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携帯端末で利用可能な軽度知的障害児用の学習教材の開発と検証

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(1)2007年度 学位論文. 携帯端末で利用可能な軽度知的障害児用の 学習教材の開発と検証. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 特別支援教育学専攻. 心身障害コース mO6153c 橋 田 依 恵.

(2) 目次. 目次 1章研究の背景と目的 1.1 U−Japa拘政策… 一… ii… 一・一・・・… 一・… 一・3 1.2進化する携帯電話・・・・・・・・・・・・… ■ ’”嗣’’’” 置4 1.3 障害者とlCT・一・・一・・・・・・・・・…. 一・・一…. ■・…. 4. 1.4特別支援教育におけるlCT利用・・・・・・・・・・・・… 一・・・・… 5 1.5 携帯電話の学習利用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 6 1,6 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 7. 皿章 研究の計画 2.1質問紙調査・・■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 2.1コ 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 8 8. 2.1.2 手続き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… ■’隅層 ’騨’8 2.1.3 質問紙調査の結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 2.1.4 質問紙調査のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・…. ■・・・・・…. 9. 15. 2.2 教材開発と携帯端末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 15. 2.2.1 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… ∵・・・・… 15. 2.2.2 手続き・…. 一・・…. 一■・一・・・・・・… 一・・■・・書6. 一一 2.3 教材の検証手続き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 20. 2.3.1対象児… 一・・一・・一一・・・… ■・… 一一… 20 2.3.2 実験場所・… 一一… 一一… 一… 一・… 一・21 2.3.3 介入期間と回数・…. 一・・一・一・・一・・・・・・・・・… 21. 2、3.4 教材利用の手順・・・… 2.4研究計画のまとめ…. 一・・一・・一…. 一・・…. 一・2董. ■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 置・21. 皿章 実験の結果 3.1 対象児ごとの実験結果(A児)・一… 一・・一・・・・・・・・・… 巳23 3.1.1アセスメント結果・・・・・・・・・…. 3.1.2 介入計画・・…. ■■・・・…. ■■・・・…. ■…. 一・・… ■■一・一・・・・・・… 25. 3.1.3 介入結果・・・・・…. 一・・■… 一・・・・・… 一・… 26. 23. 3.2 対象児ごとの実験結果(B児)… 一・・・・・… 一・・・・・・・… 29. 3.2.1アセスメント結果・・・・・・・…. 3.2.2 介入計画・・・・・・・・・…. 一・・・・・…. 一・・一・・…. 一・・一・・29. 一一一…. 31. 3.2.3 介入結果・■一・一一・一・・一・・一・・・・… 一… 31 3.3対象児ごとの実験結果(C児)・一・一・… 一・・一■■・・一一・37 3.3.1アセスメント結果・・一一・・・・・・・・・・・…. ■…. 37. 3.3.2 介入計画… 一・一一・一・・・・・・・・・・・・・・・・…. 39. 3.3.3 介入結果・…. 一・・…. 3.4実験の結果のまとめ・…. 一・・・・・・・…. 一・一… 1. ■…. 一一・一・・39. 一一一一一・・一…. 45.

(3) 目次. W章 考察と今後の課題 4.1 有効性の検証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 4.1.1学習の効果・・一・・一・一一…. ■・46. 一・・・・・・・・・…. 46. 4.1.2 携帯端末利用のメリット・一・・・・・・… 一i… 一・… 48. 4.2 本教材の効果を高める方略・一一・・…. 一・一・・一・・・…. 4.2.1 セルフモニタリングとセルフチェック・・・・・・・・・・・…. 49. 糟’・願49. 4.2.2 環境条件の設定一一一・… 一■・・・・・・・・・・・・… 49. 4、2.3 家庭と学校の連絡一一・・… 4.3 今後の課題・・…. 一…. 一・・・・・・・・… 49. 一一・・… 一・・・・・・・・・・・・・… 49. 4.3.1 指導場面での金銭の学習指導における方略… 一・・… 一・一・49. 4.3.2 携帯端末を使った学習の将来性・一・… 一… 一・… 一・50 4.4 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 51 引用文献・参考文献・・・・・・・・・・・・・… 量・・・・・・・・・・・・・… 53 資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 58 謝辞. 2.

(4) 第1章 研究の背景と目的. 第1章研究の背景と目的. そのユビキタスネット社会の実現を目指し、. 総務省は2004年u・Japan政策を打ち出した。. 1.1u−Japan政策. 2010年までに「世界を先導するユビキタスネッ ト社会」を実現することを目標として策定され. 経済成長を超長期的にみると、「農業の時. た。. 代」「工業の時代」を経て、今日は新しい時 代「情報・知識の時代」が到来すると言われ. wJapan政策の基本的な軸は、①ブロードバ. ている。これからの「情報・知識の時代」. ンドからユビキタスネットへ、②情報化促進か. ではIn丑)rma七ion and Communication. ら課題解決へ、③利用環境の整備の抜本的強化. Tbchnology(情報通信技術、以下ICT)が. の3点である。これらを実現するために光高速. 変革をもたらすと考えられる(総務省、. 回線の整備や地上波テレビ放送のデジタル化等. 2007)。. が推進されている。. ICTの利用により生産性の向上や障害. わが国のユビキタスネット環境は携帯電話・. 者・高齢者の自立、社会参加、ネットワー. PHS(以下携帯端末)の契約者数学1億4百. クの成立とその上での人々のコミュニケー. 万件(電気通信事業協会、2006)やインターネ. ションといったメリットが生じる(成田・. ットの世帯利用率87.0%、2005年度のモバイ. 徹i、 2005)o. ルコンテンツ市場の前年度比25%という急激 な増加(総務省、2006)に見られるように年々. また、これからのICTの技術はユビキタ. 拡大していっている。. ス・ネットワークの技術の進化へと期待が 高まっている。ユビキタス(ubiquitOUS). しかし、都市部と過疎地域ではICTを活用で. とは「いつでも」(昼でも夜でも24時間)、. きる、または活用している人の割合が有意に異. 「どこでも」(職場でも、家でも、都会でも、. なり、デジタルデバイド(digital divide:ICT. 田舎でも、移動中でも)「何でも」(家電も. 活用できる人とそうでない人の間に生じる機会、. 身の回り品も、車も食品も)、「誰でも」(大. 年収などの差)の解決が緊急の課題となってい. 人も子どもも、高齢者も障害者も)ネソト. る。. ワークに簡単に繋がる社会を指している。. また、インターネット利用端末では携帯端末 総務省(2004)はユビキタス社会が実現. とPCを併用する利用者が最も多い。しかし、. すると時間と距離を超えて、誰もがあたか. 携帯端末利用率とPC利用率を比較すると操作. も空気のような感覚で情報にアクセスし、. に相応の知識が必要なPCは携帯端末以上に世. かつ発信できるとしている。かつて時間や. 代別のデジタルデバイドが顕著である。また、. 距離の制約を縮めた電話や自動車の発明が. PCは年収が400万円を超えないと世帯保有率. そうであったように、ユビキタスネット社. が50%を超えないのに対し、初期費用が安価で. 会は「人類社会の次のステージ」とも言え. 済む携帯端末は年収が200万円未満の世帯であ. る。わが国が抱える少子高齢化等の課題の. っても45.1%と半数に近い世帯が保有してい. 解決を図るためにはユビキタスネット社会. る。その他、男女別、都市規模別でもPCは携. の実現が不可欠としている。. 帯端末以上に利用の差が顕著である(2007、総 務省)。. 3.

