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幼児の自由再生に及ぼすカテゴリー分類と頻度の効 果

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

幼児の自由再生に及ぼすカテゴリー分類と頻度の効

著者 藤田 正

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 29

号 1

ページ 211‑218

発行年 1980‑11‑25

その他のタイトル Effects of Category Sorting and Taxonomic Frequency of Items on Free Recall in

Kindergarten Children

URL http://hdl.handle.net/10105/2433

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奈良教育大学紀要 第29巻 第1号(人文・社会)昭和55年 Bull.Nara Uniy.Educ,Vol.29,No.1 (cult.& soc.), 1980

幼児の自由再生に及ぼすカテゴT) ‑分類と頻度の効果

藤  田     正 (心理学教室) (昭和55年4月30日受理)

子どもの記憶の発達に関する最近の研究は、再生成績が量的に増大するというデーターのみを 提供するのではなく、その発達的な変化(発達差)が何故生じているのかといった点を解明しよ うとする、条件分析的な研究‑と変化してきている(Jablonski, 1974; Hagen, Jongeward, &

Kail, 1975; Kobasigawa, 1977; Moely, 1977; Ornstein, 1978)。このような研究のためのアプ ローチのひとつは、記憶の過程を記銘、貯蔵、再生の段階に分け、どの段階において、どのよう な原因のために発達差が生じるのかを検討しようとするものである。 3つの段階の中で貯蔵の段 階は実験的な操作がなされにくいので、多くの場合、記銘と再生の段階での操作が行われてい る。

ところで、記憶の体制化の研究においては、幾つかの概念カテゴリーに属する項目からなるリ ストが最もよく用いられてきた。この場合、記銘の段階でも再生の段階でも、カテゴリーの利用 可能性(カテゴリー利用)の成否が再生成績に大きく影響することが明らかにされているO従来 の研究では、年少児は記銘および再生の方略としてカテゴリーを自発的に利用できないことが指 摘されてきた(Kobasigawa, 1977; Moely, Olson, Halwes,& Flavell, 1969)c 記銘時のカテゴ リー利用については、リストのカテゴリ‑化された性質に気づくこと、およびそれを利用した記 銘がなされることが必要である。ところが、年少児の場合、概念分類能力が低い(森・宮崎・加 莱, 1976)ので効果的なカテゴリー利用ができにくいことが明らかにされている。そのため、カ テゴリー利用を促進させるために、記銘の際のカテゴリー分類(斉藤, 1970; Lange&Jackson, 1974; Worden, 1974;藤田・川田1976 ; Emmerich & Ackerman, 1978;藤田, 1978)やカ テゴリーごとのブロック提示(Furth & Milgram,1973;森・宮崎, 1975; Emmerich&Acker‑

man, 1978;藤嶋, 1979)などの様々な操作が付与されてきたが、これらのうち年少児において も一貫した促進効果がみられたのは、カテゴリー分類をして記銘させる方法であった。この操作 が促進効果をもったのは、次のような理由によるものと思われるO それは、カテゴリー分類操作 では、項目は空間的にカテゴリ‑ごとのグループにまとめた形で並べられ、その状態を記銘すれ ばよいので、カテゴリー利用がなされやすくなり、再生が促進されたのである(Women, Man‑

dler, & Chang, 1978)。

このようなカテゴリー分類の操作に加えて、リストを構成する項目の性質もカテゴリー利用に 影響すると考えられる。そのひとつとして本実験では、カテゴリー名に対する項目の連想頻度を

とりあげた。高連想頻度語(高頻度語)とは、あるカテゴリー名に対する連想者数の多かったも ので、カテゴリー名との連合が強い項目と考えられる。他方、低連想頻度語(低頻度語)とは、カ テゴリー名に対する連想者数の少なかったもので、カテゴリ一名との連合が弱い項目と考えられ る。これまでの自由再生の結果は、大学生(Bousfield, Cohen, & Whitmarsh, 1958)でも、小 学6年生(進, 1972a, b)でも、高頻度語リストの方が低頻度語リストよりも再生成績がよかっ

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212 藤 Hi   正

た。これらの結果は、項目のカテゴリー連想頻度が再生に影響することを示すものといえよう。

したがって、項目のカテゴリー連想頻度を考慮に入れた際、カテゴリー分類の効果は、項目の カテゴリー連想頻度によっても異なるものと考えられる。すなわち、高頻度語リストは低頻度語 リストよりもカテゴリ‑名が連想しやすいので、その利用もなされやすい。それ故、カテゴリI 分類して記銘させることの効果は、高頻度語リストよりも低頻度語リストでより大きいことが予 想される。これまでのところ、筆者の知る限りでは、幼児でカテゴリー分類し、記銘する方法を 用いた研究では、このような項目のカテゴリー連想頻度との関係において検討がなされたものは ない。そこで本研究では、杉村・市川(1975)の幼児のカテゴリー規準表を用い、幼児の自由再 生においてカテゴリー分類して記銘することが再生に及ぼす効果について、高頻度語リストと低 頻度語リストを用いた条件で比較し、先の予想を検討することを目的とした。また、副次的では あるが、カテゴリー分類の効果が、続く同じリストの再生にまで転移するかどうかについても合 わせて検討することにした。

