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末端圧力推定に基づ く夜間バル ブ操作 による漏水削減

時 間 帯 を 特 定 す る と と も に,余 剰 水 圧 を抑 制 で き る 電 動 弁 の 操 作 量 を デ ー タ の み か ら 明 ら か とす る.ま た,そ の 結 果 と して 得 られ る 漏 水 削 減 効 果 の 見 込 み を 示 す.

第2節 対 象 プ ロ セ ス

対 象 と した 配 水 プ ロセ ス を 図3‑1に 示 す.約2万m3/日 の 中 小 規 模 の水 道 事 業 で,第1お よ び 第2浄 水 場 で 浄 水 処 理 を行 っ た の ち,第1お よ び 第2配 水 池 を 経 て 市 街 地 に浄 水 を供 給 す る プ ロセ ス で あ る.ま た,テ レメ ー タ等 で 常 時 計 測 す る の は 費 用 の 関 係 で 困 難 で あ っ た が,よ り安 価 に 水 圧 を 測 定 で き る 自動 水 圧 測 定 器 が2箇 所 設 置 され て お り,水圧 を10時, 11時,12時,19時,20時 の 正 時 に の み 測 定 値 を記 録 して い る.こ の 時 間 帯 で の 記 録 は, 水 需 要 量 が 多 くな る 時 間 帯 に適 切 な 水 圧 が 保 た れ て い るか を 確 認 す る こ とが 目的 で あ っ て, 比 較 的 水 圧 が 高 く な る と思 わ れ る水 需 要 量 が 少 な い 夜 間 は測 定 で き て い な い.さ ら に,中 央 監 視 室 か ら運 転 員 が オ ペ レー シ ョン で き るバ ル ブ は1ヵ 所 の 電 動 弁 の み で あ る.こ の よ

うに,漏 水 量 の 削 減 に 向 け て利 用 で き るデ ー タ は 限 られ た プ ロ セ ス を 対 象 とす る.

篤1配 水 池

自 動 輩 圧 到

〔た だL、 ヨ点/日O剴 定 〕

田 圧 弁

〔開 唐 固 定 〕

図 電蠣

自 動 ホ 圧 剴 定 器1

ヨ点/日o劃 定 〕

図3‑1対 象 と な る 配 水 プ ロ セ ス

こ の よ うな 配 水 プ ロ セ ス にお い て,中 央 監 視 シ ス テ ム で 収 集 で き るデ ー タ の み か ら夜 間 の 余 剰 水 圧 を 推 定 す る た め に は,推 定 モ デ ル が 必 要 に な る.一 般 的 に は,市 街 地 配 水 区 域 の 管 路 図 面 か ら管 路1本1本 の 口径 や 長 さや 各 管 路 の 接 続 状 況 な ど を調 べ た 上 で 管 網 モ デ ル を構 築 し,管 網 解 析 に よ り配 水 区域 の水 圧 を 推 定 す る5)・6).しか し な が ら,上 記 作 業 に は 多 大 な 時 間 や 費 用 を費 や す だ け で な く,夜 間 の 各 需 要 家 の 水 使 用 量 を 正 確 に 知 る こ とは 困 難 で あ り,管 網 解 析 に 必 要 な 節 点 需 要 量 を正 し く設 定 す る こ と は 一 般 に 難 しい.

そ こ で,現 時 点 で 測 定 可 能 な デ ー タ の み か ら夜 間 の 水 圧 を推 定 す る た め の簡 易 モ デ ル を 構 築 す る.具 体 的 に は,2箇 所 の浄 水 供 給 点 と2箇 所 の 水 圧 測 定 点 を 単 純 に 管 路 で 繋 い だ 図 3‑2に 示 す 簡 易 モ デ ル を 考 え る.本 モ デ ル で は,物 理 法 則 で あ る流 量 収 支 お よ び エ ネ ル ギー 収 支 を 表 す 次 式 の よ うに モ デ ル 化 す る.(3‑1)式 は 流 量 収 支 を,(3‑2)式 は エ ネ ル ギ ー 収 支 を 表 す.な お,M点 の 浄 水 供 給,m点 の 水 圧 測 定 の 場 合 に は(3‑1)式 はM本,(3‑2)式 は2M+

m'1本 の連 立 方 程 式 とな る.エ ネ ル ギ ー 収 支 に つ い て は 管 路 壁 面 に よ る圧 力 損 失 の み を 考 慮 し,圧 力 損 失 は へ 一 ゼ ン ウ ィ リア ム ズ 式12)に従 っ て,流 量 の1.85乗 に 比 例 す る こ と とす る.

Q,=q+Q. Q,+Q.=q (3‑1)

(hl+Hl)‑Pa=η Ω[185 Pa‑(PA+HA)ニ ㌔ql'85

Pa‑Pb‑・ 。q'85 伍,+H、)‑Pbニ ・、(2,"85 Pb‑(PB+HB)=%ql85

(3‑2)

こ こ で,

hi:第1配 水 池 水 位[m], h,:第2配 水 池 水 位[m],

Ql:第1配 水 池 配 水 流 量[m3/h], Q,:第2配 水 池 配 水 流 量[m3/h], PA:自 動 水 圧 測 定 器Aの 圧 力[m],

H2:第2配 水 池 標 高45[m],

HA:自 動 水 圧 測 定 器Aの 標 高25[m], HB:自 動 水 圧 測 定 器Bの 標 高 一25[m],

で あ り,こ れ ら は 中 央 監 視 シ ス テ ム な ど か ら 入 手 可 能 で,標 高 の 値 は 対 象 プ ロ セ ス の 設 置 標 高 で あ る.ま た,

P、:分 岐 点aの 圧 力[m], Pb:分 岐 点bの 圧 力[m],

Q、:分 岐 点aか ら 自動 水 圧 測 定 器Aへ の 流 量[m3/h], Qb:分 岐 点bか ら 自動 水 圧 測 定 器Bへ の 流 量[m3/h], で あ り,中 間 変 数 を 表 す.

