仮定して)即ち︑実質貯蓄が︑資本財生産のために︑労働にたいする前払生存手段として投資されねばなら

ぬ︒そこで︑社会の実質資本の増分を侃としよう︒資がの増加は生産期間の延長を可能ならしめる︒出で示そう︒し

かし︑このことは既述のととく︑マクロ経済水準では︑もはや賃銀が一定であるという考へを許きない︒A

れば︑賃銀率は上昇するであろう︒その増分を伽で示そう︒労働の年平均生産物は︑tの増加函数であるから︑その

増分をめとお乙う︒

品℃リ山川島沖

社会の労働量はコンスタントであるから︑社会の総実質産出量の増分は︑

向日J﹀同凶岡山内四件

H [

( ( Z 5

2 )

賃銀率の増分は︑

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そこで︑資本の社会的限界生産力は︑右の式よ今︑

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(15)

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毛色丹十件晶君

( 国)

~

ω

式の分母は正である︒ところで既にみたととく︑仮りにwをコンスタントと

となって資本の社会的限界力と利子率は一致したD

より常に小である︒もっとも︑

ウイグセル効果について

M

ld(

)

当﹃同

~

wが変化するから︑資本の社会的限界生産力は側式であ

乙の差が常に残るというわけではない︒おそらく︑利子率は低下し︑資本の社会的限

(16)

界生産力に一致するであろう︒その意味で︑資本の限界生産力と利手率との不一致をとくウイクセル効果は︑過理的

現象であり︑過程分析の対象なのである︒乙の点われわれは既に指摘しておいた︒

3内田岡︼

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の不一致は明らかに︑賃銀率の上昇によるdの値の増加に帰国する︒

既述のととく︑個別的な企業家の立場よりすれば︑賃銀率の上昇は︑生産期間の延長を有利ならしめる︒しかし︑

生産期間の延長はより多くの資本を必要とする︒﹁或る種の財の生産に今日使用されている資本と労働は︑翌日部分

的には他の事業部門に移転しうるo﹂ミクロ分析では資本は一定とする必要性はない︒﹁しかし︑全経済内では︑利用

しうる労働︑総資本の量は近以的にはあたえられた大きさと看倣すことができる︒﹂そこで︑マクロ経済水準は生産期

聞の延長は資本存在量によって制約される︒労働量を一定とすれば︑賃銀率の上昇は︑投資さるべき実質貯蓄の増加

の一部分を吸収する乙とによって︑生産期間の迫害を阻害する︒﹁:::このことは︑国民資本の増加は︑

1

1他の要

素を一定として︑││部分的にそれを吸収すると乙ろの賃銀の増加をともなう︒その結果は︑現実的にとられた生産

期間の延長が︑賃銀が不変の場合の生産期間の延長にくらべて短いという事実と関連する︒﹂

労働要素をコンスタントとして︑社会資本の増加は︑資本の社会的限界生産力をして︑増加以前の利子率より小な

らしめる︒ウ

lルは︑その差の生ずる理由として︑次の説明をあたえるむ﹁資本の量がコンスタントである場合︑

三者は零である︒しかし︑実質貯蓄の投資によって︑資本が増加する場合︑生産期聞が出がだけ延長するために必要

な実質賃銀の余分の前払額は当去で示される︒三者は労働の限界生産力が︑資本のそれに比して上昇するために

(17)

