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敷き詰め模様の分類:平面運動からの考察

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Academic year: 2021

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(1)平成19年度 学位論文. 敷き詰め模様の分類 一平面運動からの考察一. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 教科・領域教育学専攻自然系コース.

(2) 序 文. 古今東西,世には美しい模様が溢れている。例えば服地であったり,カーテンのレースで あったりと身近なところに無数の模様がある。日本においては,着物や帯,それらの柄をモ チーフにした和雑貨などに,同じ模様が繰り返し用いられた「敷き詰め模様」がよく見られ る。幾何緋や古くは平安貴族の装束に用いられた有職文様など,「敷き詰め模様」は日本文化 になじみの深い模様である。この敷き詰め模様を,なんらかの手段をもって数学的に分類す ることは可能であろうか,と思い付いたのが事の起こりである。 ところが,このような敷き詰め模様の分類を考察していくと,自然と図形の対称性や,変 換群といった数学的概念に結びついていく。このことを簡単に述べよう。 まず,考えたい敷き詰めとはどのようなものであろうか。 1.平面上に図形が並んでいて 2.並べた図形はすべて同じもので 3.その図形が重ならずに並んでいて 4.それらで平面が覆い尽くされているもの. ただしこのとき,敷き詰める図形は,図形自体に対称性をもたないように,非対称な模様を 描いたものを考える。ところが,以上の条件だけでは,模様のある正方形のタイルを不規則 な方向に並べるといった,合同なタイルをランダムに敷き詰めた模様が考えられてしまう。 ここでは,ランダムなものを除いて,規則的に並べられているものを考えたい。そこで,次 のような条件を加える。. 5,タイルをタイルに移す運動によって平面全体が変化しない 以上の条件を満たす敷き詰め方を,規則的タイリングと定義する。 ここでいう,タイルをタイルに移す運動とは,距離を変えないように動かす平面内の変換 であり,合同変換ともいわれる。平面の運動は,平行移動,回転移動,対称変換,映進と呼 ばれる4種類に限られることが知られており,本論文でもその証明を述べている。 次に,規則的にタイリングするために使われる運動(合同変換)の集合σについて考察す. る。つまり,σとは規則的タイリングアにおいて,ある指定したタイルをア上のタイルへ 移す全ての運動のことで,つぎの2つの条件 1。/,g∈σならば!og∈0. 1.

(3) 2.∫∈(7ならば!一1∈0. を満たすことが示される。一般にこの2つの条件を満たす運動の集合を変換群という。そこ で,0を規則的タイリングに付随する変換群と呼ぶ。 変換群と対称性には密接な関係がある。学校教育のなかでは図形の対称性として,線対 称と点対称しか扱わないが,対称性の概念とはもっと一般化することのできる概念であり, 実は図形Fの対称性とは,Fを変えない運動の存在のことである。この運動が多いほど対 称性が高いといえる。変換(運動)という概念は,学校教育では扱われなくなってしまった が,数学的には自然な概念であり,図形の合同や相似の定義などの身近なものや,新しい幾 何を構築する際にも用いられたりする。 さて,規則的タイリングをどのような視点で分類するのかが,重要になる。ここでは,タ イルの形状の違いや,タイル上の模様ではなく,タイルの並べ方そのものに注目したい。つ まり,並べ方の違いとは,先ほど登場した規則的タイリングに付随する群の違いであり,規 則的タイリングに付随する変換群の分類が本質的となる。 以上のことから,規則的タイリングに付随する群の性質を考察すると,規則的タイリング に付随する群は,有界な基本領域をもち,離散的であることが分かる。また,有界な基本領 域をもち,離散的である変換群は,その平行移動部分全体が,独立な2つのベクトルによる 平行移動で生成されている。このような群を壁紙群という。 そこで,壁紙群の分類を試みる。先に述べた平面上の運動の分類やその諸性質から,壁紙 群に含まれる元がどのような運動であるかによって,他に含まれる元に制限が生じたり,ま た回転移動においては,その中心間の距離に制限が生じたりと,様々な条件によって17種 類に分類される。つまり,規則的タイリングは,付随する壁紙群に応じて17種に分類され るのである。. 具体的には,以下のように進める。. 第1章では,平面運動(平面における合同変換)について述べる。運動が4種に限られる ことを示し,それぞれの運動の性質,運動同士の合成,共役について述べた。 第2章では,前章での個々の運動間の関係から,運動全体へと視野を広げる。運動全体の 集合の性質を述べ,これが変換群になっていることを示した。また,対称性と変換群の関係 についても述べた。. 第3章で,ようやく本題敷き詰めとは何か,に触れる。敷き詰めるもの=模様つきタイ ル,敷き詰めの定義について考察し,規則的タイリングに付随する群に至る。規則的タイリ ングに付随する群が,有界な基本領域をもち,離散的であることから,壁紙群であることを 示し,次章の壁紙群の分類へと続く。. 第4章は壁紙群のもつ様々な制約(特に回転移動をもつ際の制約)を利用して壁紙群を分 類する。6−centerを含む場合(1種),さらに向きを変える運動を含む場合(1種),3−centerの みを含む場合(1種),さらに向きを変える運動を含む場合(2種),4−centerを含む場合(1種),. さらに向きを変える運動を含む場合(2種),2−centerのみを含む場合(1種),さらに向きを変. える運動を含む場合(4種),centerをもたない場合(1種),さらに向きを変える運動を含む. 場合(3種)と17種類すべてを示し,逆にこれらの壁紙群がすべて,それぞれタイリングに. 2.

(4) 付随していることを,実際に敷き詰め模様を描いて示した。. 付録Aにおいては,運動を用いた教材について提案する。変換自体は過去に学習指導要領 に載っていたこともあるが,これが掲載,削除された経緯を検証し,今,学校現場に持ち込 むのに適した形を考察した上で,教材として提案する。 以上,本稿の構成内容である。 最後になりましたが,本研究を進めるにあたり,根気よく,懇切丁寧にご指導して下さっ た渡中裕明先生,様々な機会を通して,適切な示唆を与えてくださった数学教室の先生方に 深く感謝いたします。. 3.

(5) 目次 1. 序 文. 1章. 5. 平面の運動. 1.1. 基本事項...... 1.2. 運動の分類と合成. ... ... .. .... . .... 1.3. 様々な運動の合成. ... 1.4. 共役 ......... ., .... 2章. .. . . 。 ...... .. ... .. ・.。. 5. ..... 11. 17. ... . ... .。 ..... . .. 25. .... .. 30. 2.1. 変換群 変換群.....。. 2.2. 対称性と変換群.. 2.3. 生成元..... ・... . ... ■. .. .. ●. ●. o. ・.. .. ●. ... .. o. . . 9. ●. ●. .. 30. .. .. .. . . 34 .. .. .. 36. o. 敷き詰め模様. 40. 3.1. 準備.................. ...... .. _.. 40. 3.2. 模様つきタイル........。 ... ..... 41. 3.3. 規則的タイリング..,.. .. .. . . . . 規則的タイリングに付随する群. .. _.. .. ... 42 46. 壁紙群の分類. 54. 3章. 3.4. 4章. .. .. 4.1. 準備 _......... .. . ... .... 4.2. 6−centerをもつ壁紙群,. .. _.. ... . , . . ... 4.3. 3−cehterをもつ壁紙群.. . . .... ... .... 4.4 4.5. 4−centerをもつ壁紙群.. . .. . .. . .... 2−centerをもつ壁紙群.. . . ..,. .... , .... 54 63 68 73 78. 4.6. centerをもたない壁紙群 .... . .... 85. 4.7. 規則的タイリングの分類. .. . .. ... . ... .. .... ... .. .. ... 88. 91. 付録A運動を用いた教材の提案 A.1変換の位置づけ...... .. .. .... ... . ..... 91. A.2教材化にあたって.... . .. .... ... .. 92. A.3教材提案......... .. _.. ..... ... 93. A.4今後の課題 ....。....._.. ... .. . .. 4. ..... 98.