方    法

実験計画  実験計画は2×2×3の要因計画であり、次の3要因を含んでいた。第1の要因 はリストの種類で、高頻度語リストと低頻度語リストであった。第2の要因は記銘時のカテゴリ ー分類の有無で、分類群と統制群であった。第3の要因は試行で、第1試行から第3試行までで あった。最初の2つの要因は被験者問の要因であり、最後の要因は被験者内の要因であった。し たがって、第1と第2の要因の組合せにより、高頻度・分類群、高頻度・統制群、低頻度・分類 群、低頻度・統制群の4群が設けられた。

被験者  被験者は奈良市内の幼稚園児40名で、その平均年齢は5歳8か月(範囲5歳1か月 から6歳0か月)であった。彼らは年齢と性別がほぼ等しくなるようにして4つの下位群に10名 ずつ割りあてられた。

記銘材料  実験で用いた記銘リストは、杉村と市川(1975)の幼児の概念カテゴリー規準表 から選んだ項目から構成されている(Tablel)。それらは、動物、果物、楽器、野菜の概念カテ ゴリーに属するもので、高頻度語リストは、それぞれの概念カテゴリーのうち、連想頻度の高い ものから4個ずつ、また低頻度語リストは、同様に連想頻度の低いものから4個ずつの、それぞ れ16項目で構成されている。これらの項目については、この年齢の被験者にとってよく熟知され

Table 1 Items used in this experiment

High frequency

Low frequency

ANIMALS FRUITS

elephant apple giraffe orange l ion banalla tiger strawberry

pear squirrel loquat kangaroo chestnut

MUSIC

INSTRUMENTS

tambourin bell drum castanet

VEGETABLES

cabbage carrot cucumber onion

pipe white cabbage llarmomca potato guitar sweet potato goat fig violin spring onion

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幼児の自由再生に及ぼすカテゴリー分類と噸度の効果 213

ているものであるかどうかを予め調べ、多くの子どもに項目名がわからないようなものは除いて いる。

それぞれの項目は、 5.5cmx6.0cmの大きさの白い厚紙に1枚に1項目ずつ、彩色して描かれて いる.各々のリストは、同一の概念カテゴリ‑の項目が連続しないようにして、予めランダムな 順序で配列されていた。

手続き  実験は被験者の所属する幼稚園の静かな一室で個別に行われた。被験者が所定の位 置につき、名前、クラス名などが尋ねられたあと実験が行われた。すべての群で記銘一再生が3 試行行われた。第1試行は、各群の被験者の記憶能力の等質性をチェックするために行われ、第 2試行でカテゴリー分類記銘を行う実験的処理が施され、第3試行では分類効果の転移が調べら れた。 ‖今から何枚かの絵をみせます。絵の名前を言いながら覚えて下さい。あとでどんな絵が あったか尋ねますので、よく覚えて下さい。日 と言う教示でもって第1試行が開始された。実験 者は予めランダムに配列された項目を、約3秒に1項目の速さで、 1枚ずつ提示した。すべての 項目を提示し終えたあと、項目が隠され、 2分間の自由再生が行われた。続いて第1試行と提示 順序のみが変えられたリストを用いて第2試行が行われた。

第2試行で分類群には、 =今度は、今から見せるたくさんの絵を、動物、果物、楽器、野菜の 仲間に分けて覚えましょう。日 という教示を与え、実験者が1枚ずつ項目を提示しながら、りゾ ウは動物の仲間ですね. I)ンゴは果物の仲間ですね0 ‑‑日と項目名とカテゴリー名を言いなが ら項目を提示し、カテゴリーごとに配列していった。実験者がすべての項目を並べ終ったあと、

"今度は、私が行ったのと同じように絵を並べてみなさい。日 という教示を与え、実験者が行っ たのと同様な手続きを被験者に繰り返えさせた。被験者が分類を誤った場合には、その都度正し い分類が教えられた。被験者がすべての項目を分類し終えたあと、実験者は分類された項目のそ れぞれのカテゴリ‑ブロックを指で示しながら、 ‖これらは動物の仲間、これらは果物の仲間‑・

