奈良教育大学学術リポジトリNEAR
意図・偶発再生におけるカテゴリー典型性の効果
著者 藤田 正, 清水 千弘
雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学
巻 39
号 1
ページ 165‑172
発行年 1990‑11‑26
その他のタイトル Category Typicality Effects in
Intentional‑Incidental Recall
URL http://hdl.handle.net/10105/1961
意図・偶発再生におけるカテゴリー典型性の効果
藤 田 正 (奈良教育大学心理学教室)
清 水 千 弘
(奈良県心身障害者リハビリテーションセンタ‑) (平成2年4月28日受理)
記憶過程でみられるカテゴリーの体制化や群化の研究は、我々の持つ自然概念カテゴリーにつ いての知識が記憶過程に反映される現象として、これまでにも数多くの研究が行なわれてきた (Kail,1984;Puff,1979)。特に近年、自然概念カテゴリーの構造をとらえる属性として、カテゴ リー典型性(category typicality)が扱われるようになってきた。我々の概念カテゴリ‑は、その カテゴリーの中の最も典型的な特性を持つ事例(プロトタイプ)を中心に典型性の程度において異 なる事例で構造化されている。典型事例とは、そのカテゴリ‑らしさの高いものであり、非典型 事例とは、そのカテゴリーらしさの低いものであると操作的に定義されている(Rosch,1975)0
カテゴリー典型性の違いは、典型性の高い項目リスト(典型リスト)と典型性の低い項目リスト (非典型リスト)を用いた自由再生において、典型リストが非典型リストよりも正再生数が多く、
群化量も大きいという結果に表れている(Greenberg & Bjorklund,1981;Bjorklund &
Bernholzt,1986;Bjorklund & Thompson,1983;石毛・箱田、1984;Whitney,et al. ,1983)c こ のようなカテゴリー典塑性における促進効果は、 「カテゴリー典型性効果(category typicality effects)」と呼ばれている(Greenberg & Biorklund,1981;Bjorklund & Thompson ,1983;石毛・
箱田、 1984)c
ところで、カテゴリー典型性の効果はどのようなメカニズムによって生じるのであろう。これ に関しては、方略使用(石毛・箱田、1984)や活性化(Biorklund & Bernbolzt,1986)などのメカニ ズムが関係していることが述べられている。方略使用による説明は、典型性の高い項目は、低い 項目に比べてカテゴリー名によるチャンキングが作りやすく、 1つのチャンクの中により多くの 項目を含めることができるから、再生数や群化量が高められるというものである。他方、活性化 による説明は、典型性の高い項目は、カテゴリーについての知識が反映されるため、典型性の低 い項目に比べて、その意味的関連性が自動的に活性化されやすい。したがって、再生数や群化量 が高められているというものである。
Bjorklund & Bernholzt(1986)は、活性化の幾能を調べるために、意図的方略の使用を最小限 にできる、偶発再生の事態で、典型リストと非典型リストの成績を比べた。彼らは中学生を被験 者として、 8カテゴリー32項目(リストには、 4カテゴリーについては典型項目、残り4カテゴ リーについては非典型項目がそれぞれ16項目ずっ含まれている。)のリストを用いて偶発手掛り再 生を行なった。方向づけ課題には、意味的方向づけ課題(例えばリンゴに対してであれば、それ が食べるものか乗るものかというように、項目の機能や内容を判断させるような課題)と、音声 的方向づけ課題(呈示語の音韻を判断させる課題)が用いられた。呈示された項目に対して方向づ け課題を行ったのちに、カテゴリー名が手掛りとして与えられる手掛り再生が行なわれた。その 結果、偶発条件でも典型項目は、非典型項目よりも再生数が高く、典型性の効果が見られた。こ
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の結果から、典型性の高い項目は、カテゴリーについての知識が反映されるためその意味的関連 性が自動的に活性化されるが、典型性の低い項目では活性化は生じにくい。このような活性化の 差が、検索に反映して再生量に違いを生じさせたのである。
以上のように、 Bjorkulund & Bernholzt(1986)では、方略使用が最小限になる偶発条件のも とでのみ活性化の存在が検討された。しかし、これまでの研究(Bjorklund & Thompson,1983;
