病原性グラム陰性菌が産生するリポオ リゴ糖の オ リゴ糖鎖合成
3‑0‑シ リルヘプ トース中間体を用いた 分岐コアオ リゴ糖鎖の構築
鳥取大学大学院連合農学研究科
博士後期課程 生物資源科学専攻
石 井 ― 之
2005 年
要 旨
ナイセ リアやヘモフィラス属の 病原性細菌は、細胞外膜にオ リゴ 糖 とリピ ド Aか らなる糖月 旨質、
リポオ リゴ糖
(lipoOligosaccharide,LOS)を 産生する。 LOSは 腸内細 菌 の 産 生 す る リ ポ 多 糖
(liPoPolysaCCharide,LPS)と 異 な
り、O―抗 原 を欠 損 して お り、 そ の糖鎖 の長 さはオ リゴ糖 の領域 に
Gal(βl‐4)GIc(β
3,牛分岐Hep
Gal(βl望)Gに(αl‑ 1 2,3‐分岐Hep
GIcNAcαl
Gal:D― galactosc,GIc:D‐ BI」Cose,GIcNAc:いいacctyト D―giuCosamine,Hep:L‐gけcθ胞 ―D―脇 α力″0‐heptose
Figure l,MAb 2C7の 抗原決定基 に相 当するオ リゴ糖鎖構造
相 当す る。
近年 、
LOSの
コアオ リゴ糖 鎖 を利用 した細菌感染予防のた めの糖鎖 フクチ ン 開発研 究 が行 われ て きてい る。 この よ うな コアオ リゴ糖鎖 の うち、我 々が注 目 したのが、マ ウスモ ノクローナル抗体2C7(NIAb 2C7)の
認識 す る糖鎖 抗原 決 定 基(Figurc l)で あ る。 このMAb 2C7の
抗原 決 定基 は、J刀 ッルοで も発 現 してお り、感 染予 防 の た めの糖 鎖 ワクチ ン と して の可能性 を有 してい る。 本研 究 は、 この 糖 鎖抗原 決 定基 を合 成す る こ とを 目的 と した。
この糖 鎖抗原決定基 は、ラク トー スが コア
3糖
のHePI、HePIIに
それ ぞれ 、βl‑4、α
l‑3結
合 してお り、2,3‑分岐 、及 び 3,4‑分岐ヘ プ トー ス構造 が存在 す る、立体 的 に込 み合 った構 造 を とる。 これ まで に、ヘ プ トー ス 2,3‑ジオール誘 導 体 か ら 有機 スズ 中間体 を経 て、2位
、又 は、3位
に遊 離 の水酸基 を持 つヘ プ トー スが 合 成 され て い る。 しか しなが ら、 この従 来 の選 択 的 アル キル化 では、上記 の よ うな、2,373,4‑三分 岐 ヘ プ トー ス構 造 を構 築す る 中間体 と して使 用 で きない。この よ うな糖 鎖構 造 の構 築 に は、2,3‑/3,4‑三分 岐 ヘ プ トー ス合 成 を可能 にす る 新 しいヘ プ トー ス 中間体 を開発 す る必要 が あ る。
新 しいヘ プ トー ス 中間体 の 開発 に際 して 、簡 便 で反応 牧 率 が高 く、 また 、生 成 物 の汎用性 を考慮 した。 この よ うな こ とか ら、新 しい 中間体 と して
Hepの
3‑0‑シ リル誘 導体 を選 択 した。我 々は、
2位
に置換 基 を有す るHepの
3,牛ジオー ル を用いて、4位
に遊 離 の水酸 基 を有す る 3‑0‑シ リル誘 導 体 を高収 率 で合成 し た。また、この 3‑0‑シ リル誘 導体 か ら、牛OHを
アセ チル化後 、TFA―水 (9:1)処 理 す る こ とに よ り、脱 3‑0‑シ リル化 を高収 率 で達成 した。位 置選択的 3‑0‑シ リ ル化反応 に よ り、2,3‑及び3,牛両分岐構造 を有す る糖鎖 の構 築 に必要 とな る3‑0‑ヘ プ トー ス 中間体 の開発 を達成 した。
位 置選択 的 3‑0‑シ リル化反 応 は、GlcN3(αl 2)Hepの
2糖
誘 導 体 に応 用 し、初 めて2,3‑分岐Hepを
合成 した (Scheme l)。 合成 したGlcN3(αl 2)Hepの 3,牛ジオ ール誘 導 体24を
トリエ チル シ リルcTES)化
/アセ チル化/脱シ リル化 反応 の 3行程 の反応 を行 い 、総合ll■率
88%で 3‑OH受
容 体26を
得 た。続 いて 、3‑OH受
容 体
26と
ラク トー ス [Gal(βl‑4)Glc]供 与体27を
α―立体選 択 的 に縮合 し2,3‑分 岐4糖
誘 導体4を
得 た。最 後 に、化合物4の
ア ジ ド基 をアセ トア ミ ドヘ変換 し、2C7抗 原決定基の部分糖鎖構造、
2,3‑分岐 Hep 28aの 合成を達成 した。
洪 C13
cc:,2:1任
三
NttAcScheme l.a)1.TESCl,pyndine,0° C→r.t.;2.Ac20,pyndine;3.TFA/water(9:1,V/V),88%;b)27, TMSOTt Et20,r.t,77%(β―anOmer 8%光 c)Lindiar cat.H2then McOH― Ac20(7:3,v/v),89%.
2C7抗
原 決 定基 で あ る7糖
の構 築 は、3糖
、Lacβl‑4Hepを
受容 体 とす るア プ ロー チ を選 択 した。 まず 、Hep単
糖 を供 与体 と して 、3,牛分 岐構 造 の合成 を行 つた。2位
の置換基 が異 な る4種
類 の受容 体 、2‑0‑Bn 38,2‑0‑Bz 45,2‑0‑TES 41,2‑OH 40を
用 いて 、Hep単
糖 との グ リコシル化反応 をそれ ぞれ行 つた。 そ の結 果 、 3,4‑分 岐4糖
の2‑0‑Bn 47(3879),2‑0‑Bz 48(32%)2‑0‑TES誘
導体 49(2279) を与 え、 この アプ ロー チ で 3,4‑分岐構 造 の合成 が可能 で あ るこ とを確認 した。この結 果 か ら受容体 として
2‑0‑Bn誘
導 体 38、2‑0‑Bz誘
導 体45を
選抜 した。72.R=OC岬 )CC13(α)
73.R=SEt(働
4S.R=Bz Scheme 2.7糖合 成
74.R=Bn
75。 R=Bz
続 い て Lac(α
l‑3)Hepの 3糖
供 与体(2‑0‑Acイ
ミデー ト)と
上記 で選択 した2‑0‑Bn 38又
は2‑0‑Bz 45受容 体 との グ リコシル化反応 を行 つた。その結果 、3,4‑分 岐構 造 を有す る
6糖 63,65を
それ ぞれ収 率26%で
得 る こ とが で きた。 この6糖
の 合 成 を 達 成 した 後 、7糖
構 築 の た め に 、2,3分
岐4糖
、Lac(αト 3)[GlcNAc(α l‑2)]Hepの αイ ミデー ト誘 導体72と 2‑0‑Bn受
容 体 38、 及 び 、4糖
β― チオ グ リコシ ド誘導体 73と 2‑0‑Bz受 容体 45の グ リコシル化反応 をそれぞれ
行つた
(Scheme 2)。その結果、
2,3‑分岐 4糖 を供与体 として用いた場合、 3糖 供
与体に くらべ
ll■率の低下を招いたが、 目的 とする 7糖 74及 び 75の 合成 を達成
した。
本研究では、 Hepの
3‑0‑シリル誘導体を、 LOS及 び LPSに 発現す る Hep分
岐構造の構築に必要な新 しい中間体 として開発 した。 この
3‑0‑シリル誘導体か
ら、
2)3‑および
3,牛分岐、そ して、両分岐構造を有す る標的 7糖 の合成を達成 し
た。
略 語 一 覧
Ac ァセチル ´ AcOH 酢酸
Ac20 無水酢酸
AgOTf トリフルオロメタンスルホン酸銀
All ア リル
BDA ブタンジアセタール
BF3°
OEt2 三 フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯林
Bn ベ ンジル
BZ ベ ンゾイル Cq 四級炭素
DEW distOr onless enhancement by polarlizatiOn transefer
DMF ttμ
ジメチル ホル ム ア ミ ドDQF―
COSY dOuble quantum ilte卜
correlation spectЮ scOPy ESIMS electrosPray iOnization lnass spectromctryEttO ジェチルエーテル Gal D― ガラク トース Glc D― グルコース
GlcN3 2‑ア ジ ドー
2‑デオキシー
D―グルコース
GlcNAc 洋アセチルー
D―グルコサミン
Hep L― グリセロー
D―マンノヘプ トース
HMBC ll■ ̲detected multiple―quantuni coherenceHMQC lH―
detected heteronuclear multiplebond cOnnectivity HR―ESIMS high resolution―
electЮspray ionization mass spectЮmetry HR―FABMS high resolution―fast atonl bombardment rn4ss spectrometryIR
赤 外 線iSOP イソプロピリデン
KD0 3‑デ オキシー
D―マンノー オクツロソン酸
Lac ラク トース
Lev レブリノイル
LOS リポオリゴ糖
LPS リポ多糖
Man D― マンノース
Me メチル
MeOH
メタ ノールMeOTf
トリフル オ ロメタ ンスル ホ ン酸 メチルmoP。
融点
MS
モ レキ ュ ラー シー ブスNeuAc
洋 アセ チル ノイ ラミン酸 (シアル酸)NMR
核磁 気共 鳴NIIAc
アセ トア ミ ドNIS
μ ョー ドコハ ク酸イ ミ ドOS
オ リゴ糖`
PMB
′―メ トキ シベ ンジル丘
t.
