(2)コ ン トロ ー ラ 設 計
(5‑1)式 に 示 す シ ス テ ム に 対 し,こ れ ま で の ポ ン プ 制 御 は 一 般 に,(5‑3)式 に 示 すPI制 御 を 行 っ て い る.
Ui=‑Kp(Xi一 η)‑Ki∫(κt一 η)dt
(5‑3)
こ こ で,Kpは 比 例 ゲ イ ン[一],KIは 積 分 定 数[一]を,riは 節 点i番 目 の 目 標 水 圧[MPa]を 表 す.
一 方 ,本 章 で 提 案 す る 分 散 協 調 制 御 の コ ン ト ロ ー ラ は(5‑4)式 で あ る.
1,Ltニ ーκP(X一rt)‑Ki∫(X一ri)dt一 κDpZ一KD∬ ∫Zidt(5 ‑4)
2tニ(x一ri)‑DLZi
図5‑2の1点 鎖 線 で 囲 っ た 部 分 に 示 す よ うに,PI制 御 が 自身 の 状 態 量 κiと目標 値riと の 偏 差, お よ び そ の 積 分 に そ れ ぞ れ ゲ イ ンKpお よ びK∬を 掛 け て フ ィー ドバ ッ ク を 行 うの に 対 し,分 散 協 調 制 御 で は,点 線 で 囲 っ た 部 分 の よ うに,PI制 御 項 に加 え,自 身 の 状 態 量Xiと 隣 接 す る ブ ロ ッ ク の 状 態 量Xjと の 偏 差 お よ び そ の 積 分 に そ れ ぞ れ ゲ イ ンKDP,KD∬ を 掛 け て ネ ガ テ ィ ブ フ ィー ドバ ッ ク を 行 う.そ の た め,各 入 力 砺 の 計 算 に は,自 身 の 状 態 量 κ,に加 え,隣 接 す る 点 の 状 態 量Xjを 必 要 とす る.こ の 状 態 量Xjの 情 報 を 用 い て 制 御 を 行 う こ とで,個 別 にPI 制 御 を 行 うよ りも突 発 的 な 外 乱 に 対 す る速 応 性 を期 待 で き る.
十
Pl制 御
測定 水圧
κ1
一
+U1
入 力 プ ラン ト1
κP P1
シ
目標値
γ1
シ 》 シ
十
● 〉
小
》
隣接プラント 茜
シ
下
r
十 、
十A
本 章 で の 分 散 協 調 制 御 の 特 徴 は,隣 接 エ リア 間 の 状 態 量 の 差(z一Zj)を フ ィ ー ドバ ッ クす る こ とで,外 乱 に よ る突 発 的 な 状 態 貌の 値 の 変 動 に 対 して,周 囲 の状 態 η が κ、と は 逆 方 向 に 動 く よ う に入 力 が 加 わ り,外 乱 に よ る変 動 を 周 囲 に 分 散 し抑 え る 効 果 を 生 む こ と で あ る.
ま た,積 分 項 の 効 果 に よ り,時 間 経 過 に応 じて 状 態 量 の 差(Zi‑Zj)が 収 束 す る こ とを 保 証 し て い る の で,シ ス テ ム 問 の 協 調 動 作 に 加 え,シ ス テ ム の 全 状 態 を 目標 値 に 近 づ け る 効 果 も 得 る こ と が で き る.
第3節 シ ミュ レー シ ョ ン モ デ ル の 構 築
一 般 的 な ポ ン プ 制 御 で 用 い られ るPI制 御 よ りも
,提 案 す る 分 散 協 調 制 御 の 方 が,外 乱 に 対 す る速 応 性 の 向 上 を期 待 で き る.そ こ で,あ る余 裕 度 を 持 っ た 水 圧 に維 持 す る ポ ン プ 制 御 に お い て,浄 水 の 安 定 供 給 や 消 防 用 水 量 な どを 考 慮 した シ ミ ュ レー シ ョン モ デ ル や 条 件 を 用 い て,速 応 性 の観 点 でPI制 御 と分 散 協 調 制 御 を 比 較 評 価 す る.