(5) 第1章 研究の背景と目的 元に自由に製品を開発・販売できることである。. 「多様化と標準化の両立」とは「オープンアー. 以上のようなインターネット利用端末の 状況や手軽に持ち運べるというモバイル性. キテクチャ」により開発された多様なコンテン. から携帯端末の進化はユビキタスネットワ. ツを統合的に利用することを指す。これらの. ークの進化を牽引するものであるといえる。. TRONの思想は、その後のICT利用の潮流に 大きな影響を与えている(坂村、1999)。. 1.2 進化する携帯端末 1.3 障害者とICτ. 携帯情報通信端末は、小型化、軽量化技 術の進展、無線通信技術の発達等により、. 障害のある人の自立を支援するための法的規. 大きく進化を遂げている。その進化の方向. 制が国際的に整いつつある。1993年国際連合で. 性は多機能化、ネットワーク化である。. 採択された「障害者の機会均等に関する標準化. (2004 総務省)。特に携帯端末の進化は. 規則」で自立、参加、介護、自己実現及び尊厳. 目覚ましく、もはや単なる電話としての機. の五原則がうたわれた。また、国際標準化機構. 能だけを有するものではない。竹中(2004). は高齢者、障害者のためのガイドラインを策定. は電話の利用以外にテレビ、デジカメ、音. した(国際標準化機構i、2001)。. 楽プレーヤー、ムービーカメラ、ナビ、PDA、. ボイスレコーダー、財布、お金、カレンダ. こうした中の日本でも、高齢者、障害者配慮. ー、手紙、新聞、チケット、本、アルバム、. の規格基準化が急がれている。2004年にはICT. リモコンと実に16もの機能を挙げている。. 分野においてJIS化され、高齢者,障害のある 人及び一時的な障害のある人が,ウェブコンテ. このような携帯電話の進展に一役を担っ. ンツを利用するときの情報アクセシビリティを. たのが、OSのTRONである。 TRONとは. 確保し,向上させるために,ウェブコンテンツ. 「The Rea}time Operating system. の企画,設計,開発,制作,保守及び運用をす. Nucleus」の頭文字を取ったもので東京大. るときに配慮すべき事項について規定された。. 学の坂村健教授によって1984年に提案さ れたコンピュータOSの仕様である。その. また、携帯電話を含む電気通信商品分野のガ イドラインが作られている(竹中、2001)。. 目標は、あらゆるもの、あらゆる場所にコ ンピュータを内蔵し、それらを互いにネッ. u・Japan推進計画(総務省、2006)の中にも. トワークで接続し、協調動作するといった. 「高齢者・障害者のICT利活用の評価・普及を. 高度な情報社会の実現である(村井・尾崎・. 通じた高齢者・障害者のICT利活用支援の促. 糸田ノll, 2004)Q. 進」、「高齢者・障害者向けの通信・放送サービ. 例えば、現在ではすでに浸透しつつある携. スに関する技術の研究開発や身体障害者向けの. 帯電話を財布代わりに使用することはこの. 通信・放送役務の提供・開発に対する助成当の. TRONの発想によるものである。. 実施」など障害者のアクセシビリティを確保す るための施策が明記されている。. TRONの思想は「オープン・アーキテク チャ」と「多様化と標準化の両立」である。. そうした法的整備が進む中、NTTドコモがア. オープン・アーキテクチャとは最低限の標. クセシブルデザインに配慮した携帯電話を発売. 準化部分をフリーで公開し、誰でもそれを. した。例えば、操作を音声でガイダンスする機. 4.

(6) 第1章 研究の背景と目的 能やメールを音声で読み上げる機能を付加. 導入の妥当性について神沼(1996,1999)はす. した。その後他社でもこのような機種が. べての被験者がコンピュータに対して興味を示. 次々に開発され、高齢者・障害者の間での. しており、コンピュータアレルギーは見られず、. 携帯端末の普及に一役買っている。. マイナス要因は見られなかったと報告している。. このようなハード面だけでなく、ソフト. そうした中、各県においては情報機器の設置. 面でも障害者にとって利用価値が高いもの. を進めている。教育用コンピュータの1台あた. がある。例えば、i携帯端末各社:は月額利用. りの児童生徒の人数は3.3入、高速インターネ. を半額にするなど料金の割引、利用上限額. ット接続率は県により26.9%から100.0%と開. を超えた場合に配信停止となるサービス、. きはあるものの全体としては94.3%と高い数. 視覚障害者に対し、テレビ電話機能を活用. 字になっている(文部科学省2006)。. して目の前にある商品を確認できるサービ. また、点字入力専用キーボード、タッチパネ. スなどがある。. ル、トラックボール、音声入力・出力装置等も 以上のことから、将来、多くの障害者が. 全国で23,450台に整備されており、障害特性. 携帯端末を所有する可能性があると言える。. に応じた情報機器の整備が進んでいることが伺 える。. 1.4 特別支援教育におけるICτ利用 次にどのような実践が行われているのか述べ. 特別支援教育におけるICTの代表的な. る。渡邉・大杉・中村(2002)の調査によると. 機具であるコンピュータの活用を次に述べ. 特別支援学校のコンピュータを利用した実践は、. る。. 各学部において「かなり活発に行われている」。. 2000年に発行された学習指導要領(文部. しかし、佐原(2001)によると知的障害の特. 科学省2000)では、「各教科の指導に当た. 別支援学校とその他の特別支i援養護学校では利. っては、児童または生徒がコンピュータや. 用状況や教育観に違いがあることが指摘されて. 情報通信ネットワークなどの情報手段に慣. いる。. れ親しみ、それを積極的に活用できるよう にするための学習活動の充実に努めるとと. 爲川・橋本(2000)は知的障害児教育におけ. もに、視聴覚教材や教育機器などの教材・. るコンピュータ利用に関して、①学習を支援す. 教具の適切な活用を図ること」とし、コン. るための利用と②生活支援の道具としての利用. ピュータの教育への積極的な活用を明記し. と言う2つの考え方を示したが、知的障害児は. ている。. 状況に応じた操作の理解が困難であり、実際の 生活では使えないという考えから、②が受け入. また、「児童生徒の障害に基づく種々の困. れられなかったとしている。. 難を改善・克服し、学習を支援するために、. それぞれの障害の状態に応じて、情報機器. また、コンピュータは教科指導において最も. や情報通信ネットワークを活用することが. 利用度が高い。次いで総合的な学習や特別活動. 有効である。」としている。. の時間等で利用される。また、小学部、中学部、. 知的障害者の学習支援にコンピュータの. 高等部と学習児童生徒の年齢が上がるに連れて. 5.

(7) 第1章 研究の背景と目的 教科指導でのコンピュータの利用度が高く なっている(中村・小孫・棟方・大杉、2001)。. 機会をもたらすこと(佐藤・成田1999) ⑭学習の個別化(舛谷・川間1997). ⑮紙教材による学習の事前学習が可能である 教科でのコンピュータの利用目的は「コ ンピュータに慣れ親しませる」、「教材等の. こと. ⑯その児童の持っている数感覚を引き出せる. 提示」が多かった。先行研究からコンピュ ータ活用の利点を挙げてみる。. 東原(1997)は「知的障害児のための教 具に求められてきた要素を. ①興味関心を引きつけ、学習を動機付け るような映像刺激的要素. こと. ⑰学習の記録として活用できること また、. ⑱自閉症児にとっては動作の仕組みが単純明 快であり、安心感を与える。. ⑲児童生徒の能力・考え方等の評価が可能に. ②追視や視線を誘導し、映像的な認識を 助けるアニメーション的要素. ③細かいステップや学習の展開に臨機応 変に分岐対応できる要素. なること. さらに、教科学習面だけに限らず、コンピュー タに関する話題を教師と共有することにより、. ⑳教師や周りの人への積極的な働きかけが増. ④自らの操作によって変化する能動的な 要素. 加する可能性 が挙げられる。. ⑤有効で確実なKR(Knowledge of Resulも:解答に関する情報)フィード. 1.5 携帯電話の学習利用. バックが行える要素. ⑥容易にしかも確実に繰り返し指導がで きる要素. 一方、健常児を対象にした携帯電話を学習教材 として使用する研究は盛んに行われており、その. ⑦運動機能など障害を補償する要素. 成果も実証されている。例えば、加納(2004). ⑧行動の範囲を限定し、その範囲内で失. はその成果を「いつでも、どこでも学習者が自己. 敗の許される学習環境としての要素. ⑨実生活揚面を想定した様々な経験がで きるシュミレーションの要素 とし、「それらはコンピュータでこそ実現可. 能になってきたと言える」としている。 また、. ⑩一人の児童で成功した指導手続きを他. 評価・他者評価及び課題提出と閲覧を行うことが でき」、「教員からのフィードバックを受けること. ができる」としてその利点を挙げている。また、. 後藤;(2004)も時間と場所を選ばないモバイル. ラーニングはそのプライベートな学習形態と相 侯って、学生にとって大きなメリットとなりうる としている。. の児童に対しても再現できること 高浜・山本・清水(2001)の行った絵と漢字. のマッチングの学習では. ⑪指導者の指導を最:低限にし、自己学習 が成立する可能性. ⑫読みへの汎化が見られたこと を挙げている。. 中原・山口・西森・望月(2006)は、オンラ イン教材の利点を紙教材と比較して「インタラク. ティブ性(PCユーザーとPCが相互に作用する こ)」とした上で、携帯電話には「モバイル性」. と「パーソナル性」が加わるとしている。子ども は自分用のパソコンを持っていることは少なく、. さらに. そのため、好きな時間にPCを使用するというこ. ⑬情報化によって学びそのものを見直す. とは難しい。しかし、携帯電話は一人ひとり持つ. 6.

