中学校数学における関数学習に関する研究 : 表・式・グラフと問題解決力との関連
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(2) 目 次. −∠08. 第1章 本研究の目的. 第1節 関数学習の現状 第2節 関数学習の目的. 第3節 本研究の目的 第2章 数学学習における誤答に関する先行研究. 第1節 数学の問題に見られる誤答とその原因. 9. 。,・. 1 原田の研究 一一一・_.___. 。・. 2 Radatz.Hの研究 一一_.。、。.。9. 。・_10. 第2節 関数の問題に見られる誤答とその原因. 9. 彫.。.・. 6. 1 中学校の関数領域における誤答 一一一. 。16. 2 実態調査に見られる誤答 一一一一. 。19. 第3章 関数領域における中学生の問題解決力についての調査 第1節 調査の概要 ・・… 一・・・・・・・… .一・… 。。。.。 。...28. 1 調査目的. ・.・.。28. 2 調査問題 ・一一一一一一一一._。____ ,.・28 3 調査方法 。。...........。。。..。。.。。.。。.... 。.33. 第2節 調査結果と分析 一一一一一一一一一一・一一・9。.。。。 ・34 。, .34 1 全体的な傾向 一一一一一一一一一一・一一 2 各問題における生徒の考え方 3 関数関係を表現するカと現実的問題を解くカとの関連. 。36 。 。 ・ 9 . ・54. 第4章 関数学習への示唆. 第1節 調査結果からの示唆と関数指導の現状. 1 調査結果からの示唆 … 一一一・・一一. ・57 ・.・・. 7. 2 関数指導の現状(教科書の内容をもとにして). ・57. 第2節 授業の提案 ・一一一一一一・一一一・一. .71. おわりに 一一 一 引用・参考文献 一・一・ 資料. ,…. 76. ・77.
(3) 第1章本研究の目的 第1節 関数学習の現状 中学校の関数学習では,「関数は,分からない」,「関数は,難しい」という生徒の. 声をよく聞くことがある。また,国宗ら(1993)は,中学校の学習内容の中で,生徒 に理解されにくいものとして,関数をあげ,以下のように述べている。. 《 文字を変数としてとらえ,変化や対応の特徴をとらえたり,場面に応じて 表やグラフや式を使って多面的に問題を解決したりするという教材そのもの の難しさがまず指摘できるであろう。 》 (国宗ら,1993,p.39). 国立教育政策研究所は,2002年の「小中学校教育課程実施状況調査」において, 数学の内容項目に対する生徒の意識調査を実施した。それぞれの内容項目に対して, 「よく分かった」「よく分からなかった」,「ふだんの生活や社会に出て役に立っと思. った」「役に立っと思わなかった」かを尋ね,どれにも該当しない場合は,選択肢を. 選ばないというものであった。「よく分かった」「よく分からなかった」についての 回答の結果が表1であり,「ふだんの生活や社会に出て役に立っと思った」「役に立 つと思わなかった」についての回答の結果が表2である。. 一1一.
(4) 表1 数学の内容項目ごとの生徒の回答状況(割合) 内 容 項 目. 正の数と負数の意味. 79.1. 文字を用いることのよさ. 48.5. 27.7. 文字を用いた式の計算. 53.0. 23.9. 具体的な問題に一元一次方程式を用いること. 45.3. 28.4. 角の二等分線,線分の垂直二等分線などの作図. 57.8. 19.0. 図形の対称(線対称,点対称). 45.3. 20.9. 空間における直線や平面の位置関係. 33.1. 32.1. 30.1. 3L4. 柱体・錐体の表面積・体積. 25.3. 26.8. 比例,反比例の意味. 52.7. 25.5. 比例,反比例の関係を式やグラフに表すこと. 49.6. 25.5. 文字を用いた式の四則計算. 53.1. 20.6. 文字式を利用すること. 53.3. 19.3. 簡単な式を変形すること. 51.1. 19.3. 二元一次方程式の解の意味. 38.2. 3L5. 具体的な問題に二元一次方程式を利用すること. 30.8. 35.4. 対角線や平行線の性質. 53.0. 18.7. 多角形の内角や外角の和. 56.8. 16.2. 三角形の合同条件. 59.4. 15.4. 円周角と中心角の関係. 43.8. 26.3. 合同条件を用いて図形を証明すること. 34.7. 34.0. 平行四辺形の性質. 44.4. 26.4. 直角三角形の合同条件. 47.2. 24.2. 一次関数の意味. 32.6. 36.6. 一次関数の変化の割合とグラフの特徴. 31.8. 36.2. 連立方程式と一次関数のグラフの関係. 34.5. 33.6. 確率. 43.7. 21.7. 空間図形を直線や平面図形が動いてできる図形と見ること. 2年. よく分から かった 9.6. 1年. よく分かっ. 一2一.
(5) 内 容 項 目. よく分かっ. よく分から かった. 正の数の平方根の意味. 68.5. 14.7. 罐酷欝式の乗法・多項式を単項式で害りる. 64.4. 15.2. 式の展開や因数分解. 64.2. 15.0. 二次方程式の解の意味. 55.8. 21.9. 具体的な問題に二次方程式を利用すること. 33.0. 37.8. 円の接線の性質. 48.6. 25.8. ,3年 円周角と中心角の関係. 56.7. 19.8. 図形の相似. 32.7. 31.7. 三平方の定理の意味とその応用. 48.3. 25.7. おうぎ形の弧の長さと面積. 39.4. 33.2. 球の体積,表面積を求めること. 35.5. 35.8. 相似な図形の面積比,相似な立体の体積比. 38.3. 33.4. 関数y=a x2の意味とそのグラフの特徴. 44.4. 29.8. 確率. 42.3. 24.4. 関数学習の中で,rよく分からなかった」と生徒が答えた項目は,3年生のr具体 的な問題に二次方程式を利用すること」の次に,2年生の「一次関数」が,多くなっ ている。. また,「よく分かった」と答えた項目としては,1年生の「比例・反比例」に関す. る内容が,約50%であるものの,2年生,3年生での関数学習について,「よく分か. った」とする生徒の割合は,すべて50%以下である。特に,2年生の「一次関数」 での学習で,rよく分からなかった」と感じている生徒が多い。. 一3一.
(6) 表2 数学の内容項目ごとの生徒の回答状況(割合). ふだんの生 や社会に て役に立. 内 容 項 目. 役に立つと わなかっ. と思った. 1年. 正の数と負数の意味. 35.8. 19.9. 文字を用いることのよさ. 25.1. 27.4. 文字を用いた式の計算. 26.8. 25.6. 具体的な問題に一元一次方程式を用いること. 26.4. 25.5. 角の二等分線,線分の垂直二等分線などの作図. 18.6. 33.9. 図形の対称(線対称,点対称). 15.1. 31.1. 空間における直線や平面の位置関係. 16.1. 30.9. 14.4. 30.2. 柱体・錐体の表面積・体積. 14.3. 24.3. 比例,反比例の意味. 28.0. 23.7. 比例,反比例の関係を式やグラフに表すこと. 24.1. 27.3. 文字を用いた式の四則計算. 21.8. 28.2. 文字式を利用すること. 20.0. 29.6. 簡単な式を変形すること. 16.2. 30.6. 二元一次方程式の解の意味. 13.9. 33.1. 具体的な問題に二元一次方程式を利用すること. 15.6. 32.0. 対角線や平行線の性質. 11.6. 37.1. 多角形の内角や外角の和. 11.3. 37.2. 三角形の合同条件. 10.1. 38.7. 円周角と中心角の関係. 10.0. 37.5. 合同条件を用いて図形を証明すること. 10.1. 40.0. 空問図形を直線や平面図形が動いてできる図形と見ること. 2年. 9.3. 平行四辺形の性質. 39.1 9.0. 直角三角形の合同条件. 38.8. 一次関数の意味. 13.8. 33.3. 一次関数の変化の割合とグラフの特徴. 14.5. 32.9. 連立方程式と一次関数のグラフの関係. 14.2. 32.9. 確率. 35.8. 14.4. 一4一.