室温SDBS spectral data base system
SE
トリメヲつレシ リルエチルSEt
ェチル チ本TBAB
臭化 テ トラーη―ブチル ア ンモニ ウムTBAF
フ ッ化 テ トラーη―ブチル ア ンモ ニ ウムTBAI
ヨウ化 テ トラーかブチル ア ンモニ ウムTFA
トリフル オ ロ酢酸THF
テ トラ ヒ ドロフランTMSOTf
トリフル オ ロメタ ンスル ホ ン酸 トリメチル シ リルTLC
薄相 ク ロマ トグ ラフィーTBDPS
トブチル ジ フェエル シ リルTBDPSCl
塩化 トブチ,レジフェニル シ リルTBDMS
トブチル ジメチル シ リルTBDMSCl
塩化 トブチル ジメチル シ リルTES
トリIチ
ル シIJルTESCl
塩化 トリエチ ル シ リルFigure 一 覧
序論
Figure l. りん菌の産生する LOSの 糖鎖生合成経路
Figure 2。
MAb 2C7の 抗原決定基 に相当す るオ リゴ糖鎖構造
Figure 3。
これまでに合成されたコア糖鎖
第 一章
Figure 4. 3‑0‑シ リルヘプ トース誘導体
第二 章
Figure 5。
化合物 24と 化合物 26の lH NMRス ペク トラ
Figure 6. 化合物 28aの IIMQC(A,B)及 び IIMBC(C,D)ス ペク トラ
第二章
Figure 7. 3,4‑分 岐構造 を有する標的 7糖 の構築
Figure 8. 4種 類の
Lac(βl‑4)Hep 3糖受容体
Figure 9.
化 合 物37の lH及
びBC NMRシ
グ ナ ル の ブ ロー ド化Figure 10.
化 合 物37と
、 化 合 物38及
び39の lH NMRス
ペ ク トラ の 比 較Figure ll。
2,3/3,4‑三
分 岐7糖 74の
ESIMS(pOSitive)ス ペ ク トラFigure 12. 2,3/3,4‑三
分 岐7糖 75(en町 3)の
ESIMS(pOSitive)ス ペ ク トラScheme一 覧
第一章
Scheme l. 当研究室でこれまでに合成した分岐ヘプ トース
Scheme 2. 3位 水酸基の選択的シリル化
Scheme 3.
脱3‑0‑TES化
及 び脱 3‑0‑■)DMS化
Scheme 4.
実験 操作 の簡 略化:3,牛ジオール8か
ら3‑OH誘
導体13へ
の変換Scheme 5. 3‑0‑シ
リル誘 導体 の分 岐ヘ プ トー ス構築へ の利用Scheme 6.
有 機すず 中間体 及 び相 関移 動触 媒 を使用す る方 法Scheme 7.
オル トエ ステル法第 二 章
Scheme 8. 2,3‑分
岐ヘ プ トー スの合成経路Scheme 9.
受容体16及
び17の
調製Scheme 10,
供 与体18の
調 製Scheme ll. GlcN3(α l 2)Hepの
合成Scheme 12.
グ リコシル化 反応 にお ける供与体 の3位
置換基 の影 響 Scheme 13。2糖
3,牛ジオール24か
ら3‑OH受
容体26へ
の変 換Scheme 14,
実験操作 の簡 略化:3,牛ジオール24の 3‑OH誘
導体26へ
の変換 Scheme 15。3‑OH受
容体26へ
の a―選択 的 ラク トシル化Scheme 16.
ラク トー ス供 与体27由
来 の生成物Scheme 17. 3,4‑ジ
オール受容体24へ
の ラク トシル化Scheme 18。
2,3‑分
岐4糖
のGlcN3残
基 のGlcNAc残
基 へ の変換 第 二 章Scheme 19, 3,4‑分
岐ヘ プ トー スの合成Scheme 20. 3‑0‑シ
リル誘 導体(4‑OH受
容体)へ
の ラク トシル化Scheme 21。
3糖 37か
ら 2‑0‑Bn 38、 2,3‑ジオール40及
び2‑0‑TES受
容体 41の調製
Scheme 22。
2,3‑ジ
オール40の TES化
Scheme 23. 3糖 37か
ら 2‑0ぃBz受
容体45の
調製Scheme 24.
