201Tl心筋シンチグラフイのブルズアイ 表示使用経験について
木本達哉,前田尚利,山下敬司 松下照雄,中島鉄夫,高橋範雄 小鳥輝男,石井 靖
プラナーイメージによる20ITI心筋RI取り込 みの評価は、心筋円周プロファイル,ウォッシュ アウトレート,心電図同期等が用いられているも のの必ずしも容易ではない。今回、本施設で SPECT表示の1つであるエモリーブルズアイ表 示がGESTARCAMで可能になったので、それ についての使用経験を述べる。
〔方法及び対象〕
被験者に50W,100W,150W×3分間を目標と するエルゴメータ負荷を加え、3mCiの201Tlを 投与。注射後10~15分後及び3時間後の再分布時 にSPECTデータを収集した。収集はSTARCAM ブルズアイのプロトコールに従い、RAO45・よ りLPO45゜までの180゜を32分割、-画面64×64 ピクセルにて-画面40秒ずつの計20分間で行った。
表示はSPECTを再構成した後、心短軸に平行な 心筋の輪切像を同心円上に心尖部を中心に基底部 を外周に並べ、次にその各々の輪切像を10゜ず つ36分割し各ピクセルはそれぞれ分割の最大値で 代表させ、standardprofileと比較しその差25SD 以上を欠損、それ以下は色調変化を用いて示した。
対象は、臨床的に虚血'性心疾患と診断あるいはそ の疑いのあった11例である。
〔結果〕
代表的な症例を呈示し若干の考察を加える。
症例1.51才男'性。臨床診断:前壁OMIでCAC 上LAD6番に100%狭窄あり。エコー,心電図 同期心プールシンチ上、前壁から心尖部の壁運動 低下著明。ECG上Vl-V4にabnormaIQと冠'性 T出現。ブルズアイ表示(図1)では前壁から-
部中隔を含むM1と診断され、他の情報とよく一 致した。
症例2.71才男`性。臨床診断:前壁・中隔のOMI 及び下壁のvariantanginaoECG上Ⅱ,ⅢAVF 誘導でST上昇、胸部誘導でST下降、Vl-V3 でqspatternoCAGではRCAにアセチルコリ
ン負荷にてdiffusespasm,LCA6番に25%狭窄、
LVmotionでは前壁・中隔の壁運動低下(エコ ー・心プールにても)。ブルズアイ表示では(図 2)、前壁はanginapattern、下壁は明らかな異 常を示さず。この比較については表1で後述。
症例3.58才男`性。臨床診断:側壁のM1が疑わ れたが、biopsyにてHCM(hypertrophiccardio myopathy)と確定・ECG上は左室肥大とV5,V6 に陰性T、CAGは異常なくエコー,心プールで は中隔運動低下。ブルズアイ表示(図3)では中 隔を除く広範なM1ととれ、理由は不明であるが、
肥厚した心筋内の不均一な血流分布を反映してい るとも考えられる。
今回の症例のうち症例3のHCMを除き、CAO を施行した8例9部位についてブルズアイ表示と CAG所見とを比較した(表l)。アステリスク をつけた不一致例について述べると、M1、AP は症例2の前壁についてで、M1と分類したが CAG施行時狭窄は25%でなぜブルズアイ表示上 anginapatternを示したかは不明。AP、NL (normal)は同じく症例2の下壁についてでCAC 上のspasmはACH負荷によるものでエルゴメー タ負荷での出現なしについては問題なし。NL、
APの2例については両者共にangina様発作を historyに持つ中年女'性で、CAG上l例は末梢 冠動脈のcoiling、l例は著明な右優位でLADの 発達悪<、むしろ全く正常とするには問題がある ものだった。単純に一致率として計算すれば56%
であるが、以上を考慮すれば改善すると思われた。
〔結語〕
現段階の問題点としては、1)独自のstandard profileの作成、2)オペレータ側の操作による 再現`性の問題の解決がまずあげられるが、今後症 例を重ね、他の検査法との比較の上さらに検討を 要すると思われる。
福井医科大学放射線科
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