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.しかし,粘性土のクリープ挙動や

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Academic year: 2022

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(1)【Ⅲ-15】 粘性土の残留状態におけるせん断クリープ破壊モデル 愛媛大学大学院理工学研究科(学). ○小阪. 岳. 愛媛大学大学院理工学研究科(正)バンダリ・ネトラ P. 広島県. (非). 酒井. 啓太. 1.はじめに 地質構造の複雑な日本では大規模地すべりが多発しており,そのほとんどは移動速度が非常に低速度であ る.このような地すべりの挙動はクリープ変位特性として理解されており,これらの地すべりの発生原因は 薄層のすべり面粘土の存在であることが過去の研究より分かっている. 1). .しかし,粘性土のクリープ挙動や. 破壊メカニズムは土質力学的に未解明な点が多く存在する.そこで本研究では粘性土の残留状態におけるク リープ挙動をメカニズム解明という目的の下,せん断クリープ試験を行い,試験結果をもとに簡易的力学モ デルを作成し精度についての比較・検証を実施した. 2.せん断クリープ試験 試験手順は供試体作成,圧密,リングせん断試験,クリープ せん断試験の順に実施した.試料については,粘性土が含水比 によって様々な状態,性質を示し,せん断中の含水比はすべり 面部分とその周辺では異なる変化をする. 2) ことから,せん断時. には性質の異なる 2 種類以上の粘土が存在していると考えられ る.そこで本研究では性質の異なる粘土が最低でも 2 種類存在 するようにカオリン粘土,ベントナイト,粉砕砂(以下 K,B, SP とする)から,K,SP がそれぞれ 75%,B が 25%の K75+B25, SP75+B25 に配合された 2 つの試料を使用した. せん断クリープ試験は図-1 に示す試験機を用い,試験条件は 垂直応力 98.1kPa,せん断速度 0.16mm/min,ろ紙を用いた両. 図-1 クリープ試験可能なリングせん断試験. 面排水状態である.室温は 20℃一定に設定している.クリープ. 機. 応力は残留強度に定数 Rrcs を乗じて算出した.本試験では Rrcs の値を 1.000~1.030 まで微小変化させた.図-2,図-3 に 各試料の試験によるクリープ挙動を示す. 3.力学的モデルの作成 粘性土のせん断時には性質の異なる粘土が最低 2 種類存在 していると考えられることより,力学的モデルは粘弾性,粘弾 塑性から作成できると想定した.. 図-2 試験によるクリープ挙動(K75+B25). 図-4 に本研究で作成した力学モデルを示す.モデルの左上部 の構造が粘弾塑性,右上部の構造が粘弾性を表現している.ま た,本研究ではリングせん断試験機を用いてクリープ試験を行 うため,リングの構造を考慮し,Slider の降伏応力が無限長に 作用するように設計している. 4.力学的モデルの挙動 力学的モデル全体に作用するせん断応力と Slider の最大降 伏応力の大小関係により力学モデルは異なる挙動を示す.. -145-. 図-3 試験によるクリープ挙動(SP75+B25).

(2) (1) τ ≦ 𝜏𝑓 の場合 この場合,粘弾塑性を表す部分の構造は作動しない.この時モデル全体のせん断ひずみγは次式で表現で き,力学モデルは収束の挙動を示す. 𝜏. 𝐺. γ = 𝐺 [1 − exp {− (𝜂2 ) 𝑡} ⁡]....................................(1) 2. 3. (2) τ > 𝜏𝑓 の場合 この場合,モデル全体のせん断ひずみγは次式で表現でき,1 次,2 次クリープの挙動を示す. γ=(. 𝜏−𝜏𝑓 𝐺1. 𝐺. ) [1 − 𝑒𝑥𝑝 {− (𝜂1 ) 𝑡}] + 1. (𝜏−𝜏𝑓 )𝑡 𝜂2. 𝜏. 𝐺. + 𝐺 [1 − exp⁡{− (𝜂2 ) 𝑡}]............................(2) 2. 3. すべり面粘性土はせん断に伴い含水比が上昇する.またこれにより粘性係数が低下する.そこで,モデル 全体の変位が𝛿𝑐 に至ったとき,𝜂2 =0 になると仮定した.こ. Spring. Dashpot. Spring. のとき粘弾塑性を示す部分の上部構造は崩壊し,Slider のみ が作用するようになる.したがって運動方程式よりモデル全. . f. 体のせん断ひずみγは次式で表され,モデルは 3 次クリープ. Slider. の挙動を示す.式中の𝜌は密度である. γ=. 𝜏𝑓 𝑡 2 2𝜌. 𝜏. 𝐺2. + 𝐺 [1 − exp⁡{− (𝜂 ) 𝑡}]....................................(3) 2. Dashpot. . . G :剛性率 η :粘性係数. 3. τf:降伏応力. 5.再現結果 図-5,図-6 に力学モデルを用いて再現したクリープ挙動を 示す.力学モデルの各パラメーターは実験値を基に算出した. この結果から,本研究で提案したクリープモデルは大まかな. Name Representation Meaning Spring Elasticity Dashpot Viscosity Slider Plasticity. 図-4 粘性土におけるクリープモデル. クリープ挙動を再現している.しかし,1 次クリープが収束 している部分に着目すると,モデル値は実験値よりも小さな 傾きを示していることが分かる.この原因の 1 つとしてクリ ープ試験の方法が挙げられる.本試験では試料がクリープ破 壊に至った後,一度クリープ荷重を除荷し,再び載荷を行う ことで新たなクリープ挙動を測定している.しかし除荷から 再載荷までのインターバルを設定していないため,初期状態 図-5 力学モデルによるクリープ挙動(K75+B25). と含水比が異なっている可能性が考えられる. 6.まとめ 一連の研究結果から以下の主要な知見が得られた. 1). 粘性土におけるクリープ挙動は粘弾性と粘弾塑性を組 み合わせたモデルにより簡易的に表現できる. 2). 2 次クリープから 3 次クリープへの挙動の変化の原因 はすべり面粘土の含水比の増加および粘性係数の低下 が原因であることが考えられる 図-6 力学モデルによるクリープ挙動(SP75+B25). 参考文献. 1) 矢田部龍一,八木則男,榎明潔:破砕帯地すべり地の粘土の力学特性,愛媛大学工学部紀要. 第 11 巻,第 2. 号 pp.433~440,1987 2) 村尾英彦,飯久保巍,北野幹夫:リングせん断試験を用いた地すべり面強度定数決定のための基礎的検討 の 1),地盤工学会. 第 39 回研究発表会,2004. -146-. (そ.

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参照

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