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配 水 管 網 に お け る漏 水 管 理 の た め の 水 圧 制 御 に 関す る研 究

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(1)

2016年 度 博 士 論 文

配 水 管 網 に お け る漏 水 管 理 の た め の 水 圧 制 御 に 関す る研 究

2017年3月

首都大学東京

(2)

配水管網 にお ける漏 水管理のた めの水圧 制御 に関す る研 究

第1章 第1節 第2節 第3節

序論

水道における管路の役割

配水管網における水圧管理上の課題 本論文の 目的 と構成

EO5

第2章 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節

配水管網 にお ける水圧制御 緒言

監視制御 システムの概要 水圧制御 の方式

末 端 圧 力 制 御 シ ミュ レー シ ョン 水 圧 デ ー タ の 有 効 利 用

結言

90(b94

第3章 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節

末端圧力推定 に基づ く夜間バルブ操作による漏水削減 緒言

対 象 プ ロセ ス

余剰水圧 の推定と漏水削減効果の試算 現場試験での対策立案 と実効果評価 結言

QUQUFOQUFO44rOrOrOρb

第4章 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節

配水管網 にお ける漏水事故の位置推定 緒言

対 象 プ ロセ ス 事故位置推定の方法 実 デ ー タ に よ る 分 析 結 果 結言

QUQU4788ρbρb7878786

(3)

第5章 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節

配水圧力の速応性 を向上す る分散協調制御 緒言

分散協調制御 とは

シ ミ ュ レー シ ョ ン モ デ ル の 構 築

シ ミュ レー シ ョン に よ る速 応 性 検 証 と効 果 試 算

(bQUQUOUOU

結言

100 110

第6章 結論 第1節

第2節

研究の成果 今後の課題

113 113 115

謝辞 117

付録A 付録B 付録C

管 網 解 析 の 高 速 化 末 端 圧 力 を推 定 す る方 法

制 御 シ ミ ュ レー シ ョ ンで 実 装 した各 関数 説 明

(4)

第1章 序論

第1節 水道における管路の役割

水 道 シ ス テ ム は,河 川 や ダ ム 等 か ら取 水 した 原 水 を浄 水 処 理 し,配 水 管 網 を経 て 各 需 要 家 に水 を 安 定 的 に 供 給 して い る.こ の 中 で も,配 水 プ ロセ ス に お け る送 水 ・配 水 管 は,日 常 生 活 を維 持 す る 上 で 必 須 と な る ライ フ ライ ン網 と して の役 割 を担 っ て お り,高 度 な信 頼 性 を持 っ て 恒 常 的 に機 能 す る 必 要 が あ る1).

送 水 ・配 水 管 は,耐 震 機 能 や 消 火 用 水 量 の確 保 とい う観 点 か ら枝 状 で は な く管 網 を形 成 して い る こ とが 多 く,管 理 す る管 路 延 長 も長 い.一 方,多 く は 公 道 内 に 埋 設 され て い る た め,漏 水 や 破 断 事 故 に対 す る地 域 住 民 へ の 影 響 が 大 き い だ け で な く,直 接 目視 す る こ とが 困難 で あ り,そ の 管 理 は 非 常 に 困難 で あ る.し た が っ て,将 来 に 向 け た 持 続 可 能 な水 道 シ ス テ ム を構 築 す る上 で,配 水 プ ロ セ ス で の 維 持 管 理,特 に 漏 水 管 理 は よ りき め 細 や か な 対 策 が 求 め られ て き て い る2).

図1‑1に 示 す よ うに,送 水 ・配 水 管 な ど配 水 プ ロ セ ス に 関す る 資 産 は,水 道 施 設 の 資 産 全 体 の 約6割 以 上3)を 占 め て い る.図1‑2に 示 す よ うに,そ の 大 半 が 昭 和30年 代 後 半 か ら昭 和40 年 代 に 布 設 され た も の で あ り,耐 用 年 数40年 を超 え る老 朽 管 の 割 合 は 平 成26年 度 の 統 計 で 全 国 平 均12.2%4)を 占 め,管 路 破 断 な ど の 事 故 発 生 の リス ク が 増 加 して き て い る5).ま た,水 資 源 の 有 効 利 用 の 観 点 か らは 漏 水 量 の 削 減 が 求 め られ る が,図1‑3に 示 す よ うに,世 界 トッ プ ク ラ ス で あ る 我 が 国 で あ っ て も国 内 平 均 漏 水 率 は 約7%6)で あ り,未 だ 多 く の 貴 重 な 水 資 源 が漏 水 して い る の が 現 状 で あ る.さ ら に,環 境 負 荷 低 減 の 観 点 か ら,国 内 電 力 消 費 の約1%

を 占 め る 水 道 に お い て もエ ネ ル ギ ー の 削 減 が 着 目 され て い る 中,水 の 輸 送 に係 るエ ネ ル ギ ー は,図1‑4に 示 す 通 り,送 配 水 過 程 と取 水 ・導 水 過 程 と を合 わ せ て 約66%7)を 占 め て お り, 配 水 プ ロセ ス に お け る省 エ ネ ル ギ ー 化 の 取 り組 み が 求 め られ て い る.

管 路 破 断 事 故 に 対 す る リス ク 回 避 や 漏 水 量 の 削 減,省 エ ネ ル ギ ー 化 とい っ た 目標 を達 成 で き る配 水 プ ロ セ ス を構 築 す るた め に,ま ず は,老 朽 管 更 新 な ど設 備 面 か ら の 対 策 が 重 要 に な る.中 で も 管 路 の 埋 設 状 況 を詳 細 に把 握 す る た め に は 管 路 情 報 の 整 備 が 最 低 限 必 要 で あ り,近 年 は 管 路 情 報 を 一 元 管 理 で き る 総 合 的 な 管 路 情 報 管 理 シ ス テ ム を 採 用 して い る水 道 事 業 体 が 多 く見 受 け られ る.こ う した シ ス テ ム で整 備 され た 管 路 情 報 に 基 づ い て,適 な 時 期 に 老 朽 管 を 更 新 す る,あ る い は,耐 震 化 を 進 め て い く とい っ た 設 備 面 か らの 対 策 は 持 続 可 能 な 配 水 プ ロセ ス を構 築 す る上 で 欠 か せ な い 対 策 で あ る.

(5)

次 い で,比 較 的 初 期 投 資 を低 く抑 え る こ とが で き,費 用 対 効 果 も期 待 で き る配 水 コ ン ト ロ ー ル に よ る運 用 面 か ら の 対 策 も 重 要 と考 え る.配 水 コ ン トロー ル で は,水 量 ・水 圧 ・水 質 の 把 握 が 前 提 と な る が,広 範 囲 な 地 域 住 民 に水 を 届 け る 配 水 管 網 の 特 性 上,十 分 な数 の セ ン サ を設 置 で き て い な い 現 状 に あ る.特 に 水 圧 に 関 し て は,水 道 施 設 の 変 更 に応 じて 安 定 供 給 に 必 要 な 水 圧 を確 保 す る程 度 の 調 整 しか 行 わ れ て お らず,時 々 刻 々 と変 化 す る配 水 管 網 内 の 流 況 に応 じた 配 水 コ ン トロー ル 方 法 の 確 立 が 喫 緊 の 課 題 で あ る と言 え る.