(6) 1章平面の運動 この章では,平面の運動について述べる。. ユークリッド原論圖においては,ぴったり重なるものは等しいと述べながら,重ねるた めの移動の方法についての記述はない。むしろ,ヒルベルトが平面幾何の精密化[4]の中で 考えたように,厳密に読み取れば,指定された線分(もしくは角)と等しい線分(角)を, 指定された場所に描くことができるということを前提として,論理を進めており,ぴったり 重ねるための移動の方法,すなわち,平面の運動(合同変換)について明示的に考えていな いことが推測される。当然,線分と角の相等や移動だけを考えているのでは,一般の曲線と いった複雑な図形の合同の考えを正確に考えることはできない。平面の変換を明示的にとら え,合同変換そのものや,合同変換全体について考えることで,群(変換群)の考えに至る。 よって,まずは運動(合同変換)について考えていく。. 1.1 基本事項 ここでは,平面の運動を定義し,その基本事項について述べる。運動は合同変換とも言わ れるが,ここでは後の教材案との一貫性を図るため,運動と表現する。 平面や点は,ユークリッド原論[3]では曖昧な定義で用いられ,その後ヒルベルトの幾何 の精密化[41の中で無定義用語とされた。しかしここでは,そのような無定義用語と公理に 基づく幾何ではなく,平面の具体的定義と,その平面の運動によって幾何を考える。そのた めにまず,平面をR2と定義し,点は2っの実数の組のこととする。また直線は,一次方程 式を用いて表される図形,つまり {(劣,g)1α¢+勾+c}(α,δのいずれかは0でない). と定義する。そして,2点α=(α1,α2),6=φ1,62)に対し,それらの距離は. 1α61=(b1一α、)2+(62一α2)2. で与えられると定義する。また角の大きさは,角領域が,角領域の頂点を中心とする単位円 から切り取る孤の長さ(孤の長さとは,孤を近似する折れ線の長さの上限値である)で定義 することにより,距離を用いて定義できることに注意する。. 定義1.1 (平面運動)平面内の変換!:R2→R2があり,平面上の任意の2点α,6について 岡=1∫(α)!(6)1. 5.

(7) が成り立つとき,!を平面運動もしくは単に運動という。. つまり距離を保つ変換を運動というわけである。変換を用いると,合同が次のように定義 できる。. 定義1.2 (合同)平面内の図形F,∬’があって,ある運動!:R2→R2によって,!(F)=F’. が成り立つとき,FとF’は合同であるという。 上記の「点」,「直線」の定義および合同の定義からできる体系はヒルベルトが「幾何学の. 基礎」國で提示した公理系のモデルになっている。(そのことは圏の2章に述べられてい る。)よって,いわゆるユークリッド幾何で得られる定理は,今回述べる平面の体系におい てすべて成り立つ。. また,運動は距離を変えないことから,(例えば,三辺相等の合同条件を用いることによっ て)角度や直線同士の平行関係等,平面幾何で扱う諸々の量や関係を変えることがない。 ところで,運動として,どのような!が考えられるだろうか?図形を形を変えずにずらす ことや,ある点からの距離を変えずに動かす(回転させる)ことが運動に含まれることは容易. に想像できるだろう。まずは,そういった具体的な運動を定義する。. 定義1.3 (平行移動)寸を定ベクトルとする。平面上の任意の点Aに対して. 繭一ガ を満たす平面内の変換!:R2→R2は運動である。この!をベクトルでに沿った平行移動 と言い,Tげと表す。. 定義1.4 (対称変換)Zを平面上の直線とする。平面内の任意の点五について,Zが線分 .4!(助の垂直二等分線になるように,平面内の変換ノ=R2→R2を定めると,!は運動にな る。この!をZに関する対称変換と言い,&と表す。このときZを対称の軸と言う。 定義1.5 (回転移動)点0を平面上の点,ρを角を表す実数とする。ただし,以後角を測 るときは,単に角の大きさではなく,角領域の境界の2本の半直線のうち,どちらからどち らへ測った角かによって向き(正負)を考える。ここでは反時計回りを正とする。このとき, 任意の点Aについて10Al=10A’1,∠蓋OA’瓢ψ (ただし,ここで∠AOA’とは,0の周り でAから孟’の方向に測った角の大きさを表す。図1.1参照。)となるような点減’に移す変換 !は運動になる。この!を0を中心とした角㌍の回転移動と言い,R8と表す。 本来厳密には,反時計回りを定義する必要がある。しかし,ここでは論文の主旨を考えて, 素朴に平面上のどの点についても,その点を中心とした反時計回りが定められているとする。 その際,∠、4α4’の大きさが正の向きに測ってψならば,、4,0,孟’を平行または回転移動ノで 動かした∠!(孟)!(0)!(A’)の角の大きさも,正の向きにψとなることき認める。. 定義L6 (恒等変換)平面内の変換!:賦2→R2があり,∫が平面上の任意の点Aを動かさ ないとき,つまり!(み)=・、4となるとき,!を恒等変換と言い,1,又は掘と表す。. 6.

(8) .4’. 0 図1.1:回転の角. 平行移動,対称変換,回転移動,恒等変換について定義したが,これら以外に運動はない のだろうか。それを含め,今後,運動の分類を考えたい。運動の条件,すなわち任意の2点 間の距離を変えないというのは,実は厳しい条件である。実際,運動を考える際には,ある 具体的な一直線上にない3点の動いた先が決まると運動が一意的に決まってしまう。まずこ のことを示したい。. 補題1.7平面内の運動!:R2→R2があって, 1.任意の3点且,B,0が一直線上にあるならば,!(A),!(B),!(0)は一直線上にある。. 2.任意の3点A,B,0が一直線上にないならば,!(助,ノ(B),!(0)は一直線上にない。 証明 ノ(A)=.4’,!(B)=B’,!(0)=0’とおく。(2)の対偶をとって,3点A,B,0が一直. 線上にあることと,3点五’,B’,0’が一直線上にあることが,互いに必要十分であることを 示せばよい。3点.4,B,0が一直線上にあることは 1,ABI十1βOl=10、41又は, iBOI十10.41=IABI又は,10.41十レ4Bl=1βq. (1.1). と同値である。また,運動!は任意の2点間の距離を変えないことから,lABI=1.4’B’1,lBOl= IB’0’1,10/11=10’〆1’1より, (1.1)壱ま,. 1.4’B’1十IB’0’1譜10’五’1又は,1β’0’1十1σ’孟’1凝1.A’B’1又は,10’.4’1十IA’B’i=ljB’0’1(1.2). と同値である。(1.2)は3点.4’,B’,0’が一直線上にあることと同値である。. ■. 3点が一直線上にないとき,一般の位置にあるという。 定理1.8平面内の2つの運動!,g:R2→]R2と,一般の位置にある3点孟,B,0に対して, !(ノ1)=9(孟),!(B)=9(B),!(0)=9(0). ならば!=gが成り立つ。言い換えると,平面の運動は一般の位置にある3点の行先によっ て一意的に決まる。. 7.

(9) 証明 平面上の任意の点鎧について,ノ(勾=g(勾であることを示す。そのために,ある 点∬について,!(∬)=∬’,9@)=ω”,!(助=湾’,!(B)=.B’,!(0)=0’とおき¢’≠ω”と仮. 定する。このとき,!,gが運動であるので ljじ’/1’1=1ア(∬)ノ(ノ4)1=1∬ノ11=19(ω)9(ノ4.)1=1ユノ’ノ1’l. I=ガβ’1=1!(∬)!(B)1=1∬Bl=19(ω)9(β)1=1ごか’B’i. l2/0’1=1!(¢)!(0)i=1∬OI=lg(ω)g(0)1=1=ガ’0’i. が成り立つ。つまり,孟’,B’,0’は2点げ,∬”からそれぞれ等しい距離の点であり,線分廊”. の垂直二等分線上の点になる。一方,3点五,B,0は一直線上にないと仮定したので,補題 1.7より,.4’,B’,0’は一直線上にない。これは矛盾である。従って,!@)=g(勾が成り立. つ。. ■. 運動には演算を考えることができる。今後,運動群を考えるために,まず運動の演算につ いて定義する。. 定義1.9 (合成)2つの写像!,g:R2→R2を考える。平面上の任意の点劣について,コじを !(g(ω))に移す写像を!とgの合成,又は積と言い,!。gと表す。このとき合成は結合法則 を満たす。. 運動は距離を変えない変換であるから,その変換の合成が距離を変えないことは自明であ ると言っていいだろう。. 定理1.102つの平面運動!,g:IR2→IR2に対して,!, gの合成!ogは運動になる。. ■. 平面運動の分類を考えていきたい。まず,定理1.8を利用して平面運動を分類する上で大 変有効な次の定理を示す。. 定理1.11任意の平面運動は,高々3個の対称変換の合成で表される。. 証明 平面上の任意の運動!:R2→IR2について,定理1.8より,一般の位置にある3点 孟,β,0をとって調べる。!(・4)=・4’,!(B)=B’,!(0)=0’とおく。. 1.、4を、4’に移す運動!1を次のように決める。孟≠孟’のとき,!1を線分ん4’の垂直二等. 分線に関する対称変換とし,オ=A’のとき!1コ掘とする。いずれにせよ,このとき !1(孟)=五’である。(図1.2参照). 2.、4’を動かさずに!1(B)をB’に移す運動/2を次のように決める。!1(B)≠B’のとき,!2. を線分!1(B)B’の垂直二等分線に関する対称変換とする。このとき,ゐは孟’を動かさな い。なぜなら,1且’B’1判孟Bl=[A’!1(B)1より,三角形五’B’!1(B)は二等辺三角形にな. り,底辺ノ1(β)B’の垂直二等分線は頂点み’を通るからである。(図1.3参照)!1(B)=B’. のとき∫2=¢4とする。いずれにせよ,このとき!20!1(孟)=五’,ん・!1(B)=B’で. ある。. 8.