Greenberg & Biorklund, 1981;石毛・箱田、1984;Whitney, et al. ,1983)では、意図的再生条 件のもとでも典型性の効果が兄いだされていることを考えると、典型性の効果を方略使用の促進 にのみ、あるいは活性化の促進にのみ限定して説明することは必ずしも適切でないかもしれない。
意図記憶条件ではカテゴリーによる方略が使用され、しかも活性化も利用される可能性がある。
Bjorklundらの実験では行なわれれていないが、意図記憶条件と偶発記憶条件との成績を直接比 較することにより、方略と活性化の程度の差が明らかになることが考えられる。もし意図条件と 偶発条件で大きな差がなければ、カテゴリー典型性の効果は純粋に活性化によるものといえる。
ところで、 Bjorklundらは偶発記憶の際の方向づけ課題には、意味的方向づけ課題と音声的方 向づけ課題の2つを用いた。このいずれの課題を用いた場合でも再生数に典型性の効果が見られ た。しかし、課題は異なるが、意味的関連性が先行する場合にのみプライミング効果が生じた (Fischer & Goodman,1978)結果を考えると、活性化が生じるのは、方向づけ課題として意味 的処理の場合に限定される可能性が大きい Biorkulund & Bernholzt(1986)が用いた再生方法 は、検索手掛りとしてカテゴリー名を与える手掛り再生であった。これが非意味的処理の場合の 典型性の効果を高めるように作用したものとも考えられる。しかしながら、再生手掛りを与えな い事態で非意味的処理を行なう場合にも、ある程度の活性化が自動的に生じるのであろうか。こ の点に関しても関心が持たれるところである。
なお、これまで用いられてきた典型性項目リスト(石毛・箱田、1983;遠藤・井上・梅本、1985) を吟味すると、非典型項目には、他カテゴリーとオーバーラップした項目も用いられてきた。し かし、本研究では、明らかに当該のカテゴリーに含まれる項目についてのみを用いて予め項目リ ストを作成し、その中から典型リストと非典型リストの項目を選択することにした。
本研究の目的は、カテゴリー典型性の効果が方略使用によるものか、活性化の差によるものか について検討することである。この目的のために、以下の3つの条件で典型性の効果を比較検討 することにした。それらは、方略使用の影響の表れやすい意図条件と、方略使用の影響の少ない 偶発条件である。なお、偶発条件には意味的方向づけ条件と非意味的方向づけ条件を設けた。偶 発条件でこの2つを設けた理由は、典型性の効果が生じるためには、少なくとも項目が意味的に 処理されることが必要かどうかを調べるためである。
主な予想は、次のとおりである。 (》典型性の効果が意図条件において生じるが、偶発条件にお いて生じないならば、方略使用の差による影響の方が、知識の反映の差による影響よりも大きい といえるだろう。または、 ②典型性の効果が意図条件においても偶発条件においても生じるなら ば、知識の反映の差による影響の方が、方略使用の差による影響よりも大きいといえるだろう。
方 法
実験計画 実験計画は2×3の要因計画であったO第1の要因はリスト条件で、典型リストと 非典型リストであった。第2の要因は記銘条件で、意図条件、意味的方向づけによる偶発条件
(以下、偶発・意味条件)、非意味的方向づけによる偶発条件(以下、偶発・非意味条件)であった。
なお、第1、第2の要因ともに被験者間要因であったO
被験者 被験者は、奈良教育大学の学部学生及び大学院生90名(男子40名、女子50名)であった。
彼らの平均年齢は20歳4か月(範囲18歳2か月〜24歳6か月)であった。これらの被験者は、各条 件ごとに15名ずっ割り当てられた。
材 料 ①記銘リスト 記銘リストは、表1に示されるような"衣類、スポーツ、鳥、魚、
野菜、四つ足動物"の6カテゴリーに含まれる項目で、これらは予備調査に基づいて選択された6 0語であった。典型リストは各カテゴリ‑の典型性の高い項目から5項目ずっ、計30項目から成
り、非典型リストは各カテゴリーの典型性の低い項目から5項目ずっ、計30項目から成っていたO それぞれのリストの典型性評定値の平均は、典型リスト1.20、非典型リスト4.05であった。また、
項目の呈示順序は、同一カテゴリーの項目や同音で始まる項目同士が隣り合わないよう考慮され た。なお、リストの最初と最後にバッファー語として、"タンス、電話、リンゴ、クリ"の中から 異なったカテゴリーの2語が加えられた.したがって、それぞれのリストに含まれる項目数は、
32項目であった。
表1.本実験で用いた材料
カテゴリー可 典型リスト
ブラウス,セーター,ジャケット,ワンピース, Yシャツ 負 サ ンマ ▼ タ イ , サ ケ , マ グ ロ , サ バ
ス;* ‑ ツ ラ グ ビl , テ ニ ス , バ レー ボ ール , サ ッ カ ー , 野 球 .