単糖 イ ミデー ト供与体46と 4種
類 の3糖
受容体 の縮 合反応Scheme 25。
チ オ グ リコ シ ド
51と 2‑0‑Bn 38及
び2‑0‑Bz受
容 体45の
縮合 反応Scheme 26. Lac(α
l‑3)Hep 2‑0‑Ac誘 導体5の
供与体 へ の変換Scheme 27. Lac(α
l‑3)Hep 2‑0‑圧〕 DPS誘 導体 56の 供与体への変換 Scherne 28. ヘミアセタール 59の イミデー ト誘導体 60へ の変換
Scheme 29. Lac(α l‑3)Hep 2‑0‑Ac供 与体 55と 3糖 受容体の縮合反応
Scheme 30。
Lac(α l‑3)Hep 2‑0‑Ac供 与体 55由 来の副生成物
Scheme 31. Lac(α
l‑3)Hep 2‑0‑狂'DPS供 与体 62と 3糖 受容体の縮合反応
Scheme 32. 2,3‑分 岐 4糖 誘導体 34の 供与体への変換
Scleme 33。
2,3‑分 岐 4糖 イ ミデー ト 72と 3糖 受容体 38の 縮合反応
Scheme 34. 2,3‑分 岐 4糖 チオグリコシ ド 73bと 3糖 受容体 75の 縮合反応
Table一 覧
第 一 章
Table l。 3,牛ジオ ー ル
8の
シ リル 化 条 件 と結 果Table 2.脱
3‑0‑TES及
び脱 3‑0‑狂〕DMS化
の反 応 条 件 と結 果 Table 3.IH NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25°C for compounds 7‑14 Table 4.13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 7‑13第 二 章
'
Table 5.GlcN3供
与 体18と
、 ヘ プ トー ス 受 容 体16お
よび17の
縮 合 条 件 と結 果Table 6。
lH NMR(500ヽ
IHz)Dtta in CDC13 at 25° C for compounds 16‑19b,21a and 21b Table 7. 13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 16‑19b,21a and 21b Table 8.lH NヽIR(5CICI MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 24‑26
Table 9.13c NMR(125ヽ
IHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 24‑26Table 10,ラ ク トー ス 供 与体
27と
、3‑OH受
容 体26及
び 3,牛ジオ ー ル24の
縮 合 反応 Table ll.化 合 物32及
び33の NMRに
よ る 同定Table 12.lH NMR(5C10 MHz)Data in CDC13 at 25°C for compounds 28a,28b and 32‐ 34 Table 13 13c N 【R(125 MHz)Data in CDC13 at 25°C for compounds 28a,28b and 32‐ 34 Table 14.ア ジ ド基 の アセ トア ミ ド基 へ の変 換
第 二 章
Tablc 15.ラ ク トー ス供 与 体 と3‑0‑シリル 誘 導体 の縮 合 条 件 と結 果 Table 16.lH NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 37‑39 Table 17.13c NMR(125ヽIHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 37‑39 Table 18.!H NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 40‑45 Table 19.13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 40‑45
Table 20.単 糖 イ ミデ ー ト供 与体
46と 4種
類 の3糖
受 容 体 の縮 合 反応 と結 果 Table 21,IH NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 47a‑50Table 22。 13c N
IR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 47a‑50
Table 23.チ オ グ リコ シ ド
66と 2‑0‑Bn 53及
び2‑0‑Bz受
容 体60の
縮 合 反 応 Table 24.lH NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 52‑55Table 25。 13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 52‑55 Table 26.チ オ グ リコ シ ド
62へ
の 変 換Table 27.IH NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 58a‑62b Tablc 28.13c NMR(125 MHz)Data in CDCi3 at 25° C for compounds 58a‑62b
Table 29。
3糖 2‑0‑Ac供
与 体38と 2‑0‑Bn 53及
び2‑0‑Bz受
容 体60の
縮 合 反 応 Table 30.lH NMR(500 MHz)Data in CDCi3 at 25° C for compounds 64 and 65Table 31。 13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25°
C for cOmpounds 64 and 65 Table 32.3糖 2‑0‑旺〕
DPS供
与体45と 2‑0‑Bz受
容 体60の
縮 合 反 応 Table 33.lH NMR(500 MHz)Data in CDC13 at 25° C for cOmpounds 69‑70b Table 34.13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C fOrcOmpounds 69‑70b Table 35.lH NMR(50CI MHz)Data in CDC13 at 25°C for cOmpounds 71‑73b Table 36.13c NMR(125 MHz)Data in CDC13 at 25° C for compounds 71‑73b Table 38.2,3‑分 岐4糖
供 与 体73bと 2‑0‑Bz受
容 体45の
縮 合 反応目次 序論
第一章 3‐
0山シ リルヘ プ トース誘導体 の合成 第二 章 2,3‐ 分 岐 4糖 の合成
2‐
l GlcN3(α
l 2)Hepの合成
:GlcN3のα― 選択的導入
2‐
2 GlcN3(α
l 2)Hepの3‑OH受
容体 へ の変換 :3,4‑ジ オールか ら3‑OH
の再 生
2‐
3 2,3‑分
岐4糖
の合成:2糖 3‑OH受
容体 へ の α―選 択 的 ラク トシル化2‐
4 2,3‑分
岐4糖
のGicN3残
基 のGlcNAc残
基 へ の変 換第 二 章
2,3‐
/3,4‐三 分 岐7構
の 合 成3‐
1 受容林の合成
:Lac(βl‑4)Hepの合成
3‑1‑1
受容体前駆体、 3糖
Lac(βl‑4)Hepの合成
3‑1‑24種 類の 2位 置換基の異なる受容体の調製
3‐
2 3,牛 分岐 4糖 の合成
3‑2‑1
単糖イミデー ト供与体 46の 使用 3‑2‑2チ ォグリコシ ド供与体 51の 使用
3‐
3 Lac(β
l‑3)Hep 3糖供与体 と 3糖 受容体の縮合
:3,4‑分岐 6糖 の合成