(8) 第1章 研究の背景と目的 ていることも多いことから、自由度が高まる。. また、学習を継続させるための「促しメー. ル」という方法を使用したときにも、PCの 場合には電源を入れる、メールソフトを起動 するなど学習者の能動性が求められる。しか し、携帯電話の場合には電源が入っているこ. とが日常的であるため、随時メッセージを相 手に送ることができるとしている。そういっ. た操作の簡便さが学習の継続率に繋がった としている。. 福永・大久保・井上(2005)は自閉症児 に対し、動物園で現在地を報告する訓練を 行ったところ、現在の活動を継続しながら、. 連絡を取ることが可能であったため、報告 行動を遂行できたとし、携帯電話の有効性 を示した。. 1.6 研究目的. 以上のように健常児を対象にした携帯電 話での学習教材や障害児を対象にした携帯 電話の生活支援ツールとしての研究は行わ れている。しかし、知的障害児を対象にし た携帯端末での学習教材の研究は見当たら ない。そこで本研究では、軽度知的障害を. 有する児童・生徒向けに、携帯電話で利用 可能な教材を開発し、その有効性を検証す るとともに家庭学習の促進を目的とする。. 7.

(9) ノ巳 @. 三 田. 第1章研究の計画 (3)調査方法 本章では、研究の経過について述べる。ま. ①特別支援学級教員. ず、予備調査として家庭学習に関する質問紙 調査を行った。その後、調査結果を基に教材. 回収率を上げるために校長会を通. を開発し、知的障害児を対象に指導を行った。. して質問紙を配布し、中学校を訪問 して回収した。. 2.1 質問紙調査. ②特別支援学校教員 特別支援学校や特別支援学級の教員を対. 学校長を通じて依頼し、郵送によっ. 象にして家庭学習に関する質問紙調査を行. て配布・回収した。. った。以下に手続きや結果を述べる。. (4)調査内容 調査内容は家庭学習用の課題の実態や. 2.1.1 目的. 必要性を把握するために、筆者が考案し、. 本教材は知的障害児が家庭においても学. 以下の6項目とした。. 習できることを目的としている。筆者は健. ① 家庭学習用の課題の必要性の有無. 常児に対し、学習内容の理解、定着を図る. ②家庭学習用の課題を出す頻度. ことを目的とし、家庭学習用の課題を提示. ③ 家庭学習用の課題としてふさわし. することは日常茶飯事であった。特別支援. い教科. 教育にあっても同様であろうかという疑問. ④ 家庭学習用の課題を提示するとき. が生まれた。. の配慮事項. そこで教材を開発するに当たり、家庭学習. ⑤家庭学習用の課題の具体例 ⑥ 携帯電話で利用可能な学習教材の. 用の課題の必要性、課題を提示する頻度、課 題提示時の配慮:事項等を明らかにするため、. 利用の希望. 特別支援学校及び、特別支援学級の担任に質 表2.1.1 調査対象の内訳. 問紙調査を行った。. 2.1.2手続き 特別支援学校. (1)調査対象=. 調査は筆者の現任校であるA市の小中学校 と、隣接する地区にある特別支援学校に依頼. 特別支援学級. した。(表2.1.1). 小学部. 8人. 中学部. 4人. 高等部. 19人. 小計. 31人. 小学校. 10人. 中学校. 6人. 小計. 計. (2)調査期間. 16人 47人. 配布数47部、回収数47部、回収率 10096. 2006年12月∼2007年3月. 8.

(10) 芸面 2.1.3 質問紙調査の結果と考察. 家庭学習用の課題についてその必要性や課. 結果を以下に示す。. 題提示時の配慮事項等を問うた質問紙調査の. (1)設問1「家庭学習の課題は(ア、出した方がよい イ、出さない方がよい ウ、わからな い)」および、その理由. ① 回答数. 設問1の学校種ごと、学部ごとの内訳を表2.12に表し、全体の数値の割合をグラフ2.13に 表した。. 表2.12 設問1の内訳 出さない方がよい. 出したほうがよい. 無. その他. 分からない. 小学部. 0. 2. 4. 2. 0. 中学部. 1. 1. 1. 0. 1. 高等部. 17. 0. 0. 0. 2. 小学校. 9. 0. 1. 0. 0. 中学校. 4. 1. 1. 0. 0. 31. 4. 7. 2. 3. 合計. 単位:人. 家庭学習の必要性 無. その他. 6覧. わからなし 0出したほうがよい. 15覧. 璽出さないほうがよい. ロわからない 出さないほうがよ. ロその他. い. 出したほうがよい. 9覧. 66瓢. グラフ2.13 設問1の全体の数値の割合 ② 理由. 回答理由と人数を選択肢ごとにまとめたものを以下に示す。. 9. 圏無.

(11) 立. 殖. 壽冨画. 【ア、出したほうがよい】と答えた回答理由 学習内容の定着を図る. 10人. 家庭との連携を深める. 5人. 余暇時間を有効に活用する. 5人. 家庭学習の習慣を身につける. 5人. 学習の機会を保障する. 2人. 子供の理解度を把握し、授業改善に役立てる. 1人. 実態に合うものであれば、意義がある. 1人. 【イ、出さない方がよい】と答えた回答理由. 本人の気持ちの状態によりできない. 1人. 本人が自力で課題を行うことができない. 1人. できない. 1人. 【ウ、わからない】と答えた回答理由. 【その他】と答えた回答理由. 【無回答】の理由. 全体の7割弱の教員が家庭学習用の課題が. えた回答は児童・生徒の実態を考慮した上で. 必要であると考えていることから、特別支援. の回答であった。障害が重度、重複化するに. 教育において家庭学習の必要性を確認できた。. つれ、指導者の存在や家庭の協力の影響が強. 特に特別支援学校の高等部教員や特別支援学. くなると考えられる。. 級の担任は「あったほうが良い」と答えた割 合が中学部や小学部と比べて多かった。関わ っている子どもの知的障害の程度が影響して いると考えられる。比較的軽度の子どもたち. にとって家庭学習は意義のあるものとして考 えられているようである。. 「出したほうがよい」と答えた理由として 学習内容の定着を図るためと答えた回答が最 も多かった。次いで、家庭との連携を深める、. 余暇時間を有効に活用する、家庭学習の習慣 をつけるという回答が多かった。 「出さないほうがよい」「わからない」と答. 10.

(12) ク恒 …. (2)設問2 「家庭学習用の課題を出されていますか。(ア、週4,5回 イ、週1∼3回 ウ、. 月に1∼3回 工、学期に1∼2回 オ、出したことがない カ、その他) 設問2の学校種ごと、学部ごとの内訳を表2.1.4に、全体の数値をグラフ2.1.5に表した。. 表2.1.4 設問2の内訳 ア、週. イ、週1. S,5回. ゥら3回. ウ、月に. エ、学期. オ、出し. Pから3. ノ1から. スことが. Q回. ネい. 小学部. 0. 中学部. 0. 2. 0. 高等部. 6. 2. 小学校. 4. 中学校 計. 0. 0. @ @. 1;カの中で :. Jその他1毎日と答 @. …. 1えた数. 計. ■. 4. 2i o 「. 8. 0. 2. oi o I. 4. 6. 4. 0. 0. 0. 0. 2. 1. 0. 12. 5. 6. 2. 1i ・. 19. 1. 5i 4 圏. 10. 0. 1. 2i 2 圏. 6. 6. 8. 10i. 6. 47. 圏. 単位=人. 家庭学習の課題の頻度(計) カ、その他(毎日を. 含む) 21%. ,、。. ア、週4,5回 25%. ■ア、週4,5回 ■イ、週1から3回. ロウ、月に1から3回 オ、出したことがな. ■オ、出したことがない. 11%. 17%. エ、学期に1から2. 回. ロエ、学期に1から2回. イ、週1から3回. い. 国力、その他(毎日を含む). ウ、月に1から3回 13%. 13%. グラフ 2.1.5設問2の全体の数値の割合. 「週4、5回」という回答と「毎日」と. える回答が目立った。日常的に家庭学習. いう回答をあわせると18人となり、全. 用の課題を提示していることが明らかに. 体の38%を占める。特に特別支援学級. なった。. では「週4、5回」または「毎日」と答. 11.