% ス ズ メ, ツ バ メ , カ ラ ス , ハ ト, タカ
野 菜 レタ ス , ニ ン ジ ン , キ ュ ウ リ, ハ クサ イ , キ ャ ベ ツ 四 つ 足 動 物 イ ヌ , ラ イ オ ン . キ リ ン , トラ , ゾ ウ
カ テ ゴ リI 名 非 典 型 リス ト
衣 患 Eストッキング,格子,ネクタイ,手袋,スカ‑フ エイ.ウナギ,ドジョウ,アナゴ,ナマズ
フェンシング,アーチェリー,すもう,馬蹄,ポーリング フクロウ,ペンギン,ダチョウ,ペリカン,フラミンゴ ラッキョウ,ニンニク,レンコン,トウモロコシ,シイタケ ネズミ.ゴリラ,クマ,リス,サル
②記銘語呈示用冊子 記銘語は、冊子によって呈示された。冊子の大きさはB 6版サイズで、
1ページに1項目をワードプロセッサーで打ったものを用いた。
③偶発・意味的方向づけ課題 記銘語と実験者が読み上げる文章の意味が適合しているか否 かを判断させる内容であった。例えば、記銘語「イヌ」の適合文は「ワンワン鳴きます」のよう に記銘語にあてはまる文で、正しいと判断すべきものであり、不適合文は、「チュウチュウ鳴きま す」のように、記銘語にあてはまらず、誤りであると判断すべきものであった。なお、典型項目 の不適合文として非典型項目の適合文を用い、非典型項目の不適合文として典型項目の適合文を 用いたOただし、それぞれの被験者が2回同じ文章を聴くことはないよう考慮された。
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④偶発・非意味的方向づけ課題 記銘語が書かれた文字の大きさを判断(大小判断)させる内 容であり、文字の大きさとして、ワードプロセッサーの全角文字(小)と四倍角文字(大)を用いた。
手続き 実験は2‑6名の小集団で行なわれた。被験者には、練習用と本実験用の冊子が配ら れ、それぞれの条件に応じて教示が与えられた。意図条件の被験者には、単語をできるだけたく
さん覚えるようにという旨の教示が与えられた。さらに、単語の順番を覚える必要はないことと、
すべての単語を見た後で、思い出して書くことの2点が加えられた。
偶発・意味的方向づけ条件の被験者には、冊子に書いてある単語と実験者が読む文章とが、適 合している場合は○印、適合していない場合は×印を付けるよう教示された。また、偶発・非意 味的方向づけ条件の被験者には、冊子に書いてある単語の文字が大きい活字で書いてあったら四 角で囲み、小さい活字で書いてあったら三角で囲むようにという旨の教示が与えられた。活字の 大小判断については、本実験と同じ形式の練習用リストで予め確認が行なわれた。
さらに、すべての被験者に冊子のページを正確にめくること、実験者の合図に従って進むよう にとの注意が与えられた。練習を行ない、これらの教示が正しく理解されたことを確認したのち に本実験に入った。
被験者は、実験者の「はい」という合図に従って冊子をめくり、課題を遂行した。意味的方向づ け課題の文章は、実験者によって読み上げられた。呈示時間は、 1項目につき4秒であり、実験 者は、 4秒毎にメトロノームの音を録音したテープをイヤホンで聴いて、冊子をめくる合図を与 えた。呈示が終わるとすぐに、筆答による自由再生が求められた。回答用紙は、意図条件の被験 者には記銘リストと一緒に配られ、偶発条件の被験者には、再生時に配られた。再生時間は、す べての条件で3分間であった。
再生が終わった後、本実験で用いられた材料の典型性が、被験者にどのように受け取られてい たかを調べるために、すべての被験者に予備調査と同様な手続きでもって、 60項目についての典 型性評定(典型性の高いもの1点、典型性の低いもの7点の7段階評定)を行なったo
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再生数 図1は条件ごとの正再生数の平均を示したものである。平均値について2(リスト条 件)× 3 (記銘条件)の分散分析を行なった。その結果、リスト条件(F(l ,84)‑21.09,♪<.Ol)と 記銘条件(F(2 ,84)‑160.24,♪<.Ol)の主効果、及びリスト条件×記銘条件(F(2 ,84)‑3.59,/)
<.05)の交互作用がそれぞれ有意であった。
交互作用が有意になったので、記銘条件ごとにリスト間の差について単純効果の検定を行なっ た。その結果、意図条件(∫(84)‑4.57,♪<.OOl)と偶発・意味条件(∫(84)‑2.60,♪<.Ol)にそれ ぞれ有意差が見られたが、偶発・非意味条件では、リスト間に有意な差は認められなかった。
群化量 再生数において典型性効果の見られた意図条件と偶発・意味条件の2条件について、