3‑3‑l Lac(αl‑3)Hepの
2‑0‑Ac誘 導体の供与体への変換
3‑3‑2 Lac(αl‑3)Hepの 2‑0‑町
〕 DPS誘 導体の供与体への変換
3‑3‑3 Lac(α
ユ ー 3)Hepの 2‑0‑Ac供 与体 と 3糖 受容体の縮合
3‑34 Lac(α l‑3)HcPの 2‑0‑町
】 DPSエ チルチオ供与体 と 3糖 受容体の
縮合
3‐
4 2,3‑分 岐 4糖 と 3糖 受容体の縮合
:3‑4‑1 2,3‑分
岐 4糖 の供与体への変換 3‑4‑2ィ ミデー ト供与体 72の 使用 3‑4‑3 チォグリコシ ド 73bの 使用 結論
実 験 の部 参 考 文献
謝辞・ 論文 目録
1
5 15 16
24 28 35 38 40 40 45 50 50 54 55 55 58 64
67
15253株
の オ リゴ糖7糖
の 合 成69
69 74 76 79 80 153
序 論
ナイセ リアやヘモフィラス属の病原性細菌は、細胞外膜 にオ リゴ糖 とリピ ド Aか
らなる糖脂質、 リポオ リゴ糖
(lipoOligosaccharide,LOS)を産生する。この糖脂質は、
宿主 において免疫原性を有することか ら、 1980年 代か ら、ナイセ リア属の病原性細 菌である髄膜炎菌 とリン菌に対する感染予防のためのワクチ ンの標的 として注 目さ れ、 このような背景が、 LOSの 研究 を押 し進める端緒 となった。その後、ナイセ リ ア属だけでな くヘモフィラス属等の産生する LOSの 構造 と免疫化学研究によ り、 LOS
の構造解析 と抗原性 と関連が解明され、また、感染における役割を探る免疫生物学 的研究が押 し進め られた。その結果、 LOSが 病原性細菌の宿主
(細胞 )へ の接着
/侵入
/および感染、な らびに、病原性の発現に重要な役割をはた していることが明 らか
にされてきている。〔 卜
qこれまでの免疫化学
/構造研究で最初に明らかにされた ことは、 LOSは 腸内細菌の 産生す るリポ多糖
(lipoPolySaCChde,LPS)と 異な り、
O―抗原 を欠損 していること である。 LOSの 分子量は 3‑6 Kdaの 範囲にあ り、その糖鎖の長さはオ リゴ糖の領域 に相 当する。オ リゴ糖鎖構造内には、構造変異の少ない保存された領域があり、そ れ らはコア糖鎖 と呼ばれる。コア糖鎖の中での、最 も普遍的な糖が
L―グリセロー
D―マ ンノヘプ トース
(ヘプ トース:Hep)で 、 この糖鎖は、 2糖 、あるいは 3糖 として存在
す る 。 ナ イ セ リア属 の場 合 、GlcNAc(αl‑2)Hep(α
l‑3)Hepか
らな る コ ア3糖
、 口引 ま た 、 ヘ モ フ ィ ラス属 で は 、 ナイ セ リア属 のGlcNAcが Hepに
置 き換 わ った Hep(αl―2)Hep(α
l‑3)Hepか
らな るヘ プ トー ス3糖
を有 す る。 〔・ 刻 これ らの細 菌 は、 コ ア糖 鎖Ю 中 の そ れ ぞ れ の ヘ プ トー ス に短 いオ リゴ糖 鎖 を生合 成 す る。Pk抗原 9]と
を
!デr̲̲GЛβ
l ――→レ4Glc(β卜4)HepI3
↑
HepⅢαl
2
↑ GlcNAcαl GlcNAcβl→3Galβl
ラク トーN―ネオテ トラオース Galβl→3GlcNAc$1‑3)G』 βl
ア シ ア ロG3 GalNAcβl■財G』(β卜3)GlcNAc(β 卜3)Galβl
ラ ク トサ ミ ンニ 量 体 GЛβl→4GLNAcβl‐4Cattl‑3)GにNAc(β l‑3)G』 βl
―一‐3Gal(β14)Glc(β14)HepI
I 十
一3↑
Gal(β l‑4)GIc(α卜3)HepIIαl
2
↑ GlcNAcαl Figure l.り ん菌 の産 生す る
LOSの
糖 鎖 生合 成経路例 え ば、 ナイセ リア属 りん菌 は、山崎 らの研 究 によ り、
2種
類 の糖鎖 生合 成経 路が存 在 す る ことが 明 らか にされ て い る (Figure l)。 〔B削 そ の生合 成 の型 には還元 末端側 の ヘ プ トー ス(HepI)か
らのみ糖鎖 仲長 す る一 本鎖 型 、お よび、二 つ のヘ プ トー ス (HepI,HepII)両
方 か ら糖 鎖 伸長 す る二 本鎖 型 が存 在 す る。 りん菌 が糖鎖 仲 長 によ り発 現 する糖 鎖 抗 原 は、
PK抗
原 、〔151ノヽラグ ロボ シ ド (ラ ク トー洋 テ トラオー ス)、〔141G3 ガ ン グ リオ シ ド/x2 ス フ イ ンゴ糖 脂 質 、1略1ラ ク トサ ミ ン
2量
体[蠅Iであ る。 これ らは いず れ も ヒ ト組 織 の糖 脂 質 、糖 タ ンパ ク に発現 して い る構造 で あ る。「172釦この よ うな宿 主 の抗 原 性 の模 倣 はナイセ リア属 だ けで な く、ヘ モ フ ィ ラス属 等 の粘 膜 を介 して侵 入 す る細 菌 に もみ られ 、p卜2引 侵入 した細菌 が宿 主 の免疫 監視 機 構 か ら逃 れ 、 生存 す るた め の戦 略 の一 つで ある と考 え られて い る。
これ まで に明 らか にされ た糖鎖 構 造 の内 、我 々が注 目 した のが 、 マ ウス モ ノク ロ ー ナル抗体
2C7(MAb 2C7)の
認識す る糖鎖構造 で ある。MAb 2C7は
、患者 か らの単 離 され た リン菌 株 の 9479を認 識 し、 また、 ヒ ト糖 鎖抗原 と交叉 反応 を示 さな い殺 菌 性 抗体 で あ る。MAb 2C7は
りん菌 に特有 に発現す る糖鎖構 造 を認識 し、そ れ故 に、MAb 2C7の
抗 原 決定基 は、 ヒ トに安 全な糖 鎖 ワクチ ンの標 的 として非常 に有望 で あ る。「271GIcNAcβl
Galβl→4GIcNAcβl ラ ク トーN‐ネ オ テ トラ オ ー ス GalNAcβl→3Gal(βl‐3)GIcNAcβl
Gal(β l‑4)Glc(βl
̲̲̲… 3,4‑分 岐 Hcp
2,3‑分岐
Hep
GlcNAcαl
Figure 2.NIAb 2C7の抗 原 決定基 に相 当す るオ リゴ糖鎖構造
山崎 らの研 究 によ り、そ の抗 原決定基 が りん菌
15253株
の産 生す るLOSの
オ リゴ 糖鎖 部分 で あ る こと、そ して、そ の糖鎖 の構造 は GlcNAc(αl‑2)HePII(αユー3)HcpIか
ら な る コア3糖
のHepIと HePIIの
両方 か らラク トー スが伸長 して いる ことが明 らか にな った (Figure 2)。 〔μ'2制 す なわ ち、非還元 末端 の
HePIIは
2,3‑分岐構造 を有 し、還元末端 の
HepIは
3,牛分 岐構造 を有 して いる。本研 究 で は この よ うな糖鎖構 造 、2,3‑分 岐お よび3,牛分 岐ヘ プ トース の構造 の合成 を 目指 した。囲 的 7 → 即
H
的 3
→ p α l
H
Hep Hep Hep
6 3 3
↑ ↑ ↑
Hepαl Hcpα l Hepαl 7 2
↑ ↑
Hepαl Gal(β卜2)Hepαl
Hcp
3
↑ Hepαl
2
↑ GlcNAcαl
囲 始 凹
Hep
3 Gal(α卜3)Glc(α
6
↑ ↑
Calαl Hepαl
3,4‑分岐p朗
NeuAc(α2‑8)NeuAc砲
Figure 3。 これ まで に合成 され た コア糖鎖
これ まで に、 コア糖鎖領 域 の合成研 究 は欧州 の研 究者 によ って行 われて きて いる
(Figure 3)。 最 も基本 的な構造 で あるHeP(α
l‑3)Hepの 2糖
は1987年
にZamttSkiら に 合 成 され て い る。1291しか しなが ら、合 成 された糖鎖構造 の ほ とん どが直鎖 型 で ある。い0‑3刺
1994年
に腸 内細 菌 の産 生す る3,7‑分岐ヘ プ トー スの合成 が行 われ 、旧51その後 、 ヘモ フィ ラス属 の3,4‑分岐ヘ プ トー ス の合成が1998年