(7) ふだんの生 や社会に て役に立. 内 容 項 目. 役に立っと わなかっ. と思った. 正の数の平方根の意味. 14.8. 43.6. 罐茄欝式の乗法・多項式を単項式で害可る. 15.3. 39.8. 9.9. 式の展開や因数分解 二次方程式の解の意味. 10.6. 44.5. 具体的な問題に二次方程式を利用すること. 14.5. 41.3. 8.6. 円の接線の性質. 8.8. 3年. 46.1. 円周角と中心角の関係. 48.3. 46.9. 図形の相似. 10.2. 41.4. 三平方の定理の意味とその応用. 15.2. 41.0. 9.7. おうぎ形の弧の長さと面積. 46.4. 球の体積,表面積を求めること. 12.8. 43.1. 相似な図形の面積比,相似な立体の体積比. 12.9. 42.3. 関数y=a x2の意味とそのグラフの特徴. 10.0. 45.8. 確率. 38.9. 17.9. 「ふだんの生活や社会に出て役に立っと思った」と答えた生徒は,どの項目も40 %を下まわっている。. 関数学習では,3年生のr関数y試a x2」について,rふだんの生活や社会に出 て役に立っと思った」と答えた生徒が,10。0%と,低くなっている。. 関数学習では,2年生の「一次関数」で,「よく分かった」と感じている生徒が減 り,「ふだんの生活や社会に出て役に立つと思わなかった」と答える生徒が,学年進 行に伴って増えていることが,この調査結果から読みとることができる。. 一5一.
(8) 第2節 関数学習の目的 中学校の関数の学習指導では,事象の中から伴って変わる2つの数量の変化や対応 を調べるということを大切にしてきた。しかし,実際の学習場面をふり返ると,表か ら式をつくったり,式からグラフをかいたり,グラフから式を求めたりするという表 現間の変換の指導にややカが入っていたように感じる。また,このような学習では, 事象から変化するものを見つけること,関数を表,式,グラフに表現することなど,. それぞれが断片的なものになっているのではないか。そして,生徒が関数を学習する. 有用性を感じることや,目常のいろいろな事象を関数としてとらえることが困難にな っているのではないかと感じる。そこで,関数学習のねらい,あるいは目的が何であ るかを再確認し,関数の指導を行う必要があると考える。. 古藤(1991)は,中学校における関数指導の具体的なねらいを,次の5項目にまと めている。. ア) 事象の考察に際して関数関係にある2つの数量を見出す能力を伸ばす。 イ) 関数関係にあるとみられる2つの数量の間の対応の規則を明らかにする。. ウ) 関数関係を数学的に表現することによって,その関係の特徴を調べる能力を 伸ばす。 エ) 基本的な関数について,それらの特徴を知る。. オ) 関数的な見方や考え方を,他領域の内容の理解のために利用したり,問題解. 決の場などに生かしたりする能力を伸ばす。. これらのねらいをもとに,生徒が関数を学習する主要な目的は何かを考察していく。. 関数関係をとらえるには,ある数量について他の数量との関係を見つける必要があ る。そこでは,2つの数量の対応を,表,式,グラフに表し,それらの数量にっいて の対応関係や変化の特徴をとらえることが基本的活動となる。そこで,①r事象から. 関数関係を見つけ,表,式,グラフの表現を使って表すことができること」が,まず 重要であると考えられる。. 次に,表,式,グラフの表現から伴って変わる2つの数量の間の対応や変化を明ら. かにすることで様々な問題の解決をはかることが,次の目的となる。そこで,②r関. 数関係の表現を利用して,現実的問題の解決をはかることができること」が大切であ ると考えられる。. 一6一.
(9) また,表,式,グラフの表現のうち,特にグラフ表現は,関数領域で固有に使用さ. れ,「グラフをかく」ことに加えて,「グラフを読む」ことが,様々な問題解決の場 面で重要なカギとなることが多い。そこで,③「関数のグラフを適切に読むことがで きること」が大切であると考えられる。①は,ア),イ),ウ),②は,オ),③は, エ)と主に関連する内容である。. 以上のことから,下記の3つを,関数学習の主要な目的であると考える。 ① 様々な事象から関数関係を見つけ,表,式,グラフの表現を使って表すこと ができる。. ② 関数関係の表現を利用して,現実的問題の解決をはかることができる。. ③グラフから必要な情報を適切に読むことができる。 また,「新版数学教育の理論と実際」(2001)は,関数の指導について,次のように 述べている。. 《 関数関係を表す表,グラフ,式は相互に密接なつながりがあり,指導にあ. たっては,これらを関連づけながら指導することが重要である。また,関数 関係を考察する場面では,表,グラフ,式の特徴を踏まえ,これらを的確に 活用することが大切である。さらに,関数指導が,グラフをかいたり式を求 めたりする技術的,断片的な取り扱いに終わる傾向がみられるが,表,グラ. フ,式をどう活用して事象の考察に役立てるかというところまで学習を進め る必要がある。 》 (新版数学教育の理論と実際,2001,p.141,下線は筆者による). ここでも述べられているように,表,式,グラフの表現を的確に活用すること,そ. れらの表現を活用して事象の考察に役立てることが,関数学習の最も重要なねらいで あるととらえることができる。そこで,関数学習の主要な目的①∼③の中で,最も大 切なことは,②の問題解決のカであると,筆者は考える。. 一7一.
(10) 第3節 本研究の目的 関数学習において,「関数の学習は,よく分かった」,「関数の学習は,ふだんの生. 活や社会に出て役に立っと思った」と生徒に感じさせることが大切である。限られた 指導時間の中で,目的に応じて表,式,グラフに表現できるカをっけ,問題解決のカ を育てていくための有効な手だてを考えることが,実践上の課題であるといえる。 そこで,本研究の目的は,以下のこととする。. (1)数学学習におけるr誤答」に関する先行研究を概観し,関数学習での生徒の困難 点を調べる。. (2)第2節で述べた筆者が考える関数学習の主要な目的①,②,③について,中学生 の現状を,調査を通して明らかにする。. (3)上記(1),(2)で得られた示唆を踏まえて,関数学習において問題解決力を伸ばす. ために有効であると考えられる授業を提案する。. 一8一.
(11) 第2章 数学学習における誤答に関する先行研究 第1節 数学の問題に見られる誤答とその原因 1 原田の研究 原田(1991)は,「誤答」を,生徒の学習の発展の契機となるものとして,肯定的 に解釈している。そして,「誤答」の研究において,生徒のミスコンセプションに注 目している。. 《 表出した結果としての「誤答」は,子どもの「考え」の一側面を表出して. いるのであり,r誤答」のみを考察の対象とするのでは,その根源を解明す ることは不可能である。つまり,r誤答」やr正答」を含めた複数のr結果」 の考察が必要となる。また,それらの根源を解明するためには,それらの背. 景にある子どものr考え」における誤りとしてのmisconceptionに注目する 必要がある。 》 (原田,1991,pp.4−5). ミ、スコンセプションとは,何らかの論理的な根拠に基づく,r誤った考え」のこと. である。また,ミスコンセプションは,普通それを生み出した個人にとって「誤った 考え」であると判断されていないものであり,「face釦l correct(見かけの正答)」を導 きだすことがある。. 原田は,ミスコンセプションによって起こる「誤答」について,以下のような計算 問題を例にあげている。. ①③⑤. 璽. 3.56十4.52. ②17.4+4.7. 0.36十〇.7. ④0.574+0.247. 6.5十 1.52. 麩. ①8.08②22.1 ③0.43 ④0.821 ⑤2.17. 一9一.
