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(3)制 御 系 設 計

シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 用 い る 制 御 パ ラ メ ー タ の 値 を 表5‑2に 示 す.シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は 比 較 の た め,比 例 ゲ イ ンKpと 積 分 定 数KIに つ い て はPI制 御,分 散 協 調 制 御 と も に 同 じ 値 を 用 い た.

表5‑2制 御 パ ラ メ ー タ 設 計 値

制御方式

パ ラ メ ー タ 値

PI制 御

0,001

0.0001

第4節 シ ミュ レー シ ョ ン に よ る 速 応 性 検 証 と効 果 試 算

以 降 で は,突 発 的 な 消 防 用 水 量 や 漏 水 事 故 が 発 生 し,そ れ に 伴 う水 圧 降 下 を シ ミ ュ レー シ ョン で 模 擬 して,分 散 協 調 制 御 に よ る速 応 性 向上 の 効 果 をPI制 御 と比 較 検 証 す る.ま ず, ケ ー ス ① と して,消 防 用 水 量 が 発 生 した 場 合 を想 定 し,速 応 性 が 向 上 す る こ とに よ り,定 常 時 の 目標 水 圧 を 下 げ る,す な わ ち水 圧 の 余 裕 度 を 低 減 で き る可 能 性 を 検 証 す る.ま た, ケ ー ス ② と して,大 規 模 な漏 水 事 故 が 発 生 した 場 合 を想 定 し,あ る需 要 点 で の 通 常 の 水 需 要 に加 え て,事 故 に 伴 う漏 水 量 を 徐 々 に加 算 して い き,負 圧 に な らな い 限 界 の漏 水 量 を算 出 す る.こ の 負 圧 に な ら な い 限 界 の 漏 水 量 を 限 界 需 要 量 と定 義 し,PI制 御 と比 較 して,分 散 協 調 制 御 の 場 合 に は,配 水 管 網 と して の 耐 故 障 性 を 高 め る効 果 に つ い て 検 証 す る.

な お,何 れ の ケ ー ス も ブ ロ ッ ク4で 消 防 用 水 の使 用 や 漏 水 事 故 が 発 生 し た と仮 定 し,ケ ー ス ① で 発 生 させ る消 防 用 水 量 の位 置 は ブ ロ ッ ク4の 需 要 点1に 相 当 す る黒 丸 印(●)の 地 点

とす る.

(1)消 防 用 水 量 を想 定 した シ ミュ レー シ ョン(ケ ー ス ①)

本 ケ ー ス で の シ ミ ュ レー シ ョ ン結 果 を 図5‑5お よ び 図5‑6に 示 す.図5‑5に 示 す よ うに,PI 制 御 の 場 合 に は 消 防 用 水 量 に よ っ て 水 圧 が0.30MPaか ら0.14MPaま で0.16MPa降 下 して い る.一 方,図5‑6に 示 す よ うに,分 散 協 調 制 御 の 場 合 に は,そ の水 圧 降 下 は0.12MPaに 抑 制 で き て い る様 子 が 分 か る.

消 防 用 水 量 な ど様 々 な 外 乱 を 想 定 して も安 定 給 水 が 可 能 と な る 目標 水 圧 を 定 め て 運 用 を 行 っ て い る配 水 ブ ロ ッ ク に対 して,こ の 結 果 は,0.30MPaを 目標 水 圧 と して 運 用 して い る 場 合 に は,定 常 時 に お け る 目標 水 圧 を0.26MPaま で 低 く運 用 で き る こ と を示 して い る.こ の 定 常 時 に お け る 目標 水 圧 を低 く抑 え る 効 果 は,ポ ン プ 圧 送 の 場 合 に は 消 費 電 力 の 削 減,

自然 流 下 の 場 合 で あ っ て も漏 水 量 の 削 減 を 見 込 む こ とが で き る.

な お,仮 に 定 常 時 の 目標 水 圧 を0.30MPaか ら0.26MPaま で 下 げ た 場 合 に 同 様 な 消 防 用 水 量 が 外 乱 と して 発 生 した 場 合 の シ ミ ュ レー シ ョン結 果 を 図5‑7に 示 す.こ の 場 合 の 水 圧 低 下 も0.12MPaで あ り,従 来 のPI制 御 の 時 の 最 低 水 圧 と同 等 の 水 圧 低 下 に 収 ま っ て い る.