(13) 殖. 芸面. (3)設問3「家庭学習で行う課題としてどのような教科・領域がふさわしいとおもいますか(複. 数回答可)(国語 社会 算数 数学 理科 音楽 保健体育 美術 技術家庭科 英語 生活 (小学校の教科)生活単元学習 自立活動 作業学習 道徳 特別活動 総合的な学習の時間 その他)」. 設問3の学部ごと、学校種ごとの内訳を表2.1.6に、全体の数値をグラフ2.1.7に表した。. 表2.1.6設問3の内訳 技・. 算. 国. 数. 生. 美術. 保体. 生単. 英. 自. ニ. 他. 社. 音. 作. 理. 特. 道. 総. 小学部. 3. 2. 1. 2. 1. 0. 2. 0. 0. 2. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 中学部. 3. 1. 2. 1. 0. 1. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 高等部. 15. 9. 8. 5. 7. 4. 1. 1. 2. 1. 1. 1. 0. 1. 1. 0. 0. 0. 小学校. 10. 8. 0. 4. 0. 3. 2. 1. 1. 0. 1. 1. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 中学校. 5. 3. 4. 1. 0. 0. 1. 3. 0. 0. 0. 0. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 36. 23. 15. 13. 8. 8. 7. 5. 3. 3. 2. 2. 2. 1. 1. 0. 0. 0. 計. 単位=人. ふさわしい教科・領域(計). 40 35 30 25 20. ,. 15 10 5. 一. 0. グラフ2.1.7 設問3の全体の数値の割合. 国語が36人で最も多かった。しかし、小. 「国語」「算数・数学」が家庭学習用の課題. 学校や小学部の教員は「算数」、中学部、高. としてふさわしいと考えていることがわか. 等部、中学校教員は「数学」と答えている. った。それは、漢字や計算など反復練習が. ことが多かったことから、「算数」と「数学」. 必要な課題が多くあり、自学自習しやすい. を合わせると38人となり、最も多くなる。. ことが理由のひとつとして考えられる。. 12.

(14) 皿点 @市齢知の雪1面. (4)設問4 「児童・生徒に家庭学習用の課題を提示するときに、どのようなことに配慮しな ければならないとお考えですか。」. 回答数の多かった順に表2.18に示す。. 表2.18設問4の内訳 一人で行えるもの. 15人. やる気を失わないための配慮. 6人. 負担にならない内容や量 保護者の方の理解や協力を得る. 6人 5人. 本人の実態に合ったもの. 4人. わかりやすさ. 3人. 生活に生かせるもの. 2人. 学習内容を定着させるもの. 2人. 達成感・充実感があるもの. 2人. 授業の進展にあっているか. 1人. 始まりと終わりが明確にわかること. 1人. 使用摂関、料金携帯電話での教材に関する質問等. 3人. 一人で行えるように配慮しているという回. なった。「保護者の理解や協力を得る」という. 答が最も多かった。次いで「やる気を失わな. 回答も多く、家庭学習において家庭との連携. い」ことや「:負担にならない」ことといった. を図っていることが伺えた。. 本人の心情面に配慮していることが明らかに. 13.

(15) 立. (5)設問5 「具体的にはどんな課題が良いと思われますか。(例. 知 含『面. 算数の数の大小を理解する. ために絵や図を用いたもの)」. ①結果 設問5の内訳を表2.1.9に表す。 表2.肇.9 設問5の内訳 ドリル. 計算問題. 9人. ひらがな・カタカナ・漢宇などの書字. 8人. 英単語やアルファベットの書字. 2人. ドリル学習全般. 上記以外で教科に関するもの. 日常生活に関連するもの. 機能訓練的なもの. その他. 2人. 音読. 2人. 授業内容の復習. 3人. 社会科クイズ. 1人. 色を塗って大小を比較する. 1人. 買い物の計算. 2人. 地図の活用. 1人. 洗濯物をたたむ. 1人. 調理. 2人. 歯磨き指導. 1人. 紐を結ぶ. 1人. はさみで切る. 1人. 色を塗る. 1人. 一人でもやかりやすいもの. 2人. 本人の興味のあるものを用いた問題. 1人. 絵カード等を用いた記入式の問題. 1人. ドリル学習が圧倒的に多かった。また、. 常生活に密着したものや機能訓練の意味合. 教科学習を基盤とした課題がふさわしいと. いをもたせた課題など生活単元学習や自立. 考えられていることが明らかになった。日. 訓練に関わる回答も多かった。. 14.

(16) 立. 殖 曇面. (6)設問6 「現在、携帯電話等携帯端末で利用可能な教材の開発に取り組んでいます。その ようなものがあれば、使ってみたいと思われますか。(はい. いいえ. どちらでもない). 設問6の内訳を表2.1.10に示す。. 表2.1.10 設問6の内訳 はい. どちらでもない. いいえ. 小学部. 2. 4. 1. 中学部. 1. 1. 2. 高等部. 5. 0. 12. 小学校. 4. 2. 4. 中学校. 3. 0. 2. 15. 7. 21. 計. 単位=人 「どちらでもない」という回答が最も多か. リル学習が多く宿題として出されていること. った。理由や意見から携帯電話を使用するこ. が判明した。. とでのデメリット(利用料、マナー等を危惧 する声も聞かれた。また、コニュミケーショ. 課題提示に際して、本人の実態に合わせた. ン早戸ド、ボイスレコーダーとしての利用な. 内容、あるいは提示方法の工夫、本人が一人. ど携帯端末の機能の有効活用を求める回答も. でできるように配慮されたものを必要として. あった。. いることが明らかになった。. 2.1.4質問紙調査のまとめ. 2.2 教材開発と携帯端末. 特別支援学校や特別支援学級の教員を対象. 前段での結果より、知的障害児に対する. に行った家庭学習用の課題の必要性や配慮事. 家庭学習用の課題の必要性が明らかになっ. 項を問う質問紙調査を行った結果、次のこと. た。また、携帯端末の機能の有効活用を求. が明らかになった。. める声も聞かれた。このような結果を考慮 しながら、筆者は携帯端末を利用した家庭. 障害児に対する教育において、家庭学習用. の課題は必要であると考えている教員が7割. 学習用の教材を開発した。. 弱おり、家庭学習用の課題の必要性が確認さ. れた。家庭学習用の課題を提示する頻度は週. 2.2.1目的. 4∼5回、毎日という回答が4割弱あり、日常 的に家庭学習用の課題を児童・生徒に提示し. 前段の質問紙調査より、知的障害児に対 する家庭学習用の課題としてドリル学習が. ている教員が多いことが明らかになった。. 多く提示されていた。それは、「読書百篇意 また、国語、算数・数学といった教科がふ. 自ら生ず」の諺にも表されているように日本. さわしいと考えている教員が多かった。具体. では、その意味を詳しく考えるよりも、まず. 的には漢字の書き取りや計算問題といったド. それに慣れるということが伝統的に重要だと 15.

(17) 立. 殖. 量’面. され、学習においてもドリル学習が根をおろ. いうことを選定条件とした。また、舛谷(1999). しているためである(吉田、1991)。. の研究によるとタッチパネルはPCの画面を 触れることで入力が可能となるのでより具体. 算数・数学が家庭学習用の課題としてふ. 的、直感的な入力方法であり、有効であるこ. さわしいと考えられていることと筆者が数. とから、タッチパネルを装備しているWILCOM. 学教員であることから、教材の教科を算数・. 社製のWSOO4SHを選定した。. 対象児の自宅の電波状況から、ソフトバン. 数学に決定した。. ク社製912SHも追加した。. 学習指導要領解説では知的障害児への算 (2) 開発言語・画面の流れの決定およ. 数・数学の指導において「生活に結びついた. び仕様の検討. 実際的で具体的な活動」を重要視している(文 部科学省、2000)。また、知的障害児の「興味・. 関心と結びつきやすい数量的経験は多くの場. 教材のデザインは筆者が原案を作成し、協. 合、生徒の実生活の中に含まれているもので. 力企業との協議の末決定し、その後、企業側. ある」(文部科学省、2002)とされ、具体的に. でプログラミングを行った。. 開発言語は本教材開発後、家庭への導入を. は「金銭、時間・時刻、暦」が挙げられてい. 考えると、広く一般に普及しているWINDOUWS. る。. マシンで動作可能であることや導入の費用を. さらに最初に決まった対象者の主訴が金. 考慮しなければならない。そこで、無償で公. 銭に関するものであったことから、本教材. 開され、WINDOWSマシンで動作可能なPHPを. の学習内容を金銭処理に決定した。. 採用した。. 以上のような算数・数学の学習指導要領. 本教材はドリル学習を目的として画面を構. や先行研究を踏まえ、携帯端末で動作可能. 成した。まず、ログイン画面で対象児を識別. な、軽度知的障害児が家庭でも、ドリル学. する。続いてメニュー選択画面で難易度(「や. 習を主体的に行え.るような金銭処理に関す. さしい」「ふつう」「ちゃれんじ」と3段階). る教材の開発を行うことにした。. を選択する。続いてセット選択画面で問題の 種類を選択する。問題提示画面では、2∼3の. 2.2.2手続き. 選択肢を選択する形で回答する。問題は設問. 5問で1セットとし、5問回答後に100点満 点で正答率を表示し、対象児にフィードバッ. 教材開発は兵庫教育大学の教員からの助言 や先行研究を参考にして、(1)端末の選定、. クを与えるようにした。. (2)開発言語・画面の流れの決定および仕 様の検討、(3)設問内容の決定、(4)画面 構成のパターン化、(5)設問内容の再検討と. いう5行程で行った。. (1) 端末の選定 端末の選定に当たっては大画面、高画質と. 16.