(10) ・4’=ノ1(孟). ノ1の対称軸. 図1.2:対称変換!1. ・4’=!1(A). !、(B). B’=∫20!1(B). みの対称軸 図1.3:ゐ. 3.∫20!1(0)=0”とおき,2点孟’,.B’を動かさずに0”を0’に移す運動∫3を次のように. 決める。0”≠0’のとき,!3を線分0”0’の垂直二等分線に関する対称変換とする。こ のとき,!3は2点五’,B’を動かさない。なぜなら, lA’0’1=1孟OH!2・!、(五)!2。!、(0)1=i五’0”l. lB’0’1=IBOI=げ2・ノ、(B)!2。!、(0)1=IB’0”1. より,二つの三角形A’0”0’,B’0”0’はそれぞれ二等辺三角形であり,底辺0”0’の垂 直二等分線がそれぞれの頂点オ’,B’を通る。つまり,んは2点孟’,B’を通る直線に関す る対称変換である。(図1.4参照)一方,/2。!1(0)=0’のときは,!3=嘱と定める。. んf2,ムの作り方から, /3・!2。ア、(A)=孟’=!(且). ム・!2。ア、(B)=B’=!(B) !30/20!1(σ)ニ0’コ!(0). が成り立つ。定理1.8より,一直線上にない3点A,B,0を且’,B’,0’に動かす運動は一意的. 9.

(11) .4’. β. α=∫30!2。!1(0). んの対称軸. 0”=/2。ノ、(0). 図L4:∫3 であることから,ノ=!30∫20!1と表される。!1,!2,∫3はそれぞれ対称変換か恒等変換であ. るから,!は3つ以内の対称変換の合成で表された。. 璽 次に,逆写像を定義した上で,上記定理を使って以下の重要な定理を得る。 定義1。12 (逆写像)写像!:】R2→R2に対して,!。g=goア=掘となる変i換g:R2→1R2 が存在するとき,gを!の逆写像もしくは逆変換と言い,声1と表す。 定理1.13平面上の任意の運動!:R2→1R2に対して,!の逆変換!一1が存在する。 証明 定理1.11より,任意の運動!は3個の対称変換で表されることより,ノ1,!2,!3はそれ ぞれ適当な対称変換か恒等変換として,∫=!3。!20!1と表される。このとき!1,∫2,∫3はそ. れぞれ自分自身が逆変換になっている。g=ノ10∫20∫3とおき,!=ノ3・∫20/1の両辺に右 からgを合成すると, !・9=∫3・∫2。ノ1。!1・!2。!3=②4. ノ=!30んO!1の両辺に左からgを合成すると, 9。!=!1・!2・!3。!3。∫2・∫1=掘. よって,g=∫一1である。従って,平面上の任意の運動に対して逆変換が存在する。 逆変換の次の性質はよく用いられる。 命題1.14写像!,gに逆写像が存在するならば, (!・g)一1=9−1・!一1. 10. ■.

(12) が成り立つ。. 証明 (9−1・!一1)・(!。9)=9−1。9・・掘 (!。9)・(9−1。!一1)=!。∫一1=掘. よって成り立つ。. ■. 1.2 運動の分類と合成 任意の運動が高々3つの対称変換の合成で表されることがわかったので,2つの対称変換 の合成,3つの対称変換の合成が具体的にどのような運動になるのか考えたい。 定義1.15 (直線から直線に向かう角)交わる2直線Z,m(交点0)に対して,0のまわり で正の向きに♂からmに向かう角を∠♂Omと表す。(図L5参照). z. 図1.5:直線から直線に向かう角. 補題1.16平面上の異なる2直線Z,mがある。. 1.州mのとき,始点が♂上にあり,終点がm上にある♂,mに垂直なベクトルを寸とす ると,(図1.6参照). 5m。31=乃寸 となる。. 2.研mのとき,Z,mの交点を0,¢=∠ZOmとすると,. 8m・易=硝 となる。. 11.

(13) m z. 図1.6:直線Zから直線mに向かうベクトル 証明 定理1.8より,一般の位置にある3点孟,B,0の行先について考える。点.4,Bを直線. Z上,点0を直線m上の点とする。 LZllm(図1.7)のとき,2点ABは.4=島(孟),B=5’‘(B)さらに,5mによって,明ら. かに2寸だけ動いている。点0は直線m上から一2寸動いた後,4ガ動いたため,結 果2寸動いたことになる。従って,一般の位置にある3点AB,0について, 3mO島(孟)=乃ガ(A). 3mOθ1(B)=%ガ(B) 8凱08置(0)=:Zbガ(0). が成り立つ。よって,州mのとき,始点がZ上にあり. 終点がm上にあるZ,mに垂直. なベクトルを寸とすると,. 5魏・31=乃ぞ が成り立つ。. 2.研m(図1.8)のとき,2点孟,βについて,.4=3‘(A),B=易(B)が成り立つ。従って, 5m。81(孟)=Ri¥(蓋)が成り立つ。同様に点Bについても,3mOθ‘(β)=Eぎ(B)が成り立 つ。点0について,図から容易にわかるように,∠昂(0)0、4=ψ,∠00(3m。3‘(0))=2ψ. 従って,8鵬。31(0)=Rぎ(0)よって,一般の位置にある3点且,.B,0について, 5㎜08‘(且)=Ri¥(五). θ㎜o昂(B)=R㍗(B). 3mO&(0)=Ri¥(0). が成り立つため,研mのとき,交点0のまわりでZからmに向かう角をψとすると,. 8m・&一確 が成り立つ。 匿. 以上のことから,2つの対称変換の合成は平行移動,もしくは回転移動であることがわかる。. 12.

(14) 5m。5‘(0). 5㎜o昂(貫,). %o島(B). A. 5m 3m. 5m. m. ぞ 3五. .4= 8ノ隻. 3‘. & =. z 昂(B). ‘(0) ●. 図1.7:対称変換の合成軸が平行の場合 系1.17平面上の4直線Z,m,〃,m’に対して, 1.JllmlZ’ll鵬’で,直線Z,mの距離と直線Z’,m’の距離が等しいならば,3㎜03F5m’03i’. が成り立つ。 2.」,㎜,Z’, m’が点0を通り,∠!Om=∠Z’Om’ならば,3m・3F 3m’o亀’が成り立つ。. ■ 以上の系を用いて,次に3つの対称変換の合成を考える。 補題1.18平面上の異なる3直線♂,m,πがある。. 1.州7川1ηのとき,3η。3mO3‘は対称変換である。. 2.碓m又は,m什ηのとき,3。。8m。5iは対称変換と,その軸に平行なベクトルによ る平行移動の合成である。 証明. 1.Zlimllηのとき,8m。3‘は系1.17より,」,mの距離を変えずにZ,四を平行移動して も合成の結果は同じであるから,m’がηと一致するように♂,mをZ’,m’で置き換える。 (図L9参照)η=m’より,5π・3㎜・&=5π051m,。呂,=畠’従って,3η05m。3iは 対称変換である。. 13.

