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弾塑性法による鋼管擁壁の変形挙動の評価 新日鐵住金株式会社

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅲ‑183. 弾塑性法による鋼管擁壁の変形挙動の評価 新日鐵住金株式会社. 正会員. 東京工業大学 学生会員. 正会員. ○藤原 竹村. 覚太 次朗. 正会員. 石濱. 吉郎. 学生会員. 赤沢. 翔平. Vijayakanthan Kunasegaram. 正会員. 関. 栄. 1.はじめに 近年、狭隘地の活用や山岳付近の道路整備等に伴い、壁高の大きな鋼管擁壁の検討が増加している。壁高が 大きくなるに伴い、頭部変位を抑制するため曲げ剛性の高い鋼管が必要となる。従来の「Chang の式. 1)」に. よる設計法では、鋼管の曲げ剛性に応じて根入れ長(例えば 3/,: Chang 式特性値)が決定されるため、特に 岩盤へ大径鋼管を適用する際には根入れ長が非常に長くなり施工に困難を伴う。一方、著者らは遠心模型試験 を実施し、Chang の式よりもかなり短い根入れ長(1/)であっても、矢板下端の回転に対するモーメント安全 率が 1.0 以上であれば擁壁の安全性を確保できることを確認している 2), 3)。短い根入れ長の擁壁挙動を計算モ デルで評価する場合、根入れ部付近の地盤の弾性域から塑性域に至る挙動を評価する必要があり、弾性床上の 梁理論に基づく Chang の式では対応できない。そこで、Chang の式とは異なる設計法である「弾塑性法 1)」 を用いて遠心模型試験の結果を比較することで、短い根入れ長の擁壁に対する弾塑性法の妥当性を検証した。 2.弾塑性法による計算モデル 設計マニュアル 1)、既往の実験 2)、文献 4)に従い、弾塑性法による計算モデル(図 1)、計算条件(表 1)を設定 した。擁壁は下端が水平ピンローラーに接続されたビーム材とし、根入れ部にはバイリニア型の弾完全塑性バ ネを設定した。実験では、背面地盤の水位を徐々に上昇させることで、擁壁に作用する荷重を増加させながら 擁壁の挙動を検証している。そこで本論では水位高さに着目し、常時の設計荷重(水位が 0m)から水位上昇に 伴う荷重の増大に応じた擁壁の変形挙動を弾塑性法により評価した。このとき背面からの荷重(土圧)は内部摩 擦角φ=38°、粘着力 c=0(kN/m2)から算定し、Case3 は砂地盤であるため根入れ部にも荷重を与えた。参考 として、水位に対する掘削面における水平荷重の倍率(水位 0m で倍率 1)を図 2 に示す。. 擁壁. →. 擁壁 高さ. (壁面摩擦角 0°). 荷重倍率. 【背面】. 【前面】. 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0. Case2 Case1, 3 (ほぼ同一線). 0. 1. 2. 3. 4. 5. 水位. 8. 9. 10. 11. 12. 図 2 水位と荷重倍率(掘削面) 表11 計算モデル入力値 モデル入力値 表. 掘削面. 根入れ長さ 弾塑性バネ (バイリニア型). 対象ケース. Case1 Case2 Case3. 根入れ地盤. 軟岩. 擁壁高さ (m). 12. 9. 12. 鋼管矢板径 (m). 2.5. 1.0. 2.5. 25. 10. 25. 根入れ長さ (m). 2.5. 1.8. 9.8. 水平方向地盤反力係数 (MPa/m). 250. 150. 56. 水平地盤反力度の上限値 (深度 1m の値,(MPa)). 1.4. 1.1. 0.07. 根入れ地盤の内部摩擦角(degree). 0. 0. 37. キーワード 鋼管,軟岩,根入れ長,弾塑性法 〒293-8511 千葉県富津市新富 20-1. 軟岩 乾燥砂. 鋼管矢板板厚 (m). 図 1 弾塑性法計算モデル. 連絡先. 6 7 水位(m). TEL 080-4602-1359. ‑365‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅲ‑183. 3.計算結果 計算結果と実験結果 2)の比較について、水位と天端水平変位の関係(点線:計算結果、実線:実験結果(遠心 加速前をゼロ補正))を図 3、単位奥行き m あたりの曲げモーメントの深度分布(実線:計算結果、プロット:実 験結果)を図 4 に示す。