にOscarson、 1361そ して 、2003 年 に木 曾 らによ リカ ン ピロバ クター属 の 3,牛分岐 ヘ プ トー ス の合成1371が報告 されて3,4‑分岐p7]
Glc( Gal(βl望
Glc(β卜3)Hepαl
3
↑
いる。当研究室でも、ヘプ トース大量合成に有用な中間体を開発し、p812004年 にナ イセ リア属の
3,4‑分岐ヘ プ トースの合成 を達成 している。
1391しか しなが ら、
2,3‑分岐構造および
2,3‑分岐と
3,牛分岐構造を両方 もつ立体的に込み合ったオ リゴ糖鎖は、
未だ合成されていない。同時 に、
2,3‑および
3,牛分岐の両構造の合成を可能にする有 用なヘプ トース誘導体 も開発 されていない。
本研究では、
2,3‑分岐および
3,4‑分岐ヘプ トースの構築を可能にする新 しいヘプ ト
ース中間林を開発すると同時に、両分岐構造を有するりん菌 15253株 LOSの 糖鎖合
成をめざした。
第一章
3‐0‐シ リルヘ プ トース誘導体 の合成
これまで、当研究室ではヘプ トース誘導体 6の 合成前駆物質であるオク トースか ら合成された
4,6‑0‑ベンジリデ ンアセタール誘導体
3[η〕か ら、
3,4‑分岐ヘプ トース 誘導体 4の 合成を達成 している
(Scheme l)。しか しなが ら、化合物 3は 、
2,3‑分岐ヘプ トースの合成の出発物質 としては適さない。それ故、
3,牛分岐ヘプ トースに加
え
2,3‑分岐ヘプ トースの構築を可能にするためには、ヘプ トースの 2位 、 3位 、ある
いは、 4位 のそれぞれに遊離の水酸基を任意に生 じさせることのできる新 しいヘプ ト ース誘導体の合成が必要となった。 ・
4,6ぃ 0‐ベンジ リデン 誘導体
Gal(β l‑4)GIc(α卜3)Hep
=Lac(α卜3)Hep
ヘプ トース誘導体
Scheme l。 当研 究 室 で これ まで に合成 した分 岐ヘ プ トース
/
\
マ ンノース誘導体
3,4‐分 岐ヘプ トー ス
MeO
ヘ プ トー スの、
2位
、3位
、 あ るいは、4位
に糖 を任意 に導 入で きる受容体 を合成 す るた め、そ の 中間体 と して 3‑0‑シ リル誘 導体 (Figure 4)を 以下 の理 由か ら選択 し た。(1)マ ンノー スの シ リル化 にお け る三級 水酸 基 の反応J性は、
3‑OH>2‑OH>剪
―OHの
順 で ある。1414引 マ ンノヘ プ トー ス は、 マ ン ノー ス と同 じ立体配座 を有 す る ことか ら3位
水酸 基 の位 置選択 的 シ リル化 が期 待 で きる こと。(ii)シ リル基 はアセ チル基 、ベ ンゾイル基 等 のエステル 系保護 基お よびベ ンジル基 、 ア リル 基 等 の エー テ ル 系保 護 基 共 存 下 にお いて 、官 能 基 選 択 的 に脱保 護 で き る こと。
(iil)シ リル 基 は置 換 基 の種 類 が豊 富 で あ り、化 学 的安 定 性 に優 れ た もの、或 いは容 易 に除去 され る もの、 を反応 の 目的 に応 じて選択す る ことがで きる こと。
本 章 で は 、上記 の (i)に 注 目し、3‑0‑シ リル誘導体 の合成 、すなわ ち、3‑0‑シ リル 誘導体 はヘ プ トー ス の 3,牛ジオール誘 導体 の
3位
水酸基 の位 置選 択 的 シ リル化 により得 られ る と考 え た 。 導 入 す る シ リル 基 と して トリエ チ ル シ リル
(TES)基
及 び ′―ブチ ル ジメチ ル シ リル (「BDMS)
基 を選 択 した 。
Figure 4.3‑0‑シ リル誘導体
3,牛ジオー ル誘 導体
8の
合成:化
合 物6の
ピ リジ ン溶液 に、無水酢酸 と触 媒量 の 牛 ジ メチル ア ミ ノ ピ リジ ンを加 え、室温 で12時
間反応 させ 、化 合物7を 100%の
収率 で得 た 。続 いて化 合 物7の
3,4‑0‑ブタ ンダイ アセ タール(BDA)を
室 温 にて トリフル オ ロ酢酸/水 (9:1,V/V)で
20分
問処 理す る ことで酸加水分解 し、3,4‑ジオール8を
収 率
91%で
得 た。3,4‑ジオ ール
8に
塩 化 トリエチル シ リル(TESCl)あ
るい は塩化 トブチル ジメチル シ リル(TBDMSCl)を
反応 させ た (Scheme 2)。 Table lに 反応 条件 と結果 を示 した。(,:日 E!c
Scheme 2.3位
水酸 基 の選択 的 シ リル化9:R=TES
10:R=TBDMS
Table l.3,牛 ジオー ル
8の
シ リル化 条 件 と結果シ リル化剤
溶媒
/塩基
温度/時間 収 率TESCI(2.O equiv.) TBDM[SCI(2.O equiv.)
ピリジン
DMF/イ ミダゾール
(2.5 equiv。)0°
C/30 min 89%
it./22h 90%
3,牛ジオ ー ル
8の TES化
を氷 冷 下 にて 3,牛ジオ ー ル の ピ リジ ン溶 液 に塩 化 トリエ チ ル シ リル(TESCl,2当
量)を 30分
間 反応 させ る こ とで行 った 。 カ ラム精 製 後 、3‑0‑TES 9を
収 率89%で
得 た 。3‑0‑TES誘
導 体9で
あ る ことは 、lH NMR分
析 によ りTES基
由来 の Si(Cr2CH3)3の シ グ ナ ル (δ=0.66,m,6H)、 Si(CH2Cr3)3の シ グナル (δ= 0,97,t,9H)の
出現 、 及 び 、牛O打 シ グナ ル (δ=2,72 PPm)の
シ グナ ル の 出現 、 さ ら に、3J4‑OH,H4に よ る シ グナル 分 裂 をH‑4と 4‑OHそ
れ ぞ れ に観 測 した こ とによ り決 定 した 。同様 に
8の TBDMS化
は 3,4‑ジ オ ー ル8と
イ ミダ ゾー ル (2.5当量)の
ジ メチ ル ホル ム ア ミ ド
(DNIF)溶
液 に室 温 にて 塩 化 トブチ ル ジ メ チ ル シ リル (2.0当量)を
固体の ま ま一 気 に加 え 、
4.5時
間反 応 させ て行 った。 カ ラム 精 製 後 、3‑0‑■〕DMS化
合 物 を収 率 で90%で
得 た 。3‑0‑■,DMS誘
導 体9は
、lH NMR分
析 によ りTBDMS基
由来 の[Si(CH3)2C(Cr3)3]の シ グ ナ ル (δ =0。92,s,9H)、 [Si(Crf3)2C(CH3)3]の シグナ ル
(δ =0。12 and O.11,s,3 H each)の
出現、及び、牛 Orシ グナル
(δ=2,71 ppm)の シグ
ナル の出現 、 さ らに、DQF―
COSYに
お いてH‑4と 4‑OHの
相 関 ピー ク を観測 した こ とによ り決定 した。以 上 、マ ンノー ス と同様 にヘ プ トー ス 3,4‑ジオール
8の 3位
水酸基 の反応 性 は高 く、位 置選 択 的 シ リル化 を90%の
収率 で達成 した。 また、 この反応 で は 牛0‑シリル 化物 は生成 しなか った。3位
水酸 基 の選択 的 シ リル化 よ り3,牛ジオール か ら3,牛分 岐 ヘ プ トー ス合成 に利用 できる 牛OH受
容体 を高収率で得 る ことが で きた。脱 3‑0‑シ リル化
:3位
遊離 水酸基 の再 生3‑0‑TES誘
導体9と
3‑0‑旺 〕DMS誘
導体10の
それぞれ の4位
水酸基 の アセチル 化 を行 い、牛0‑Ac/3‑0‑TES誘
導体11(93%)お
よび 4‑0‑Ac/3‑0‑旺 〕DMS誘
導体 12(97%)を
得 た 。得 られ た4‑0‑Ac/3‑0‑TES誘
導体11と
4‑0‑Ac/3‑0‑狂 〕DMS誘
導体12は
どち らもlH NMR分
析 によ り、H‑4シ
グナル の低磁 場 シ フ トを観測 した ことよ り
4位