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その他施設 取 水 施 設 63

導 水 施 設 1.38

(「水 道 事 業 に お け る ア セ ッ トマ ネ ジ メ ン ト(資 産 管 理)に 関す る 手 引 き 」3)よ り引 用) 図1‑1国 内 にお け る水 道 資 産 の割 合

go,ooo,ooo

es,ooo加o

日o.伽Pl皿

T5,000,伽

Te,ooo.ooe

fi5,000,000

50,000加o

量ss・eOo加 詣se .eoo.co。

価ooo加o 咽40,000加036 琶35r伽

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25r伽.ooe

2e,ooo.ooe

1丘000,000

10,000加0

5加o加o

o

[=コ4⑪ 年超 雌管 延 長 台 計 〔m, 中40年 超 遇管 卑 骨』〕

e叫5422

fieng.526

6012職465

54、3as,44e

4叩e叫137 444叫 ρ1田 4S,10叫492

3e,lag,96且 丁叫445

506 6e

97 107 7[so

SLsu

9

4710 12

O

161413111097554=O

H18H19H2eH21H22H23H24・H25H26

(「水 道 ホ ッ トニ ュ ー ス 第535号 」4)よ り 引 用) 図1‑240年 超 過 管 率 等 の 推 移(全 国,上 水+用 水)

(7)

国 内 平 均 漏 水 率 匿7.2%

上 水 道 ・用 水 供 給 事 業)

11%

10.0%

10%9・7%

9.8%8.9%8

.6%9%

9.1%8.2%

8.7%7.8%8%

8.3%

7.golo7%

6%

5%

で%碑

888883888δ88888き889灘 99999998RR8a8飾

一 。

(「WaterUtilityManagementinJapan」6)よ り 引 用)

図1‑3国 内 漏 水 率 の 推 移

2)

取水 ・導 水 過程

10.S%

オ7イ ス ・車

ズ ー

(8)

第2節 配水管網における水圧管理上の課題

前 節 で は,配 水 管 網 に お け る管 路 破 断 事 故 に対 す る リス ク 回 避 や 漏 水 量 の 削 減,省 エ ネ ル ギ ー 化 と い っ た 目標 を 達 成 す る こ とが 喫 緊 の 課 題 で あ る こ と を 述 べ た.管 路 破 断 事 故 の 対 す る リス ク 回 避 に 関 す る 既 往 研 究 と して は,送 配 水 管 路 事 故 の 実 態 調 査 を ア ン ケ ー トし た デ ー タ に 基 づ い て 故 障 率 曲 線 を 推 定 す る 研 究8)や,GIS(GeographicInformationSystem)

を利 用 して 配 水 管 路 にお け る 漏 水 事 故 の 起 こ り易 さ を メ ッシ ュ評 価 す る研 究9),配 水 本 管 レ ベ ル の破 損 事 故 に伴 う地 上 漏 水 に よ る被 害 の想 定 を 浸 水 問題 と して 解 釈 す る研 究10)な どが 行 わ れ て い る.ま た,漏 水 量 の 削 減 に 関 す る既 往 研 究 と して は,配 水 管 網 全 体 の 実 漏 水 量 と管 路1本 あ た りの 漏 水 発 生 率 を 決 定 変 数 と した 時 の漏 水 量 との 差 を最 小 化 す る 最 適 化 問 題 に定 式 化 してGA(GeneticAlgorithm:遺 伝 的 ア ル ゴ リズ ム)を 用 い て 漏 水 発 生 率 を推 定 す る こ とで 漏 水 箇 所 を 特 定 す る研 究11)や,多 数 の 水 圧 計 デ ー タ を 取 得 して 面 的 地 域 特 性 を 考 慮 す る こ とで 漏 水 量 を推 定 す る研 究12)な どが 行 わ れ て い る.さ ら に,省 エ ネ ル ギ ー 化 に 関 す る既 往 研 究 と して は,水 量 に よ っ て 変 化 す る ポ ン プ の 電 力 量 変 化 を 回 帰 式 で 表 して トー タ ル 電 力 量 の 最 小 化 を行 う研 究13)‑16)や,水 需 要 が 少 な い 夜 間 に 水 圧 低 下 が 異 常 で な い 範 囲 で 配 水 ポ ン プ を 停 止 す る研 究17)な ど が 行 わ れ て い る.こ れ ら既 往 研 究 に お い て は,管 路 の 埋 設 状 況 を 詳 細 に把 握 す るた め の 管 路 情 報 や 過 去 の 事 故 履 歴 とい っ た 情 報 の 整 備 が 必 要 で あ っ た り,漏 水 量 の 削 減 や 省 エ ネ ル ギ ー 化 に 向 け た 施 策 と して 老 朽 管 更 新 が 必 要 で あ っ た りな ど,設 備 面 か らの 対 策 が 主 要 で あ っ た.

一 方,配 水 コ ン トロ ー ル に よ る 運 用 面 か らの 対 策 と し て,浄 水 の 安 定 供 給 に と っ て 重 要 な フ ァ ク タ ー で あ る水 圧 管 理 に着 目す る と,水 圧 調 整,水 圧 監 視,水 圧 制 御 が 挙 げ られ る.

水 圧 調 整 に 関 して は,日 本 の 地 形 は 起 伏 に 富 ん で い る た め,配 水 管 網 を 幾 つ か の ブ ロ ッ ク に 分 割 して 管 理 して 配 水 管 網 内 の 水 圧 を 適 切 に保 つ こ と が 有 効 で あ る.ま た,減 圧 弁 の 使 用 な ど に よ っ て 地 形 の 起 伏 に伴 う圧 力 変 化 を 軽 減 す る場 合 も あ る.こ れ らは 水 圧 を 適 切 に 保 つ こ とが 目的 で あ り,給 水 範 囲 が 区 切 られ た 区 画 で あ る配 水 ブ ロ ッ ク に お け る末 端 へ の 適 正 な 給 水 や 漏 水 量 の 減 少 を狙 っ て い る.し か し な が ら,こ う した ブ ロ ッ ク化 を 実 施 す る に は 多 額 の 予 算 が 必 要 で あ り,中 小 規 模 の 水 道 事 業 体 で は必 ず し も現 実 的 で な い 課 題 が あ る.ま た,時 々 刻 々 と変 化 す る水 需 要 量 に 応 じて 調 整 す べ き水 圧 も変 化 す る た め,こ う し た 変 化 に 追 従 で き て い な い課 題 も あ る.具 体 的 に は,配 水 プ ロセ ス で の 管 路 設 計,ポ ン プ 設 計,バ ル ブ 設 計 は1日 の 最 大 水 需 要 量 を想 定 して 行 っ て い る が,あ く ま で あ る1状 態 を 仮 定 し て い るの が 現 状 で あ り,時 々 刻 々 と変 化 す る 水 需 要 量 に 応 じた 水 圧 調 整 が 成 され て い な い.

(9)

ま た 水 圧 監 視 に 関 して は,一 般 に配 水 管 網 内 の 水 圧 を適 切 に 保 っ て 漏 水 を 軽 減 す る た め に,末 端 で の 水 圧 計 設 置 に よ る監 視 を 行 っ て い る が,そ の設 置 位 置 が 必 ず し も末 端 で は 無 い,あ る い は,設 置 数 が 地 域 の 給 水 面 積 に 対 して 疎 で あ る こ とが 多 く,十 分 な 水 圧 監 視 が で き て い な い.さ ら に,そ の 計 測 デ ー タ の 利 用 方 法 は,圧 力 制 御,流 量 制 御 の フ ィ ー ドバ ッ ク信 号,流 量 や 圧 力 の 上 下 限 設 定 に よ る異 常 値 検 出,日 報 月 報 を 作 成 す る た め の 基 本 的 な 情 報 の み で 限 定 的 で あ る.配 水 管 網 内 の 水 圧 を把 握 す る 手 法 と して 管 網 解 析(本 論 文 で 実 施 した 管 網 解 析 の 詳 細 は 付 録Aを 参 照)が 用 い られ る こ とが 多 い が,配 水 管 路 の 情 報 や 管 路 の 設 置 標 高,ポ イ ン トご と の 流 量 デ ー タ な ど,必 要 な デ ー タ を 事 前 に 設 定 して シ ミュ レ ー シ ョン に よ る解 析 を行 うこ とが 必 要 とな る た め 膨 大 な 時 間 が か か る .ま た解析 に あた っ て は,時 々 刻 々 と変 化 す る 各 節 点 で の 水 需 要 量 を設 定 す る 必 要 が あ るが,正 確 に 設 定 す る こ と は 困 難 で あ り,そ の解 析 精 度 は十 分 と は言 え な い.