(15) z. 高(0). 図1.8:対称変換の合成軸が平行でない場合. ・・. z. m. ⇒. j. ‘’. γL. m’=γL. 図1.9:直線m’とπを一致させる. 2.研m又は,m壮ηのとき,もしも,州mかっm壮ηのときは, mとηを交点のまわり で交角を保つように回転させて,研皿となるようにとりなおす。そうしても,系1.17 より,θη05mは変わらない。よって,はじめから研mとしても一般1生を失わない。 3㎜o昂も系1。17より,Z,mの角の大きさと向き,交点を変えなければ合成の結果は同 じであるから,Zからmに向かう角を変えずに, Z,mの交点01を中心に, m’⊥ηとな るように,2直線Z,mを回転させたZ’,m’で置き換える。(図1.10参照)同様に, m’,π. の交点02を中心に,η’⊥Z’となるように2直線m’,ηを回転させたm”,η’で置き換え. る。(図1.11参照)このとき,Z’lim”より,5m”03i’はZ’に垂直な方向の平行移動と なるので,3π。θm。&=8π’。3m”05i’は平行移動とそのベクトルに平行な軸に関す. る対称変換の合成である。. 14.

(16) η z’. η3’. 02 01. 図L10:直線m’⊥ηとなるようにm,Zを回転させたm’,Z’ z’. ηz”. η’. 02. 図1.11:直線η’⊥〃となるようにm’,ηを回転させたm”,π’. 1 ここで新しく出てきた運動(平行移動とそのベクトルと平行な軸に関する対称変換の合成) について定義する。. 定義1.19 (映進)Zを平面上の直線ガを♂に平行なベクトルとする。このときθ1・乃は 運動である。この運動を映進と言い,岬と表す。映進はげ=0の特別な場合として,対称 変換を含むが,本論文では映進はガ≠0の場合に限定し,映進と対称変換を区別する。. 補題1.20Zを平面上の直線,ガをZに平行なベクトルとする。このとき0ア=:㌃。5i= 島。7㌃が成り立つ。. 証明 直線Z上に2点.4,β,直線Z上でない点0を(図1.12)のようにとる。この3点の行. 15.

(17) 混. ..4. z. 哩曜…. 嗣曜・・. 君 ・0 図1.12:3点と直線Z. 先を7》。5i,8‘07》それぞれについて調べる。 :τ診。島(遵)=&o巧(A). 均。θ1(β)=昂07》(B) は明らか。&(0)=0’,乃(0)=0”,310乃(0)=0’”とすると,. 00’⊥00” 00”⊥0”0’” 0’0’”⊥0”’0”. より,四角形00’0”0’”は長方形である。(図1.13参照)よって,∼ア∂=寸である。従って,. 一 昂・7㌃=0”亀.::::::::::::::::::::::::::::.昂(0)=α. 覧. ;’、. 一一汁一一ずしz 乃(0)=α’“・…・……・……………」マ00. 図1.13:ひ=3T=Tθ 乃・8‘(0)=3‘・T7(0)が成り立つ。よって,一般の位置にある3点について:τ診。3F 31。7》. が成り立ったため,定理1.8より,任意の点について成り立つ。. 匿. 以上から次の重要な定理を得る。. 定理1.21すべての運動は,平行移動,回転移動,映進,対称変換のいずれかである。(平 行移動と回転移動は特別な場合として,恒等変換を含む。) ■. 16.

(18) 上に述べた平行移動,回転移動,対称変換,映進,恒等変換は次のように異なる性質をも つ運動として特徴:づけられる。すなわち,運動!について, ・平面のすべての点が固定点ならば,!は恒等変換。 ●平面の一直線上の点のみが固定点ならば,!は対称変換。. .平面上の1点のみが固定点ならば,ノは回転移動。 ●平面上のすべての点が固定点でないならば,次のいずれかである。 一任意の直線ZについてZlげ(りならば,平行移動。 一研!(のとなる直線Zがあるならば,映進。 となる。. 1.3 様々な運動の合成 前節では,対称変換の合成を考えることで運動の分類を得たが,ここでは他の運動の合成 についても結果をまとめておきたい。まず,次は明らかであろう。 定理1.22ず,ゼをベクトルとする。. 勾・乃=7論 となる。. 1. 補. ’寸. ’ず……ガ 図1.14:平行移動と平行移動の合成 次は,回転移動同士の合成を考える。 定理1.23.A,Bを平面上の点,ψ,グを角とする。. 17.

(19) 1.、4ニBのとき,. 瑠・瑚=瑚牽ψ’ となる。 2_A≠βで,ψ+ψ’≠2ηπ(ηは整数)となるとき,. 瑠・瑚=砺+ψ’. となる平面上の点0が存在する。 3..4≠Bで,ψ+ψ’=2ηπ(ηは整数)となるとき,. 砺。瑚=:陽 となるがが存在する。 証明. 1..4=Bのとき,図1.15より. 瑠・瑚=砥。瑚=瑚+ψ’ となることは明らか。. 1\呉.. 二、..曽... ・・. 〟f0. 図1.15:回転移動の合成二つの回転移動の中心が同じ場合. 2..4≠Bで,ψ+ψ’≠2ηπ(ηは整数)とする。ψ,ψ’のいずれかが2πの整数倍であ. るときは,一方が恒等変換であるため明らかになり立つ。よって,ψ,グは0<ψ<. 2π,・<グく2πの場合を考える.このとき,卿≠2πより,鍔≠πであ る。ここで補題1.16より,回転移動は2っの対称変換で表せることから,直線、4Bを. η,∠痂一覧なるように直線を,∠η伽一亘となるように直線mをとると, 2. 2. 18.

(20) 昨亀・鱗一θ縞と表すことカ・できる.ただし÷筈≠πから恥で ある。. このとき,. R洛oR寛・=θmO5π08πO研=5mO5‘ ノ. 」,mの交点を・とすると・∠Z・m÷華墨は∠Z・一ξ÷π(図…6参照) よって補題1.16より,図1.16左の場合 ,(ρ十ψ’. 図1.16:回転移動の合成回転移動の中心が異なる場合1. 3m・5i=瑚+ψ’ 図1.16右の場合 3m。3、=R2+・’一2π一砺》 従っていずれの場合も,. 瑠。瑚=砺+望’ となる平面上の点0が存在する。 3,孟≠Bで,¢+ψ’=2ηπ(ηは整数)となるとき,ψ,ψ’のいずれかが2πの整数倍であ. るとき,共に恒等変換であるため,明らかになり立つ。よって(2)と同様に,ψ,幹’は. ・<ψ<2π,・<グ<2πとなる場合を考える.このとき,卿一2πより,鍔一π. である.直細をπとし,∠睡号となるように醐・∠ηB一号となるよう に直線mをとると,RA=5ηoθ‘,RB=3m。3πと表すことができる。このとき,. R洛oR貫=5mO51πoθηo&=5祝。畠 19.

(21) 筈÷πから恥である・醐上}・㈱励直線m上に終点がある諏 に垂直なベクトルをかとすると(図1.17参照)補題1.16より, 5㎜03‘=乃が 従って,. R饗oR買=乃寸 となる。. !B. ∫且. m. z. 図1.17:回転移動の合成回転移動の中心が異なる場合2. 匿. 系1.24ABを平面上の点,望,ψ’を角(幹,ψ’は正で,0<準く7r)とする。瑚,R宕に対. して,RぢoR買=R9煙となる点0をとると,△.4.β0において∠OAβ=多,∠.4BO=号 となる。(図1.18参照). 書. 誓. B 図1.18:、4,B,0の位置関係 ■. 系1.252点五,Bを平面上の点とする。このとき,砺。瑞=%鳶が成り立つ。 20.