水酸 基 が アセ チル化 され た ことを決定 した。Table 3.に そ れぞれ の化 合 物 の帰属 したプロ トンのシグナル値 (ppm)を 示 した。
Talble 4.に対応する 13cの 値を示し
た。
アセ チル転 移化 合物
11:R=TES 12:R=TBDMS
Schc】ne 3.月比
3‑0‑TES
13
化 及 び脱
3‑0‑TBDMS化
Table 2.脱
3‑0‑TES及
び脱 3‑0‑狂〕DMS化
の反応条件 と結果反応 条件 化 合物 13 アセ チル転移 14
TES TBDM[S
1%ヨ
ウ素/メ タ ノール,室
温1%ヨ
ウ素/メ タ ノール,室
温TBAF/AcOH(1:1),THR 50° C
TFA/H20(9:1,V/V),室
温88%
生 成 物 多 数
68%
93%
22%
得 られ た 牛
0‑Ac/3‑0‑TES誘
導体11と
4‑0‑Ac/3‑0‑狂 〕DMS誘
導体12の
それぞ れ の脱 シ リル化 を行 った (Scheme 3)。 Table 2に反応条 件 と結果 を示 した。牛
0‑Ac/3‑0‑TES誘
導体11の
脱TESは 1%ヨ
ウ素 メタ ノール溶液[ Iを室温 にて 50 分 問処 理 す る こ とで 、3‑OH誘
導体13を 88%の
収率 で与 えた。同様 に
1%ヨ
ウ素 メタ ノール溶液〔41を使用 して 4…0‑Ac/3‑0‑旺〕DMS誘
導体12の
脱
TBDMS化
反応 を行 った。12の
脱 シ リル の進行 は遅 く、反応 開始 か ら7日
後 にお いて もTLC分
析 によ り出発物質 は残存(Rf=0,66)し
てお り、また、4種
の生成物 (Rf=0。41,0,25,0.20,0。
05)の スポッ トの出現を確認 した。 これ らのうち
Rf=0。41の 生成 物が脱シリルされた 目的物質 13で あることがわかった。
次 に、牛
0‑Ac/3‑0‑■〕 DMS誘 導体 12の テ トラヒ ドロフラン溶液中に室温 にて氷 酢酸 (30当 量
)、TBAF(l M THF溶 液 ,15当 量 )を 順次加え、
1451̲晩室温にて反応 させた。脱 シリル化の反応は非常に遅 く、 TLC(9:1,ト ルエ ン
/アセ トン )分 析で生成
物の非常に薄 いスポ ッ トの出現 を確認できる程度であった。脱 シリル化 の進行 を促 すため反応溶液を油浴上
(50°C)で 加温 し、 TBAF(l M THF溶 液 ,15当 量 )を 追加 した後、一晩反応 させた。 TLC(141,ジ クロロメタン
/アセ トン )12の スポ ットの消
失、二つの生成物のスポ ット
(主生成物 Rf=0。 24,少 量生成物 Rf=0。 18)を 確認 し
た。カ ラム精製後、主生成物 として 3‑OH誘 導体 13を 収率
63%、及び、少量生成
物 としてアセチル転移化合物の
3‑0‑△c/4‑OH誘 導体 14を 収率
Table 3.lH NMR(500 MHz)Datattlin CDC13 at 25°C for compounds 7‑14 compound H̲l H̲2 H̲3 H‑4 H‑5
(3デ12) (3J2,3) (3y3,4) (3J4,5) (3y5,6)
H‐6a
(3y67a)
H‑7a H‑7b
(3J6,7b) (2ち.7b)
4.75
(■0) 4.81 (L5) 4.73
(■5) 4.73
(■5)
4。73
(■5) 4.74 (h5) 4.82
(■5) 4.78 (h5)
3.69 4.70 4.19 3.92 (2.8) (lo.5) (10.0) (2.0) 3.75 3.84 3.55
(3.0) (9.5) (9.5)
3.61 3.94 (3.0) (9.0)
3.67
(■5)
3.69 3.65 (10.0) (1.5)
4.31 4.24 (6.5) (11.0)
4。38 4.31 (5.5) (11.0) 4.35 4.31 (5.5) (10.0) 4.35 4.31 (6.0) (11.0) 4.34 4.21 (5.5) (11.0) 4.34 4.21 (7.5) (11.0)
4。34 4.25 (5.5) (11.5) 4.39 4.32 (5.5) (11.5)
5。45
(6.5) 5.44 (7.5) 5.49 (7.5) 5.48 (7.0) 5.21 (7.5) 5.21 (5.5) 5.32 (8.0) 5,47 (8.0)
3.60 3.93 3.70 3,65 (3.0) (9.0) (10.0) (1.5) 10
12
3.64 4.07 5.43 3.84 (2.5) (10.0) (10.0) (2.0) 3.64 4.05 5。45 3.86 (2.5) (9.5) (10.0) (2.5) 3.74 3.84 5.09 3.89 (3.5) (10.0) (10,0) (2.0) 3.83 5。11 3.82 3.77 (3.0) (9.5) (9.5) (1.5) 14
〕The lH…chemical shifts(ppm)Were detettnined by comparat ely analyzing 2D NMR data(DQF―
COSI
HMQC and HNIBC),and the卜 couplings(Hz)were Obtained by either analyzing the DQF― COSY or lD spectra.
22%で
得 た。 この結果 よ り、TBAFを
使 用 した脱 シ リル化 にお いて は、 フッ化物 イ オ ン(F)の
強 い塩 基性 を酢酸 によ り緩 衝 して も、4位
水酸基 か ら3位
水酸基 ヘ アセ チ ル 転 移 を起 こ した化合物14を
生 じる ことがわか った。 それ 故 、酸 加 水 分解 によ る脱 シ リル化 を行 うことに した。牛0‑Ac/3‑0‑旺
lDMS誘
導体12を
室温 にて トリフル オ ロ酢酸/水 (9:1,V/V)1451で 処理 した 。そ の結果 、TLC(1:1,酢
酸 エチル/ヘキサ ン)よ
り、反応 開始5分
後 の時点 で 12 の ス ポ ッ トの完全 消失 を確認 した。反応溶液 に トル エ ンを加 え減 圧 濃縮 し、カ ラム 精 製 によ り生 じた シ リル アル コール を除いた後 、3‑OH誘
導体13を 93%の
収率 で得 た。3‑OH誘
導 体13で
あ る こ と は 、lH NMR分
析 に よ り、
TBDMS基
由 来 の Si(Cr3)2C(CH3)3` SiCH3)2C(Crf3)3のシグナルの消失、及 び 、3‑O打 シグナル (δ=2.27
ppm)の
出現 、 さ らに、3J3‑OH,H‑3によ る シグナル分裂 を
H‑3と 3‑OHそ
れぞれ に観測 した ことによ り決定 した。Table 4.13c NMR(125 MHz)Data〔
珂in CDC13 at 25°C for compounds 7‑13compound C‐1 C‐2 C‑3 C‑5 C‑7
7 100.5 8 98.8 9 99.9 10 100.0 11 100.2 12 100。 3 13 100.2
75。2 77.2 78.0 77.4 78.1 78.0 78.1
69.0 70.8 73.3 72.8 71.2 71.3 71.2
62.6 67.5 62.7 67.0 67.8 67.7 67.8
68.7 70.6 71.1 71.2 69.0 69.0 69.0
67.6 73.0 69.2
69。2 67.3 67.3 67.3
61.7 62.6 62.7 62.7 62.3 62.3 62.3
岡 The 13c̲chemical shifts(ppm)Were detellllined by comparat ely analyzing 2D NMR data(DQF― COSゝ
HMQC and HMBC).Only he data for the skeletal carbons are presented,and those for other carbons are listed in he expenmental section.