さ ら に 水 圧 制 御 に 関 し て は,自 然 流 下 の 場 合 に はバ ル ブ 制 御,ポ ン プ 圧 送 の 場 合 に は ポ ン プ 制 御 を行 っ て い る が,多 く の 中小 規 模 の 水 道 事 業 体 で は,浄 水 場 あ るい は 配 水 場 か ら の 出 口で あ る吐 出 圧 力 を一 定 に 保 つ 吐 出圧 力 制 御 が 一 般 的 で あ る.こ の 吐 出圧 力 制 御 に お い て は,水 需 要 量 が 大 き い 朝 方 や 夕 方 の 水 需 要 量 を想 定 して,吐 出 圧 力 の 設 定 値 を 与 え て お り,時 々 刻 々 と変 化 す る 水 需 要 に 応 じて コ ン トロ ー ル して い な い こ とが 多 い.一 方,大 規 模 事 業 体 に お い て は,配 水 管 網 内 の 末 端 圧 力 を測 定 し,そ の 水 圧 を 一 定 に保 つ 末 端 圧 力 制 御 を 導 入 して い る こ と が あ る.こ の 場 合 の 制 御 方 式 と して は,目 標 とな る 末 端 圧 力 と の 偏 差,お よび そ の 積 分 の2つ の 要 素 に よ っ て 制 御 す る比 例 一積 分 制 御 方 式(以 下,PI制 御 方 式)を 用 い るの が 一 般 的 で あ る.こ の 末 端 圧 力 制 御 は,末 端 で の 水 圧 が 増 加/減 少 して き た こ と を 水 圧 計 で リア ル タ イ ム に 監 視 して,末 端 の 水 圧 を 目標 値 に な る よ う に 自然 流 下 で あ れ ば バ ル ブ の 開 度 を,ポ ン プ 圧 送 で あれ ば ポ ン プ の 回 転 数 を制 御 す る もの で あ る.一 方, 消 防 用 水 量 な ど突 発 的 な 水 需 要 の増 加 に応 じた 水 圧 降 下 が あ っ た 場 合 に は,速 や か に 吐 出 圧 力 を 高 く制 御 す る こ とが 有 効 で あ る が,こ の 従 来 か らのPI制 御 方 式 で は,こ う した 急 激 な 変 化 に対 す る 速 応 性 は 十 分 で あ る と は 限 らな い.

(10)

第3節 本論文の 目的 と構成

前 節 で 述 べ た 水 圧 管 理 上 の 課 題 に 対 し,本 研 究 で は,比 較 的 初 期 投 資 を低 く抑 え る こ と が で き,高 い 費 用 対 効 果 も期 待 で き る運 用 面 か ら の 対 策 で あ る水 圧 の 調 整 ・監 視 ・制 御 に 着 目す る.水 圧 調 整 に つ い て は,限 られ た デ ー タ の み か ら,余 剰 水 圧 を 明 らか と して そ れ を 抑 制 す る方 法 を,水 圧 監 視 に つ い て は,水 圧 デ ー タ を 秒 周 期 で 監 視 す る こ と で 漏 水 事 故 を 早 期 発 見 す る 方 法 を,水 圧 制 御 に つ い て は これ ま で に 無 い 新 た な 制 御 方 式 と して 分 散 協 調 制 御 を提 案 す る.

第2章 で は,ま ず,水 圧 制 御 の 基 礎 的 な 方 式 に っ い て 述 べ る.特 に,末 端 圧 力 制 御 に 関 し て,そ の 制 御 方 式 の違 い に つ い て シ ミュ レー シ ョン で 検 証 した 内 容 に つ い て 説 明 す る と と も に,シ ミ ュ レー シ ョ ン検 証 を行 うに あ た り配 水 プ ロセ ス の モ デ ル 化 方 法 を 一 例 と して 紹 介 す る.ま た,水 圧 デ ー タ の 有 効 利 用 と して,末 端 圧 力 制 御 を導 入 した 場 合 に お け る漏 水 削減 効 果 を試 算 す る方 法 や,ポ ン プ 圧 送 の 配 水 プ ロセ ス の 場 合 に は,エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 を試 算 す る 方 法 につ い て 述 べ る.

第3章 で は,限 られ た 箇 所 に お け る水 量 ・水 圧 測 定 を 用 い て 配 水 管 網 で の 運 用 改 善 に 繋 げ る た め,運 転 日報 デ ー タ の み を 入 力 情 報 と した 配 水 プ ロセ ス に お け る 夜 間 余 剰 水 圧 の 分 析 手 法 を 提 案 す る.時 間 別 配 水 量 と水 圧 デ ー タ を 用 い て,配 水 管 網 内 に お け る 末 端 圧 力 の 変 化 を 時 系 列 で 推 定 し,余 剰 水 圧 が発 生 して い る 時 間 帯 を特 定 す る と と も に,こ の 余 剰 水 圧 を 抑 制 す る こ と に よ る漏 水 削 減 効 果 を 示 す.

第4章 で は,漏 水 事 故 時 に 生 じ る周 辺 の 水 圧 変 化 を秒 周 期 で捉 え,管 網 モ デ ル 等 の 配 水 管 網 の ネ ッ トワー ク構 造 の デ ー タ を 用 い る こ とな く,複 数 水 圧 計 間 の 反 応 時 間 差 か ら事 故 位 置 を推 定 す る手 法 を 提 案 す る.一 般 に 配 水 区 域 入 口 に設 置 して い る流 量 計 デ ー タ の急 激 な 上 昇 で 管 路 破 断 に よ る漏 水 事 故 検 知 は 可 能 で あ る が,地 上 に 現 れ な い 漏 水 の 場 合 に は そ の 位 置 を 迅 速 に 特 定 す る こ とは 困 難 で あ る.提 案 手 法 が 迅 速 な 位 置 特 定 に 有 効 で あ る こ と を 実 デ ー タ で 検 証 す る と と も に,水 圧 セ ン サ 数 や 測 定 周 期 に 対 す る位 置 特 定 領 域 面 積 の 関 係 に つ い て 明 らか とす る.

第5章 で は,水 圧 制 御 の 新 しい 方 式 で あ る分 散 協 調 制 御 を 提 案 す る.一 般 的 な 圧 力 制 御 で はPI制 御 方 式 が 用 い られ て い る が,分 散 協 調 制 御 は 外 乱 に 対 す る 速 応 性 を 向 上 で き る.一 般 に は,配 水 管 網 内 の 水 圧 が 有 事 の 際 に も負 圧 に な らな い よ う,一 定 の 余 裕 度 を加 味 し た

目標 水 圧 を維 持 す る よ う考 慮 して い るが,こ の 余 裕 度 は 安 定 供 給 に 寄 与 す る 一 方,ポ ン プ 圧 送 に よ る配 水 プ ロセ ス の 場 合 に は 消 費 エ ネ ル ギ ー の 増 加 に な る課 題 が あ る.こ の 課 題 に 対 し,分 散 協 調 制 御 に よ る 速 応 性 の 向 上 に よ り,水 圧 の 余 裕 度 を 最 低 限 に す る こ とで 省 工

(11)

ネ ル ギ ー 化 が 可 能 で あ る こ と を示 す.