生ずる生産期間あたり実質貯蓄の純吸収を示す︒もし︑資本の量が︑純実質負貯蓄によって減少するならば︑同じ不一

致が生ずるであろう︒即ち︑資本の社会的限界生産力率は尚利子率より小であるであろう︒乙の理由は乙うである︒即

ち︑かかる状態では吋はマイナスである︒そして︑

42

はむだけ生産期間の縮少の結果生ずる賃銀基金の減少に=

よる資本費消額をはかる︒しかし︑

E

当もまたマイナスである︒そして︑これは資本の量が減少する場合︑コンスタ

ントな労働量の限界価値生産力の低下に対応する実質賃銀の低落を測る︒そ乙で︑可変的な実質資本の社会的限界生

品切産力率は常に利子率より小でなければならぬ︒けだし︑資本の社会的限界物︑N含ま必ず︑比率として示すには

Z

I

(毛色丹+正当)で割られる︒他方︑利子率は︑資本の社会的限界生産物と労働の社会的限界生産物││競争的な実質

賃銀率で表されるーーとの比にすぎないからである︒

1 1  

円四回︼M I

o ‑ ‑

実質賃銀と生産期間の積は︑投資手段︑乙︑では資本の元本を示している︒資本の収益あるいは限界価値生産力が比

率として︑即ち利子率として表現されるのは︑資本の元本に関連してである︒﹂

投入された実質賃銀量で測るならば︑賃銀率の変化は︑資本価値の変化を生ぜしめるであろ

う︒ウイクセル効果を︑固定的資本設備についてではあるが︑資本の再生産費及至価格の測面から取り上げたのは︑ 実質資本の価値を︑

ロビンソンである︒後節で考察したい︒

(18)

ウイクセル効果は︑社会的資本の増加に対してのみ生ずる︒実質資本をコンスタントとした場合︑労働要素その他

の要素変化に対して同様の効果が何故に生じないか︒乙の疑問に対する解答の一般的根拠としてウlルはつぎの説明

をあたえる︒労働と土地用役は︑それ自体直接にたくわえることはできない︒それらは︑実質資本の形態に転化して

HWのみたくわえるととができる︒ウイクセルもいう︒﹁資本財の大部分は貯蔵された労働と土地の結合からなりたつ︒﹂

競争状態のもとでは︑今日の労働は︑今日提供されねばならない︒しかも︑毎日︑その限界価値生産力を反映すると

乙ろの価格でもって︑労働市場で提供されねばならぬ︒もし︑社会の蓄積された生存手段としての資本が一定で︑労

働の量が増加するならば︑実質賃銀は︑労働の限界価値生産力の低落に比例して低下するであろう︒そして︑利子率

は上昇して資本の分配分は増加するであろう︒そ乙には︑純実質貯蓄の吸収は全く存しない︒かかる貯蓄はなされて

おらないからである︒労働の社会的限界生産力が︑現在の低い実質賃銀率より小であるという意味における労働力あ

るいは実質賃銀が︑資本所得に吸収されるという現象はお乙らなかった︒労働の社会的限界生産力は実質賃銀にひと

しく︑各要素は︑その変化した限界価値生産力にひとしい報酬をうける︒乙の理由は勿論︑今日の労働は生産物の生産

においてロスもなく完全に遂行されるということである︒労働がその限界価値生産力に応じて支払われるならば︑そ

の社会的限界生産物が︑完全に支払はれ︑社会的価値力が賃銀率より小であるというような余分の労働︑未払労働もな

されておらないのである︒同様な事は土地についても妥当するといえる︒しかし︑生存手段としての財の蓄積という

形態での実質貯蓄についてはこのことは真実でない︒か︑る財はたくわえうるからである︒またその生産と消費にも

時間を必要とするからである︒もしその時間内に実質賃銀水準が上昇するならば︑明らかに︑か﹀る財の余分の量が

(19)

余分の労働消費に吸収される︒実質負貯蓄と負投資がおこるならば︑実質貯蓄の社会的限界生産力率が︑上昇する利

子率よりも小であることも同様に明らかである︒そこで︑負の投資によって生じた国民分配分の減少と︑他の生産要素

をコンスタントとして︑資本の量が減少した結果︑利子所得の増加として資本家に帰属するところのより大なる利子

品川同の相対的分け前によって部分的に吸収されるのは︑実質賃銀の側なのであるここ︑でもっと具体的な説明で補なう︒

労働の年平均生産物は既述のごとく︑

ll

角田岡︾

u d

+

2

(一可︑)

説明を簡単にするために︑生産期聞を二年とし︑出発点で︑労働の限界生産物を0

・∞

司︑

資本

の限

界生

産物

を︑

0

としよう︒そ乙で︑

M O H O

U

+ 0

・ 一一 司

~

.