(22) 証明 定理L23(3)の証明からψ=π,望’=πのとき,寸Il ABとなる。よって,砺oj鴫= ろ窮が成り立つ。(図1.19参照). .∫妻N..為._. iB. i且. 図1.19:回転移動と回転移動の合成回転角πの場合 □. 次に映進同士の合成を考える前に,平行移動と回転移動,平行移動と対称変換,回転移動 と対称変換それぞれの合成を考えたい。なぜなら,映進が,対称変換と平行移動の合成だか らである。. 定理1.26点五を平面上の点,ψをψ≠2ηπ@∈Z)である角,でをベクトルとする。. 乃。瑚=瑞. 瑚・乃=鴫 となる点B,0が存在する。 証明 補題1.16より,7愉=31、08‘、,瑚=51、。5i、とする。ただしこのときZIllZ2,Z3彬4,. 叫に向かうベクトルは欝血の交点はA∠職拳ある.(図L2・参照)こ Z2. Z1. 」4. Z3. 望. 2. 寸. 7 図1.20:平行移動と回転移動の合成. のとき・恥瑚一跨・亀・亀・曝表せる・系1・17より・∠Z・孟Z・÷岬Z4・♂・IIZ潅 となるようにZ§,Z塩をとる。(図1.21参照)次に,系1.17より, Z1,Z2の距離を変えずに, Zlが. 21.

(23) 砥. Z1. Z2. 望 2. ガ. 略. 孟. 万 図1.21:平行移動と回転移動の合成1. 確. zi=賜 望. z6. 2. 万. 図1.22:平行移動と回転移動の合成2 Z4と一致するように,♂1,Z2をZl,Z灸に動かす。(図1.22参照)♂1コzaより,. Tげ。瑚=31、・51、・5彦、・5置、. =鞠。乾。乾。軌 =3ら・θ4. 今脳より・点Bをら,繊点とおけば・‘川4より・∠岬灸一号ま明らカ㌔従って・ 乃。瑚=瑞を得る。 次に,F=瑚。窃とおけば, F−1=7LガoR天ψ=Eδ幹. となる点0がある。よって,F=R8から瑚・7》=R8となる点0が存在する。 ■ 次に平行移動と対称変換の合成について考える。. 定理1.27直線Zを平面上の直線,寸を平面上のベクトルとする。このとき,乃・&及び, 易。7》は,対称変換か,映進である。. 22.

(24) 証明 補題1.16より,平行移動乃は適当な2っの対称変換で表すことができる。7㌃=3η03㎜ とすると,. 7》o昂=3η05mO亀 特に,π,mの取り方を工夫することで,η,㎜は‘と異なるとしてよい。補題1.18より,7診。31. は州mllπのとき対称変換であり,研mのとき映進である。同様に, 易。乃=θiO5η05m と表せ,島。乃は州㎜Ilηのとき対称変換であり, m壮ηのとき映進である。. 1 次に回転移動と対称変換の合成を考える。これは,平行移動と対称変換の合成と同様に考 えることができる。. 定理1.28直線Zを平面上の直線,点オを平面上の点,幹を平面上の角とする。このとき 瑚。畠及び3‘o瑚は,映進である。 証明 補題1.16より,回転移動瑚は適当な2つの対称変換で表すことができる。このとき,. 2つの対称軸の交点は点、4を必ず持つ。瑚=3π03mとすると,. 瑚。&=3η。3徊Oθ1,易。瑚=8108π05m 今,m,πが交点を持つことより,3直線Z,m,πがすべて平行になることはないことから,補. 題1.18より,瑚031及びθ10瑚は映進である。. ■. 次に映進同士の合成を考える。特進が対称変換と平行移動の合成であり,対称変換をして から平行移動しても,平行移動してから対称変換を施しても同じ運動であることを利用する。 定理1.29直線Z,mが平面上にあり,ガ,ゼをZ,mそれぞれに沿ったベクトルとする。し蔚。岬 は平行移動か回転移動である。. 証明 0需=7ヤ。3m=5mO7㌃,防寸=7》。負=廟07㌃より,σ諺。0ア=埼。3m。昂。乃 と表せる。補題1.16より,. 1・Zllmのとき・埼・5m・伽二一埼・恥・乃ただし・万は」からmに向かうベク トルである。定理L22より,平行移動同士の合成は平行移動であるから,. 埼Oεη0角O鞠=7セ07㌃07》 =埼+磁+寸. 23.

(25) 2・恥のとき・埼・砺・幼一締・R8・ηただし・点・はZ,㈲交点・∠Z・m竃 である。定理L26より,回転移動と平行移動の合成は回転移動であることから,. 勾03mO昂07㌃=7ヤoR807ヤ =:㌃。E3,. =R8“ となる0’,0”が存在する。 塵. 次に,平行移動と映進の合成を考える。. 定理1.30直線Zが平面上にあり,ぞは♂に沿ったベクトル,書は平面上のベクトルである。 このとき,η。0ア及び,Olガ。均は対称変換か二進である。 証明. 埼・oア=η・7㌃。θ1 =丁曾+ガ・3i. 定理1.27より,7㌃+ガ081は畝+ガ⊥Zのとき対称変換,寸+寸≠Zのとき映進である。 同様に,. 岬・7㌃=5ρ鞠・η =31・7》+ゼ 定理1.27より,5107㌃+ゼはか+ゼ⊥♂のとき対称変換,ガ+寸≠Zのとき映進である。. ■. 定理1.31孟を平面上の点,ρを角,Zを直線ガをZに沿ったベクトルとする。瑚・0ア及 び,防ガ。瑚は映進である。. 証明 岬=島。乃より,瑚。q才=瑚。島。7》定理1.28より,対称変換と回転移動の 合成は映進であることから,映進と回転移動の合成は平行移動と映進の合成と考えられる。 定理L30より,平行移動と映進の合成は南進,もしくは対称変換である。よって,瑚・砧ガ. は映進,もしくは対称変換である。同様に,岬=7診Oθ1より,0ア。瑚=7ヤO易。瑚 定理1.28より,回転移動と対称変換の合成は最悪であることから,回転移動と万進の合成は 映進と平行移動の合成と考えられる。定理1.30より,映進と平行移動の合成は映進,もしく は対称変換である。よって,防70瑚は映進,もしくは対称変換である。 1. 24.

(26) 定理1.32直線Z,㎜は平面上の直線,mに沿ったベクトルを寸とする。3‘00:認及び,0諺・31. は研mのとき平行移動,研mのとき回転移動である。 証明 0:諺=3m。7》より,510σ認=θiO5m。乃となる。補題1.16より,Zllmのとき 対称変換同士の合成は平行移動で,定理1.22より,平行移動同士の合成は平行移動であるか ら,対称変換と映進の合成は研mのとき平行移動である。 珊mのとき対称変換同士の合成は回転移動で,定理1.26より,回転移動と平行移動の合 成は回転移動であるから,対称変換と映進の合成は研mのとき回転移動である。. 同様に,婿=7》05mより,鴫。θi=丁診05m。51となる。補題1.16より,Zllmのと き対称変換同士の合成は平行移動で,定理1.22より,平行移動同士の合成は平行移動である から,映進と対称変換の合成はZllmのとき平行移動である。 研mのとき対称変換同士の合成は回転移動で,定理1.26より,平行移動と回転移動の合 成は回転移動であるから,映進と対称変換の合成は研mのとき回転移動である。 ■ 以上から次の定理を得る。. 定理1.332つの運動!,gの合成!。gを考える。このとき!,gが平行移動,回転移動,対称 変換,映進のいずれかであるかに応じて,!ogがどのような運動になるかは表1.1のとおり. である。ただし,平行移動をT,対称変換を3,回転移動をR,上進をσと表す。また,恒 等変換は平行移動に含める。. !. T R. T R. 8 σ. R. θorσ. θorσ. RorT. 30rσ. 50rσ. θorσ. 30rσ. θorσ. 80rσ. TorR TorR TorR TorR. 表1.1:運動の合成 ■. 1.4 共役 本節では2つの運動の合成で得られる共役について述べる。共役は壁紙群を考察する上で, 重要な概念である。. 定義1.34. (共役)2つの運動ん,gに対して,ある運動ノがあって,. 9=!OんO!一1. 25.