図 3 では全ケース通じて、実験結果では水位が上昇するとともに緩やかに変位は進行 しているのに対し、計算結果では変曲点(およそ Case1:6m, Case2:3m, Case3:5m)を境に急激に変位が進行した。 これは計算では、根入れ部のバネを砂および軟岩に関わらず弾完全塑性モデルとしているため、塑性化後は抵 抗が増加せず、実験で見られたような根入れ部の地盤の変形量が増加した後でも受働抵抗が増加する挙動を評 価できていないためと考えられる。図 4 について、Case1, 2 では計算モデルは実験結果を比較的良好に再現し ているものの、Case3 では特に地中部において過大評価する傾向が強い。これは砂の水平方向地盤反力係数は 深度方向に増加するが、今回の計算モデルでは深度方向に一定(56MPa/m)と設定したためと考えられる。Case3 については、水平方向地盤反力係数の深度方向の変化を考慮することでさらなる精度向上が期待できる。 このように根入れ部のバネのモデル化は擁壁の変形の評価に大きく影響を与える。バイリニア型の弾塑性バ ネでは小変位から大変位域まで連続的に精度の高い解を得るのは困難とされており 4)、弾塑性法によりすべて ことは困難である。弾塑性法により良好に評価できた 水位は Case1:6m, Case2:3m, Case3:5m までであり、こ れらは掘削面における荷重がおよそ 1.8~2.5 倍に相当 する(図 2)。すなわち本研究では常時設計レベルから その 2 倍程度の荷重に対しては、弾塑性法により擁壁. 天端の水平変位 (mm). の荷重レベルに対して擁壁の挙動を精緻に評価する 800 700 600 500 400 300 200 100 0. 挙動を精度良く評価できたといえる。これ以上の荷重. Case1. 実線:計算結果 点線:実験結果. Case2. Case3. Case2. Case3 Case1. 0. 1. 2. に対する擁壁の挙動を評価するには、根入れ部の地盤. 3. 4. 5. 6 7 水位(m). 8. 9. 10. 11. 12. 図 3 水位と水平変位の関係. の塑性化後の挙動を含め、さらなる精度向上が必要である。 15 7m. 10. 実線:計算結果 プロット:実験結果. 0. -5. 5. 0m. 5m. 10. 実線:計算結果 プロット:実験結果. -5. -10. 0. 3m. 0. Case1. -10 -2000 -1500 -1000 -500 曲げモーメント(kNm/m). 15. 0m. 擁壁高さ (m). 5. 3m. 擁壁高さ (m). 擁壁高さ (m). 10. 15. 0m. Case2 -800. -600 -400 -200 曲げモーメント (kNm/m). 0. 5. 3m. 6m. 実線:計算結果 プロット:実験結果. 0 -5. Case3 -10 -3000-2500-2000-1500-1000 -500 曲げモーメント (kNm/m). 0. 図 4 曲げモーメントの深度分布 4.まとめ 根入れ長の短い鋼管擁壁について、実験結果と弾塑性法による計算結果の比較により以下の知見を得た。 1) 常時設計レベルからその 2 倍程度の荷重に対しては、弾塑性法により擁壁挙動を精度良く評価できる。 2) さらに大きな荷重となる場合、変位や擁壁に発生する応力を過大に評価する傾向にあり、根入れ地盤の塑 性化後の挙動を含めモデル精度の向上が必要である。 参考文献 1) 鋼管杭協会:自立式鋼矢板擁壁設計マニュアル,2007 2) 赤沢翔平ら:軟岩に根入れした自立式鋼管矢板擁壁の変形と破懐挙動,第51回 地盤工学研究発表会,2016 3) V. Kunasegaram et.al. : Centrifuge modeling of self-standing steel pipe sheet pile walls embedded in soft sand rock, 第51 回 地盤工学研究発表会,2016 4) 神田政幸ら:単杭の水平抵抗解析に用いるp-y関係の評価,土と基礎,Vol. 48,No.9,2000 ‑366‑.

(3)

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