• 検索結果がありません。

CFRP 主ケーブル超長大吊橋の構造特性と経済性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "CFRP 主ケーブル超長大吊橋の構造特性と経済性"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)I-A187. CFRP 主ケーブル超長大吊橋の構造特性と経済性 東京都立大学 学生員 宗澤研郎. 正会員. 前田研一*・中村一史. 京王電鉄. 正会員 重岡剛雄. 長. 新日本製鐵. 正会員 江口立也. 東京大学. 大. 正会員. 森園康之. フェロー 藤野陽三. 1. まえがき 近年における新素材の開発の進展は著しく,なかでも繊維強化プラスチック(FRP)の性能の進歩に は目を見張るものがある.特に最近では,その比強度が極めて高いことから,鋼製ケーブルの代わりに FRP 製ケ ーブルを吊橋の主ケーブルに用いることによって死荷重を大幅に低減でき,総死荷重に占める主ケーブルの自重 の割合が大きな長径間の橋になればなるほど,その効果も大きくなることが指摘されるようになっている.本研 究 1)~3) は,このような指摘を受け,CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製ケーブルを主ケーブルに用いた中央径間 長 2,500m の超長大箱桁吊橋の試設計を行い,静的構造特性,動的耐風安定性,および,経済性を鋼製主ケーブ ル使用の場合と比較,検討するものである.今回は,主ケーブルに用いる CFRP として引張強度の異なる 6 種類 のものを用い,それらの影響について解析結果をもとに検討を行った.. 2. 材料特性 鋼主ケーブルと CFRP 主ケーブルの主要な材料特性等を表-1 に示す.表にも示したように,以後 6 種類の CFRP はそれぞれ CFRP(許容応力度の数値)と表現する.これら鋼と 6 種類の CFRP との計 7 種類の主ケー ブル素材を用いて,図-1 に示す中央径間 2500m の超長大吊橋の試設計を行った結果,主ケーブル断面積と主ケー ブル関係死荷重は表-2 に示す値となった.これより鋼に比べ CFRP は死荷重が大幅に減少し,CFRP では,引張 強度が大きくなると断面積がより小さくなるため,死荷重もそれにつれてさらに減少することがわかった. 表-2 主ケーブル断面積と主ケーブル関係死荷重. 表-1 主ケーブルの材料特性. 2. CFRP. 鋼. 2. σa(kgf/mm ). A(m ). wc(tf/m). 100 110 120 130 140 150 100. 0.4540 0.4096 0.3746 0.3446 0.3192 0.2963 0.5564. 0.905 0.830 0.770 0.720 0.680 0.640 4.825. 10. 10@2=20. 2. 248. 鋼 CFRP(100) CFRP(110) CFRP(120) CFRP(130) CFRP(140) CFRP(150) 1.60 7.85 単位体積重量(tf/m3) 1.6×107 弾性係数(tf/m2) 2.0×107 0.6×10-6 線膨張係数(1/℃) 12×10-6 引張強度(kgf/mm2) 200 250 275 300 325 350 375 安全率 2.0 2.50 許容応力度(kgf/mm2) 100 100 110 120 130 140 150. 10. 10@2=20. 24.5@40=980. 24.8@100=2 480. 24.5@40=980. 1 000. 2 500. 1 000. 図-1 超長大吊橋の一般図. 3. 静的構造特性 CFRP 主ケーブルは鋼主ケーブルに比べ,断面積,弾性係数が小さいため剛性が低下し,設計 荷重(活荷重,風荷重)に対する静的構造特性は劣る点が見られたが,大きな問題となる程ではなかった.また, 図-2 には活荷重載荷(全径間満載)時の主ケーブル張力の値を示すが,CFRP が軽量であるために,鋼に比べ, 主ケーブル張力が大幅に低減されることがわかった.このことは経済性に大きく影響を及ぼすが.それについて は後の経済性の部分でまとめて考察することとする. Key Words:超長大吊橋,CFRP,静的構造特性,耐風安定性,経済性 連絡先* :〒192-0397 東京都八王子市南大沢 1-1 TEL 0426-77-1111 FAX 0426-77-2772. -374-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) I-A187. 4. 動的耐風安定性 CFRP 主ケーブルは軽量であり,それ. 62000. が利点である反面,そのことにより耐風安定性が損なわれ. 60000. ケーブル張力. る.図-3 は連成フラッター解析結果を示したものであり,. 58000 56000. 耐風安定性の低下が確かめられた.鋼に比べ,CFRP は全. CFRP(100) CFRP(110) CFRP(120) CFRP(130) CFRP(140) CFRP(150) 鋼. 54000. ての場合に耐風安定性が大きく低下し,CFRP(140)を除け. 52000. ば,CFRP(100)から CFRP(150)へと軽量になるにつれ耐風安. 50000. 定性が低下し,耐風安定性が主ケーブルの死荷重(質量)に (tf) 48000 46000. ほぼ依存していることがわかった.. 44000. CFRP(140)のみが特異な結果を示したことに関しては,. 