アセ チ ル 転 移 化 合 物 の 3‑0ぃ
Ac/4‑OH誘
導 体14で
あ る こ とは 、lH NMR分
析 に より
H‑3の
シ グナ ル の低 磁 場 シ フ ト (Table 3,△δ=1.06 PPm)、 牛Orrシ
グナ ル (δ=2.97 ppめ
の 出現 、 さ らに、3J4‑OH,H4に よ る シ グナ ル分 裂 をH‑4と 4‑OHそ
れ ぞ れ に観 測した こ と に よ り決 定 した 。
以上のことか ら、 3‑0‑TES基 は 1%ヨ ウ素メタノール溶液
[〕 で除去でき、そして、
3‑0‑旺
IDMS基 は トリフルオロ酢酸
/水 (9:1)146】で除去できることがわかった。
さ らに
3‑OH誘
導体13を
高収率 で得 るため、3,4‑ジオール8か
ら 3‑0‑シ リル化 、 牛0‑アセ チ ル化 、脱 3‑0‑シ リル化 の3工
程 の反応 を連続 的 に行 い、カ ラム精 製 を最 終工程 の脱 シ リル化 反応後 にのみ行 う ことに した (Scheme 4)。3‑0‑TES化/アセチル化/脱 3‑0‑TES化(精製)
3‑0‑■
3DMS化
/アセ チ ル 化 脱 3‑0‑TBDMS化 (精 製)8
°Me 13Scheme 4.実験操作の簡略化
:3,4‑ジオール 8か ら 3‑OH誘 導体 13へ の変換
3‑0‑TES化
を経 由す る方 法:3,4‑ジオ ー ル8を
ピ リジ ンTESCl(2当
量)で TES化
(0°
C,20分
間)し
、後 処 理 後 、粗 生成 物 を精 製 す る ことな く室 温 にて2日
間 アセ チ ル 化 (ピ リジ ン/無 水 酢 酸 ,蝕1,v/v)を
行 った 。粗 生成 物 を真 空 下 で乾 燥 した後 、そ の まま
15分
間室温 にて トリフル オ ロ酢酸/水 (9■,v/V)で
脱3‑0‑TES化
した。反応 混 合 物 を濃縮 後 得 られ た粗 生成 物 を フ ラ ッシュカ ラム ク ロマ トグラフィー で精 製す る ことによって、
3‑OH誘
導体13を 91%の
収率 で得 た。3‑0‑旺〕
DMS化
を経 由す る方 法:3,4‑ジオール8を DMF中
イ ミダ ゾール (2.5当量)存 在下
2当
量 のTBDMSClで
室温 にて6時
間TBDMS化
し、反応溶液 の後処理後 、 得 られ た粗 生成物 を精 製 す る ことな く室温 にて4日
間 アセ チル化 (ピ リジ ン/無水酢 酸,2:1)を行 った。上記 と同様 に、精 製す る ことな く トリフル オ ロ酢酸/水 (9:1)で 15 分 間脱 3‑0‑狂〕DMS化
した。 濃 縮後 得 られ た粗 生成物 フラ ッシュカ ラム ク ロマ トグラフィー によ り精 製 し、牛
0‑Ac/3‑OH誘
導体13を 87%の
収率で得 た。上記 の一連 の反応 によ り、大 量 に供給 で きる
2位
にベ ンジル基 を有 す るヘ プ トー ス誘 導体6か
ら導 かれ る 3,4‑ジオール誘導体8を
用 いて 、3位
水酸基 の位置選 択 的 シ リル化 によ り4位
に遊離 水酸 基 を有 す る誘導体 を、そ して、牛0‑アセ チル化 後 、 脱 3‑0‑シ リル化 を行 う ことによ り3位
に遊離水酸基 を有す る誘導体 を調製で きるようにな った。
Scheme 5に
示す よ うに、3‑0‑シ リル誘導体 の合 成法 を確 立 した ことによ り、3,4‑お よび 2,3‑分岐ヘ プ トー ス に くわ え、最 近 にな って ナイ セ リア属 髄 膜 炎 菌 で発見 され た 2,3,4‑分岐ヘ プ トー スロ側の構築 も可能 とな る。3,4‑分岐ヘ プ トー ス は 3‑0‑シ リル誘 導体9/10の
牛0‑グリコシル化 物 を脱 3‑0‑シ リル化 した後 、3‑0‑グ リコ ンル化す る ことで構 築 で き る。2,3,4‑分岐ヘ プ トー ス は、
2通
りの合 成経路 で構 築 で き る。す なわ ち、上記 の 3,4…分 岐ヘ プ トース を脱 2‑0‑ベ ンジル化 した後 、2‑0‑グ リコ シル化 す る 経路 、 あ るいは、3‑0‑シ リル誘 導体9/10か
ら2,牛分 岐ヘ プ トース合成 し、脱 3‑0‑シリル化/3‑0‑グ リコシル化 を行 う経路 で ある。2,3‑分岐ヘ プ トース構造 も、牛0‑Ac/3‑0‑
シ リル誘 導体
11/12か
ら2通
りの合成経路 で構築 で き る。す なわ ち、脱 3‑0‑シ リル 化 よ り3位
か らグ リコシル化 を行 う経路、 あるいは、脱 2‑0‑ベ ンジル化 よ り、2位
か らグ リコシル化 す る経路 で あ る。
1.4‑0‑グリコンル化 2.脱3‑0‑シリル化 3.3‑0‑グ リコシル化
3,4‑分岐ヘプ トース
2,4‑分岐ヘプ トース
2,3‑分岐ヘ プ トース
2,3‑分岐ヘ プ トース
4.脱 2‑0‑ベ ンジル化
5。 2‑0‑グ リコシル化
4.脱3‑0‑シリル化
5。 3‑0‑グリコシル化
2,3,4‑分岐ヘプ トース
2,3,4‑分岐ヘプ トー 9:R=TES
10:R〓TBDMS
OMe ll:R=TES 12:R=TBDMS
1.牛0‑グ リコシル化 2.脱2‑0‑ベンジル化 3.2‑0‑グ リコシル化 1.脱2‐0‑ベンジル化 2.2‑0‑グ リコシル化 3.脱3‐0‐シ リル化 4.3‑0‑グ リコシル化
1.脱 3‑0‑シリル化 2.3‑0‑グ リコシル化 3.脱 2‑0‑ベンジル化 4.2‑0‑グ リコシル化
Scheme 5。 3‑0‑シ リル誘導体 の分 岐ヘ プ トー ス構築 への利 用
この よ うに、3‑0‑シ リル誘 導体 を使 用す る ことで 2,3‑、 3,4‑および 2,3,4‑分岐ヘ プ トー ス の構 築 が 可 能 とな った だ けで な く、そ の分 岐 ヘ プ トー ス構 築 のた め に複 数 の 合 成経 路 が選 択 で き るよ うにな った。 この ことか ら 3‑0‑シ リル誘 導体 が分 岐 ヘ プ ト ー ス合 成 に非常 に適 した誘導体 で ある といえ る。
これ まで に報 告 され て いる最 も頻 繁 に選択 され るヘ プ トース誘 導林 の合成方 法 は、
ヘ プ トー ス の 2,3‑ジオール誘 導体 か ら有機 スズ 中間体 を経 由 した位 置 また は
3位
選択 的 アル キル 化 、位 置 または
2位
ベ ンゾイル化 あるいは相 間移 動触 媒 を使 用 した位 置 また は2位
選 択 的 アル キル化 によ り2‑OHま
た は3‑OH誘
導体 を与 え る もので ある (SChemc 6)。 [36,37,47,48〕[A][371
BnBr,TBAB/107o aq.NaOH,CH2C12
a・Bu2SnO/benzene b.PMBCl,TBABんenzcne
78%
[B][36〕
a・Bu2SnO,tolucne,reflux,1.5h b.BzCl,0°C,4h,717D
Rl=Hl R2=Bz(71%) Rl=Bz,R2=H(19%)
a・Bu2SnO,benzene,rcaux,lh b BnBr,TBAI,reaux,12h
[c][4コ
BnBr,5%aq.NaOH,TBAB,CH2C12
a・Bu2SnO,bcnzene,reaux,2h b.BnBr,benzene,reaux,6h
OBn Rl=Bn,R2〓 H(77%) Rl=H,R2=Bn(6%)
PM鹸
66% °Bn a.NaOMe,MeOH
b.BnBr,NaOrVH29,TBAB,CH2C12
。(C晩)3NHZ
Scheme 6。
有機すず中間体及び相関移動触媒を使用する方法
85% °(C H2)3NHZ
そ の ほ か に、2,3,4‑ト リオ ー ル か ら 2,3‑オ ル トエ ス テ ル 中 間体 酔9'501を経 由 し、
4位
に 保 護 基 を導 入 後 、 プ ロ トン酸 を反 応 させ2位
に ア セ チ ル 基 を 形 成 す る方 法 も あ る (SChemc 7)。R=lCH212PhNHCOC鳴
&棚 Hl龍 絆
h°tt Mectt u αAc③,DMAR町 丘/CH20か り
Scheme 7.オ
ル トエ ステル法Iり '覺I序論 で述 べ た よ うに これ らの方 法 によ り合成 が達成 され た分 岐 ヘ プ トー ス は、3,4‑