(27) となるとき,んとgは共役であるという。また, !・ん・ノ}1. は!によるんの共役化ともいう。. もしも,運動の合成が可換,つまり任意の運動!,gについて!。g=g・!ならば, !OんOノー1=!O/一10ん=ん. となり,んの共役は全て等しくなってしまう。しかし,以下に述べるように,一般に運動の 共役化は元の運動と異なり,運動の合成には,非可換性が多くみられる。. 定理1.35平面上の2点A,Bで定まる平行移動隔に対して,これを任意の運動!によっ て共役化した運動!。7訪。!一1をT’とおくと,. T’一楠 が成り立つ。. 証明 平面上の任意の点P’に対して,!一1(P’)=P,ノ(孟)=.A’,ノ(B)=.B’とおく。. 南から,四角鞠槻Pは平行四辺形である.∫(Q)一Q’と 隔(P)一Qとおくと,諺一 おくと,運動は距離を変えない変換であるから,四角形孟’B’c’P’も平行四辺形である。(図 戸βが成り立つ。従って, L23参照)よって,訪= T’(P’)=!。7訪O!『1(P’)=!07抽(P). =!(Q)=Q’. =煽(P’). 点P’は平面上の任意の点であったから,T’=7繭. が(P’)一P._隔(P. !(Q)蕊Q’ ● ●・・’・・幽・… 9po)=Q. !/. ア P’ご. r一若. β /’!(β)=R ご !(孟)=且’. 図1.23:∫による平行移動の共役化. 26. ■.

(28) 定理1.36平面上の点孟と角ψに対して,回転移動瑚を考える。これを運動!で共役化し た運動!○瑚。声1をR’とおく。ただし,!は平行移動か回転移動とする。このとき, R’=酵(A) が成り立つ。. 証明 平面上の任意の点をP’,P=∫一1(P’),Q=瑚(P),Q’=!(Q)とおく。このとき, R’(P’〉=・!OE箕。!一1(P’). =ノoR寛(P) =!(Q). =Q’ である。一方,瑚,!はそれぞれ運動であり,距離を保存するので,五’P’=.4−P=みQ=且’Q’. が成り立つ。また,!は角を保存し,平行移動と回転移動は正の向きの角を正の向きに移す ので,∠P、4Q=∠P’.4’Q’=幹(図1.24参照)つまり,五’P’=.A’Q’,∠P’孟’Q=ψより,. 1(2=瑚(P) ’亘.P’. !φコ!一1(P’) 1ぺ..・. !. ご. ひ藩三ノ(五)細. /一1. 図1.24:平行移動か回転移動の!による回転移動の共役化 R’は点、4’を動かさずに,ψだけ回転させる運動である。従って,R’=!。瑚。!一1=Rア(A). が成り立つ。. ■. 定理1.37平面上の点孟と角ψに対して,回転移動瑚を考える。これを運動∫で共役化し た運動!。瑚。声1をE’とおく。ただし,!は対称変換か映進とする。このとき, R’ニR描) が成り立つ。. 証明 点孟を通る直線Zについて,昂を考える。. 27.

(29) 1.ノ=θiの場合について考える。このとき,R’=810瑚。β1が成り立つ。平面上の任 意の点P’に対してP=昂(P’),瑚(P)=Q,易(Q)=Q’とおくと,丑’(P’)=Q’で, P’.4=P・4=(2.4=(2’且. ∠P’、4Q’=一∠PAQ=一9 が成り立つ。点乃は直線Z上の点なので,8‘によって動かない。(図1.25参照). lQ=R案(P) !φ=角(P’) ぺ,.・ 5ε A・・. 1/e・. rP. 凱P’. 勉&(Q)=・Q’. 図1.25:8‘による回転移動の共役化 よって,. 呂oE努081(P’)=R7(P’). 従って,&o瑚。θ8=R望となる。 2.!≠畠の場合,定理1.33より,!。31は平行移動か回転移動となる。そこで!oθF!’ とおく。. R’=∫。瑚。!一1. =!。島O畠。瑚O呂O島O!一1 =(∫Oθ‘)(3ρ瑚。8∂(ノoS∂一1 =!’oRλψo!’一1 定理1.36より, ノ’・1∼λ望・∫’『1潔RアぞA). 篇R為(4). =R描). 28.

(30) 定理1.38対称変換廟を∫で共役化した運動ノ031。!一1を5’とおくと, 3’=3∫(‘). が成り立つ。. 証明 平面上の任意の点P’について考える。P=!一1(P’),C=81(P),Q’=!(Q)とおく。. このとき,3’(P’)=Q’である。角(P)=Qより,」は2点P,Qの垂直二等分線である。2点 P,Qと直線Zの関係は運動によって変わらない。つまり,!(りは2点P’,Q’の垂直二等分線 である。(図1.26参照)よって,Q’=3∫(i)(P’)となる。従って,3’=!・昂。!4譜8∫ωが z P=ノー1(P’) Q=51(2)... 鰹 !(の. ,.・・●. ∫. 2. !一1 ・・. ai2’=!(Q). 図126:!による対称変換の共役化 成り立つ。 翼. 系1.39平面上に2点A,B,諺と平行な直線Zについて,防鳶を任意の運動∫で共役化し た運動をσ’とおく。このとき,. σ’一!o墨黒◎ノー・一昭炉 が成り立つ。. 証明 定理1.35,1.38の証明から容易に示される。 ■. 29.

(31) 前章では個々の運動や運動同士の関係について調べたが,本章ではその運動全体の集合につ いて考える。運動全体の集合は群を成しており,変換群と言われる。この変換群と対称性に は密接な関係がある。平面上の図形F(点の集合)に対して,その形を変えない運動が多い ほど,.Fは対称性がより高いといえる。逆に,形を変えない運動が恒等変換のみである図形 は,対称性がないといえる。また変換群は群の特別な場合なので、一般的な群についてもこ の章で述べる。. 2.1 変換群 1章では個々の運動を調べる対象としていたが,ここでは全ての運動の集合Mについて考 える。1章から分かること(定理1.10,定理1.13)をMの性質として述べてみる。Mは次 、の性質を一満たす。_一_一一一_一___一_一____一一. 定理2.1平面上のすべての運動の集合Mについて,次が成り立つ。 1.任意の!,g∈Mに対して,!ogもまた運動,つまりMの元である。 2.!匠は恒等変換掘を含む。. 3.任意の!∈Mに対して, ある運動んがあって,ノ。ん=ん。!識刎. が成り立つ。つまりこのんは!一1であり,言い換えれば,任意の運動に対してその逆 変換が常に存在する。 匿. 合同は運動によって定義した。合同が当然持っているべき性質として,同値関係であるか どうかを考える。. 定理2.2平面上の図形に関する,平面運動で移りあうという関係(合同,ヨで表す。)は同 値関係である。つまり,. 30.

(32) 1.(推移律)平面図形∬,.F’,F”について, F…≡F’かつF’≡F”ならばF……F”が成り. 立つ。. 2.(反射律)平面図形Fについて,常にF≡Fが成り立つ。 3,(対称律)平面図形F,F’について, F≡.F’ならば∬’≡…Fが成り立つ。. 以上3つの条件を満たす。 証明 (推移律)平面上の図形瓦F’,F”,平面運動!,gについて,!(F)=F’,g(F’)=F”ならば,. 定理2.1よりgO!も運動なので, g・!=んとおくとん(F)=F”となる。. (反射律)平面上の図形Fについて,定理2.1で述べたように恒等変換は運動なので,プを恒 等変換とすれば,ノ(F)=Fが成り立つ。 (対称律)平面上の図形.F,.F’,平面運動!について,!(F)=F’ならば,定理2.1より!一1. も運動なので,g=!一1とすればg(F’)=Fが成り立つ。. 従って,平面運動で移りあう関係,すなわち合同という関係は同値関係である。. 璽. 定理2.2の証明をみると,定理2.1で示した変換の性質と,その変換(運動)で移りあう 関係_(合圃一一.が同値関孫である.ための条件」定理λ2)_とが綺麗に対応している←一一_ _. そこで,運動の集合の3つの性質から一般化して,変換群という概念を導入する。. 定義2.3 (変換群)集合XからXへの全単射を元とする空でない集合0について,集合σ が次の性質を満たすとき,X上の変換群という。 1.!,g∈σならば!ogもσの元である。. 2.任意のノ∈σに対して,逆変換∫一1もGの元である。. 定理2,1で挙げた性質は3つあり,変換群の定義では2っしか挙げられてないように見え るが,上記条件を満たすことによって,集合σが恒等変換を自ずと含んでいる。 補題2.4変換群σは常に恒等変換掘を元に持つ。 証明 σは空でないから,ある変換!を含み,声1もσの元であることより,!・!一1=刎 もσの元となる。. ■ つまり,運動の全体の集合Mは,平面上の変換群の1っの例である。定義2.3の条件を満 たせば,運動の部分集合も変換群となり得る。. 31.