(18) 立 一殖. 善匿. 小学校の生活科において金銭についての学 ログイン画面. 習は「金銭の取り扱い」「買い物」「自動販売. 機の利用」に大きく分けられる。自動販売機. メニュー選択. の利用はさんすう☆☆でも取り扱われている。. セット選択. また、「教師と一緒に簡単な買い物をする」「決. まった額の買い物をして、金銭の必要なこと. スタート画面. がわかる」「簡単な買い物をして金銭の取り扱. 第1問問題提示画面. いに慣れる」の3段階で指導を行う。. フィードバック画面. 買い物については、ものの買い方を知るこ. 第2問. と、決まった額の買い物をすること、目的に. 合う買い物をすることなどが盛り込まれてい. 第5問. る。さんすう☆☆では買い物ごっこを通して ものを買うという行動を学習するが、初期の. フィードバック画面. 段階ではお金は取り扱わない。さんすうでの 採点画面. 買い物ごっこを生活科で現実に行うという手 順になっている。さらにさんすう☆☆、さん. 次のステージへ. すう☆☆☆では、値段の見方など買い物に必 要な力を学習する。. 図2.2.1画面の流れ (3) 設問内容の決定. 金銭の扱いについて生活科ではお金の分類 や計数といった技能面だけでなく、大事に扱. 設問内容を決定するに当たり、知的障害. うことや保管といった態度面も身につけるこ. 児の金銭処理に関する指導についての先行. とを目標としている。 算数では500円まで. 研究(高橋・飯塚・松本・市川・浦崎、2001). のお金の種類と名称を定着を図り、値段どお. や学習指導要領(1999)、学習指導要領解説. りに出すことを学習する。. (2000)、知的障害児用の教科書であるさんす. う☆、さんすう☆☆、さんすう☆☆☆、数学. ☆☆☆☆(文部科学省、2002)に書かれてい る内容の整理を行った。. 金銭に関する内容は小学校では生活科、中. 学校では数学科の実務の内容とされている (文部科学省、2000)が、実際には算数の教 科書にも記載されている。. 中学校の数学科では金銭の使い方になれる. 学校の生活科と同じく技能面だけでなく、お 金を大切にするといった態度面も学習する。. ことを目標としており、具体的には①両替、. ②買い物、③消費税、④自動券売機、⑤預貯. 高等部の数学科では中学校までの学習を. 金、⑥領収書の6項目について学習する。小. さらに発展させて金銭の必要性を理解するこ. 17.

(19) 牌−τ立. ととともにキャッシュカードの利用などこれ. 耕牽の劃面. 「10までの数」「100までの数」「1000までの. からの社会生活に必要な事柄も学習する。. 数」の数学的な考え方が「生きてはたらく力. 金銭処理について高橋ら(2001)は「金銭. となる」としている。高橋らの考えた金銭処. 処理の指導系統には「ちょうど」と「少し大. 理における「考え方」発展の地図を図2.2.2. きい」の2系統があるとし、「数の基礎概念」. に示す。. 金種(千円札)の理解. 金気(百円硬貨)の理解. 足りないときにもう一枚だすこと. 数の並びと金種の対応 金種そろえ版で不足したら左に戻る 戻ったらそこでとまる. 両替の考え方①. 数の並びが「ちょうど」(値段)であること. 両替の考え方②. 少し大きいお金で払うとお 補助貨幣の使い方. つりがもらえること. (異種同価の考え方). 1∼99は100円で買える. 1∼9は10円で買える 「値段」と「出すお金」と「おつり」の関係の理解 (値段より少し大きく出すとおつりがくる). 注:金事そろえ版とは貨幣を金種ごとに仕分けして置く教具を指す。. 図2.2.2 金処理における「考え方」発展の地図. (4) 画面構成のパターン化 知的障害児へのPC活用の課題として、東原. 児に応じて教材を修正しながら使う必要が. (1997)は「実際に指導に携わる者が対象. あるにもかかわらず、それはまだ簡単とは. 18.

(20) 知 芸面. いえない」としている。その課題を解決す. 導者はアップロードの知識があれば、子ども. るため、簡単に適宜変更できるようなシステ. の能力に合わせ、パーソナライズすることが. ムが必要となる。. 可能となった。4種類のパターンの例を図. そこで、問題提示時の画面構成を数種類に. 2.2.3∼2.2.6に示す。. パターン化することとした。これにより、指 [1]どちらがたかいおかね?. [11これいくら?. ②. ① 〆’弓胴㌧触L《 ヂ. お. 塾5005 ち. 翼oo. げ. 転燃」. ①500えん. あなたのこたえ=. ②・・えん[亟] あなたのこ左:え=. 区 図2.2.3 Aパターンの例. 図2.2.4 Bパターンの例. [1]ぴったりにしてみよう!. 【1]いくらはらえば いい?. 600えんぴつたりにしてみよう. 500えん. □. 匿壷] 囮. 圃. ▲. ◎砺σ9. 520ゴしん.. 100えん. □. ぴったりないとき. いくらはらえばいいのかな?. ②550えん. 國. ③20えん. あなたのこたえ= すすむ. もどる. 図2.2.5Cパターンの例. ▼. 図2.2.6Dパターンの例. (5)設問内容の再検討. 表2.2.3に設問内容を示す。設問番号18は当. 対象児の実態に合わせ、設問内容を再検討. 初は上段に書かれている内容であったが、対. し、加除修正を加えた。プリテストの結果、3. 象児の実態に合わせ、介入途中で下段の内容. 種類の金町の合計金額や所持金内で購入の可. に変更した。. 否を問う問題を追加したり、変更したりした。. 19.

(21) 雌立. B0引面. 表 2.2.3設問内容. 内容 1. 金種の弁別. 2. 紙幣と硬貨間の価値の大小. 3. 硬貨間の価値の大小. 4. 紙幣間の価値の大小. 5. 同一貨幣、複数枚の合計金額. 6. 2種類の硬貨が複数枚の合計金額. 7. 同一貨幣が10枚あるときの金額. 8. 貨幣をひとつ下の位の貨幣で両替するときの必要枚数. 9. 5の付く貨幣を同一の位の貨幣で両替するときの必要枚数. 10. 5の付く貨幣が2枚あるときの金額. 11. 貨幣を5の付く貨幣で両替するときの必要枚数. 12. 貨幣を2種類の貨幣で両替するときの必要枚数. 13. 5の付く貨幣と同じ位の貨幣が複数枚あるときの合計金額. 14. 提示された金額に対して1枚だけ出して支払うときの金種. 15. 支払う金額と支払った金額の不足分. 16. 提示された金額に対して3種類の金種の必要枚数. 17. 所持金で購入可能な品物の選択 提示された金額に対して3種類の金種の必要枚数(15より高度な問題)一 一 一 冒 需 一 ■ 一 柵 網 需 } 雫 卿 一 一 一 一 一. 國 一 一. 申 一 一 一 曹 一 , 一 一 一 一 團 扁 7 鴨 鞠 } 一 一. 一 幽 豊 一 一 一 一 一 一 一 一 囲 一 F 一 } 薗 一 一 一 } 一 一 冒 晶 闇 一 一 精 r − F. 一 一 一 曽 一 一 一 一 一 腎 , } 一 F. 一 一 幽 9 一 一 一 一 句 } 一. 18. 且搴燗烽ナの購入の可否. 2.3教材の検証手続き までの数の概念が形成されていることという 開発した教材を実際の指導場面で用いて携. 4つの条件を提示した。. A児は場面絨黙を有し、発話による検査で. 帯端末による学習教材の有効性を検証した。. は正確な知能が測れないため、Goodenough人. その手続きを以下に示す。. 物画知能検査を用いた。3名のプロフィール 2.3.1対象児. を表2.2.4に示す。. 対象児は知的障害を有する男児1名、女児. 2名の計3名であった。対象児の募集に当た って①ひらがながよめること、②1c皿角のボ. タンが押せること③数字が読めること④10 20.