最 後 に第6章 で は,上 述 した 研 究 成 果 を 総 括 す る と と も に,配 水 コ ン トロー ル を 用 い た 運 用 面 か らの 対 策 に よ り,持 続 可 能 な 配 水 管 網 シ ス テ ム構 築 へ の 積 極 的 な 貢 献 が で き る こ と を 示 す.ま た,今 後 の 発 展 が 期 待 され る ス マ ー トメ ー タ を代 表 とす るICT機 器 を用 い た 手 法 を含 め,配 水 プ ロセ ス で の 漏 水 管 理 の 課 題 につ い て 考 察 す る.

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参考文献

1)日 本 水 道 協 会:水 道 施 設 設 計 指 針,2012.

2)日 本 水 道 協 会:水 道 維 持 管 理 指 針,2006.

3)厚 生 労 働 省 健 康 局 水 道 課:水 道 事 業 に お け る ア セ ッ トマ ネ ジ メ ン ト(資 産 管 理)に す る 手 引 き,2009.

4)水 道 技 術 研 究 セ ン タ ー:水 道 ホ ッ トニ ュ ー ス,第535号,2016.

5)水 道 技 術 研 究 セ ン タ ー:持 続 可 能 な 水 道 サ ー ビ ス の 管 路 技 術 に 関 す る 研 究(e‑Pipeプ ジ ェ ク ト)報 告 書,2010.

6)JWWA,WaterUtilityManagementinJapan,IWAWorkshop,2015.

7)東 京 都 水 道 局:東 京 水 道 エ ネ ル ギ ー 効 率 化10年 プ ラ ン,2015.

8)荒 井 康 裕,小 泉 明,稲 員 と よ の,渡 辺 晴 彦,國 實 誉 治,林 光 夫:送 配 水 管 路 事 故 の 実 態 調 査 ア ン ケ ー トデ ー タ に よ る 故 障 率 曲 線 の 推 定 方 法,土 木 学 会 論 文 集G(環 境),Vol.

36,pp.125‑130,2008.

9)國 實 誉 治,稲 員 と よ の,森 永 拓,小 泉 明,田 村 聡 志,佐 藤 清 和,馬 野 仁 史:配 水 管 路 の 事 故 危 険 度 に 関 す る 研 究,土 木 学 会 論 文 集G(環 境),Vol.69,No.7,pp.355‑361,

2013.

10)川 口 智 哉,渡 辺 晴 彦,小 泉 明,碇 水 道 管 路 事 故 に 伴 う 地 上 漏 水 に よ る 浸 水 危 険 度 の 評 価,日 本 リ ス ク 研 究 学 会 誌,第23巻,第2号,pp.95‑103,2013.

ll)稲 員 と よ の,片 岡 麻 希,小 泉 明,荒 井 康 裕,佐 々 木 史 朗,芦 田 裕 志 実 数 値GAを 応 用 し た 漏 水 発 生 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン モ デ ル に 関 す る 研 究,土 木 学 会 論 文 集G(環 境),Vol.35, pp.155‑161,2007.

12)稲 員 と よ の,小 泉 明,荒 井 康 裕,有 吉 寛 記,横 川 勝 也,本 蔵 義 弘 面 的 地 域 特 性 を 考 慮 し た 漏 水 量 推 定 に 関 す る シ ナ リ オ 分 析,土 木 学 会 論 文 集G(環 境),Vol.38,pp.143‑149, 2010.

13)増 子 敦,橋 本 貴,芦 田 裕 志,田 村 聡 志,荒 井 康 裕,小 泉 明:電 力 原 単 位 回 帰 式 を 用 い た 送 配 水 エ ネ ル ギ ー の 最 小 化 に 関 す る 研 究,水 道 協 会 雑 誌,第81巻,第3号(第930号),

2012.

14)荒 井 康 裕,堀 江 俊 樹,小 泉 明,稲 員 と よ の,増 子 敦,田 村 聡 志,山 本 孝:混 合 整 数 線 形 計 画 モ デ ル に よ る 送 配 水 シ ス テ ム の 電 力 使 用 量 の 最 小 化,土 木 学 会 論 文 集G(環 境), Vol.68,No.6,pp.273‑281,2012.

15)荒 井 康 裕,西 江 光 司,小 泉 明,稲 員 と よ の,石 田 紀 彦,山 崎 千 秋,守 安 純 三 郎 電 力

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使 用 量 の 削 減 を 目 的 と し た 大 規 模 な 送 配 水 シ ス テ ム へ のMILPモ デ ル の 適 用,土 木 学 会 論 文 集G(環 境),Vol.69,No.6,pp.149‑156,2013.

16)荒 井 康 裕,浅 野 弘 樹,小 泉 明,稲 員 と よ の,細 谷 昌 平,山 崎 千 秋,松 葉 香 奈:配 水 池 に お け る 貯 水 量 変 動 を 考 慮 し た 送 配 水 シ ス テ ム の 電 力 使 用 量 の 最 小 化,土 木 学 会 論 文 集G(環 境),Vbl.70,No.6,pp.403‑409,2014.

17)横 川 勝 也,黒 川 太,清 時 勝 人,山 本 哲 平:配 水 区 域 の 統 合 に 伴 う 配 水 ポ ン プ 制 御 更 新 に 向 け た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 検 証,第60回 全 国 水 道 研 究 発 表 会,5‑41,pp.292‑293,2009.

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第2章 配水 管網 にお ける水 圧制御

第1節 緒 言

配 水 管 網 内 の 多 くの 漏 水 は,地 中 で 生 じて お り,か つ,微 量 で あ る た め に,漏 水 を直 接 監 視 ・計 測 す る こ とは 困 難 で あ る.そ こ で,有 効 率 低 下 の 主 要 因 で あ る漏 水 量 や 管 路 更 新 の 必 要 性 を総 合 的 に 評 価 し,効 率 的 ・計 画 的 に漏 水 削 減 を 支 援 で き る 漏 水 診 断 技 術 や,水 圧 の 適 正 化 に 関 す る漏 水 抑 制 技 術 な どが 注 目 され て き て い る1).

特 に 漏 水 抑 制 技 術 で は,漏 水 量 や 漏 水 箇 所 を 監 視 ・推 定 し,水 圧 管 理 を行 う監 視 制 御 シ ス テ ム の構 築 が 重 要 に な る.配 水 管 網 に 設 置 した 水 量 ・水 圧 の 限 られ た デ ー タ か ら,水 圧 と流 量 収 支 を管 理 し,圧 力 と漏 水 量 の 関係 に基 づ い た 漏 水 量 推 定2)を 行 う こ とで,末 端 圧 力 制 御 導 入 時 の 漏 水 量 削 減 効 果 を事 前 に 評 価 で き る.

そ こで 本 章 で は,監 視 制 御 シ ス テ ム で 測 定 して い る水 圧 デ ー タ に 着 目 し,そ の デ ー タ を 有 効 利 用 す る施 策 の1つ で あ る水 圧 制 御 の 在 り方 に つ い て 述 べ る.特 に,配 水 管 網 末 端 で の適 正 水 圧 を維 持 す る末 端 圧 力 制 御 に 関 して,そ の 制 御 性 能 を シ ミュ レー シ ョン評 価 して, 末 端 圧 力 制 御 に 関 す る あ る べ き 方 式 を 考 察 す る.ま た,水 圧 デ ー タ の 有 効 利 用 と して,水 圧 デ ー タ か ら漏 水 量 を推 定 す る方 法 を 示 し,末 端 圧 力 制 御 を実 施 した 場 合 に得 られ る漏 水 削 減 効 果 や エ ネ ル ギ ー 削 減 効 果 を 試 算 す る 方 法 を説 明 す る.

