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本稿では、導水路修繕工 事の事例として報告する

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅵ‑114. 長距離圧送用吹付けモルタルを用いた水力発電所導水路修繕 ほくでんエコエナジー(株). 横辻. 宰. 日特建設(株) 正会員 ○竹谷 裕 日特建設(株) 正会員. 池田 淳. 日特建設(株). 守谷 英明. 当該発電所は大正 9 年に運用が開始されたものであり、高経年化によって全体的に導水路の劣化が進行して いる。部分的な修繕工事が行われてきたが、鋼枠支保工と幕板で補強された区間において摩耗、欠損が確認さ れていることから、粗度係数の悪化に伴う取水量の低下や抜け落ちた幕板の流下による発電障害などが懸念さ れていた。そこで坑内工事における安全性や停電期間内の施工を確保する目的に長距離圧送が可能な吹付けモ ルタル工法(キロ・フケール工法、以下、本工法という)を採用し修繕工事を行った。本稿では、導水路修繕工 事の事例として報告する。また、フライアッシュの有効利用を目的に、本工法のモルタル材料にフライアッシ ュを混合させる室内配合試験も実施したので報告する。 水路縦断面図. 1. 導水路修繕工事の概要 4号マンホール. 本工事は導水路の 3,409m 区間に点在する鋼枠支保工と. 440m. 幕板で補強された区間(施工延長 532m、図 1)において、. 5号マンホール. 203m. 512m. ①. ② ③. 488m. 457m. 20m. 既存の幕板を撤去後にモルタル吹付を実施し、表面を平滑. 6号マンホール. 337m 157m. ④ ⑤. 422m 127m. 442m. 326m. 53m 145m. 204m. ⑥ ⑦. に仕上げる工事である。施工上の課題として、. 361m. ⑧. ⑨ ⑩. ⑪. ⑫⑬. ⑭. ⑮ ⑯. 3.4km. 1) 停電期間中に工事を完了させる必要がある。. 図 1 水路縦断図. 2) 坑内へのアクセスは 3 箇所のマンホールに限定され、施工箇所が点在している。 ことが挙げられる。 2. キロ・フケール工法の概要 本工法は、チクソトロピー性とよばれる「レオロジー特性の一種で、力が作用する と見かけの粘性が減少し、静置により回復する可逆変化」 (図 2)する特性を有したモ ルタルを吹付に応用した技術である。特長として以下の項目が挙げられる。 1) 高強度(σ28=24N/mm2)のモルタル材料であること。 2) 低圧力(3MPa)で長距離(1,000m)圧送できること。. 図 2 せん断速度と応力の関係. このような特長を有していることから、坑外にプラントを設置し(写真 1) 、坑内に搬入する主な資機材は モルタル材料を圧送するホースと材料の流量を制御する小型の制御装置(COGMA、写真 2)のコンパクトな 設備で施工できる。また、低圧力であることから 1.5 インチのフレキシブルホースによる圧送が可能である。 3.施工状況 本工事は、以下の手順で施工を行った。 1) 既存の幕板を撤去した後、高圧洗浄機等で清掃を行った。 2) 既設コンクリートとの接着性を高めるために下地面にプライマーを塗付した。 3) 坑外のプラントから圧送されたモルタル材料に先端ノズルでエアと急結剤を混入させて吹付を行った。 なお、いくつかの施工箇所において湧水があったため、吹付前に水抜きホースを設置し急結セメントで処理を 行った。吹付は導水路内のアーチ部から側壁に向かって行い、鋼枠の高さと同じになるように金コテで表面を キーワード 導水路,補修,長距離圧送,吹付,キロ・フケール工法 連絡先. 〒004-0041 札幌市厚別区大谷地東 4-2-20 TEL:011-801-3618 FAX:011-801-3630. ‑227‑.

(2) 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). Ⅵ‑114. 平滑に仕上げた。コテ仕上げの進捗に合わせて CO GMA で吹付速度をコントロールすることで円滑に 施工を進める事ができた。また坑内設備がコンパク 写真 1 プラント全景. トであった事から段取り替えもスムーズに行う事. 写真 2 管理システム(COGMA). ができたため、本工事を停電期間内で完了させるこ とができた。. 写真 1 プラント全景. 品質管理項目の一つである一軸圧縮強度は、設計. 写真 2 管理システム(COGMA). 基準強度(σ28=24N/mm2)に対して σ28=34.5~38.3 N/mm2 と十分上回る値であった。また、施工完了 後の通水において水位が低下したことから、補修前. 写真 3 吹付状況. 写真 4 施工完了. と比較して導水路内の粗度係数が低減したと考え 写真 1 プラント全景. られる。 4. フライアッシュ混入配合試験. 写真 2 管理システム(COGMA). 写真 3 吹付状況. 写真 4 施工完了. フライアッシュを混入させたモルタル材料が本工法に適用できるかを検討するための室内試験を行った。既 存の標準配合におけるセメントまたは細骨材のうち体積比として 10%~50%をフライアッシュに置換させて、 テーブルフロー試験および一軸圧縮強度試験を行った。これらの試験結果を図 3、図 4 に示す。 フロー値. 500. 80.0. 450. 70.0. 80.0. 400. 70.0. 350. 60.0. 300. 50.0. 250. 40.0. 200. 30.0. 150. 20.0. 100. 10.0 0.0 0%. 10%. 20%. 30%. 40%. 写真 3 60.0. 圧縮強度(σ7). 圧縮強度(σ28). フロー値. 400 350. 吹付状況. 写真 4 施工完了300. 50.0. 250. 40.0. 200. 30.0. 150. 20.0. 100. 50. 10.0. 50. 0. 0.0. 50%. フロー値 (mm). 一 軸 圧 縮 強 度 ( N / m m 2). 90.0. 圧縮強度(σ28). 一 軸 圧 縮 強 度 ( N / m m 2). 圧縮強度(σ7). フロー値 (mm). 100.0. 0 0%. セメント置換率(%). 10%. 20%. 30%. 40%. 50%. 細骨材置換率(%). 図 3 セメント置換. 図 4 細骨材置換. フロー値はいずれの配合においても本工法の規格値(300~350mm)を満足した。また、セメント置換率が 高くなるとフロー値は大きくなり、細骨材置換率が高くなってもフロー値に大きな変化は見られなかった。 一軸圧縮強度試験の結果においては、セメント置換率が 10%では標準配合の強度と同程度であるが、置換 率が 20%より高くなると強度は低下していく傾向であった。一方、細骨材置換率が高くなると強度が大きく なる傾向であった。以上のことからフロー値と強度の観点において、標準配合と同程度の性能を発揮する置換 率としてセメントでは 10~20%程度、細骨材では 50%程度までなら本工法のモルタル材料にフライアッシュ を混入させることができる可能性があると考えられる。 5. まとめ 本稿では,長距離圧送吹付が可能な本工法を用いた導水路修繕工事の事例を報告した。本工事において、ホ ース内のモルタル材料による閉塞もなく長距離圧送性は十分に確保され、また吹付後のコテ仕上げも比較的良 好であった。また、導水路修繕工事において本工法を採用した事で、狭隘な坑内での作業もスムーズに行う事 ができたため停電期間内に工事を完了させる事ができた。 フライアッシュ混合試験の結果から、本工法のモルタル材料にフライアッシュを混入させることができる可 能性があると考えられるため、今後、詳細な検討を行う予定である。. ‑228‑.

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