(12) この結果について,普通,①,②,④が「正答」で,③,⑤が「誤答」 と判断される。…. ③,⑤についてどのような「考え」で計算したかをみると,次のような 子どもの「考え」を捉えることができる。. ③ 0.36. ⑤ 6.5. 十 〇.7. 十 1.52. 0.43. 2.17. (原田,1991,P.4). ①,②,④が,③,⑤と同様にr末尾をそろえて計算する」ことによって導きださ れた場合,①,②,④の結果は,r鉛ce飼correct(見かけの正答)」と見なすことがで. きる。「整数の加法において,末尾をそろえて計算するという方法を,小数において も適用した」という,ミスコンセプションによるr誤答」である。. 学習における生徒のr誤答(見かけの正答も含む)」の根源にあるミスコンセプシ ョンに着目し,それを学習の発展に生かすことが重要である。. 2 Radatz.Hの研究 Radatz.H(1979)は,数学の問題解決で生じる誤答を,次の5つに分類している。. ①②③④⑤. 誤答の分類. 言語の困難さに起因する誤答. 空間的情報を得ることの困難さに起因する誤答. それまでに必要な技能,知識,概念の不十分な習得に起因する誤答. 考え方の間違った結びっきや融通のきかない考え方に起因する誤答 不適当なルールや方略を適用することに起因する誤答. 一10一.
(13) 以下では,①∼⑤のそれぞれについて,Radatz.Hの説明を紹介する。ただし,①に は,例が示されていないので,筆者が適切であると考える例をあげる。. 《 ① 言語の困難さに起因する誤答. 文章題にでてくることばが理解できなかったり,そのことばの意味を誤 解したりするために起こる誤答である。 》 (Radatz.H,1979,p。165). 問題. あたりくじ2本,からくじ3本でできているくじを,同時に2本ひ くとき,少なくとも1本があたりである確率を求めよ。 答え 2本のあたりくじを①,②,からくじを囹,囚,固として, 2本のくじをとり出し方を表すと,次のようになる。 1 ド ド {①,②}i{①,囹}. 1 ド. コ i{②,囹}. ロ {②,囚} {②,[ii]}i. 1 一. I I. コ {①,國} {①,回l i. {回,囚} {囹,團}. {囚,固1. くじのひき方は全部で10とおりあり,そのうち少なくとも1本が あたりくじである場合は,上の点線でかこんだ6とおりである。 6 3 だから,求める確率は = 一 10 5. 問題文中の「少なくとも1本があたり」ということばの「少なくとも1本」という ことばの意味を,r1本だけ」と理解し,答えを求めた誤答である。. 一11一.
(14) 《② 空間的情報を得ることの困難さに起因する誤答 数学では,図やグラフなどの様々な視覚的表現が見られる。その図やグ ラフなどに表されている情報を誤って認識するために起こる誤答である。》 (Radatz.H,1979,p.165). A. ●. ●●●. ● ● ● ●●● ● ● ●● ●. ●●. ● Flnd the number of o↑sin eoch set. c. c βUC o∩1玉. 、B\且. 図1 ベン図の問題 図1は,集合A,B,Cの包摂関係が示されたときに,集合A,集合B u Cなどの 要素の数を答える問題において見られる誤答が,どこの要素を数えているかを示した. 図である。例えば,集合Aの要素の数を尋ねられたとき,9と答える誤答は,. の部分の要素の数を答えている誤答である。. 一12一.
(15) 《③それまでに必要な技能,知識,概念の不十分な習得に起因する誤答 数学の問題を解決するために必要な既習事項(問題を解決するための技 能,知識,概念)が十分に習得されていないために起こる誤答である。》 (Radatz.H,1979,PP.165−167). 問題. 最も小さい3けたの数を2倍し,最も大きい4けたの数をたしなさ い。. 答 え ア. 100十100ニ200 00十400=600. イ. 111十111=222 22 十 9999= 10221. アでは,最も大きい4けたの数を400と誤り,イでは,最も小さい3けたの数を111 と誤っている。それぞれの数についての知識が,不十分なために起こった誤答である。. 一13一.
(16) 《④考え方の間違った結びつきや融通のきかない考え方に起因する誤答 すでに学習している問題と類似の問題を解く場合,以前の問題と同じ考 え方で解くことによって起こる誤答である。また,融通のきかない考えに. 起因する誤答には,問題の一部分に注目することから起こる誤答や不注意 による誤答も含まれる。 》 (Radatz.H,1979,p.167). 鰍⑰↓ In. 5・1μ”・肋アκ伽r7/102. ⑰ Out. → In. Out. 31. 31. 38. 20. 20. 27. 86. 79. 42. 49. 75. 68. 45. 52. 79. 42 68. 45. 図2 入力した数に,7をたした数を出力する問題. 図2は,r入力した数に,7をたした数を出力する」という問題である。出力され た数79と68にも,同じように7をたし,86,75としてしまった誤答である。. 一14一.
(17) 《 ⑤ 不適当なルールや方略を適用することに起因する誤答. 問題を解決するときに,類似のルールや方略を,異なる問題にも適用す ることによって起こる誤答である。 》 (Radatz.H,1979,p。168). 一一ロー1. 1 0 1 ヨ コ 6 1. 1)L」. 田.一 I I、. ロ 1 ロ l I 2) 1ロ_」. 阻一. l l ロ ラ 3) し_.」. , 購輯『一1 1 1 ’ コ ラ. 1 コ ロ 4)t.一_」. 薗、且−団ロー窟量囚□憾. 薗□・隔ロー−一薗□・団□・. ■. ’kein6. □. 2. keine. 口 1. kelne. ・□ .1.. keine □・ 2. 図3 もとの図形を180。回転する問題 図3は,左の1)∼4)の図形を180。回転した図を,右の図形の中から選ぶ問題で ある。数字は,解答の割合を表している。また,数字に下線がある図形が正答で,そ れ以外は誤答である。. 問題1),2)から,もとの図形を180。回転した図は,もとの図形を水平に折り曲げ た図と同じになると考え,問題1),2)のルールを,問題3),4)にも,適用してしま った誤答である。. 一15一.
(18) 第2節 関数の問題に見られる誤答とその原因 1 中学校の関数領域における誤答 Radatz.Hの「誤答の分類」に従って,中学校の関数領域において,よく見られる誤 答の例をあげる。. ① 言語の困難さに起因する誤答. 問題 15c mのろうそくに火をつけると,毎分0.5c mずつ短くなる。火を つけてからx分後のろうそくの長さをy c mとして,yをxの式で表せ。 誤答例. 毎分0.5c mずつ燃えるので,「燃えたろうそくの長さ」は. y=0.5x 残ったろうそくの長さ(y cm)と時間(x分後)との関係を式に表す問題で ある。しかし,問題文中のr火をつける」ということばに注目し,変化している ものを「燃えた方のろうそくの長さ」と読みとってしまうことがある。「ろうそ くの長さ」ということばを「燃えた方のろうそくの長さ」ととらえ,意味をとり 違えたために起こった誤答である。. ② 空間的情報を得ることの困難さに起因する誤答. 問題. 〃. 5 0. 右の図で,点Aの 座標をいいなさい。. A. 5. 工. 5 誤答例. A(5,2) 誤答例の座標A(5,2)は,5と2の目もりはきちんと読めている。しかし,. 一16一.