(15)

第2節 監視制御システムの概要

一 般 的 な 配 水 プ ロセ ス と監 視 制 御 シ ス テ ム構 成 を 図2‑1に 示 す .図 に示す よ うに,あ る配 水 池 か ら地 域 的 に あ る範 囲 で 区 切 られ た 配 水 管 網(以 下,配 水 ブ ロ ッ ク)へ 浄 水 が 供 給 さ れ る プ ロセ ス で あ り,3つ の 配 水 ブ ロ ッ ク か ら成 る例 で あ る.配 水 ブ ロ ッ クへ の 流 入 量 を監 視 す るた め に 配 水 ブ ロ ッ ク の 入 口に 一 つ の 流 量 計 が 取 り付 け られ て い る.ま た,配 水 ブ ロ ッ ク 内 の圧 力 を 監 視 す る た め に 一 つ 以 上 の 水 圧 計 が 取 り付 け られ て い る.監 視 制 御 シ ス テ ム は,こ の よ うな 配 水 ブ ロ ッ ク 群 を対 象 と して 流 量 計 と水 圧 計 の デ ー タ を計 測 し,テ レ メ ー タ を 介 して 配 水 ブ ロ ッ ク の 状 態 を 中 央 監 視 して い る3) .ま た,監 視 制御 システ ムは状 態 を 監 視 す る と と も に,各 配 水 ブ ロ ッ ク に て 測 定 して い る水 圧 計 の 測 定 値 に 基 づ い て,配 水 管 網 の 状 態 を制 御 す る.支 援 端 末 で は,監 視 制 御 シ ス テ ム が持 つ 監 視 ・制 御 機 能 に 加 え,運 用 を支 援 す る機 能 を 提 供 す る.例 え ば,監 視 制 御 シ ス テ ム で 収 集 して い るデ ー タ に 基 づ い て,配 水 ブ ロ ッ ク の 漏 水 量 を推 定 す る機 能 や,監 視 制 御 シ ス テ ム が 実 施 して い る制 御 性 能 を維 持 す る た め の パ ラ メ ー タ を調 整 す る機 能 な どを 有 す る.

以 上 に示 す よ うに,監 視 制 御 シ ス テ ム は 「監 視 」,「制 御 」,「支 援 」 な ど の様 々 な機 能 を 有 す る が,配 水 管 網 の 状 態 を 直 接 操 作 し,漏 水 量 の 削 減 や 省 エ ネ ル ギ ー 化 とい っ た 効 果 に 結 び 付 きや す い の は,「 制 御 」 と 「支 援 」 に 関 わ る機 能 で あ る.以 降 で は,第3節 で 監 視 制 御 シ ス テ ム が 持 っ 送 配 水 プ ロセ ス の 代 表 的 な 「制 御 」 の 方 法 に っ い て,第4節 で 「支 援 」 の 一 例 と して 水 圧 デ ー タ を有 効 利 用 す る方 法 に つ い て 説 明す る.

監視制御

一 シ ステム

1 1

支援端末

(16)

第3節 水圧制御の方式

本 節 で は,監 視 制 御 シ ス テ ム に お け る配 水 プ ロセ ス で の 重 要 な 役 割 の 一 つ で あ る配 水 コ ン トロー ル に 関 して,い くつ か の 配 水 プ ロセ ス を想 定 した 場 合 の 制 御 方 式 に っ い て そ の 概 要 を述 べ る と と も に,特 に 漏 水 量 の 削 減 や 省 エ ネ ル ギ ー 化 に 向 け て 重 要 と な る末 端 圧 力 制 御 の 詳 細 を説 明 す る.

(1)水 圧 制 御 の 種 類

大 き く3つ の 場 合 に っ い て,そ れ ぞ れ の 制 御 方 式 を 述 べ る.

① 浄 水 場 が 高 地 に あ る場 合

② 浄 水 場 が 低 地 に あ る場 合 で 配 水 池 が 高 地 に あ る場 合

③ 浄 水 場 が 低 地 に あ る場 合 で 配 水 池 も低 地 に あ る場 合

① 浄 水 場 が 高 地 に あ る 場 合

浄 水 場 が 高 地 に あ る場 合,需 要 家 と浄 水 場 の 間 に は 高 低 差 が あ る た め,そ の 水 圧 差(ま た は 水 頭 差)を 利 用 して,浄 水 池 か ら需 要 家 へ 直 接,自 然 流 下 に よ る配 水 を行 う こ とが 可 能 で あ る.配 水 の た め の ポ ン プ を 必 要 と し な い た め 配 水 設 備 が 少 な く,ポ ン プ の 消 費 電 力 も 生 じな い こ とか ら,エ ネ ル ギー 利 用 の 観 点 か ら も効 果 的 で あ る.図2‑2に 自然 流 下 に よ る 配 水 制 御 の 構 成 を 示 す.図2‑2の 構 成 の 場 合,浄 水 池 の容 量 を考 慮 しな が ら,水 需 要 量 に 見 合 う流 量 を浄 水 場 は確 保 す れ ば よい.水 需 要 量 は需 要 家 の 生 活 リズ ム が 時 系 列 変 化 と な っ て 現 れ る た め,日 中 は 流 量 が 多 く夜 間 は流 量 が 少 な い とい っ た,日 変 動 を有 す る.

凡例

ろ 過 池 よ り

.㊤

流量計 電動弁

流量コン ト・う 1

iM

=

浄水 池

一 \

需要 家へ

図2‑2自 然 流 下 に よ る配 水 制御 の構 成

(17)

浄 水 池 の 容 量 は この よ うな 水 需 要 量 の 変 化 を考 慮 して 設 計 され て お り,需 要 家 ま で は 自 然 流 下 で 水 を配 水 す る た め,特 に 制 御 を 実 施 し な い 場 合 も あ る が,最 大 処 理 流 量 を 越 え な い よ うにバ ル ブ に よ っ て 制 御 す る場 合 も あ る.ま た,こ の場 合 の 留 意 点 と して は,バ ル ブ 制 御 時 に バ ル ブ ニ 次 側 の圧 力 が 極 端 に 低 下 す る と,蒸 気 や 含 有 気 体 を 含 む 泡 が 発 生 す る現 象 で あ る キ ャ ビテ ー シ ョ ン が 発 生 し,こ の 泡 の発 生 ・崩 壊 に伴 っ て 管 路 壁 や バ ル ブ の 接 液 部 に 大 き い 力 が 加 わ り,損 傷 を 生 ず る原 因 に な る こ とが あ る の で 注 意 す る必 要 が あ る4).

② 浄 水 場 が 低 地 に あ る 場 合 で 配 水 池 が 高 地 に あ る 場 合

一 方,浄 水 場 が 低 地 に あ る 場 合 で 配 水 池 が 高 地 に あ る場 合,浄 水 場 で 処 理 し た 水 を ポ ン プ で 高 地 の 配 水 池 へ 送 水 し,高 地 の 配 水 池 か ら 自然 流 下 で 配 水 す る 場 合 が あ る.図2‑3に ポ ン プ で 高 地 配 水 池 へ 送 水 す る送 水 制 御 構 成 を 示 す.

図2‑3は 浄 水 池 に 加 え,配 水 池 の 容 量 を 十 分 に活 用 し,浄 水 池 か ら ポ ン プ に よ っ て 送 水 す る送 水 量 を平 滑 化 す る こ とが 可 能 で あ る.送 水 量 の 平 滑 化 は,浄 水 場 の 処 理 水 量 を 平 滑 化 す る こ とに つ な が り,浄 水 処 理 の 安 定 化 や 運 用 の 効 率 化 に つ な が る.ま た,配 水 池 の 容 量 が 十 分 大 き い 場 合,配 水 池 の容 量 を 利 用 で き る た め ポ ン プ の送 水 量 を 細 か く制 御 す る必 要 は な く,送 水 ポ ン プ は イ ン バ ー タ を 搭 載 して 送 水 流 量 を連 続 的 に 制 御 可 能 な 可 変 速 ポ ン プ で は な く,固 定 速 ポ ン プ に よ る一 定 の 送 水 流 量 で あ る こ とが 一 般 的 で あ る.