(22) 立 一殖. 引面1. 表 2.2.4 対象児のプロフィール. って両替や支払う貨幣を選択する活動のテス. A児. トを行った。. 性別一 一 層 陶 一 一 一 一 一. 一. ■. ”. 扁. }. 騨. 一. m的障害特別支援学校一 一 一 一 一 一 一 一 ¶ 曜 冊 一 一 冊 r 一 一 F } 一 一 一 圃 , 一 標 一 一 一 一 一 幽. w年一 一 一 一 一 一 一 謄 一 需. 層. 鼎. 噂. 陶. _. (2) その結果を基に対象者が理解してい. 一. foodenough. る割合の高いものやエラーパターンの明確な. lA:8歳8ケ,月、 IQ:49. ものから順に学習した。学習は本教材のみを. 沚ク結果 B児. 性別一 } 冒 − 噸 一 一 一 一 一. 一. 一 一. 唱. 一. 一. 使って行った。まず、対象者に携帯の画面を. 女児一一冒騨一,一幽臼幽曽一璽一一一一一一一胃雫一F一一一富曹嘗嘘一. 注視するように促し、提示された課題を解決. w年 一 F r. 一 一. するための思考過程や方略を筆者が主に口頭. s剳狽Q年. 一 凹 ■ 一 一 一. 囑. 一. ”. foodenough. 覇. 一. 一. 一. 一. 9. 一. 一. 一. 一. −. 一. ,. 一. 腎. 一. 一. }. 一. 豊. 噂. 一. 一. 一. 一. 曹. で教示する。その後、徐々に教示を減らし、. 一. lA:8歳3ケ月、 IQ:48. 対象者が自力で回答する機会を増やす。課題. 沚ク結果 C児. 性別暫 層 一 一 一 冒 一 一 一 一. 禰. 需. 轄. }. r. ン籍曽 一 一 騨 一 一 一 一 冒 冒. 麗. 層. 一. 噂. 蟹. は5問で1回とし、10回繰り返した。介入の. F. 後半期では身体的負担を減少させる目的で繰 一. り返す回数を5回に変更した。. w年 一 一 一 一 一 響 一 曽 一 璽 一 一. 中学部2年 璽. 一. 一. 一. foodenough. 回. 層. 一. }. 一. 門. P. ,. 幽. F. 曽. 一. 一. 一. 塵. 璽. 一. 曜. ■. 一. 一. 一. 謄. 冒. 一. 7. “. 騨. 一. 一. 一. }. lA:6歳1ケ,月、 IQ:43. (3) 次の介入までに2回続けて80点以上. 沚ク結果. になるまで自主学習をするように指導した。. 2.3.2 実験場所. (4) 次の介入時に再び紙教材によるテス トを行った。その時点で正答率が90%を超え. A児は対象者自宅、B児は対象者自宅、また. ていれば、次の学習内容へと進んだ。. は父親の経営する歯科医院の一室、C児は対 象者の在籍する学校で行った。本研究は指導. (5) 11月第1週と第2週にその時点での. 者の援助をできる限り少なくし、自主学習を. 既習事項のポストテストを行った。プリテス. 促進させることを目的としていることから、. トと同様に紙教材とともに実物の貨幣を使っ. 家庭において介入することとした。しかし、. て行った。. 対象児の家庭の都合があり、定期的な訪問が. 不可能なB児、C児については他の場所でも. 2.4研究の計画のまとめ. 行うことにした。. 本研究では予備調査として特別支援学級や 2.3.3 介入期間と回数. 特別支援学校の教員を対象にした家庭学習に 関する質問紙調査を実施した。その結果から、. A児2007年6月∼U月、12回 B児2007年7月∼11月、18回 C児2007年7月∼11月、17回. 次のことが明らかになった。 ①. 家庭学習用の課題は必要であると 考えていること. ②. 2.3.4教材利用の手順. 日常的に家庭学習用の課題を提示 している教員が多いこと. ③. (1) まず、作成した教材と同じ問題を紙. 家庭学習の内容は本人の実態に即 したものが適していること. 教材で提示し、テストした。また、実物を使. ④. 21. 生徒が単独で行えるような課題提.

(23) 立. 示の仕方の工夫が必要であること. ⑤. 国語や数学のドリル学習が家庭学 習として望ましいと考えている教 員が多いこと. こういつた質問紙調査の結果や先行研究を. 基に教材開発を行った。教材開発は次の6行 程で行った。. (1)端末を大画面、タッチパネル画面、 高画質とう選定条件により、WILCO醒社製およ びソフトバンク社製に決定した。. (2)開発言語を無料で公開されている PHPとした。平行して画面構成を5問で1セ ットとなるような流れに決定した。. (3)設問内容は金銭処理に関する問題と し、18種類の問題を設定した。. (4)出題画面の構成4パターンにした。 (5)設問内容を対象児に合わせ、追加・ 変更を行った。. 開発した教材を知的障害児3名の生徒に金 銭処理に関する指導を6ヶ月間行い、教材の 有効性を検証することとした。. 22. 知 妻面.

(24) ぐ ’. 第皿:章 実験の結果 本教材の有効性を検証するために、開発し た教材を使って3名の知的障害児への指導を. 行った。3名の対象児は特別支援学校に在籍 する中学校2年から高等部3年の生徒である。 対象者の選定にあたっては、特別支援学校の 校長や教諭や、保護者に依頼し、地域的に偏 りがないように配慮した。また、知能年齢6 歳以上、ひらがなが読めること、携帯端末の ボタンの操作が可能であることを条件とした。. 本章では対象児ごとのアセスメント、介入結 果を示す。. 3.1 対象児ごとの実験結果(A児). 本節ではA児へのアセスメント結果、介 入計画、実験結果を示す。紙教材および口 頭や実物によるプリテストを行い、その結 果を基に介入計画を立て実験を行った。 3.1.1アセスメント結果. A児のプリントで行ったプリテストの結果 を表3.1.1に示す。第2回目のテストは、第 1回目のテストとは順番を逆にして行った。. また、第1回目のテストで不明な点を2回目 のテストで追加した。さらに2回のテストで 正答率が大きく変化したものや問題文の意味 が分からないために誤答したと疑われるもの について口頭での出題や実物を用いるといっ たやり方で再度テストを行った。また、商店 に行き、買い物の行動についてテストをした (表3.1.2)。. 23.

(25) 表3.1.1紙教材でのプリテスト(A児) 番. 号. 内容. 1. 並立の弁別. 2. 紙幣と硬貨間の価値の大小. 1回目. 2回目. 3回目. 正答率. 正答率. 正答率. (%). (96). (%). 100. 100. 60. 58. 3. 硬貨間の価値の大小. 100. 90. 4. 紙幣問の価値の大小. 83. 83. 5 6. 同一硬貨複数枚の合計金額. 100. 100. 100. 100. 2種類の硬貨が複数枚の合計. エラーパターン. 位置(右、左の選択肢を交互に 選択). 金額. 7. 同一貨幣が10枚あるときの. 100. 金額. 8. 貨幣をひとつ下の単位の貨幣. 0. 0. 0. で両替するときの必要枚数. 9. 5の付く貨幣を同一の単位の 貨幣で両替するときの必要枚. 1から10を不規則に解答 20. 16. 数 10. 5の付く貨幣が2枚あるとき. 75. の金額 11. 貨幣を5つくの貨幣で両替す. 0. 0. 0. 0. るときの必要枚数 12. 貨幣を2種類の貨幣で両替す るときの必要枚数. 13. 5の付く貨幣と同じ単位の貨 幣が複数枚あるときの合計金. 5円玉と1円玉 →10の位は5、1の位は1円玉. 額. の数 25. 6. 50円と10円 →100の位に10円玉の個数、残 り二桁は50. 正答率75パーセント4間中1 問だけ不正解 14. 提示された金額に対して1枚 だけ出して支払うときの金種. 前半6問は位置(右、真ん中、 50. 16. 左の順に選択). 後半 ランダム 15. 支払う金額と支払った金額の 不足分. 16. 17. 提示された金額に対して3種 類の金種の必要枚数 所持金で購入可能な品物の選 択. 80. 100. 0. 0. 0. 80. 24. 主に1から5までの数を不規則 に解答. 先頭の数字が等しいものを選ぶ.