(33) 定義2.5 (部分群)変換群σの空でない部分集合のうち定義2.3の性質を満たすものをσ の部分群という。. 例2.6平行移動の全体は平面の運動全体の群.Mの部分群である(定理122)。. 例2.7平面運動のうち,平行移動,回転移動であるもの(恒等変換を含む)を向きを保つ 運動といい,対称変換,二進であるものを向きを変える運動という。向きを保つ運動全体の 集合をM+,向きを変える運動全体の集合をM_と表すと,以下で述べるのようにM+はM の部分品となる。. 命題2,8任意の平面上の運動∫,g∈Mについて次が成り立つ。 1.!∈M:+,g∈.M+ならば,!og∈M+. 2.ノ∈M+,g∈M_ならば,ノOg∈M_, goプ∈.M_ 3.ア∈M_,g∈.M_ならば,!。g∈.M+. 4.!∈M+ならば,声1∈!匠+. 5.!∈M_ならば, 1∈M_ 記1明 ㍉2L3!ま定理1・3臼.9)表ユ!1よ一り明一らか軌.4,5.は恒等変換が44+に含ま、れること一より,. 1,2,3から明らか。. ■. 系2.9M+は運動全体の群.Mの部分群である。 ■. 定義2.10平面図形瓦σに対して,!(F)=σとなる向きを保つ運動!∈.M+が存在すると き,同じ向きに合同といい,F≡+σと表すことにする。 定理2.1から定理2。2が従うのと同様に,系2.9より.M+が変換群であることから,当然次 が成り立つ。. 命題2.11同じ向きに合同という関係は,同値関係である。. ■. 定義2.12平面図形瓦σに対して,!(F)=σとなる向きを変える運動!∈M一が存在する とき,異なる向きに合同といい,F乱σと表すことにする。 命題2.13 1.平面上の図形.F,.F’について, F三F’ならば, F’≡_Fが成り立つ。 2,平面上の図形F,F’,.F”について,.F≡_F’, F’≡一F”ならば,.F≡+.F”が成り立つ。. 32.

(34) 3.平面上の図形F,F’,F”について, F≡+F’, F’≡_F”ならば, F≡_∬”が成り立つ。. 証明 命題2.8より明らかである。. 匿. 部分群に関して,次が成り立つ。 命題2.14変換群Hがあって,Hの部分群(71,(}2があると,(71∩(72もまた,部分群になる。. 証明 σ3=σ1∩G2とおく。 1.ノ∈σ1ならば!一1∈(71,!∈σ2ならばノー1∈σ2よりノ∈(73ならば/4∈σ3が成 り立つ。 2,!,g∈σ1ならば!Og∈(}1,!,g∈G2ならば∫og∈σ2より!,g∈G3ならば!og∈G3. が成り立つ。. 従って,同じ群の2つの部分群の共通部分は部分群である。. 匿. ここまでは,変換群について考えてきたが,変換群は群の特別な場合であり,一般の群の 定義も述べておく。. 定義2.15 (一般的な群)演算が定められた集合σについて,次の性質が成り立つとき,0 を群という。(ここでは一般的な群について考えるとき,演算を*で表すことにする。) L任意の元ノ,g∈σの間に演算(*)があって,!*g∈σが成り立つ。 一一一一一一. 2,任意の元ノ,g,ん∈Gに対して(∫*g)*ん=∫*(g*ん)が成り立つ。すなわち,結合法. 則を満たす。. 3,ある元e∈σがあって,任意の元∫∈σに対して!*e=θ*!=!が成り立つ。この. ときθ∈0をGの単位元という。 4,任意の元!∈σに対してある元!’が存在して,!*!’=・!’*!=εとなる。これを!の. 逆元といい,声1と表す。 例2.16変換群は合成を演算として,群の例である。. ・定義2.15の1は変換群の定義に含まれる。 ・同2について,合成を演算とするので結合法則を満たす。 ・合成を演算とすることから単位元は恒等変換で,補題2.4より,同3は満たされる。 ・合成を演算とすることから逆元は逆変換で,同4は変換群の定義に含まれる。 従って,変換群が一般の群の定義を満たす。. 運動の合成が非可換であることから分かるように,当然一般の群や変換群の演算について も非可換であることが多いので,演算をする際の元の順番には注意を要する。. 33.

(35) 2.2 対称性と変換群 次の図形F(図2.1)の対称性について考える。. 図2.1:平面図形F. ●Fは線対称である。つまり言いかえれば,θ‘(F)・=Fとなる直線‘が存在ずる。具体的 には,そのような対称軸が3つ(‘1,Z2,Z3)がある。(図2.2参照). ♂3. 図2.2:Fの対称軸. ●他にもFの中心に関して歩の回転移動を加えてもFの形は変わらない。これも対称 性である。つまりFの中心点を0とすると, Rδπ(F)=F る R8π(F)=・F が成り立つ。. 34.

(36) このようにFの対称性とは,Fを変えない運動の存在のことである。この運動が多いほ ど,対称性が高いといえる。そこで,Fを変えないすべての運動が重要になる。. 補題2.17平面図形Fについて,FをFにうつす平面運動の集合EはMの部分群である。 証明. 1.!,g∈Eとすると,. goノ(F)=9(!(F))=9(F)=F. より,go!∈Hである。 2.ノ∈丑とすると,F=!(F)が成り立つ。これに両辺左から!一1を合成すると, ノー1(F)=!一1。!(F)=蝋F)ユF. 従って,!一1∈Eである。. よって,EはMの部分群である。. 瓢. 定義2.18 (対称群)補題2.17より,平面図形Fについて,FをFにうつす平面運動の集 合は群になっている。この群を図形Fの対称群といい,Fの対称群をSym(F)と表す。 では,具体的に図2.1の対称群を考えてみる。 例2.19 (図2.1の対称群)Sym(F)の元を全て挙げる。 ●恒等変換(¢の ・θ‘P31、,5‘、. 2π 三π. ・Rδ,R& 群なので,元と元を演算したものも含まれるが, 昂、・昂、一R言π. 嬉・島、一島、 至π. 島、・1∼δ=5‘、. のように上記6っのいずれの2つを合成しても,もとの6っの運動の1つと同じになって いる。. 35.

(37) 2.3 生成元 ここまでは個々の運動から集合を考え,集合の満たす性質から群という考えに至った。こ こでは元から群を作ることを考える。 定義2.20 (生成元)変換群(7があって,5={31,θ2,...,51η}をσの有限部分集合とする。. このとき,3を含むなるべく小さいθの部分群Hを考える。群の性質からHは次を満たさ なければならない。. 1.Hは&の逆元亀一1を含む。 2.Eは5「1,...,3π,31−1,...,51π一1を任意の順に好きなだけ演算した元,つまり. ノ=5塩1・鰐・_。5無 を含む。ただし,21,乞2,一.,砺は1からηのうちの自然数で,κ1,κ2,...,編は任意の整数. である。. 逆に,∬を!=3盈10囎。_。鍔㌘と表されるすべての元の集合とすればHはσの部分群に なっている。このときHをθで生成される部分群といい,また,〈3>もしくは〈81,82,_,亀〉. と表す。3をEの生成元という。特にH=σのとき,5の元を0の生成元という。 生成元について調べることが群について調べるのに有効な場合がある。. 例2.21 (転がる三角形)平面上に正三角形!IBOがある。この正三角形を一辺を固定して ぱたりと180。ひつくり返す。つまり,正三角形の一辺を軸として対称変換を施す。この作業 を何度か繰り返したとき(図2.3参照),正三角形ABOに与えられる運動すべての集合を θとおく。. 命題2.22σは3AB,8Bσ,80Aで生成されるMの部分群に一致する。 証明 まず,σがく亀β,5BO,θOA>に含まれることを示す。つまり,ん回三角形を動かした. 時の運動九について,九が常に3超,3βo,θOAの合成で表されることをκに関する帰納法 で示す。. ん=1のとき,!1はθAB,θBO,50Aのいずれかである。. κ=π一1のとき,ム_1は亀B,3BO,50Aの合成で表されると仮定する。 た=πのとき,仮にη回目の動きが元の三角形でいう辺.4.Bに関する対称変換5’とすると, η一1回までの動きを!π一1として,3’=3ん.、(AB)である。ここで定理1.38より, 3’=3∫炉、(AB). =!π一103乃B◎ム_f1. 36.