(19) 目もりの読みやすい方(5)から読み,読んだ順番に座標をかいた誤答である。. ③それまでに必要な技能,知識,概念の不十分な習得に起因する誤答. 問題 yニx2にっいて,xニ3のときのyの値を求めなさい。 誤答例. yニ32. xニ3を代入して,. ニ3×2. 6. =6. 問題の意味を理解し,x=3のときのyの値を求めようとxニ3をyニx2 へ代入できている。しかし,計算の過程で指数計算(32ニ3×3)の習得が不 十分なために起こった誤答である。. ④考え方の間違った結びつきや融通のきかない考え方に起因する誤答. 問題a. y=2x−4について,xの変域が一2≦x≦3のとき,yの変 域を求めなさい。. 正答. x=一2のとき,. x=3のとき,. 問題b. y=一8. 一8≦y≦2. y=2. y=x2について,xの変域が一1≦x≦4のとき,yの変域を 求めなさい。. 誤答例. xニー1のとき, yニ1 x菖4のとき,. 1≦y≦16. yニ16. 上問では,一次関数での既習の問題aを解いて正解した経験から,「変域の両. 端のxの値に対応するyの値が,yの変域の両端の値である。」という考えをも. ち,二次関数の変域を求める問題bにも適用してしまったため起こった誤答で ある。. 一17一.
(20) ⑤ 不適当なルールや方略を適用することに起因する誤答. 問題 yはxの一次関数で,そのグラフが2点(一3,4),(2,一1) を通る直線であるとき,この直線の傾きを求めなさい。 誤答例. このグラフは,2点(一3,4) (2,一1)を通るから,傾きaは, 4一(一1) 5 ニ ニ. 2一(一3) 5. ニ1. 1 xの増加量を2一(一3)と計算し,正の数となるようにした。このとき,. yの増加量は,Xに対応させて計算しなければならないにもかかわらず,xの増 加量を求める際に使用したルール(計算を簡単にするために,正の数から負の数 をひく)を,yの増加量を求めるときにも適用させてしまった誤答である。. 一18一.
(21) 2 実態調査に見られる誤答 (1)実態調査 国宗ら(1993)は,一次関数の理解度を見る実態調査(静岡県公立中学校2校,第. 2学年7クラス258名,1991年12月実施)を行った。以下に,調査問題と正答率を あげる。. 調査問題. 1 次関i数の問題 L次の①、④の1次関数について,次の問いに紀丹で答えなさい。(一次関数の式を読タ取る〕. 7 1 ①y冒乙x−3 ②y=5x+3 ③y禺一x−3 ④y=α6x+一 4 2 111xの値が増加すると,yの値が減少サるのはどれですか。 【傾きの意味がわかる】 ‘2》グラフがy軸上の同じ点で交わるのはどれとどれですカ㌔. 【切片の意味がわかる】. 2.次の対応表で,yはxの1次関数である。このときxとyの関係を式で裏しなさい。 〔対応喪より式を求める〕. 4. 6. 8. 10. 3. 2 8. x. y. 4. 14. y. 11. ① .② 0 X 3 1 ・ 2 【y=a xの関係がわかり, 式で表すことができる】. 【y=a x十bの関係がわかり』. 3.右の図の直線①,②の式をそれぞれ求めなさい。. 〔グラフより式を求める〕. 式で表すことができる】. γ. 9. 【①は傾きも切片も正の整数,②は傾きも切片も負の数で,傾きは分数】 4.次の1次関数のグラフをがきなさい。. 2 ②y=一一x−2 3. ①y富x+4 . 【aもbも正の整数の時、 【aもbも負の数で、aは分数係数の時、 グラフをかくことができる】 グラフをかくことができる】. 一19一. ‘. .翼. ,.
(22) 5.次の直線の式を求めなさい。 〔直線の式を求める). 0⊃傾きが4で,点(3,17)を通る直纏 【傾きaとx座標、y座漂の前がわかっている時の直練の式を求めることができる】. 1212点(5,一14)。(一3,2)を通る直練 【2点を遍る直緻の式を求めることができる】. 3 6,1次関数 y昌一x+1 について,次の問いに答えなさい。〔1次関数の式を読み取る) 4 Ωl xの値が4増加するとき,yの値はいくつ増加しますか。 【変化の割合の意味がわかり、yの増加量を求めることができる】. 12》xの値がoから8まで増加するとき,yの値はいくつからいくっまで変化しますか。 【変化の割合の意味がわかり、yの変化の様子がわかる】. 7.長方形ABCDにおいて,AB=10臓B C=20cm. D. である。点PはBを出発してこの長方形の辺上をC。 A Dを通ってAまで動くものとする。点Pがxc皿動いた. P. ときの△A B Pの面積をy㎝2とする。. このとき,次の問いに答えなさい。 10㎝ 111xの変城を求めなさい。 【点Pの移動より、xの変域を求めることができる】 B {21xとyの関係をグラフで轟しなさい。 【xとyの関係をグラフに表すことができる】 {3}△AB Pの面積が50㎝2のとき,xの硫を求めなさい。. C. 20㎝. 【グラフから、跣み取ることができるユ. 8.1次関数y=一3x+5.において.xの変域が一2≦x≦3であるとき,yの変域を 不等号を使って表しなさい。【1次関数の式とxの変域よりyの変域を求める】. 12》上から3番目で,左からx孟目の数をyとする とき,yをxの式で表しなさい。 【規則性をみっけ、2っの関係を式で裂すことができる】. 一20一. 0︾ ,0 11 12 1. 【規則性をみっけ、数値を求めることができる】. ︻﹂貸∪78. ものでづ㌔次の問いに答えなさい。. (11上から4番目で,左から12番目の数はいくっ ですカ㌔. 123﹄q. gi右の裏は.自然数をある規則にしたがって並べた. 13 … 14 … 15 … 16 ….
(23) 正答率. 問題番号. 60.9 ︵2︶. 77.5. 58.1. .①. 81.0. ②. 66.3. ①. 75.2. ②. 84.1. 14.0. 6.0. 6.0. ︵1︶. 5. ②. 7.0. 4. 67.8. 4.0. 3. ①. 5.0 8.0. 2. 無答率 5.0. ︵1︶. 1. 正答率. 14.0. 46.9. 22.0. 38.4. 12.0. 52.7. 17.0. 23.6. 24.0. ︵2︶. 63.2 ︵1︶ ︵2︶. 6. ︵1︶ 5.4. 45.0. 7.8. ︵3︶. 40.0. 54.7 79.8. 24.0 6.0. ︵1︶. 8 9. ︵2︶. 7. ︵2︶. 28.3. 16.0. 問題7の「動点の問題」,問題9(2)の「規則性を見つけ,2つの関係を式で表す 問題」,問題6(1)の「一次関数の値の変化に関する問題」,問題5(2)の「2点を通. る直線を求める問題」の正答率は,50%を下まわっており,生徒にとって難しい問 題であるといえる。. 一21一.
(24) (2〉誤答の分析. 国宗らの調査問題の中で,「正答率が70%以下の問題」に焦点をあてて,その原因 をRadatz.Hの「誤答の分類」を参考にして分析する。ただし,選択肢の中から答え. を選ぶ問題1と,1つの問題が複数の小問に分かれている問題7,問題8は除く。. 3. 6(1)1次関数yニーx+1について,次の問いに答えなさい。 4. xの値が4増加するとき,yの値はいくっ増加しますか。. 3. 正答. 38.4. ① 4. 9 一. 4.0. 誤答. 33.0. 4 2.0. ③ 5. その他,無答. 22.6. ①は,xに4を代入してyの値を求め,それを増加量と見なしたと考えられる。 増加量の知識が不十分であり,それまでに必要な技能,知識,概念の不十分な習得 に起因する誤答である。. また,rxの値が4のとき,yの値を求めよ。」という類似の問題が,よく出題 される。「xの値が4」「yの値はいくつ」という問題文の一部分に注目すると類 似する点が多いと考えられる。そう考えると考え方の間違った結びつきや融通のき かない考え方に起因する誤答である。. ②は,はっきりとした原因がわからなかった。. 3. ③は,yの増加量は,傾きの 一とは無関係であると考えている。 4. 3 y=一(x+1)のxに4を代入し,(4+1)の部分が,yの増加に関係してい 4 ると考え,増加量を5としていると考えられる。. 一22一.