送 水 ポ ン プ の 制 御 方 式 と して 最 も 単 純 な も の は,配 水 池 の 水 位 に よ る ポ ン プ の 台 数 運 転 で あ る.ま た,送 水 量 の 平 滑 化 や 送 水 ポ ン プ が 消 費 す る電 力 の省 エ ネ ル ギ ー 化 を 目的 と し て,予 め需 要 家 の 需 要 量 を予 測 し,予 測 した 需 要 量 を も とに 最 適 化 した 送 水 ポ ン プ の運 転 計 画 を 算 出 し,そ の 計 画 に 基 づ い て プ ロ グ ラ ム 制 御 を 実 施 す る場 合 も あ る.

ろ過 池 よ り

ポンプ 水池プ・グラム

イ ン ター

ロ ッ ク ポ ン プ 台 数 制 御 シ ー ケ ン ス

需要 家へ

浄水 池

(18)

こ の よ うな プ ロ グ ラ ム 制 御 を 実 施 す る シ ス テ ム は 水 運 用 シ ス テ ム と 呼 ば れ,需 要 量 の 予 測 方 法 や 目的 に応 じた ポ ン プ 運 転 計 画 の 最 適 化 方 法 に つ い て 多 く の研 究 が な され て い る5)

〜10).適 用 上 の 注 意 と して は,浄 水 場 か ら配 水 池 ま で の 配 管 途 中 か ら一 段 給 水 を して い る 場 合 な ど は そ の 水 量 を確 保 す る た め,送 水 量 に 下 限 が 存 在 す る場 合 な どが あ る た め,こ よ うな プ ロ グ ラ ム 制 御 を 実 施 す る場 合 は,こ れ ら浄 水 場 の特 徴 に 合 わ せ て 最 適 化 計 算 方 法 を設 計 す る 必 要 が あ る.

③ 浄 水 場 が 低 地 に あ る 場 合 で 配 水 池 も 低 地 に あ る 場 合

さ ら に,浄 水 場 が 低 地 に あ る場 合 で 配 水 池 も低 地 に あ る場 合 は,図2‑4に 示 す よ うに配 水 池 か ら配 水 ポ ン プ で 配 水 し,配 水 ポ ン プ に連 動 した 形 で 送 水 ポ ン プ を制 御 す る 必 要 が あ る.こ の 場 合,送 水 ポ ン プ の 多 く は 図2‑3と 同 様,固 定 速 ポ ン プ で あ る.送 水 ポ ン プ を制 御 す る 目的 は 配 水 池 水 位 を一 定 の 範 囲 内 に 収 め て お く こ とで あ る,配 水 池 の容 量 が 大 きい 方 が,運 用 上 の利 便 性 が 高 い た め,配 水 池 の容 量 は な るべ く大 き い 方 が 望 ま し い が,施 設 上 の 制 約 に よ り,配 水 池 の 容 量 が 十 分 で な い 場 合 も あ る.こ の場 合,送 水 ポ ン プ に バ ル ブ を設 け る,あ る い は 送 水 ポ ン プ を 可 変 速 ポ ン プ と して,配 水 ポ ンプ と連 動 した 送 水 流 量 制 御 を実 施 す る必 要 が あ る.

逆 に,近 年 で は,設 計 時 と比 較 して 給 水 人 口が 減 少 す る事 業 体 も増 加11)し て お り,配 水 池 の 容 量 が 需 要 量 に 対 して 過 度 に 大 き くな る場 合 も あ る.こ の場 合 は,送 水 ポ ン プ を完 全 に停 止 させ な け れ ば な らな い 場 合 も あ り,こ の 場 合 は浄 水 場 の水 処 理 や 取 水 ポ ン プ の 制 御 に も影 響 が 出 て く る場 合 が あ る た め,注 意 が 必 要 で あ る.

図2‑4中 の 配 水 ポ ン プ は 需 要 家 へ 直 接,送 水 す るポ ン プ で あ るた め,需 要 量 の 変 化 に 応 じて 細 か く制 御 を行 う必 要 が あ る.そ の た め,こ の よ うな配 水 ポ ン プ の 多 くは 可 変 速 の ポ ン プ を利 用 した 配 水 圧 力 制 御 を実 施 して い る.配 水 圧 力 制 御 の構 成 を 図2‑5に 示 す.

ろ過 池

よ り P

浄 水 池 送 水 ポ×n ンプ

配水池

P 配 水 ポ ン プ

需 要 家 へ

図2‑4配 水 池 か らポ ンプ に よ り配水 す る制御 の 構 成

(19)

圧力計 レベルスイ・チ

三膨 圧力・ン・・一・

イン㍍ ポンプ

欝̲± ゴ途 」婆 二 轍

図2‑5配 水 圧 力 制御 の構 成

図2‑5は 可 変 速 ポ ン プ に よ る制 御 構 成 を 示 して い る が,バ ル ブ と固 定 速 ポ ン プ の 組 み 合 わせ で バ ル ブ 開 度 制 御 に よ り圧 力 制 御 を行 う場 合 も あ る.ま た,多 く の場 合,配 水 ポ ン プ に は 等 容 量,複 数 台 の ポ ン プ が 用 い られ,配 水 流 量 に応 じて ポ ンプ 運 転 台 数 を決 定 す る.

適 用 上 の 注 意 と して は,台 数 を変 更 した と き に 給 水 圧 力 や 流 量 に 急 変 を 生 じな い よ うに 考 慮 す る 必 要 が あ る.ま た,ポ ン プ の 効 率 は 流 量 に よ り変 化 す る た め,台 数 を変 更 す る 流 量 の切 り替 え 点 は,ポ ン プ の 特 性 を 考 慮 して 設 計 す る こ と が 消 費 エ ネ ル ギ ー の観 点 か ら も望 ま しい.

圧 力 制 御 の 目標 値 の 与 え方 に は 代 表 的 な も の と して 以 下 の3種 類 が 存 在 す る3).

吐 出圧 力 制 御(一 定 値 制 御)

プ ロ グ ラ ム 制 御

末 端 圧 力 制 御

吐 出 圧 力 制 御 は,ポ ン プ の 吐 出 圧 力 を 常 時 一 定 とす る方 式 で あ り,通 常,需 要 量 が最 も 大 き い 場 合 に 合 わ せ,需 要 家 へ の 供 給 圧 力 が 不 足 し な い よ うな 高 い 圧 力 を吐 出 圧 力 と して 設 定 す る た め,需 要 量 が 小 さい 場 合 に は供 給 圧 力 が 過 大 とな る 可 能 性 が あ る.こ れ は 消 費 エ ネ ル ギー の 観 点 か ら も無 駄 とな っ て しま う.プ ロ グ ラ ム制 御 は,昼 夜 間,季 節 間 で 需 要 が 変 動 す る こ と を見 越 して,予 め 設 定 した 吐 出 圧 力 の パ タ ー ン を 時 期 に応 じて 切 り替 え る 方 式 で あ る.こ の 方 式 で は,末 端 圧 力 の 推 定 が 必 要 で あ り,推 定 す る一 手 法 に つ い て は 付 録Bで 説 明 して い る.な お,こ の 方 式 の 場 合,吐 出 圧 力 制 御 と比 較 して エ ネ ル ギ ー の 無 駄 を 削 減 で き る と考 え られ る が,時 々 刻 々 と変 化 す る需 要 量 の 変 化 に 対 応 で き て い な い.そ こ で 以 降 で は,プ ロ グ ラ ム 制 御 と比 較 して 需 要 量 の 変 化 に 追 従 で き る末 端 圧 力 制 御 に着 目

(20)