な お,調 整 す べ き 未 知 パ ラ メ ー タ は 管 路 抵 抗 γi[一]であ る.

市街地配水区域

自動水圧 測定器A

自動水圧 測定器B

Ωb,γ

Q。,γ

Ql,γ1

電動γ

q,,

Q2,γ2

第1配 水池

第2配 水池

図3‑2市 街 地 配 水 区域 の簡 易 モ デ ル

上 述 した 配 水 プ ロセ ス を 対 象 に,運 用 制 御 的 対 策 で 漏 水 削 減 を検 討 した 手 順 に つ い て, フ ロー を 図3‑3に 示 す.対 象 とす る配 水 プ ロセ ス を モ デ ル 化 した の ち,中 央 監 視 シ ス テ ム か

ら得 られ て い る 実 デ ー タ に 基 づ い て,モ デ ル の パ ラ メ ー タ を調 整 す る.調 整 後 の モ デ ル が 実 測 され て い る 水 圧 を精 度 良 く表 す こ とが 可 能 で あ る場 合 に は,そ の圧 力 を抑 制 す る ア ク チ ュ エ ー タ(ポ ン プ や バ ル ブ)を 選 定 し,現 地 で の 測 定 に よ りそ の 減 圧 効 果 を確 認 し て 施 策 を 立 案 す る.最 後 に,立 案 した 施 策 に よ る 漏 水 削 減 効 果 を確 認 す る.次 節 以 降 は,概 ね こ の フ ロー に 従 っ て 詳 細 を説 明す る.

No (※)

Start

配 水 プロセスのモデル化

デ ータによるパ ラメータ調 整

恥↑豹(

調整結果は 良好?

Yes

夜 間 等 に余 剰 水 圧 がある?

Yes

漏水削減効果の試算

減圧効果の現場測定

減圧操作の施策立案

効果確認

(※

図3・3検 討 フ ロ ー

第3節 余剰水圧の推定 と漏水削減効果の試算

前 述 した 簡 易 モ デ ル に 対 して1日 に お け る水 圧 変 化 を推 定 し,余 剰 水 圧 の 有 無 を推 定 す る.

限 られ た 測 定 デ ー タ の み で 推 定 す る必 要 が あ る た め,(1)項 で は 既 知 で あ る配 水 池 流 量 や1 日5点 の 自動 水 圧 測 定 器 に よ る 末 端 圧 力 の 実 デ ー タ を 用 い て(3‑1)式 お よび(3‑2)式 に お け る未 知 パ ラ メー タγ、を 同 定 す る.(2)項 で は,そ の 結 果 で あ るモ デ ル を 用 い て,1日 の 水 圧 変 化 を推 定 し,余 剰 水 圧 の有 無 を調 べ る.さ らに,(3)項 で は,そ の 余 剰 水 圧 を 抑 制 した 場 合 の漏 水 削 減 効 果 を調 べ る.

(1)パ ラ メ ー タ γ、の 同 定

(3‑1)式 お よ び(3‑2)式 の 連 立 方 程 式 に 対 し て,未 知 パ ラ メ ー タ で あ る γ1を 同 定 す る.同 定 に 用 い る デ ー タ は77日 ×5点 の385サ ン プ ル と し,(3‑3)式 に 示 す 評 価 関 魏 が 最 小 に な る γ、を 決 定 す る.

J一 齢(亡)一 鳳(亡)臨(亡)‑P,(t)ア(3.3)

亡=1

た だ し,PAとPBは 推 定 値 を 表 し,(3‑1)式 と(3‑2)式 の 関 係 か ら(3‑4)式 で 表 現 さ れ る.

PA‑(H1‑HA)+h,‑rl(ら"85‑r.q'85

PB‑(H、‑HB)+h、‑r2(2,"85‑r,a"85

(3‑4)

(3‑3)式 の 最 小 化 問 題 を 解 い た 結 果 を表3‑1に 示 す.γ、の 値 が 大 き い の は 市 街 地 配 水 区域 を 管 路1本 の み で 表 現 した 簡 易 モ デ ル で あ るた め で あ る.

表3‑1管 路 抵 抗 の計 算 結 果

変数 値

γ1 10

γα 181

γx 30794

γ2 10

γb 883

表3‑1に 示 す 値 を 用 い て 推 定 し たPAとPBの 結 果 は 図3‑4に 示 す 通 り で あ る.PAとPBの 測 定 値 と 推 定 値 と の 平 均 絶 対 誤 差 は そ れ ぞ れ3.38m,2.57mで あ り,測 定 値 と(3‑4)式 に よ る 推 定 値 と の 重 相 関 係 数 は そ れ ぞ れ0.187,0.297で あ っ た.こ こ で,大 き さNの 任 意 標 本 の 重 相 関 係 数 をRと す る と き,次 式 で 定 義 され る 統 計 量 亡値 は 自 由 度N'kの 亡分 布 に 従 う こ と か ら,そ れ ぞ れ のt値 は3.725,6.087と 計 算 さ れ る7).こ こ で はN=385で,kは モ デ ル 式 の パ ラ メ ー タ 数 で,(3‑4)式 で はk=2と な る.

t‑IRl N‑k 1̲R2

(3‑5)

自 由 度383で 有 意 水 準1%の 時 のt値 で あ るtoolはt分 布 表 か ら2.589で あ り,PA,PBの 双 方 に お い て,t>亡0.Olが 成 立 す る こ と か ら,有 意 な 相 関 が あ る と言 え る.

80 70 60 50