(25) 5(2)次の直線の式を求めなさい。. 2点(5,一14),(一3,2)を通る直線 正答. 誤答. y=一2x−4 yニー2x十4. 46.9 4.0. その他,無答. 49.1. 傾き「一2」は,求めることができている。切片を求めるため,直線上の点. (5,一14)をyニー2x+bに代入し,一14ニー2×5+bとした。そして, 方程式を解くときの移項の計算で誤ったと考えられるので,それまでに必要な技能, 知識,概念の不十分な習得に起因する誤答である。. 3 6(2)1次関数y=一x+1について,次の問いに答えなさい。 4 xの値が0から8まで増加するとき,yの値はいくつからいくつまで変化 しますか。. 誤答. ② 1から6. 52.7. 5.0. 1から7 ① 0から6. 5.0. 正答. 5.0. ③ 0から7 その他,無答. 32.3. 3 ①は,xの値が0から8まで増加するとき,yの値の変化は,一xのみに関係す 4 3. るととらえたと考えられる。一xに,xニ0,X=8をそれぞれ代入してy=0,. 4. y=6とした。xの値に対応したyの値を求めることができていないので,それま でに必要な技能,知識,概念の不十分な習得に起因する誤答である。. ②は,x=0のときy=1,X=8のときyニ7と計算できたが,rxの値が8 まで」ということばの意味を誤り,8は含まないととらえ,yニ6としたと考えら れる。「8まで」ということばの意味を理解できなかった言語の困難さに起因する. 一23一.
(26) 誤答である。. 3. ③は,xニ8のときのyニ7は,とらえられている。yニーx+1は,原点を 4. 通る直線であるとイメージしたものと考えられる。考え方の間違った結びつきや融 煙のきかない考えに起因する誤答である。. 8 1次関数yニー3x+5において,xの変域が一2≦x≦3であるとき, yの変域を不等号を使って表しなさい。. 一4≦y≦11. 誤答. 一9≦y≦6. 54.7 2.0. 正答. その他,無答. 43.3. xの値が一2≦x≦3と変化するとき,yの値は,一3xのみに関係があると,. とらえている。一3xにxニー2,x=3をそれぞれ代入してy=6,yニー9を 変域の両端の値としたと考えられる。. 2② 次の対応表で,yはxの1次関数である。. X. このとき,Xとyの関係を式で表しなさい。. y. 正答. 誤答. y=3x十2. 2 8. 3 4 11. 14. 58.1. ① y=x+3. 4.0 2.0. ② y;2x+8 その他,無答. 35.9. ①は,xの値が1ずつ増えるとき,yの値が3ずつ増えることを,yニa x+b. のaを1,bを3ととらえている。xの値が1ずつ増え,yの値が3ずつ増えると き,変化の割合が3であり,a=3であることを理解できていないことから,それ までに必要な技能,知識,概念の不十分な習得に起因する誤答である。. ②は,表の中の(2,8)の数の対に注目し,y=ax+bで,aニ2,bニ8. 一24,.
(27) と表していると考えられるが,はっきりとした原因がわからない。. 5(1)次の直線の式を求めなさい。. 傾きが4で,点(3,17)を通る直線 正答. y=4x十5. 63.2 4.0. 13 yニーx+4 3. 誤答 2.0. 17 yニーx+4 3. その他,無答. 30.8. ①は,直線yニa x+bのbを傾きであるととらえ,y=a x+4としている。 その直線が,点(3,17)を通るので,x,yにそれぞれ代入し,方程式を解き,. 13. aニー. を得たと考えられる。. 3. ②も,直線yニa x+bのbを傾きであるととらえ,y=a x+4としている。 aを求めるときに,2点(0,0),(3,17)を通る比例のグラフのイメージと 17. 結びっき,原点からx軸の正の方向へ3,y軸の正の方向へ17進むから 一. 3. としたと考えられる。考え方の問違った結びつきや融通のきかない考えに起因する 誤答である。. 一25一.
(28) 3②. 〃. 5. 右の図で,直線の式を 求めなさい。. ■ 0. 5. ヱ. 5. 正答. 1 y=一一x−3 3 1 ① y=一x−3 3. 66.3. 7.0. 4.0. ② y=一3x−3. 1 3 1 ④ yニー一x−3 2. 3.0. 誤答. ③ y=一一一3. 2.0. その他,無答. 17.7. ①から④まで,グラフから切片bを一3と正しく読むことができている。. ①は,傾きを求めるのに,y軸の負の向きに1進んだことを一1ととらえること ができなかったと考えられる。. ②は,傾きを求めるのに,切片からx軸の正の方向に3,y軸の正の方向に一1 3 進んだことはとらえられている。しかし,傾きを一一としたことによる誤りであ 1 ると考えられる。. ④は,x軸の正の方向へ進んだ目もりを2と誤って読んだと考えられる。 ①,②,④は,空間的情報を得ることの困難さに起因する誤答である。また,③ は,直線の式をかくときにxをかき忘れたと考えられる。. 一26一.
(29) 2①次の対応表で,yはxの1次関数である。. X. このとき,xとyの関係を式で表しなさい。. y. 正答. y=2x十4. 1 6. 2 8. 3 10. 67.8. ① yニx+2. 4.0 2.0. 誤答. 0 4. ② y=2x+1. ③ y=2x. 2.0. ④ y=x−4. 2.0. その他,無答. 22.2. ①は,xの値が1ずつ増えるとき,yの値が2ずつ増えることを,yニa x+b. で,a=1,b=2と表している。また,②は,aニ2,bニ1と表していると考 えられる。①,②は, y=a x+bのaとbの理解ができていないことから,そ れまでに必要な技能,知識,概念の不十分な習得に起因する誤答である。. ③は,xの値が1ずつ増えるとき,yの値が2ずつ増えることを,比例と考え, 2xとしていると考えられる。考え方の問違った結びつきや融通のきかない考えに 起因する誤答である。. ④は,xニ0,y=4に注目し,xは,yから4をひいた関係であると考え, x−4と表していると考えられるが,はっきりとした原因がわからない。. 一27一.
(30) 第3章 関数領域における中学生の問題解決力につい ての調査 第1章第2節では,関数指導のねらいをもとに, ① 様々な事象から関数関係を見つけ,表,式,グラフの表現を使って表すことが できる。. ② 関数関係の表現を利用して,現実的問題の解決をはかることができる。 ③ グラフから必要な情報を適切に読むことができる。. 以上の3つが,関数の学習で大切であることと,①∼③の中で,②の問題解決のカが 最も大切であることを述べた。. そこで,中学生が関数領域における問題解決のカをどの程度もっているか,また, 関数を表現するカと問題解決のカとに関連があるかどうかについて調べた。. 第1節 調査の概要 1 調査目的 ① 文章で表現された状況から,関数関係を表す表現(表,式,グラフ)を的確に 選ぶことができるかを調べる。. ② 関数関係が表,式,グラフのいずれかで示されている現実的問題に対して,解 決をはかることができるかを調べる。. ③グラフを適切に読むことができるかを調べる。. ④文章で表現された状況から,関数関係を表す表現(表,式,グラフ)を選ぶカ と表,式,グラフのいずれかで示されている現実的問題を解決するカとの関連を 調べる。(①と②の関連). 2 調査問題 調査問題は,巨]∼固の5題で構成されている。国は,調査の目的①を見る問題であ る。回,團,團は,調査の目的②を見る問題である.最後の團は,調査の目的③を見 る問題である。. 国は,表を選ぶ問題をr表の問題」,式を選ぶ問題をr式の問題」,グラフを選ぶ 問題を「グラフの問題」と呼ぶことにする。. 一28一.