(26) 立. 表3.1。2 ロ頭や実物でのプリテスト(A児) 問題. 設問. 結果. 1)硬貨・紙幣 ヤの価値の大小. を提示し「お金を高い順に並べてくださ. 1万円札→千円札→五百円玉→50円. 「」と指示した。. ハ→百円玉→10円玉→5円玉→1円 bフ順に並べた。. P00円と50円の価値の間違い. 2)両替. 3)両替. 口頭で出題「この千円を100円で細かく. 100円玉を10個渡した。. キるには100円は何個必要ですか?私に K要な枚数だけ渡してください」. yーパーでは間違えていた問題. 活字による出題「1000円札を 100円玉. 4問出題中正答率0%. ナ細かくすると100円玉何枚必要です ゥ?」. 4)不足分を支 ・う問題. 10円と5円玉を置いて u払うお金は50円です。出したお金は. 10問出題中正答:率100%. S0円です。白いくら必要ですか?このお 烽フうちどちらかをさしてください」. 5)買い物. 実際にコンビニエンスストアへいき、. 100円をもってレジに行った。店員. P03円の商品をとり、すべての種類の貨. ノ「3円足りません」といわれると PFI玉(1枚)をとり、店員に渡し. シを見せた上で uこれを買うにはどのお金ではらえば. ス。「まだ足りません」と言われ、. 謔「ですか?一枚だけ選んでください」. サの時点で次の行動を起こさなか. ニ指示をした。. チたので、その時点で「これで買え. 驍諱vといって50円を手渡し、150 で品物を買った。. 6)家庭学習の. 條ヤ. 「いつもはどのくらいの時間家庭学習. 本人が時計が読めず、保護者も働い. しているのか記録をつけてください」. トいるため、記録をつけることは困 ?ニいうことであった。母親より月. ノ1,2度30分程度家庭学習をして 「るようだと聞く。 3.1.2 介入計画. 3回のプリテストの結果を基に正答率の. 淫することにした。介入計画を表3.1.3に. 高かったものから、介入を行うことにした。 示す。. また、その際に類似する問題は前後して介 表3.1.3A児の介入計画 ステップ 内容 1. 紙幣と硬貨間の価値の大小. 2. 提示された金額に対して1枚だけ出して支払うときの甲種. 3. 所持金で購入可能な品物の選択. 4. 5の付く貨幣を同一の位の貨幣で両替するときの必要枚数. 5. 5の付く貨幣と同じ位の貨幣が複数枚あるときの合計金額. 6. 3種類の貨幣の合計金額. 25.

(27) 3.1.3 介入結果. 11月までの介入の結果をステップごとに グラフ3.1.4に示す。ステップ2,3,4では. A児への実験結果を紙教材でのテスト結 果、本教材を使用した家庭学習時間、A児 の言動の3点に分類して以下に示す。. ポストテストでは高い正答率を示したが、. フォローアップテストではベースラインの 値に戻った。. (1)紙教材でのテスト結果 120. 貯ツカiス勃プ2i貯ガ3 iス勃プ4iス勃プ5窄ツヲ6. I. o. l. 奪. 100. l. o. l. I. 警. I. l. I. l. l. l. I. l. 80 60. 墨. 40. 1. 20. 1. ?. 0. 糎. l. l. 書. 量. 聾. I. o量. I. 腫. 綱. 巳. l. o●. 1. 書. 1. 1電. 1. 1. 腫. 塞. 魯. 象. プポフプポフプポブ プポフプポフポブ リスオリスオスオ リスオリスオリスオ ト ロ ト ロ ト ロ l. l. ト ロ. l. l. ト ロ ト ロ. l. l. グラフ3.1.4A児への介入結果 (2) 家庭学習時間. ってください」というメールが届いた。そ れに対して筆者は「お金のお勉強したら、 送ってあげる」と返信したところ若干家庭 学習時間が増加した。また、15週目に正答. A児は介入開始直後は意欲的に家庭学習 に取り組んだ。「2回連続で80点以上取る まで勉強する」という目標を提示したが、1. 度に10回連続で行うなど要求された以上 の家庭学習を行った。しかし、2週目以降. 時にA児の好むタレントの画像が表示され るようにしたことも家庭学習時間の増加に 影響したと思われる。A児の家庭学習時間. になると極端に家庭学習の時間は減少した。. 12,13,15週目にA児から「グライダー(A 児の好きなタレント)の画像をメールで送. の推移を表3.1.5に示す。. 26.

(28) 立. 1. 0:50. @ 0=43 @ 0=36. 正答画面にタレン gの写真を使用. @( @魚0:28 ラα21. 0:14. 0=07. 0=00. タレントの写真を =[ルで送る. 人にメール. 0123456789101112131415 西目. グラフ3.1、5 A児の週ごとの1日平均の家庭学習時間の推移 (3) 意欲や考え方. を見ていく。. 表3.3.6はA児の言動・言動に影響を与えた と考えられるエピソードをまとめたものであ. 介入時のA児の言動から、A児の本学習へ の意欲・興味・関心、あるいは考え方の変化. る。. 表3.1.6A児の言動やエピソード 介入 回数 1. ポジティブな発言・言動・エピソード. ネガティブな発言・言動・エピソード. 今後のことについて、事前テストをするこ. 8問目は正答率が0%だったが、本人は考. と、それからお金の学習を行うことを説明 した。本人、保護者ともうなずきながら、. え込む様子はあまりなく、あてずっぽうと も思われる速さで解答していった。. 聞いていた。. 1憂目が簡単だったため、スムーズに解い ていく。その後も順調に解いていく。. 2 3. 2回目ということもあり、取り掛かりもス. 前回と同様、わからないところでも時間を. ムーズだった。. かけることなく解答していった。. どの問題も迷うことなく解答していた。. 所持金100円持っているとき、105円のガ ムが買えるという解答をしたので、理由を 尋ねると「100円でぴったり買えるから」 と筆談で答えた。. 4. その日の課題を説明するとすぐに取り掛か. 10回目は誤答を選択しても、特に支持をせ. った。. ず、もどるというボタンで再度やり直しを. 一度説明をしただけで理解したらしく、そ の後は迷うこともなく、正答していった。. するのか観察した。やりなおすことはしな. 正答時に表示されるイラストのうち、サル のイラストが気に入ったようで、サルが表 示されるたびに「ふふ」と笑い声をもらし た(対象者は場面絨黙であるため、有声音 ではない)。. 27. かった。.

(29) 立. 串. のぐ. 5回目が終了した時点で「休憩を取ります か?」という問いには首を横に振り、続け て学習を行った。. 筆談で「サルの絵が面白いね」といってい た。. その後8月4日に対象者から、「2回ではな く、この前やったように10回やってるよ」 とメールが届いた。. 5. 「品物より少しだけ高いお金で払ってくだ. さい」と指示を出すと、すぐに1000円を. 6. 選択した 事:後テストは、とりかかりがスムーズであ. 筆者が到着すると、眠そうな顔で姿を現し. った。. た. 迷うことなく解答していった。. 6回目や、9回目の誤答は対象者の携帯端 末操作が早く誤答を知らせる間がなかっ. 2回学習内容を説明するとそれ以後の問題 はスムーズに正答し、指示を出す必要がな. た。. かった。. 7. 事後テストを行うと90%の高い正答率で あった。. 対象者に対し、自主的に学習するようメー ルを何度か出した。しかし、保護者の話で. 3週間後でも学習効果が持続する場合もあ. は「全くやっていないということであった」. るということが分かった。. コンピューターの記録にも一回しか学習し. 2回目以降はすべて自力で解答した。. た記録がなかった。. 徐々に解答するスピードも速くなってい. 3問目は500円玉を100円玉で両替する問. た。. 題であった(図1)。「これいくら?」と聞. くと「100円」と答えた。画像にイラスト を使っているため、見えにくかったと思わ れる。. 8. 2回目以降はすべて自力で解答した。. 5回目以降スピードが速くなり、10回目で は数えるという行為は全くせず、見ただけ で解答していった。. 9. 前回の学習のテスト(5の付く貨幣と同一 単位の貨幣、復数枚の合計金額)を行う前 に眠たそうに目をこすっていたので、「大丈. 夫?できる?」と声をかけた。本人がうな ずいたので事後テストを行うことにした。. 2問目千円札、500円玉、100円玉がそれ ぞれ一枚ずつ提示された問題(1600円が正. 答)で1510円を選択した。そこでひとつ ひとつ「これは何円?」と確認すると正し く理解していた。. 雑談をしているときにYAHOOのアドレス を暗記しており、好きなサイトを検索して 見せた。. 28. 10回目やり直しをするときに画像が出る 前に選択のボタンを押していた。これは、. 2択だったため、誤答した解答を覚えてい て、誤答ではない方を機械的に選択したも のと思われた。. 端末を調べるとフィルタリングソフトのプ ログラムを削除していることが分かった。 音楽をダウンロードしていたため、「端末の. 調子が悪くなるので、音楽は禁止だよ」と 伝えるとうなついていた。.