(2)末 端 圧 力 制 御 の 方 式

末 端 圧 力 制 御 は,時 々刻 々 と変 化 す る水 需 要 に応 じた 圧 力 制 御 を 実 施 す る た め,配 水 管 網 にお け る 末 端 の 水 圧 計 の 値 を与 え られ た 目標 値 に 制 御 す る方 式 で あ る.末 端 圧 力 制 御 は, 適 切 な 吐 出圧 力 で の 水 供 給 が 可 能 に な る た め,漏 水 量 の 削 減 だ け で な く,エ ネ ル ギ ー の 削 減 も期 待 で き る.し か しな が ら,末 端 の 水 圧 計 か らポ ン プ ま で に物 理 的 に 距 離 が あ る た め, テ レ メ ー タ 等 に よ る信 号 を伝 送 す る た め の 設 備 が 必 要 と な る こ と,ま た,制 御 上 も応 答 の 時 間 遅 れ が 大 き い た め,制 御 パ ラ メー タ の 調 整 が 難 し く な る こ と な ど の,デ メ リ ッ トも あ る.さ ら に 末 端 圧 力 制 御 は,末 端 の 圧 力 が 配 水 管 網 内 で 最 も低 い 圧 力 で あ る こ とを 前 提 と して 省 エ ネ ル ギ ー 化 や 漏 水 量 の 削 減 とい っ た 効 果 を 期 待 して い るが,配 水 管 網 内 の 最 低 圧 力 点 は 常 に 変 動 して お り,最低 圧 力 点 と末 端 圧 力 制 御 に よ る 末 端 圧 力 点 が 一 致 しな けれ ば, 最 適 とな らな い な どの 課 題 も あ る,

図2‑6に 示 す よ う に,末 端 圧 力 制 御 の シ ー ケ ン ス は 監 視 制 御 シ ス テ ム に お け るRCS (RemoteControlStation)上 に 実 装 さ れ て お り,末 端 の 水 圧 に 応 じ て 適 正 な 吐 出 圧 力 を 演 算 し,ポ ン プ 回 転 数 や 吐 出 弁 開 度,運 転 台 数 を 出 力 し て い る.ま た,支 援 端 末 に お け る SVS(ServerStation)で は,末 端 圧 力 制 御 に 必 要 な 目標 水 圧 や パ ラ メ ー タ を 調 整 す る 機 能 が あ り,オ ペ レー タ はHIS(HumanInterfaceStation)上 で 表 示 され る 画 面 か ら設 定 が 可 能 で あ る.

末 端 圧 力 制 御 に は 大 き く,以 下 の2通 り の 方 式 が あ る.

① パ ラ レル 方 式:ポ ン プ 回 転 数 目標 値 をPI制 御 器 で 演 算 す る方 式

② カ ス ケ ー ド方 式 ポ ン プ 吐 出圧 目標 値 をPI制 御 器 で 演 算 す る方 式

以 降 で は,こ の2つ の方 式 の 性 能 に つ い て シ ミュ レー シ ョ ン検 証 を 行 い,末 端 圧 力 制 御 と して の 性 能 を比 較 評 価 す る.

(21)

支 援 端 末

「'一'一'一'一'一'一'一'一

1

.l Ethernet

1

HIS HIS SVS

■ 一

'一'匡 轄'一'輩

・+・ ・一 ・一 ・一 ・砧 ・一 ・一

H l

1

RCS 配水 設備RCS

‑■ ■ 一 ■ 一 A

ポ ンプ 回転 数

■ 一

制御 出力

1・監 視 制 御 シ ス テ ム 1

末端圧 力 吐 出弁 開度

吐 出圧 力

配水 池 (受水 池)

配 水流 量

P

P

P

醜 来 誓網i

需 要家

図2・6末 端 圧 力 制御 の構 成

(22)

① パ ラ レル 方 式

パ ラ レル 方 式 の 制 御 ブ ロ ッ ク 図 を 図2‑7に 示 す.「 末 端 圧 力 制 御 」 で は,配 水 管 網 末 端 に 設 置 して い る水 圧 測 定 値Plpvの 「m点 移 動 平 均 」 の 値 と末 端 圧 力 目標 値Plsvに 基 づ い て,PI制 御 器(図 中 のPIで 表 示)に よ っ て ポ ン プ 回 転 数 目標 値Nsvを 演 算 す る.「 回 転 数 制 御 」 で は 回 転 数 目標 値Nsvに 基 づ い て,ポ ン プ 回 転 数 を制 御 す る.ま た,「 台 数 制 御 演 算 」 は 配 水 流 量Qの 測 定値 に 基 づ い て 必 要 な ポ ン プ 運 転 台 数 を ヒ ス テ リシ ス 演 算 し,ポ ン プ 始 動 ・停 止 指 令 を 出 力 す る.な お,「 吐 出圧 力 制 御 」 も 併 用 し,切 り替 え(ス イ ッチ) が 可 能 で あ る.「 吐 出圧 力 制 御 」 で は,吐 出圧 力 設 定 値POsvと 吐 出 圧 力 計 測 値POpvに づ い て,ポ ン プ 回 転 数 目標 値Nsvを 演 算 す る.

・PI制御器

吐出圧 力 設定値

末端圧力

設定値 水圧計 回転数制御器

⑭:回 転 数 計[〉<1:バ ル ブ

POsv Plsv

吐出圧力制御

回転数制御

末端圧力制御<RCS>

一凹 一 一巳 一 m点 移 動

平 均

Nsv

Nsv

台数制御 演算

A

ポ ンプ 回転 数Npv POpv

̲̲灘 灘 灘 灘 灘 灘̲̲鱒

Q繰 茎茎 茎 茎ll茎 茎 畿

)灘 灘 灘灘 灘灘 灘 配水管路網瀦灘 灘灘 灘灘 灘

1難 茎 圭 ≡ 羅鱒灘 灘 灘 灘 灘 灘 灘 灘 灘 瀦灘 灘 灘 鱒茎 叢響

鱒 鱒 鱒 鱒鱒 鱒 鱒 鱒 鱒鱒 鱒 鱒 鱒鱒 鱒 鱒 鱒

P

響7

一 」

配水池 ポンプ

i<

㌻ 閃 レ

PIpv

図2‑7パ ラ レル 方 式 の 制 御 ブ ロ ッ ク 図

(23)

② カ ス ケ ー ド方 式

カ ス ケ ー ド方 式 の 制 御 ブ ロ ッ ク図 を 図2‑8に 示 す.「 末 端 圧 力 制 御 」 で は,配 水 管 網 末 端 に設 置 して い る圧 力 計 測 値Plpvの 「m点 移 動 平 均 」 の値 と末 端 圧 力 設 定 値Plsvに 基 づ い て,PI制 御 器(図 中 のPCで 表 示)に よ っ て 吐 出 圧 力 目標 値POsvを 演 算 す る.「 吐 出圧 力 制 御 」 で は,吐 出 圧 力 目標 値POsvと 吐 出圧 力 計 測 値POpvに 基 づ い て,ポ ン プ 回 転 数 目標 値Nsvを 演 算 す る.「 回 転 数 制 御 」 で は 回 転 数 目標 値Nsvに 基 づ い て,ポ ン プ 回 転 数 を制 御 す る.ま た,台 数 制 御 演 算 は配 水 流 量Qの 計 測 値 に 基 づ い て 必 要 な ポ ン プ 運 転 台 数 を ヒ ス テ リ シ ス 演 算 し,ポ ン プ 始 動 ・停 止 指 令 を 出 力 す る.