(31) 国表の問題 空のバケツがたくさんあります。空のバケツに水をどんどんためていきます。. すぐに,バケツ1杯に水がたまりました。バケツ1杯に水がたまったときから, ストップウォッチで時間を計りはじめました。バケツ6杯たまったところで,ち. ょうど3分でした。 問い 時間とバケツの数の関係を表にあらわしたものを,①∼④の中から選んで ください。 ① 時間 バケツ. ③ 時間 バケツ. 0 1 2 3 4 5 6 0 2 4 6 8. 10 12. 0 1 2 3 4 5 6 0 6. 12 18 24 30 36. o o. ● ● ・. ・ ,. 甲 o o. ② 時間 バケツ. ④ 時間 バケツ. 0 1 2 3 4 5 6 1 2 4 6 8. 10 12. 0 1 2 3 4 5 6. 1 3 5 7 9. 11 13. ■ , 一. o ● o. ● 0. o り o. 国式の問題 空のバケツがたくさんあります。空のバケツに水をどんどんためていきます。. すぐに,バケツ5杯に水がたまりました。バケツ5杯に水がたまったときから, ストップウォッチで時間を計りはじめました。バケツ12杯たまったところで, ちょうど4分でした。. 問い 時間をκ(分),バケツの数をン(杯)とするとき,. あらわしたものを,①∼④の中から選んでください。. ① ン=3x. ②ンニ3x+5. ③ びニ12κ. ④ひニ12x+5. 一29一. xとンの関係を式に.
(32)
(33) 回 荷物を送ることになりました。そこで,2社の宅配便の料金を調べると下の表. のようになりました。もし,A社を利用して5kgの荷物を送ると1050円かかり ます。. A社 B社 重量 2kgまで 5kgまで. 10㎏まで 15kgまで 20㎏まで 25㎏まで. 料金. 840円 1050円 1260円 1470円 1680円 1890円. 重量 2kgまで 5kgまで. 10kgまで 20kgまで 30kgまで. 料金. 840円 1110円 1370円 1630円 1890円. (1)7kgの荷物を送るとき,どちらの会社を利用すれば安く送れますか。 また,その理由を書いてください。. 利用する会社. 社. 理由. (2)44kgの荷物をいくつかに分けて送ることにします。一番安く送る方法を考 えてください。また,その理由を書いてください。ただし,荷物はいくつに分. けてもよいし,A社,B社の両方を利用することもできます。 利用する会社と荷物の分け方 理由. 回 気温は,高い場所になるほど低くなり,κm高くなると0.006×x(℃)低くな ります。. 標高3800mの山に登山しようと思っています。標高800mの登山口の気温が 10℃のとき,山頂の気温は何度ですか。. 一31一.
(34) 國 携帯電話を買うことにしました。料金プランに,下の図のようなSプランとP プランがあります。 Pプラン. 利 用 料 金. Sプラン. (円). 0 10 20 30 40 50 60 70. 通話時問(分). (1)携帯電話に使えるおこづかいが5000円のとき,. あなたはどちらのプランを. 選びますか。また,その理由を書いてください。. (2)携帯電話に使えるおこづかいが3000円のとき, 選びますか。. また,その理由を書いてください。. 一32一. あなたはどちらのプランを.
(35) 固 下のグラフは,A県の小学5年生と中学2年生の「家での1目あたりの平均学 習時間」(1983年から1998年まで)をあらわしています。このグラフについて,. 次の①から⑨のうち,正しいと思うものにはO,正しくないと思うものには×を □の中に書いてください。 家での1日あたりの平均学習時間. (分). 70 65. 60 55 ノ. 50. ’◆噛.. / ρ!. 、 ¥. 一◆一小学5年生 学2年生 一昏一. − 、. 鴨 、. 、 − 、◆ 、. ¥4●. ¥. 45. 、. 40. 1983 86 89 92 95 98 (年). ①1983年の小学生と中学生の学習時間は,ほぼ等しい。 ②1983年の中学生の学習時間は,約60分である。 ③1986年の中学生の学習時間は,小学生の学習時間の約2倍である。 ④1992年の中学生の学習時間は,約67分である。 ⑤中学生の学習時間は,1998年が一番短い。 ⑥どの年も,中学生は小学生より学習時間が長い。 ⑦小学生の学習時間は,1992年まで増えている。 ⑧中学生の学習時間は,ずっと増え続けている。 ⑨1992年の中学生と小学生の学習時間の差は,一番大きい。. 3 調査方法 調査時期は,2003年5月中旬である。調査対象は,中学校2年生279名(愛媛県173. 名,鹿児島県106名),中学校3年生308名(愛媛県201名,鹿児島県107名)であ る。. 国は,出題順が被験者の解答に影響する可能性を考慮して,問題の順番を入れかえ,. 全部で6種類の問題用紙を作成した。 調査時間は45分で,全問を解答するのに十分な時間であった。. 一33一.
(36) 第2節 調査結果と分析 1 全体的な傾向 各問題の正答率を集計したものが表3である。また,図4は,正答率をグラフに 表したものである。. 表3 各問題の正答率(人数). 3 年. 2 年. 国. 正答者. 誤答者. 無答者. 0.0(0). 24.0(74). 75.0(231). LO(3). 49.5(138). 0.4(1). 60.1(185). 38.6(119). 1.3(4). 40.1(112). 59.9(167). 0,0(0). 60.7(187). 38.3(118). 1.0(3). 91.8(256). 7.2(20). 1。1(3). 93.8(289). 3.9(12). 2.3(7). 38.4(107). 49.5(138). 12.2(34). 43。2(133). 46.1(142). 10.7(33). 39。8(111). 34.1(95). 26.2(73). 49.7(153). 29.2(90). 21.1(65). 71.0(198). 22.2(62). 6.8(19). 75.6(233). 19.8(61). 正答者. 誤答者. 表. 22.2(62). 77.8(217). 式. 50.2(140). ク“ラフ. 問題. ︵1︶. 固. ︵2︶. 囚. ︵1︶. 回. ︵2︶. 回. 無答者. 4。5(14). 88.5(247). 5.7(16). 5.7(16). 92.9(286). 3.9(12). 3,2(10). ①. 92.8(259). 6.5(18). 0.7(2). 93.2(287). 6.2(19). 0.6(2). ②. 91。8(256). 7.5(21). 0.7(2). 90.6(279). 8.8(27). 0.6(2). ③. 60.2(168). 38.7(108). 1。1(3). 66。9(206). ④. 95.0(265). 3.9(11). 1.1(3). 94.5(291). 4.5(14). 1.0(3). ⑤. 96.4(269). 2.5(7). 1.1(3). 96.8(298). 2.3(7). LO(3). ⑥. 92.1(257). 6.8(19). 1,1(3). 93。2(287). 5.8(18). 1.0(3). ⑦. 89.2(249). 9.7(27). 1.1(3). 94.5(291). 4.5(14). 1.0(3). ⑧. 95.7(267). 3.2(9). 1。1(3). 97,4(300). 1.6(5). 1。0(3). ⑨. 93。2(260). 5.7(16). 1,1(3). 93.5(288). 5.5(17). 1.0(3). 32.1(99). 1.0(3). (注)回(1)は,A社を正答とした.. 回(2)は,「A社の15kgまでとB社の30kgまでを利用する」を正答とした。. 回は,一8℃を正答とした。 團(1)は,どちらのプランを選んでも,合理的な理由が書いてあれば正答とした。 巨](2)は,Pプランを正答とした。. 一34一.