42000. 質量との関係からは説明出来ず,また,ねじりやたわみの 図-2 活荷重載荷時(全径間載荷)の主ケーブル張力. 振動数の変化を調べた結果からも原因は把握できなかった.. 0.60. そこでモード寄与率を比較した結果,CFRP(140)に特徴が 対数減衰率. これらの結果より,耐風安定性は主ケーブルの質量にあ る程度の相関関係を示すが,微妙なバランスの狂いにより 寄与するモードの組み合わせが変化することによっても大. 0.40 0.30 0.20. きく耐風安定性が低下する可能性があると予測された.. 0.10. なお, ここでは省略するが,別項 4)で報告したように CFRP. 0.00. 主ケーブルを用いた場合であっても適切な耐風安定化策を 施すことにより,6 種類全てフラッター限界風速 76m/s 程. -0.10. 度まで耐風安定性を向上させること. -0.20. 特性を生かせば,架設費を縮減でき. P( 15. 0). 0) P( 14. CF R. CF R. 0). 0). P( 13 CF R. CF R. 0) P( 14. P( 15 CF R. P( 13 CF R. CF R. 0). 0). 0). 0.00 P( 12. 0.00. CF R. 0.20. 0). 0.20. P( 11. 0.40. P( 10. 0.40. CF R. 0.60. 鋼. 0.60. 0). 0.80. 0). 0.80. P( 12. 計したものであり,CFRP の軽量の. 1.00. CF R. 示す.総工費は架設費と材料費を合. 1.00. 0). かる総工費を比較した結果を図-4 に. 1.20. P( 11. た,純粋に主ケーブル工事のみにか. 80.0. b) 15 倍の場合. 1.20. CF R. 大きく縮減できると予想された.ま. 60.0. 1.40. 鋼. アンカレイジや基礎にかかる費用を. 40.0. a) 10 倍の場合. P( 10. ーブル最大張力が大幅に低減され,. 20.0. フラッター限界風速 (m/s). 1.40. CF R. は,CFRP を用いることにより主ケ. 0.0. 図-3 風速-減衰曲線 鋼を基準とした時の総工費の比率. が可能であることを確かめている. 5. 経済性 図-2 に示した結果から. CFRP(100) CFRP(110) CFRP(120) CFRP(130) CFRP(140) CFRP(150) 鋼. 0.50. 見られ,これが耐風安定性の低下の原因と考えられた.. 図-4 材料費 10 倍または 15 倍の場合における総工費の比率. ると予想し,単位体積当りで CFRP は鋼の場合の半分として算出した.また,材料費は現在,単位重量当りでみると,CFRP は鋼の 20 数倍を超えて いるが,ここでは 10 倍または 15 倍の 2 通りを考えた.この図から,材料費が 15 倍までになると経済性の面で 競合するようになり,10 倍までになると CFRP は 6 種類全てで経済的となることがわかった.. 6. あとがき 鋼主ケーブルと比べ,CFRP 主ケーブルでは静的構造特性においてやや劣る点はあるものの,大き な問題はみられず,動的耐風安定性についても低下するが,適切な耐風安定化策を施すことによりフラッター限 界風速 80m/s 弱まで耐風安定性を向上させることができた.経済性についても,単位重量当りで CFRP の価格が 鋼の 15 倍程度になると主ケーブル総工費のみでも競合するようになることがわかった.. 参考文献 1) 前田・森園・中村・江口・藤野:新素材(FRP)超長大吊橋の構造特性と経済性,構造工学論文集,Vol.46A,2000. 2) 江口・前田・森園・中村・藤野:超長大吊橋メインケーブルへの CFRP の適用に関する 2,3 の考察,第 1 回 FRP 橋梁に関するシンポジウム論文集,2001. 3) 前田・森園・中村・江口・藤野:長大,超長大 CFRP 主ケーブル吊橋の経済性と耐風安定性,第 1 回 FRP 橋梁に関するシンポジウム論文集,2001. 4) 重岡・前田・中村・森園・江口・藤野:CFRP 主ケーブル超長大吊橋の構造的耐風安定化策,第 56 回年次学術講演会講演概要集,2001.. -375-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(3)

参照

関連したドキュメント

よる設計法では、鋼管の曲げ剛性に応じて根入れ長例えば 3/,: Chang

本研究では, 図 ß に示すような横桁のみで連結され,単純支 持された鋼 主桁橋を対象とする.解析は,支間長 , 主桁間隔 および横桁間隔 が共に の 主桁橋を基

には性質の異なる 2 種類以上の粘土が存在していると考えられ る.そこで本研究では性質の異なる粘土が最低でも 2 種類存在 するようにカオリン粘土,ベントナイト,粉砕砂以下

振動特性を反映した支持ケーブルの局部振動に関する研究は見受けられないようである。そこで本研究では,

それぞれの地震動に対する各部材の加速度応答倍率 を図-1 に示す.図に示すように,部材の位置が上部 になるにつれて応答が大きくなることから,芯棒の

CFRP シート補修は、腐食欠損部に不陸修正としてエポキシ樹脂パテ材を充填した後、 CFRP

を用いたコンクリートの表層透気係数とスケーリン グ量の関係性を図-3 に示す。これらの結果より、表

動の醸成要因を明らかにするとともに、観光地の特性を 踏まえながら、主に旅行者の来訪頻度と来訪回数に着目