【凡例 】

・Pl制御器

末端圧力

設定値 水圧計 回転数制御器

⑭:回 転 数 計[〉<1:バ ル ブ PIsv

末 端 圧 力 制 御 POsv

吐 出 圧 力 制 御

Nsv 回 転 数 制 御

<RCS>

ヱ⊆ m点 移動

平 均

ヱq

巫⊆ 台数 制御

演 算

A

ポ ンプ 回 転 数Npv

POpv ̲̲灘 灘 灘灘 灘灘̲̲

̲灘 灘灘 灘灘 灘灘 灘灘 瀦灘灘 灘̲Q 灘灘 灘 灘灘 灘灘 灘灘 灘瀦瀦灘 灘灘 灘灘 )雛灘灘 灘 灘灘 灘 配水管路網繋 灘灘 灘灘 瀦灘

P

磐F

1叢 鱒鱒灘 灘 灘 灘 灘 灘 灘 灘 灘 瀦茎 撫 ≡ 叢難茎 茎灘灘 鱒鱒

鱒 鱒 鱒鱒 鱒 鱒 鱒

配水池 ポンプ

i〈

㌻ 因'

一 」

ポンプ起 動 ・停 止指 令

Plpv

(24)

第4節 末 端 圧 力 制 御 シ ミュ レー シ ョ ン

上 述 した 末 端 圧 力 制 御 の 両 方 式 の 性 能 を シ ミ ュ レー シ ョ ン で検 証 す る た め,各 プ ロ セ ス の モ デ リン グ を 実 施 し,あ る 条 件 に基 づ い て 評 価 した.実 施 した シ ミュ レー シ ョ ン の モ デ

リ ン グ や シ ミュ レー シ ョ ン条 件 に つ い て 説 明す る.

(1)モ デ リ ン グ

標 準 的 な ポ ン プ に よ る 配 水 プ ロセ ス を 図2‑9に 示 す.主 に ポ ン プ モ デ ル と管 網 モ デ ル, 制 御 モ デ ル とで構 成 され る が,制 御 モ デ ル の入 力 と な る信 号 は末 端 圧 力Plのm点 移 動 平 均 値P2と した.ポ ン プ モ デ ル は,ポ ン プ か らの 吐 出 圧 力Poを 出力 し,管 網 モ デ ル はPoや 配 水 管 網 内 で の 水 需 要 量 の 変 化 を 考 慮 して,末 端 圧 力Plを 計 算 す る.

以 降 で は,最 大 配 水 流 量 が1,000m3/h規 模 で あ る配 水 管 網 に お い て,あ る1日 の 配 水 流 量,吐 出 圧 力,末 端 圧 力 の 実 デ ー タ を 用 い て パ ラ メ ー タ を決 定 して シ ミ ュ レー シ ョン モ デ ル を構 築 した 事 例 を 用 い て,以 下 の4つ の モ デ ル に つ い て 説 明す る.

① ポ ン プ モ デ ル

② 管 網 モ デ ル

③ 制 御 モ デ ル

④m点 移 動 平 均

図2‑9配 水 プ ロセ ス で の モ デ ル 群

(25)

① ポ ン プ モ デ ル

ポ ン プ 吐 出 圧 力Po[m]は,各 ポ ン プ の 性 能 が 同 一 で あ る とす れ ば,ポ ン プ 回 転 数 れ([0, 1]の 値),ポ ン プ 運 転 台 数M[台],吐 出 流 量Q[m3/h]の 関 数 で 表 現 で き,一 般 に(2‑1)式 よ う に 与 え られ る.な お,式 中 のa,b,cは ポ ン プ 特 性 で 決 ま る パ ラ メ ー タ で あ る.

Po=fp(n,M,Q)

一静+銅+cn2(2'1)

こ こ で の 事 例 で は,表2‑1の 値 に 示 す ポ ン プ 特 性 を 考 慮 し た.ポ ン プ のQ(流 量)‑H(揚 程)曲 線 の 例 を 図2‑10に 示 す.

表2・1ポ ン プ モ デ ル の パ ラ メ ー タ 例

全揚程57m 吐 出 し量312m3/h

α 一2,247

わ32

c76

O

OOOOOOOOOOOO987654321

[E]R

200 400

→‑n=100%,M=1

‑■ トn=100%

,M=2 Xnニ80% ,Mニ1

→‑n=80% ,M=2

6008001000 流 量[m3/h]

(26)

② 管 網 モ デ ル

配 水 管 網 をモ デ ル 化 した 管 網 モ デ ル を 以 下 に 示 す.実 際 の 配 水 管 網 は網 目状 に 管 路 が 接 続 され て い る こ と が 一 般 的 で あ るが,検 討 に 使 用 した シ ミ ュ レー シ ョ ン で は,図2‑11に す よ うに,管 路 網(A)を1本 の仮 想 的 な管 路(B)で 等 価 的 に表 した も の か ら末 端 圧 力 を 演 算 す る.演 算 式 は(2‑2)式 で 表 す.

P,=Po‑R(Q/3600)α+標 高 差(2‑2)

こ こ で,Pl:末 端 圧 力[m],Po:吐 出 圧 力[m],Q:配 水 流 量[m3/h]を 表 す.な お,R[s/m2], α[一]は管 路 抵 抗 係 数 パ ラ メ ー タ で あ る.標 高 差 はPoの 設 置 標 高 が 高 い 場 合 を 正 と し た.

パ ラ メ ー タ で あ るR,α は,配 水 流 量,吐 出 圧 力,末 端 圧 力 の 実 デ ー タ か ら 配 水 流 量 に 対 す る 圧 力 損 失(Po‑P1)に 基 づ い て 最 小 二 乗 法 に よ り決 定 す る こ と が で き る.こ こ で の シ

ミ ュ レ ー シ ョ ン で は 表2‑2に 示 す デ ー タ を 仮 定 し て パ ラ メ ー タ を 決 定 す る.

(A)

(B)

配水流量Q

Q:配 水 流量

図2‑11管 網 プ ロ セ ス の 近 似

表2‑2推 定 圧 力 損 失 導 出 に 必 要 な デ ー タ

吐 出 圧 力Po末 端 圧 力Pl圧 力損 失

1

推 定 圧 力損 失 R×Qα

664m3∠h 32.4m 30.3m 2.1m

● ●

1170m31h 40.7m 29.5m 11.2m

(27)

パ ラ メ ー タ 決 定 に 必 要 な 目 的 関 数 を(2‑3)式 に 示 す.最 小 二 乗 法 な ど に よ り 求 解 す る こ と でR,α の 値 を 求 め る こ と が で き る.こ こ で,Σ の 対 象 は デ ー タ の 全 期 間 と す る.

mirLΣ((P,,‑P,)‑R×Q/3600)・}2 (2‑3)

図2‑12に 示 す 実 デ ー タ か ら,圧 力 損 失 を 実 際 に 推 定 し た.図2‑12は あ る1日 に お け る 実 際 の 吐 出 圧 力Po[m]と 末 端 圧 力Po[m]の 差 で あ る 圧 力 損 失Po‑P1[m]に 対 し て,配 水 流 量 Q[m3/h]に 基 づ い て 推 定 し た 圧 力 損 失 を 示 し て い る.図 に 示 す 圧 力 損 失 の 挙 動 が 一 致 し て い る こ と か ら,管 路 網 内 で の 圧 力 損 失 を 表 す 用 途 で あ れ ば,(2‑2)式 に 示 す 管 網 モ デ ル は 適 当 で あ る と言 え る.な お,こ れ らデ ー タ か ら 最 小 二 乗 法 に よ り決 定 し た パ ラ メ ー タ は, R=432,α=3.03で あ っ た.

配水流量 末端圧カ ー 吐出圧力 圧力損失 一 推定圧力損失

1400

1200

ユOOO

ミ800 600

400

200

0

一 気 ケ〜 」 !

'帰 一一 r

‑一

1

[

1

一 一

一1 一1

ll

1 lllll 1

700

600

500冨

400駆

300出 \

200出

100

0 6=4ユ8=41ユ0=41ユ2=4114=4116=4118=4ユ20=4ユ22=410=412=414=416=41

時 刻

図2・12推 定 圧 力 損 失 の 同 定結 果

参照

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