(37) %. 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0. 団表駄団ク“ラフ隊1)回2)囹恩1)恩2)團. (注)固は,①から⑨までの正答率の平均を表している。. 図4 問題別正答率(2,3年) 問題の正答率は,2年生より3年生の方が全体的に高くなっている。各問題の難易. 度の傾向は,2年生,3年生ともに変わらない。国のrグラフの問題」は,学年進行 による正答率の伸びが,他の問題に比べて大きくなっている。. 一35一.
(38) 2 各問題における生徒の考え方 (1) 関数関係の表現を選ぶ問題(団)について 各問いの生徒の反応をまとめたものが表4である。 表4 回の生徒の反応(人数). 解答番号. 表の問題. 2年. 3年. ①. 39.4(110). 26.3(81). ②. 48.0(134). 53.6(165). ③. 3.6(10). ④正答. 9.0(25). その他. 0。0(0). 0.3( 1). 無答. 0.0(0). 1.0(3). 2.9(9) 15.9(49). 式の問題. ①. 33.7(94). 23.7(73). ②正答. 36.6(102). 51。6(159). ③. 12.9(36). ④. 16.1(45). 3.9(12) 18.8(58). グラフの問題. その他. 0.4(1). 0.6(2). 無答. 0.4(1). 1.3(4). ①正答. 26.5(74). 52.3(161). ②. 56.3(157). 38。6(119). ③. 13.6(38). 5。8(18). ④. 3.2(9). L6(5). その他. 0.4(1). 0。6(2). 無答. 0.0(0). 1.0(3). 合計. 100.0(279). 100.0(308). (注)求めるバケツの数を,ストップウォッチで,時間を計りはじめた後にたまった. バケツの数であると考えると,比例関係の状況とも解釈することができるので, 「表の問題」で「①」,「式の問題」で「①」,「グラフの問題」で「②」の比例. を表す表現を一貫して選んだ生徒(2年生37名,3年生24名)も正答とした。. 7. また,その他に該当する,「表の問題」で「なし」,r式の問題」で「y=一x+5」,. 4 1 「グラフの問題」でry=一x+3」と答えた生徒も正答とした。. 2. 一36一.
(39) 正答率から見ると「表の問題」の正答率が最も低くなっている。 多くの生徒が間違えた問題(「表の問題」の②,「式の問題」の①,「グラフの問題」. の②)について,生徒がどのように考えて選択したかを分析する。. 国表の問題 空のバケツがたくさんあります。空のバケツに水をどんどんためていきます。. すぐに,バケツ1杯に水がたまりました。バケツ1杯に水がたまったときから, ストップウォッチで時間を計りはじめました。バケツ6杯たまったところで,ち. ょうど3分でした。 問い 時間とバケツの数の関係を表にあらわしたものを,①∼④の中から選んで ください。 ① 時間 バケツ. ③ 時間 バケツ. 0 1 2 3 4 5 6 0 2 4 6 8. 10 12. 0 1 2 3 4 5 6 0 6. 12 18 24 30 36. , 9. 0 0 0. 0 9. o , o. ② 時間 バケツ. ④ 時間 バケツ. 0 1 2 3 4 5 6 1 2 4 6 8. 10 12. 0 1 2 3 4 5 6. 1 3 5 7 9. 11 13. 9 ,. ● 9 巳. ■ ◎ 9. 0 ● ●. r表の問題」では,②を半数くらいの生徒が選んでいる。これらの生徒は,問題文. 中のrバケツ1杯」と「バケツ6杯たまったところで,ちょうど3分」の2か所に注 目して,表の中に(0,1),(3,6)の数の対がある②を選んだものと考えられ る。. 一37一.
(40) 国式の問題 空のバケツがたくさんあります。空のバケツに水をどんどんためていきます。. すぐに,バケツ5杯に水がたまりました。バケツ5杯に水がたまったときから, ストップウォッチで時間を計りはじめました。バケツ12杯たまったところで, ちょうど4分でした。. 問い 時問をx(分),バケツの数をひ(杯)とするとき,xとンの関係を式に あらわしたものを,①∼④の中から選んでください。. ①びニ3x. ②9=3x+5. ③ ン=12κ. ④ひニ12x+5. r式の問題」では,①を選んだ生徒が多い。はじめにたまったバケツ5杯分を,バ ケツの数に入れず,「バケツ12杯たまったところで,ちょうど4分」というところに 注目し,①の比例関係を選んだと考えられる。. 一38一.
(41)
(42) (2) 表で示された現実的問題(回)について. 回(1)において,生徒の書いた理由をその内容ごとに分類し,多い順に整理したも のが表5である。. 表5 (1)の生徒の書いた理由の分類(人数). 理由として生徒が書いた内容 理由が しい. 理由が り①. A社は10kgまで1260円,B社は10kgま. 2年. 3年. 47。3(132). 55.2(170). 14.3(40). 16.6(51). 1370円だからA社が安い。. A社は5kg∼10kgの料金の差が210円,. 社は5kg∼10kgの料金の差が260円だか A社が安い。. ②. 2kg+5kgで料金がA社は1890円,B社. 11.1(3i). 3.6(11). 1950円となり,A社が安いから。 ③ ④. 5kgの料金が,A社の方が安いから。. 7kgをはさんだ5kgと10㎏の料金が両方. 4.3(12). 4。5(14). L8(5). 4.5(14). 3.9(11). 1.6(5). L1(3). 3.6(11). もA社が安いから。 ⑤. A社は1kgあたり126円,B社は1kgあた 137円だから。. A社の料金は1050円∼1260円,B社の料 ⑥. は1110円∼1370円となり,間を比べても 社が安いから。. ⑦. B社は重量が重く(30kg)ても,値段がA と同じだから,B社の方が安い。. 3.2(9). 1.0(3). ⑧. 20kgからB社の方が安くなっているから。. 0.7(2). 1.3(4). その他. 6.8(19). 2.9(9). 理由なし,無答. 5.4(15). 5.2(16). 合計. 100.0(279). 100.0(308). ①,②,③の理由の誤りをあわせると2年生が約30%,3年生が約25%となり, 理由の誤りの大部分を占めている。①,②,③の誤りにっいて,生徒がどのように考 えたかを分析する。. 一40一.
(43) 回 荷物を送ることになりました。そこで,2社の宅配便の料金を調べると下の表. のようになりました。もし,A社を利用して5kgの荷物を送ると1050円かかり. ます。 A社 B社 重量 2kgまで 5kgまで. 料金. 840円 1050円 1260円 1470円 1680円 1890円. 10kgまで 15kgまで 20kgまで 25kgまで. 重量 2kgまで 5kgまで. 10kgまで 20kgまで 30kgまで. 料金. 840円 1110円 1370円 1630円 1890円. (1)7kgの荷物を送るとき,どちらの会社を利用すれば安く送れますか。 また,その理由を書いてください。. ①の理由では,図5のように,7kgの料金は,5kgと10kgの料金の間にあり,料 金の差が小さい方が5kgからの料金の増加が少ないと判断したと考えられる。この考. え方は,5kgのときの料金がA社とB社で違うことも見落とされている。. 7kgの料金の増加分は,Hの部分にあたるから, 5kgから10kgまでの料金の差が小さい方が安い。 図5 理由①の考え方. ②の理由では,7kgの料金は,2kgの料金と5kgの料金の和となっていると考え, A社の料金は840+1050=1890,B社の料金は840+1110ニ1950となり,A社の方が安い と判断したと考えられる。. ③の理由では,A社の5kgの料金は1050円,B社の5kgの料金は1110円だから, 重量が増えるとそれに伴って料金が同じ額(割合)だけ増え,もとの料金が安いA社 の方が安いと判断したと考えられる。. ①と③に共通していることは,表にはない7kgの料金があり,その料金は5kgと10 kgの間にあるという考えである。. 一41一.