Bousfeild(1953)のRRLratio of repetition‑ R (反復数)/N (再生数) ‑ 1 ]を用いて群化量を算 出した。図2は条件ごとの群化量の平均を示したものである。
平均値について2(リスト条件)× 2(記銘条件)の分散分析を行なった。その結果、リスト条件 (F( l ,56)‑14.73,/><.Ol)と記銘条件(F( l ,56)‑29.59,♪<.Ol)の主効果がそれぞれ有意であっ たが、リスト条件×記銘条件の交互作用は有意ではなかった。
実験後の典型性評定 記憶実験の後で、実験に用いた記銘リスト項目についての典型性評定を
行なった。その結果、平均評定値は典型リスト1.29,非典型リスト4.16であった。それに対して、
予備調査の結果をもとにして作った典型リストと非典型リストの平均評定値は、それぞれ1.20と 4.05であった。両者の比較から、本実験で用いたリスト項目の典型性が、被験者に適切に受け取
られていたことが確認された。
EMSl 打 先 口 発 (意味的) (非意味的)
記 銘 粂 件
鳶 回 偶 発 1意EaSf.
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図1.条件ごとの正再生数の平均 図2.条件ごとの群化量の平均
考 察
最初に再生数について考察する。意図条件で典型性の効果が見られた結果は、従来の研究(石 毛・箱田、1984;Whitney,et al.1983)と一致する結果であった。また、偶発・意味条件で典型性 の効果が見られたことは、 Biorklund & Bernholtz(1986)の結果と一致するものであった。この ように、意図条件でも、偶発・意味条件においても典型性の効果が生じたことは、意味的関連性 による活性化が影響していることを示すもので、予想②を支持するものであった。
ところで、同じ偶発条件であっても意味的方向づけ課鷹を用いた場合には典型性の効果が見ら れたが、非意味的方向づけ課題を用いた場合には典型性の効果が見られなかった。意味的関連語 を先行プライムとした場合にのみ、プライミングの効果が生じたというFischer & Goodman(1978) の結果と本研究の組み合わせて考えると、活性化が生じるためには少なくとも項目が意味的に処 理されることが必要であることを示唆するものである。したがって、 Bjorklund & Bernholtz(1986) の非意味的方向づけ課題において典型性効果が見られた結果は、検索時にカテゴリー名が呈示さ れる手掛り再生であったことが影響したことによるものと考えられる。
次に群化量について考察する。意図条件と偶発・意味条件の両方において、典型項目の方が非 典型項目よりも群化量が高かった。これは従来の研究(Bjorklund & Bernholtz,1986;石毛・箱 田、1984;Whitney, et al.,1983)と一致する結果であった。再生数の結果と同様に、意図、偶発
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の両条件で典型性の効果が見られたことは、意味的関連性による活性化が影響していることを示 す結果であった。
以上のように再生数の結果と群化量の結果とは、ほぼ対応するものであった。このことから典 型性の効果は、知識の反映による意味的関連性の活性化によって生じると結論づけることができ る。なお、意味的関連性による活性化の過程については、次のように考えられる。典型項目は、
プロトタイプの近くに集まっているため項目間の関連性が強いが、非典型項目は周辺部に存在す るため項目間の関連性が弱いと仮定されている(Biorklund,1985)c したがって、 Bjorklund &
Bernholtz,(1986)も述べるように、典型項目はひとつ再生されると、項目間の関連性が強いた め、他の項目も活性化されやすく、高い再生数と群化量を示す。それに対して、非典型項目はひ とつ再生されても項目間の関連性が弱いため、他の項目が活性化されにくいので、典型項目のよ うな高い再生数と群化量を示さないという結果が生じるのである。
ところで、本実験の結果から、典型性の効果は意味的関連性の活性化によるものであることが 明らかにされたが、意図条件の再生数や群化量は偶発・意味条件よりも良いという結果は、意図 条件の被験者がカテゴリーに基づく体制化方略を用いた可能性を示唆している。したがって、本 実験の3条件での活性化の生起と方略の使用については、意図条件では両方が作用するが、偶発・
意味条件では活性化のみが作用し、偶発・非意味的条件ではどちらも作用しなかったと考えられ る。なお、意図条件と偶発・意味条件との成績の差は、方略使用を反映するものと考えてもさし つかえないだろう。