こ の こ と か ら,分 散 協 調 制 御 を 導 入 す る こ とに よ り,定 常 時 に維 持 す べ き水 圧 の 余 裕 度 を 削 減 で き る 可 能 性 を示 唆 して い る.

0.5

0.4

窪o・3 菌

耗0 .2

0.1

0

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φ

ブ ロ ッ ク1

‑一 一・ ブ ロ ッ ク2

… … ブ ロ ッ ク3

・一 ・一 ブ ロ ッ ク4

最 犬0.16MPaの 水 圧 降 下

0 50 100

時 間 国

150 200

1.4 1.2

1.0

Σ0.8

0A出0・6 λ0 .4

0.2

0 0

ブ ロ ッ ク1

‑一 一・ ブ ロ ッ ク2

… … ブ ロ ッ ク3

・一 ・一 ブ ロ ッ ク4

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50

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時 間[s】

150 200

図5‑5PI制 御 で の 外 乱 応 答(上:末 端 圧 力,下:ポ ン プ 吐 出 圧 力)

0.5

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0.1

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ブ ロ ッ ク1

‑一 一・ ブ ロ ッ ク2

… … ブ ロ ッ ク3

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最 大0.12MPaの 水 圧 降 下

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ブ ロ ッ ク1

‑一 一・ ブ ロ ッ ク2

… … ブ ロ ッ ク3

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ブ ロ ッ ク1

‑一 一・ ブ ロ ッ ク2 ブ ロ ッ ク3

・一 ・一 ブ ロ ッ ク4

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PI制 御(水 圧 目標0.3MPa)と 同 等 の 水 圧 降 下

0 50 100

時 間 国

150 200

1.4 1.2

1.0

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0

一 ブ ロ ッ ク1

‑一 一・ ブ ロ ッ ク2 ブ ロ ッ ク3

・一 ・一 ブ ロ ッ ク4

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50 100

時 間 国

150 200

図5‑7分 散 協 調 制 御 で 目標 値 を 下 げ た場 合 の応 答

こ の 結 果 は,分 散 協 調 制 御 を 導 入 す る こ と に よ り,非 定 常 時 の 外 乱 に 対 す る速 応 性 を 上 げ る こ と で,定 常 時 に維 持 す べ き 余 裕 度 を削 減 で き る 可 能 性 を 示 唆 して い る.具 体 的 に は,

目標 水 圧 を0.30MPaか ら0.26MPaま で 低 く運 用 で き る.以 降 で は,こ の0.04MPaの 余 裕 度 を 抑 制 す る こ と に よ る消 費 エ ネ ル ギー 削 減 量,漏 水 削 減 量 を評 価 す る.

消 費 エ ネ ル ギ ー に 関 して は,定 常 時 に 水 圧Pを 維 持 し て い る 配 水 管 網 に お い て,水 圧 をAP だ け抑 制 した 場 合 の 消 費 エ ネ ル ギ ー の 削 減 効 果AE(%)は(5‑7)式 で 計 算 で き る.

△E‑(P‑△P1‑

P)(5‑7)

す な わ ち,今 回 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 検 証 に お い て は,(5‑7)式 に 目標 水 圧Pニ0.30MPa, 圧 力 差APニ0.04MPaを 当 て は め て 削 減 効 果 を 計 算 す る と,∠Eニ1‑(0.30‑0.04)/0.30ニ 13.3%の 消 費 エ ネ ル ギ ー を 削 減 で き る 見 込 み と な る.

ま た,漏 水 量 削 減 に 関 して は,一 般 に配 水 区 域 内 の水 圧 と漏 水 量 と の 間 に は,以 下 の(5‑8) 式 の 関係 が あ る こ とが 実 験 的 に確 認 され て い る7)'9).

△L‑(P‑△PP)α(5‑8)

こ こ で,ム:漏 水 削 減 率[%],α:実 験 乗 数[一]を表 す.

上 式 は,配 水 本 管 で の 減 圧 に よ っ て,配 水 支 管 や 給 水 管 で の 漏 水 を 水 圧 抑 制 率(P‑△P)/P の α乗 に 比 例 し て 削 減 で き る こ と を 示 し て い る.な お,α は0.5〜1.5の 範 囲 を 取 る こ と が 一 般 的 で あ る が,本 章 で は 実 験 的 に 算 出 され た1.15を 採 用 し た10)‑11).