(44) 回(2)において,生徒の書いた理由をその内容ごとに分類し,多い順に整理したも. のが表6である。そして,理由として生徒が書いた内容の欄には,生徒が書いた内容 をまとめ,その下(「」)には,生徒が書いた代表的な理由をあげる。. 表6 (2)の生徒が書いた理由の分類(人数). 理由として生徒が書いた内容. 2年. 3年. 38.4(107). 43.2(133). 19.4(54). 15.6(48). 13。3(37). 12.7(39). 荷物を分ける個数をできるだけ少な くし,1つの荷物の重量を重くした。 理由が 正しい. 「荷物をたくさん分けない方が安いの. で,B社の30kgまでを使い,A社の15 kgまでとB社の20kgまでの安い方を使 》つ。」. 理由が 誤り①. 一度にたくさんの荷物が運べるB社 の30kgまでを利用し,残りの荷物は, 2つ以上に分けた。. 「30kgまでの送料はB社が安く,10kg までの送料はA社が安く,5kgまでの 送料はA社が安い。」. 荷物を3つ以上に分け,分けた荷物 を送る送料が安い会社を選んだ。 ②. 「20kgまでの送料は,B社が安く,5 kgまでの送料はA社が安い。」. 分ける荷物の個数をできるだけ少な くしようと考えた。. 「荷物をたくさんに分けると送料がか ③. かってしまうので,2つに分けて25kg. 9,7(27). 9.7(30). 2.2(6). 3.9(12). ずつにする。」. 「重いものを安く運んだ方が得なので,. B祉の30kgまでと20kgまでの2つに 分ける。」. その他. その他の理由. 理由なし,無答. 17.2(48). 合 計. 100.0(279). 一42一. 14.9(46). 100.0(308).
(45) 回 荷物を送ることになりました。そこで,2社の宅配便の料金を調べると下の表. のようになりました。もし,A社を利用して5kgの荷物を送ると1050円かかり ます。. A社 B社 重量 2kgまで 5kgまで. 10kgまで 15kgまで 20kgまで 25kgまで. 料金. 840円 1050円 1260円 1470円 1680円 1890円. 重量 2kgまで 5kgまで. 10㎏まで 20㎏まで 30kgまで. 料金. 840円 1110円 1370円 1630円 1890円. (2)44kgの荷物をいくつかに分けて送ることにします。一番安く送る方法を考 えてください。また,その理由を書いてください。ただし,荷物はいくつに分. けてもよいし,A社,B社の両方を利用することもできます。. ①,②の理由で誤っている生徒が,2,3年生ともに30%程度見られる。宅配便 の料金は,荷物を分けて送るほど割高になるという送料のしくみを,多くの生徒は知 らないと考えられる。. 一43一.
(46) (3) 式で示された現実的問題(囹)について. 生徒が求めた答えの数値を多い順に整理したものが表7である。. 表7 答えの数値による分類(人数) 答え 正答. 一8. 誤答①. 一12.8. 8. ② ③. ⑤. ⑦. ⑧. 4.75 5.2. ⑥. 1.8. ④. 18. 一2. 4.8. 生徒のおこなった計算 10−0.006× (3800− 800). 2年 39.8(111). 3年 49.7(153). 10 − 0.006 × 3800. 1.4(4). 3.6(11). 0.006×(3800−800)一10. 2.5(7). LO(3). 0。006×(3800−800). L8(5). LO(3). 0.006×(3800−800). Ll(3). L3(4). 3800÷800. 1.8(5). 0.6(2). 10−0.006×800. 0。4( 1). 1.9(6). 0.7(2). L3(4). 0.7(2). 1,0(3). 10−0.006×(3800−800)=10−18. 0.006×800. その他. 無答,途中 合計. 23。7(66). 17.5(54). 26.2(73). 21.1(65). 100.0(279). 一44一. 100.0(308).
(47) 生徒が求めた答えの数値は,どのように考えて計算したかを分析する。. 團 気温は,高い場所になるほど低くなり,x m高くなると0.006×x(℃)低くな. ります。標高3800mの山に登山しようと思っています。標高800mの登山口の 気温が10℃のとき,山頂の気温は何度ですか。. ①,⑥,⑦では,登山口の気温10℃から,いろいろな高度の気温差をひこうとし ている。. ②は,登山口から山頂までの気温差18℃を求めることができている。しかし,山 頂の気温を求めるとき,登山口の気温と気温差を間違えてひいてしまったか,答えが 正の数となる簡単な計算を選んだのではないかと考えられる。. ③,④,⑧は,問題文に与えられている式0。006×κのxに数値を代入して答えを 求めようとしている。. ⑤は,問題文に与えられている式を使わずに答えを求めようとしている。. また,その他では,①∼⑧と同じ計算を使っている生徒も多くいたが,途中での計 算に何らかの間違いがあって,答えが1つずつになっている。. 一45一.
(48) (4) グラフで示された現実的問題(国)について 囚(1),(2)において,生徒の書いた理由をその内容ごとに分類し,多い順に整理し. たものが表8,表9である。そして,理由として生徒が書いた内容の欄には,生徒が 書いた内容をまとめ,その下(「」)には,生徒が書いた代表的な理由をあげる。. 表8 (1)の生徒の書いた理由の分類(人数). 理由として生徒が書いた内容. 2年. 3年. 49.8(139). 49.7(153). 21.1(59). 26.0(80). 5000円の通話時間が長いことで判断した。. 理由が 正しい. rSプランの方が,5000円で通話できる時 間が長い。」. 携帯電話をあまり使わないという条件で 理由が 正しい. 判断した。. 「使った分だけ料金を払う方参得である。」. グラフの傾向を正しく読みとることがで 理由が 誤り①. きたが,判断を間違えた。 6.8(19). 6.2(19). 5.0(14). 7,5(23). 5.4(15). 1,9(6). その他の理由. 5.0(14). 4。2(13). 理由なし,無答. 6.8(19). 4,5(14). 「Sプランは,料金が安定している。」 「Sプランは,はじめが高い。」. 判断の理由がわからない。 ②. 「Sプランは,Pプランより安い。」 「Pプランは,Sプランより安い。」. グラフのある部分を読みとっているが, ちがう場所を読んだか,目もりを読み間違 ③. えてた。. 「Pプランは,ぴったり5000円の所がある。」. 「利用料金が5000円のとき,Pプランは45 分,Sプランは60分以上話せる。」. 合 計. 100.0(279). 一46.. 100.0(308).
(49) 表9 (2)の生徒の書いた理由の分類(人数). 理由として生徒が書いた内容. 2年. 3年. 77.1(215). 8L5(251). 6.8(19). 5.8(18). 1.1(3). 1.3(4). 5.0(14). 3.2(10). おこづかいの3000円以内で利用できるプ 理由が 正しい. ランを選択した。. 「Sプランは,おこづかいがたりないから。」 判断の理由がわからない。. 理由が 誤り①. 「Pプランは,Sプランより安い。」 「Sプランは,Pプランより安い。」 「比例しているから。」. おこづかいの金額3000円に関係なく判断 した。. ② 「長電話をしないから。」 「短く使えば安くなる。」. その他. 理由なし,無答. 10,0(28). 合 計. 100.0(279). 一47一. 8.1(25). 100.0(308).
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