ところで、典型性の効果が主に知識の反映による意味的関連性の活性化によるものであること が示唆されたが、ここでは客観的に活性化をとらえる指標を用いていない。それ故、今後は活性 化の指標として反応潜時や虚再認を用いて検討する必要があると思われる。
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再生数や群化量に見られるカテゴリー典型性の効果が方略使用によるものか、活性化の差によ るものかについて検討した。この目的のために、方略使用の影響の表れやすい意図条件と、方略 使用の影響の少ない偶発条件を用いた。さらに、活性化が生じるためには、意味的処理が必要か 否かを検討するために、偶発条件には意味的方向づけ課題を行なう条件と非意味的方向づけ課題 を行なう条件を設けた。各記銘条件の半数には典型リストを、残り半数には非典型項目リストを 与えた。被験者は大学生90名であった。結果は、意図条件と偶発・意味条件で典塑性の効果が見 られたことから、カテゴリー典型性の効果には、知識の反映の差による意味的関連性の活性化の 影響が大きいことが明らかになった。また、偶発条件でも、意味的方向づけをした場合にのみ典 型性の効果が見られたことから、少なくとも活性化が生じるためには項目が意味的に処理される ことが必要であることが確かめられた。
引 用 文 献
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Category Typicality Effects in Intentional‑
Incidental Recall
Tadashi Fu.itA
(De如rtment of Psychology, Nara University of Education, Nara 630, Japan)
and
Chihiro Shimzu
(Naraken Rehabilitation Center for Physically and Mentally Disabled Persons , Nara 636‑03, Japan)
(Recieved April 28, 1990)
The purpose of this experiment was to investigate whether category typicality effects were due to the difference of strategy use by category or the difference of activation of semantic memory relations.
Ninety students were equally assigned to the intentional recall condition, the incidentaトmeaningful orienting condition , or the incidental‑nonmeaningful orienting condition. The half of Ss in each recall condition were given typicality list, remainings were given atypicality list. Each list was contained thirty‑two items, which composed of five examplers from six categories and two buffer items. Following memorizing or doing orienting task on 32 items, free recall was required for each list condition.
Under both the intentional condition and incidenbトmeaningful orienting condition , the amount of recall and clustering in typical list were greater than those in atypical list, but the differences between both list conditions were not observed under the incidental‑nonmeaningful orienting condition.
These findings showed that category typicality effects were due to automatic activation of semantic memory relations rather than strategy based category.