(38) ・・o:藁一一・一・一・一・与IA. \. ノ.・.. ノ. //でノ ウ. ノ. 図2.3:転がる三角形. を得る。よって, ∫π=3’Oノη_1=∫η_103AB. と成り,ムー1がθAβ,θBO,50Aの合成で表されることから,ムが亀β,3β0,80盃の合. 成で表される。η回目の動きが他の辺に関する対称変換であっても,同様である。 逆に,3超,3BO,50Aをん個合成した運動はσに含まれることをんに関する帰納法で示す。 ん=1のとき,348,3BO,50五のいずれもσに含まれる。. 鳶=η一1のとき,3招,3βo,30Aのη一1個の合成がσに含まれるとする。. κ=ηのとき,仮にπ個合成するときの1回目の運動を8ABとして,残りπ一1個の合成を gη一1とすると,定理1.38より,gπ一108朋=3g。.、(AB)ogη一1となる。今,仮定より gη_1はθの元であり,5g。.、(、4β)はgη一1で動いた後のもう一度裏返す運動であるから、. 篇個合成した運動もσの元である。π個合成するときの1個目の動きが他の辺に関す る対称変換であっても,同様である。. 暦 このように3AB,3BO,30Aがσの生成元であることが示された。このことを利用すると, σによって動いた正三角形孟BOが元の位置にもどったとき,実は,頂点五,β,0がそれぞ れ4.B,0にもどることを容易に示すことができる。 正三角形、4BOが元の位置にもどる動きの全体はSym(△ABO)であり,図2.4に示した点 0,直線」1,」2,」3から,. る フじ ズ 島、,昂,,81、,Rδ,Rろ,掘. 37.

(39) の6つである。今,頂点孟,B,0がそれぞれ孟,.B,0に戻ることを示すには,σにSym(△.4BO) 孟 Z3. Z2. Z1. 図2.4:三角形の対称軸. の刎以外の元が含まれないことを示せばよい。 そこで,次の2点を満たす模様アを考える。 1,図2.3の.4β,BO,0.4に関して対称。. 2.2dを除くSym(△.4β0)の元に関して対称でない。. 命題2.23上記2点を満たす模様1ρが存在するならば,σは24以外のSym(△ABO)の元を 含まない。. 証明. ・模様7)は,5超,3BO,30湾のどの運動を加えても変化しないので,この3つの運動を任 意の順,任意の回数加えても変化しない。つまり,θの任意の元で変化しない。. ・σが刎以外のSym(△Aβ0)の元をどれか1つでも含むとすると,その運動は模様ア を動かすので,これは上に矛盾する。. よって,模様アが存在するとき,(7は2d以外のSym(△孟BO)の元を含まない。 ■. そのような模様は例えば図2,6のようなものが考えられる。 図2.6の構成方法は次の通りである。. まず正三角形の内部に非対称な模様を描いたタイルを用意する。そのタイルを辺を軸とし て次々と対称変i換させて並べた正六角形(図2.5の編みかけ部分)を平行移動によって敷き 詰める。この構成で用いた正六角形は,中心を通る3本の対角線に関して対称なことから, 図2。6の模様Pが前述の2つの条件を満たすことが分かる。 従って,例2.21の冒頭に述べた動きによって,三角形.4BOが三角形Aβ0に戻るならば, その運動は掘であり,頂点五,β,0がそれぞれの頂点に戻る。. 38.

(40) 図2.5:模様7). 髭. 噂. B. 図2.6:模様P. 39.

(41) 3章敷き詰め模様 前章では運動全体の集合について考え,変換群という考え方を導入した。本章では,平面上 に全て合同なタイルが敷き詰められた模様について考える。まず,考察すべき敷き詰めとは 何かを考え,具体的に敷き詰められた模様とはどのようなものであるかを模様の規則性と対 称性に注目して考えると,そこに変換群が関係してくることに気づく。. 3.1 準備 まず,今後の話を進めるために必要な基本事項を確認する。. 定義3.1 (記号の用意)平面上の点0,正の実数γについて,点0を中心とした半径7の 円板をB.(0)と表す。つまり,. B。(0)={謬∈盈211∬Ol≦・} とする。. 定義3.2 (有界)平面上の点の集合孟について,0より大きなある実数Rと点0があって, A⊂BR(0)のとき, Aが有界であるという。. 敷き詰め模様を考える際に,重ならないように敷き詰めることを考えるために,平面図形 の境界についても定義しておきたい。そのためにまず,内点,外点について定義する。 定義3.3 (論点)平面上に集合A,点ωがあり,ある実数d>0について,Bd@)⊂孟を満 たすとき,点¢を孟の疑点という。特に,遵に含まれる点がすべて内点であるとき,五を開 集合という。. 定義3.4 (外点)平面上の集合五,点∬について,集合孟の補集合を.4cと表すとすると,. ある実数d>0に対して,Bd(勾⊂、4cを満たすとき,点灘をλの外点という。 以上,内点,外点の定義を用いて次の境界の定義を得る。. 定義3.5 (境界)平面上に集合遵,点∬があり,任意の正数4について,Bd(勾∩4≠のか つBd@)∩.4c≠のが成り立つとき,∬を境界上の点といい,境界上の点全体の集合を集合遵 の境界といいδ孟と表す。つまり,境界は五の内点でも外点でもない点の集合である。また, 孟の全ての内点とすべての境界上の点を合わせた集合を集合五の閉包といい,五と表す。. 40.

(42) 内密,外点,境界,閉包等はB,(0),つまり距離を用いて定義されているので運動で不変 である。特に,、4⊂R2と運動ノに対して!(濁=!(紛が成り立つ。 定義3.6 (連結)平面上の開集合五について,Aの任意の元∬,〃に対して,2点z,〃を孟の. 内部の曲線でつなぐことができるとき,Aが(弧状)連結であるという。(厳密には,ここ で述べている定義の内容は,弧状連結であって,連結と弧状連結は異なるが,ここで扱う領 域の連結性に関しては違いがないため,以下連結と表現する。) 定義3.7 (多角形領域)平面上の集合五について,且が連結な開集合であるとき,孟を領 域という。特に,その境界が多角形であるとき,多角形領域という。. 3.2 模様つきタイル 敷き詰め模様を考えるために,まず,敷き詰めるものそのものについて考えたい。話を簡 単にするために,多角形のタイルで考える。つまり,合同な多角形領域を敷き詰めることを 考える。しかし,対称性の高い多角形(例えば正三角形)を敷き詰めることを考えると,敷 き詰め方の区別ができない場合がある。例えば,模様がないと図3.1の敷き詰め方と図3.2の 敷き詰め方を区別することができない。そこで,敷き詰めるものを次のように定義したい。. 図3.1:回転移動による敷き詰め. 定義3.8 (非対称な模様つきタイル)平面上の多角形領域Fと.Fの内部にある図形(点の 集合)Pについて, Sym(F)∩Sym(P)={刎} のとき,(君P)を非対称な模様つきタイルと呼ぶことにする。特にPが明らかな場合は単に Fと表す。. 41.

(43) 図3.2:対称移動による敷き詰め. 領域と模様を併せて一枚のタイルと考える。非対称な模様つきタイルは作り方から明らか なように,対称性を持たない。以下,非対称な模様つきタイルのことを単にタイルと言うこ とにする。. 定義3.9 (タイルの合同)2つのタイル(瓦P),(F’,P’)と平面上の運動!について, !(F)=F’かつ,∫(P)=P’. が成り立つとき,2つのタイルは合同であるということにする。 タイルが対称性を持たないことから,タイルは次の性質をもつ。. 補題3.10合同な2つのタイル瓦F’に対して,FをF’に移す運動は唯一である。 証明 FをF’に移す2つの運動を!,gとすると,!(F)=F’, g『1(F’)=Fより,g−10!(F)=. Fとなる。今、Fがタイルであることより, g−1。!=嘱よって!ニgとなり,2つのタイ ルを移しあう運動は唯一である。. 澗. 3.3 規則的タイリング 敷き詰めるもの(=非対称な模様つきタイル)を定義したので,次に,これを平面上に敷 き詰める方法について考えたい。単純に考えると,考慮すべき敷き詰めとは,合同なタイル の集合{罵}∈Nで,. 1.盛≠乞’として,瓦∩乃=のとなる。つまり,タイル同士は重ならない。. 42.

参照

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