漏 水 量 が 水 圧 に 依 存 す る こ と か ら,水 圧 をAPだ け 抑 制 し た 場 合 の 漏 水 削 減 効 果 を 試 算 す る こ と が で き る.す な わ ち,今 回 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 検 証 に お い て は,(5‑8)式 に 目標 水 圧 Pニ0.30MPa,圧 力 差 ∠Pニ0.04MPaを 当 て は め て 計 算 し て,△Lニ((0.30‑0.04)/0.30)1・15ニ 15.5%の 漏 水 削 減 効 果 を 期 待 す る こ と が で き る.

仮 に 表5‑1に 示 す8,000m3/日 規 模 の 需 要 に 対 す る 配 水 プ ロ セ ス で の 有 効 率 が80%だ っ た と す る と,無 効 水 量 は2,000m3/日 と な る が,無 効 水 量 と漏 水 量 が 等 し い と し て,こ の 量 を15.5%

削 減 で き た とす る と,無 効 水 量 は1,690m3/日 と な り,有 効 率 を82.5%ま で 向 上 で き る 見 込 み と な る.

(2)大 規 模 な 漏 水 事 故 を 想 定 した シ ミ ュ レー シ ョ ン(ケ ー ス ②)

ケ ー ス② で は,管 網 内 で 大 規 模 な 漏 水 事 故 が 発 生 し た 場 合 を 想 定 す る.漏 水 事 故 に 対 す る 耐 故 障 性 を 評 価 す る た め,漏 水 発 生 後 に 水 圧 が 低 下 し,ブ ロ ッ ク 内 で 最 も水 圧 が 最 低 と な る点 に着 目す る.例 え ば,図5‑8お よ び 図5‑9に 示 す よ うに,需 要 点1で 発 生 した 漏 水 量 が0.0121m3/sの 時 は負 圧 に な らず に 回 復 で き て い る が,シ ミュ レー シ ョ ン条 件 で あ る漏 水 量 を徐 々 に増 や して い き,あ る時 最 低 の 水 圧 が 負 に な っ た 時 の 漏 水 量 を算 出 す る.こ の と き,水 圧 が 最 低 と な る 点 の値 が 負 圧 と な っ た 時 の 漏 水 量 を 限 界 需 要 量 と呼 び,こ の 値 を耐 故 障 性 の 指 標 と して 考 え る.す な わ ち,限 界 需 要 量 が 大 き い ほ ど,大 き な 漏 水 事 故 に 耐 え

られ る こ と を意 味 して お り,耐 故 障 性 が 高 い と判 断 す る.

需 要 点1の 水 圧(MPa)【 凡 例 】

漏 水 量 が0.0261m3/sの 漏 水 量 が0 .0193m3/sの 漏 水 量 が0 .0121m3/sの

最 低 圧 力(MPa}

時間

図5‑8需 要 点1に 漏 水 量 を仮 定 した場 合 の応 答

最 低 圧 力(MPa)

0.2 0.1 0

漏 水 量(m3/S)

0.01210.01930.0261

図5‑9需 要 点1に お け る限 界 需 要 量

こ こ で,負 圧 に な ら な い 限 界 需 要 量 を 需 要 点1〜9ご と に シ ミ ュ レ・一一・・シ ョ ン に よ り 求 め た 結 果 を 示 す.各 需 要 点 に 対 す る 限 界 需 要 量 を 表5‑3,表5‑4に 示 し,表 の 値 を 等 高 線 表 示 し た も の を 図5‑10,図5‑11に 示 す.な お,等 高 線 は 図5‑3に 示 し た ブ ロ ッ ク4と 同 じ配 置 で 描 か れ て お り,左 上 が ブ ロ ッ ク4の 需 要 点1,右 下 が 需 要 点9を 表 し て い る.

表5‑3PI制 御 に よ る限 界 需 要 量

(単 位:m31s)

需要点1

0.0261

需要点2

0.0303

需要点3

0.0251

需要点4

0.0282

需要点5

0.0285

需要点6

0.0269

需要点7

0.0257

需要点8

0.0288

需要点9

0.0349

0.04

7