(1)管 網 モ デ ル
本 章 で シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 対 象 と す る 配 水 プ ロ セ ス を 図5‑3に 示 す.図 に 示 す よ う に,4 つ の 配 水 ブ ロ ッ ク か ら成 り,各 ブ ロ ッ ク ご と に ポ ン プ が 設 置 さ れ て い る.黒 丸 印(●)で 示 し た 水 圧 測 定 点 で 測 定 し て い る 水 圧 を あ る 一 定 値 に 維 持 す る よ う ポ ン プ 吐 出 圧 を 制 御 し, 各 ブ ロ ッ ク 問 を 接 続 す る 連 絡 管 が 設 置 さ れ て い る.ま た,各 ブ ロ ッ ク の 領 域 面 積 は3km×
3km=9km2と し,人 口密 度 は500人/km2,1人 当 た り の1日 最 大 給 水 量 と し て 約450L/日 を 想 定 し,2,000m3/日/ブ ロ ッ ク の 水 需 要 を 仮 定 し た.
⑦ ・ ポンプ 【凡 例 】
o・ 需 要 点● ・需 要 点+水 圧 測定 点
=管 路
ま た,ポ ン プ の 機 械 的 な 遅 れ と し て,時 定 数10秒 の1次 遅 れ を 考 慮 し,ポ ン プ の 最 大 吐 出 圧 力 は100mと し た.左 上,右 上,左 下,右 下 の 順 に 各 ブ ロ ッ ク に は 番 号1,2,3,4が 付 与 さ れ て お り,ブ ロ ッ ク 内 の 需 要 点 に も 左 上 か ら 番 号 が1,2,…,9と 付 与 さ れ て い る.本 管 網 モ デ ル の 緒 元 を 表5‑1に 示 す.な お,す べ て の 需 要 点 の 標 高 は30mと し た が,標 高 差 が あ る 場 合 で も 本 方 式 は 適 用 可 能 で あ る.
こ の と き,連 絡 管 に 関 す る 緒 元 は 同 一 で,(5‑1)式 に 示 し た 行 列Dは 単 位 行 列 に な る こ と か ら,肌 は 次 の(5‑5)式 の 値 と な る.
Dム ニ
011砲
‑⊥00∠一1
1砲01
砲110
(5‑5)
表5・1配 水 プ ロ セ ス の 緒 元
種別
項 目数値 単位
管路
長 さ 1,500 mロ 径 0.15 m
摩擦損失係数
0,026 一連絡管
長 さ 5,000 mロ 径 0.15 m
摩擦損失係数
0,026 一需要点 水需要量
0.00257 m3/s標高
30 m(2)消 防 用 水 量 モ デ ル
消 防 法 第20条 第1項 の 規 定5)に 基 づ き,消 防 水 利 の 基 準 と し て,口 径150mm以 上 の 管 路 に1m3/min(0.0166m3/s)の 給 水 能 力 を 有 す る こ と と 定 め られ て い る.し た が っ て,消 防 用 水 量 と し て あ る 時 間 に 図5‑4に 示 す よ う な,外 乱dが 発 生 し た 場 合 を 考 え る こ と と し, 水 需 要 量Nは.(5‑6)式 に 示 す よ う に 与 え た.
鋼棒 礎 ∴1}
N(亡)ニNo+d(亡)
(亡 ≧ 亡di、t)
(5‑6)
外 乱 の 大 き さdo=0.0166m3/s 外 乱 の 開 始 時 刻tdist:50s 外 乱 の 時 定 数7』:5s
通 常 の 水 需 要 量No:0.00257m3/s
O.02
{α 。15
轟
臨o.01 雌
O.OO5
o
O50100150
II
A
一 一
消 防 用 水 量 (外乱 の 大 き さ)
一
A
通常の水需要量
II
200
(3)制 御 系 設 計
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 用 い る 制 御 パ ラ メ ー タ の 値 を 表5‑2に 示 す.シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は 比 較 の た め,比 例 ゲ イ ンKpと 積 分 定 数KIに つ い て はPI制 御,分 散 協 調 制 御 と も に 同 じ 値 を 用 い た.
表5‑2制 御 パ ラ メ ー タ 設 計 値
制御方式
パ ラ メ ー タ 値PI制 御