実質賃銀率は︑労働の限界価値生産力(限界生産物)にひとしく支払はれるとすると︑

H0

・ ∞ 句

資本利子率││資本利潤率││は︑

当 日

司 [ ァ

1 1  

c

~ 出発点で社会の労働量之で示し︑次期で仏だけ増加すると考へて︑増加号︑昨日

08

とし︑労働の限界生産力

は一%だけ低下するとしよう︒社会の資本ストックはKで示され︑これは既述のととく︑

ウイグセル効果について

(20)

資本はコンスタントである︒hは二年であるから︑

kr

=d rM  

H

J

l H 0

・ ∞ 同

ME

そこで︑国民産出量は︑

J町会

HK FA go

M C

+

AV

O

資本の価値は︑投入労働量の価値にひとしい︒この分析では︑資本価値の算定には︑利子率が導入されておらない︒

労働量が増加した結果︑第一期では︑

+

H

O ω

﹀=

~

? H 7 1 防 防

4

c +

‑ P

Hプ宏M

d

H H D

∞ 同

M

×0Z

・ ∞ ∞

H

0・ ∞ ∞

一 司

~

資本利子は零期では︑

件同同日(司

E l d 2 ) H O

︻回同争v=

3 2  

であったが︑第一期では︑

(21)

f p p u ( 可

︒ !

? ) 伊 ﹁ H O ‑ ‑ B ∞ ア

f同﹀=+品﹀

~

そ乙で︑新しい労働の平均生産物は︑労働の限界生産物と資本の限界生産物の新しい水準の和にひとしいから︑

1 1  

..... 

j:l.lj:l. 

;t"1 1 1   C

C

ι

C

C

1 1

c

ιD ιo 

0"> 

C

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労働の平均生産物は第一期では減少している︒乙れは労働力の増加による︒国民産出量を求めると︑

J

l

J

3H

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明らかに︑増加している︒労働の社会的限界生産力は︑

....

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00M

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ωk rz

H 0

・ ∞ ∞

o u =

~

乙れは倒式で示された第一期の賃銀率と殆んど同じである︒そこで︑

マサツのない

完全競争社会では︑チユlネンの法則は︑資本以外の要素については︑ミクロ経済の分析水準にあっても︑済の分析にあっても︑ともに︑完全に適用しうることを証明する︒﹂ マクロ経

利子率については︑第一期では︑

│ト、コ

巧 │ 了 へ !~I j:l.

.:r  1":'"1'"0 

C

V

となって︑初期値より上昇している︒労働所得は︑

(22)

ノ、

k v

HHD‑2

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p‑

MZ

となり︑初期値の﹀

=0・∞?に比して一・九労だけ上昇している︒また利子所得も︑

Y

HO

‑‑

ou

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y ‑

2

となって九%だけ上昇している︒所得の分配率を考えると︑賃銀については︑

I

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. . . .

  I

1 1   C

00 c.o 

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ι

崎 邑

之丞

となり︑初期の九O%に比べて低落している︒また利子については︑

ァ F I

1 1   C

C cn 

~

初期値に比べて六・一%の上昇を示している︒以上を要約的にいうならば︑労働量増加の結果は︑それぞれの要素の

絶対的所得水準の上昇を実現せしめるが︑相対的分け前についていえば︑労働所得の分配率は低下し︑利子所得の分

配率は上昇している︒以上は勿論︑ウイクセル効果の働かない場合である︒ところで︑資本の相対量が増加した場合

の要素所得の分配について︑どのような結果が生ずるであろうか︒﹁国民資本の相対的増加の場合には︑賃銀は上昇

し︑利子水準は低下する︒乙の事情は一般的に︑資本家的生産が増大するにつれて︑生産結果にたいする労働者の取

得分が益々大となり︑資本の取得分が益や小となる事実によって説明される︒しかし︑このことは無条件的に真実であるわけではないこ賃銀率の上昇は必ずしも労働所得の分配率の上昇を意味しない︒賃銀率の上昇は︑より高い労働

生産性の上昇とむすびっく乙とがありうる︒いま︑生産期間の変化と︑分配率パターンの変化との関係をウイクセル

についてみよう︒分配率wPtについて微分しよう︒

(23)

賃銀率の変化は︑

~

e ‑

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i

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+ 21 il 11 1

F

MU

そ乙で右の式の分子の正負によって分配率変化の方向を知ることができる︒仮定により︑

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1

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ウイグセル効果について

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