(30) 胱. 10. 土. 廿「「.. {. A児に対し、「さあ、さっき間違えた問題で. す」と声をかけ、奮起させようとした。A 児は躊躇せず、610円を選択し、正答した。 A児は自力で再度やり直しをし、正答した。 11. 紙教材では正答率の低かった5の付くお金 の両替については実物では100%の正答率 だった。. 筆者はA児に対し、「宿題をやっていない ね。どうずれば宿題をやるようになると思 う?」と尋ねると「5回やったら写真をあ げるっていえばできる」と筆談で答えた。. 3.2 対象児ごとの実験結果(B児). 示す。B児も文章問題の正答率が低かっ た。そのため、問題文の理解ができてい ないことが予想されたため、両替に関す る問題は口頭で出題し、実物を使って再. 本節ではB児へのアセスメント結果、介 入計画、実験結果を示す。紙教材および口 頭や実物によるプリテストを行い、その結. 度テストした(表3.2.2)。. 果を基に介入計画を立て実験を行った。. その結果、両替の仕方が未習熟であるこ とが分かった。. 3.2.1アセスメント結果 B児のアセスメント結果を表3.2.1に 表3.2.2 口頭や実物でのプリテスト(B児) 問題 両替. 詳細. 結果. 1000円と同じ金額になるように100円玉を渡してください 1000円と同じ金額になるように500円玉を渡してください 1000円と同じ金額になるように500円玉と100円玉を渡してく. 9枚 2枚 500円玉2枚、100. 玉12枚. セさい 100円と同じ金額になるように10円玉を渡してください 100円と同じ金:額になるように50円玉を渡してください 100円と同じ金額になるように10円玉と50円玉を渡してくださ. 「. 29. 10枚. 3枚. 50円玉3枚、10 玉10枚.

(31) 表3.2.1紙教材でのプリテスト(B児) 番号. 内容. 1回目. 2回目. 正答率. 正答率. i%). i%). エラーパターン. 1. 金種の弁別. 100. 89. 2 3. 紙幣と硬貨間の価値の大小. 100. 100. 硬貨間の価値の大小. 100. 100. 4. 紙幣間の価値の大小. 100. 100. 5 6 7 8. 同一硬貨複数枚の合計金額. 92. 54. 0の数を間違う. 2種類の硬貨が複数枚の合計金額. 50. 80. 0を付け忘れる. 同一貨幣が10枚あるときの金額. 75. 100. 0. 25. 33. 100. 50. 75. 0. 0. 0. 0. 9 10. 11. 貨幣をひとつ下の単位の貨幣で両替すると. ォの必要枚数 5の付く貨幣を同一の単位の貨幣で両替す 驍ニきの必要枚数 5の付く貨幣が2枚あるときの金額 貨幣を5の付くの貨幣で両替するときの必. v枚数 12. 貨幣を2種類の貨幣で両替するときの必要 ≒. 13. 14. 5の付く貨幣と同じ単位の貨幣が複数枚あ 驍ニきの合計金額 提示された金額に対して1枚だけ出して支. ・うときの金種 15. 16. 100. 70. 80. 70. 90. 90. 80. 20. 80. 支払う金額と支払った金額の不足分. 提示された金額に対して3種類の金種の必. v枚数 17. 31. 所持金で購入可能な品物の選択. 30. 0を多くつける. 無回答または両替をする ン幣の金額を書いた 硬貨の金額をそのまま書. 「た 0のつけ忘れ 両替にもちいる貨幣をそ. フまま書いた ランダムに解答. 価値の高い硬貨を先頭に 曹ォ、価値の低い方の硬 ンを後に書く 提示されて金額と同一の P位の金種を書いた 正解しているものも、計. Zが減法ではなく加法と ネっている 正解したものも1種類を I択した 先頭の数字に影響される.

(32) 立. 3.2.2 介入計画. B児の介入計画を表3.2.3に示す。. 表3.2.3B児の介入計画 内容. ステップ 1. 同一貨幣、複数枚の合計金額. 2. 2種類の硬貨が複数枚の合計金額. 3. 提示された金額に対して1枚だけ出して支払うときの金種. 4. 所持金で購入可能な品物の選択. 5. 同一貨幣が10枚あるときの金額. 6. 貨幣をひとつ下の位の貨幣で両替するときの必要枚数. 7. 5の付く貨幣を同一の位の貨幣で両替するときの必要枚数. 8. 5の付く貨幣と同じ位の貨幣が複数枚あるときの合計金額. 9. 3種類の貨幣複数枚の合計金額. 10. 5の付く貨幣が2枚あるときの金額. 11. 貨幣を5の付く貨幣で両替するときの必要枚数. 3.2.3 介入結果. ップの数値もポストテストのレベ ルを維持した。しかし、ステップ. B児への実験結果を紙教材でのテスト結果、. 本教材を使用した家庭学習時間、B児の言動 の3点に分類して以下に示す。. 3,5,7,9,10ではポストテストでは. 高い正答率を示したが、フォロー アップテストではべ一スラインの. (1)紙教材のテスト結果 11月までの介入の結果をステッ プごとにグラフ3.2.4に示す。ス. 値に戻った。. テップ1,2,4,6,8ではフォローア 120 100. 勃鯉遡刷貯病購貯嚇h8i貯痂{繍 …一……1………. 80. ………………………. ま. 一. 口. 冨60 40 20 0. プポフプポフプポフプポポフプポフプポFプポポフプポフプポポフプポプ リスォリスオリスォリススォリスォリスuリススォリスオリススォリスォ トロ. l. l. トロ. l. トロ. 121. 1. トトロ. トロ. トトトロトロトトロトロ 121 1 121 1. グラフ3.2.4B児への介入結果 31.

(33) 立. (2) 家庭学習時間 B児の家庭学習時間の推移をグラフ3.2.5に. から、本人に対し家庭学習を促すメールを送. 示す。0週は介入前にセルフチェックによっ て家庭学習の時間を計測した結果を表してい. 信したが効果は表れなかった。11週目から正. る。1週目以降は本教材を使った家庭学習の. るようにしたところ、家庭学習の時間が増加. 時間を示している。本誌は本教材のほかに平. した。. 答時にB児の好むタレントの画像が表示され. 行して漢字の書き取り等の家庭学習を行って. いた。7週目で家庭学習時間が減少したこと. 「㎜ O、25. 0=23 0:20 0:17 正答時にタレントの画像を使用. 1時。:14 間0:11 0=08. メールによる強化. 0=05 0:02 0=00. 0. 1. 2. 3. 4 週. グラフ3.2.5 B児の週ごとの1日平均の家庭学習の推移 (3) 意欲や考え方. を見ていく。表3.2.6はB児の言動・言動に 影響を与えたと思われる状況をまとめたもの. 介入時のB児の言動から、B児の本学習へ の意欲・興味・関心、あるいは考え方の変化. である。. 表3.2.6B児の言動 介入 1. ポジティブな発言・言動・エピソード. ネガティブな発言・言動・エピソード. 事前テストは最初から集中した様子だった。. 隣にいた母親の方を向く(助けを求めるよう. 層 冒 冒 一 一 一 一 一 一 一 一 一. 一. −. 一. 一. 一. 一. 一. 一. }. 胃. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 網. 一. 隔. 冒. 一. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. 胃. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. r. 冒. 一. 一. 一. なアイコンタクトをとるが、母親は何も言わ. 最初のほうは順調に解いていく。 一 一 一 一 一 ゆ 一 冒 層 一 一 璽. 璽. 一. 一. ,. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 幽. }. 冒. 一. 一. 冒. 一. 一. 9. 幽. r. 一. 一. 一. 一. 一. ρ. 璽. 9. 一. 層. 冒. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. ρ. ,. ない). 璽. 墲ゥらなくてもじっくり考える。. 2. 家庭でも個人用の携帯があるため、問題なく. 文章問題(9番、12番、13番)はやはり時. 操作した。. 間がかかる。. 層 一 一 一 一 一 一 一 一 騨 一 躰. 一. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 幽. 申. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. ,. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. ’. 一. 胃. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 幽. 漢字の変換やクリアの仕方などは指示しな くても出来た。. 3. 5回目を過ぎたあたりから、ボタン操作のス. 最初から、集中して取り組めた。 一. 一. 一. 一. 町. 冒. 冒. 一. 32.

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