分 岐及 び 3,7‑分岐ヘ プ トー スで あ り、未 だ 2,3‑分岐ヘ プ トース の合成 は達 成 され て い な い。従 来 の方 法 で は、 導 入 で き る保 護 基 が アル キル エ ー テル また はベ ンゾイ ルや アセ チ ル基 に限 定 され るた め、脱保 護 にお いて他 の保 護基 と差別化 が 困難 とな る。
そ の結 果 ど う して も合 成 経 路 が 複雑 にな って しま う。 つ ま り、従 来 の方 法 で は高度 に分 岐 したヘ プ トー ス構造 に対応で きなか った と考 え られ る。
Scheme 6で
示 した方 法 は一般 的 に反応 の再 現性 が低 いため常 に一定 の収率 で反応 を行 う ことが難 しく、反応基質 によって も収率 は 65%〜85%と
ば らつ きが ある。また、位 置 異 性体 を生 成 した場 合 、 そ の分 離 の た め の精 製 操 作 に多 くの時 間 を費や す こと にな る。団
ゆ え に、本 章 にて行 った ヘ プ トー ス の 3,牛ジオール の
3位
水酸基 の選択 的 シ リル 化 によ り分 岐合 成 に有 用 な誘 導体 を導 く方 法 は、前述 した従 来 の 2,3‑ジオール/2,3,4‑トリオール を経 る方 法 よ りも実用性 、汎用性 に優 れて いる といえる。
2章
で は、 この3,4‑ジオール にお ける3位
水酸基 の選択 的 シ リル化 を使用 し、実 際 に 2,3‑分岐糖 の合成 を行 った。 さ らに、3章
で は本章 で得 られ た 牛OH誘
導体9及
び
10を
使 用 し3,4‑分岐糖 の合成 を行 った。第 二 章
2,3‐分 岐 4糖 の 合 成
本章の目的は りん菌 15253株 の LOS内 の
2,3‑分岐ヘプ トース構造の構築を達成す る ことである。
2,3‑分岐ヘプ トースは、 2位 に 伴 アセチルグルコサ ミン、 3位 にラ ク トースがそれぞれ α― グリコシ ド結合 した構造であ り、未だ合成が達成されていな い糖鎖構造である。
本章はこの
2,3‑分岐ヘプ トースを Scheme 8に 示すように、まずヘプ トース 17の
2位 に GlcN3を 導入 し、
GlcN3(αl 2)Hep 21aを合成する。 この 2糖 を
3,牛ジオール
24へ導き、第一章で確立 した方法によ り 3‑OH誘 導体 26へ 変換する。 ラク トシル化 を行い、そ して最後 にグルコサ ミン残基上のアジ ド基をアセ トアミ ド 34へ 変換する 方法を選択 した。
21a °Me
Scheme 8.2,3‑分 岐ヘ プ トースの合成経路
この よ うな 合 成 経 路 を とる こ とか ら 2,3‑分岐ヘ プ トー ス の構 築 につ いて は以下 に 示 す [2‑1卜
[24]の 4つ
の構成 で述 べ る ことにす る。[2‑1]GlcN3(α l 2)Hepの合成:GlcN3のα―選択 的導入
[2‑2]GlcN3(α l 2)Hepの
3‑OH受
容体 へ の変換:3,牛ジオールか ら3‑OHの
再 生28a:R=N3 34: R=NHAc
[2‑3]2,3‑分
岐 4糖 の合成:2糖 3‑OH受 容体への α― 選択的ラク トシル化
[2刊 2,3‑分岐 4糖 の GlcN3残 基上のアジ ド基のアセ トアミ ド基への変換
[2‐1]GlcN3(α
l 2)HePの
合成6
Schem〕
9.受
容体16及
び 1715:R=C(CH3)2 7:R=Ac の調製
16:R=C(CH3)2 17:R=Ac
この 2糖 合成には、受容体 として
6,7‑0‑イソプロピリデン 16及 び、
6,7‑0‑アセチ ル誘導体 17の 2つ を使用した。
6,7‑0イ
ソプロピリデン受容体は
(2ぢ,3o…Methy1 2‑0‑benzyl―(グ ,3七dimethoxybutane―2:,3'―diyl)―L―gゥcgЮ―Ot―DttβttO―heptopyranoside(6)か ら 二 工 程 で 合 成 し た (Scheme 9)。
化 合物
6を
アセ トン中、o―カ ンフ ァー スル ホ ン酸存在 下 2,2‑ジメ トキ シプ ロパ ン を室温 にて2時
間作 用 させ 、6,7‑0‑イ ソプ ロ ピ リデ ン誘導体15を 98%の
収率 で得 た。続 いて 、化 合物15の 2位
のベ ンジル基 をメタ ノール 中10%メ
ゞラジウム/炭素(Pd/C)存
在 下 、70時
間接触 水 素添 加す る ことで除去 した。 カ ラム精 製 に続 く結 晶化 の後 、6,7‑0イ ソプ ロ ピ リデ ン受容体16を 96%で
得 た。第一章で得 られた
6,7‑ジー
0‑アセチル体 7の 酢酸エチル溶液 を上記 同様 に 2位 の ベ ンジル基の除去 を行った。カラム精製後、
6,7‑ジー
0‑アセチル受容体 17を 収率 98%
で得た
(Scheme 9)。2‑OH誘 導体であることは lW13c NMRス ペク トルよ り、芳香族環プロ トン、及び、
Cr2 Phの シグナルの消失、 H‑2シ グナルの低磁場シフ ト、
2‑O″シグナルの出現、
及び、 C‑2シ グナルの高磁場シフ トを観測 したことによ り決定 した
(Table 7)。K2C03,Ci3CCN in CH2CL
の合成
NH
16:R=C(CH3)2 17:R=Ac
Scheme ll.GlcN3(α卜2)Hep
氷 温
B断
̀玉
1警
ゃき/粁
cc13 18bヘミアセタール
Scheme 10。
供与体 18の 調製
供与体 はグルコサミンのイミデー ト誘導体 18を 使用 した。供与体 となる
2‑アジ ドー
2‑デオキシ
̲D―グルコース (GlcN3)誘 導体は van Boomら が報告 した方法で調製 し た。
Dl]さらに、ィミデー ト誘導体の調製 も文献
1521どぉ りの操作で行った。ただし、
α― 体 とβ… 体混合イミデー ト、あるいはβ― イ ミデー トは、前者は室温にて、そ して後者 は、氷浴下 にて炭酸カ リウム存在下でヘミアセタールに トリクロロアセ トニ トリル を反応 させることで調製 した
(Scheme 10)。目的 とする
GlcN3(αl 2)Hep 2糖 誘導体を上記で調製 した受容体 16お よび 17と GlcN3供 与体 18の 縮合反応によ り合成 した。反応条件 と結果 を
Table 5に示 した。
MeO oMe MeO OMe 19b:R=C(CH3)2 21b:R=Ac
18 or18b
19a:R=C(CH3邊 21a:R=Ac
Table 5,GlcN3供
与体 18と 、ヘプ トース受容体 16お よび 17の 縮合条件と結果
isolated yield[%]
釦 仕 y ttptor輸 ∝郎部鋼Ⅵ留・
aα ︐︲⁚tiOβ y絶 電g働 離 蔀 ♂ 洋JttStte歩 緋 S1団 C(Me)2
2 C(Me)2 3 C(Me)2
4 C(Me)2
5 C(Me)2 6 Ac
β O.04
41: 0・2 4:: 0・2
β O。2
β O.04
4:: 0°2
β O.2 β O.04 β O。2
β O.04
CH2C12 20 Et20 丘t.
Et20 70
dioxane r.t.
dioxane nt.
Et20 it・
Et20
丘t.Et20
丘t.dioxane it.
3.7:1 56( /12) 1.9:1 78(51/27)
2.6:1 65(47/18) 4.2:1 57(46/11)
4:1 55(薯/11) 83(59/24)
77(56/21)
80(58/22)
33(26/7)
33%
27%
15%
2.4:1
2.7:1
2.6:1
14%
11%
4%
H%
10 Ac dioxane f.t. 3.8:1 29(23/6)
5%
16%
14%
All reactions were caコried out using l.O equiv ofacceptor and l.6 equiv ofdonor unless otherwise noted.
la〕 The arnounts of TMSOTf were based on the donoi [b〕 1.O equiv of acceptor and O.85 equiv of donor were used.
[A]6,7‑0‑イ