‑"というように、 4つのカテゴリー名を与えていった。この直後に項目が被験者の眼前から取 り除かれ、 2分間の自由再生が行われた。

統制群では、 "今度も、今から見せる絵をたくさん覚えて下さい。日 という教示が与えられ、

実験者が項目名を読みあげながら1枚ずつ項目を並べていった。それに続き、 ‖今度は、あなた が絵の名前を言いながら覚えて下さい。日 と言う教示が与えられ、被験者自身に項目名を言わせ ながら記銘させていった。すべての項目を提示し終えたあと、項目が何枚あったかを数えさせた。

その後で項目が被験者の眼前から取り除かれ、 2分間の自由再生が行われた。なお、第2試行に 要する時間は、両群で等しくなるように調整された。

第2試行に続いて、 "もう1度たくさんの絵を見せますから、しっかり覚えて下さい。"とい う教示を与え、第1試行と同じ要領で第3試行が行われたO この試行で用いたリストも、提示順 序が変えられた以外は第1、第2試行で用いた項目と同じものであった。

結    果

正再生数  Table2は各試行における4群の正再生数を示したものである。第1試行につい て2 (リスト) ×2 (分類)の分散分析を行った結果、リストの主効果だけが有意であり(F‑

16.22, df‑1と36, P<.01)、高頻度語リストの方が低連想語リストよりも再生成績がよかっ た。頻度別に分類群と統制群の比較を行ったところ、両群間に有意な差はみられなかった。した

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214 m w    二

かって分類群と統制群の被験者の記憶能力は等質であるといえる。

次に、分類記銘が行われた第2試行の成績について2 × 2の分散分析を行った結果、分類条件 の主効果(F‑20.46, df‑l, P<.Oi)、およびリスト×分類の交互作用が有意になった(F‑

4.42, df‑ 1と36, P<.05)c 交互作用が有意になったので単純効果の検定を行ったO その結果、

高頻度語リストでは、分類群と統制群の問に5%水準で有意差がみられた(f‑2.42, <//‑36)c また、低頻度語リストにおいても分類群と統制群の間に0.196水準で有意差がみられた(∫ =6.62, df‑36),両者とも分類の効果がみられたが、高頻度語での差は1.9、低頻度語では5.2で、後者 の方がはるかに効果があった。次に、分類群では高頻度語リストと低頻度語リストの間に有意差 はみられなかったが、統制群では高頻度語リストの再生が低頻度語リストの再生よりも成績がよ かった(* ‑2.80, df‑36, P<.01)」

第3試行の成績について2 × 2の分散分析を行った結果、分類条件の主効果のみが有意になっ た(F‑4.85, df‑1と36, P<.05)(転移効果をみるために、各々の群において第2試行と第

3試行の正再生数の差を比較してみた。高頻度・分類群(+0.2)、高頻度・統制群(+1.3)、低 頻度・分類群(‑0.7)、低頻度・統制群(+0.8)であったが、すべての条件において統計的に 有意な差はみられなかった。

Table 2 Mean number of items correctly recalled

trial

1     2     3

High frequency Sorting    7.4  10.5  10.7 Contro1    8.5    8.6    9.9

Low frequency Sorting Control

6.3   11.6   10.9 5.9    6.4    7.2

再生カテゴリ一致  少なくとも1項目以上再生されたカテゴリ‑の数を再生カテゴリ‑数と 定義した。したがって、再生された項目が全部のカテゴリーにわたる場合、この値は4になる。

Table3は、試行ごとに各条件の再生カテゴリー数の平均値を示したものである。試行ごとに2

× 2の分散分析を行った結果、第1試行と第3試行ではいずれの主効果も、交互作用も有意にな らなかった。第2試行では、分類条件の主効果(F‑7.44, df‑1と36, P<.Oi)およびリスト

×分類の交互作用(F‑7.50, df‑ 1と36, P<.01)が有意になった。単純効果の検定を行った 結果、分類条件では高頻度語リストと低頻度語リストの間には有意差はみられなかったが、統制

Table 3 Mean number of categories recalled

High frequency

Low frequency

trial

1     2      3

Sorting    3.3   3.9   3.8 Control     3.6    4.0    3.8 Sorting    3.7   3.9   3.7 Control     3.6    3.3    3.2

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幼児の自由再生に及ぼすカテゴリー分類と確度の効果 215

条件では高頻度語リストが低頻度語リストよりも再生カテゴリー数が多かった。また、リスト別 にみた場合には高頻度リストでは分類群と統制群の間に有意差はみられなかったが、低頻度語リ ストでは分類群が統制群よりも再生カテゴリー数が多かった。

カテゴリー内平均項目再生数  各カテゴリーあたりの平均項目再生数が正再生数を再生カテ ゴリー数で割ることにより算出された Table4は、試行ごとの各条件の平均値を示したもので ある。分散分析の結果、第1試行ではリストの主効果(F‑25.32, df‑1と36, P<.Oi)、第2 試行では分類条件の主効果(F‑15.69, df‑ 1と36, P<.01)が有意になった。第3試行では いずれの主効果も交互作用も有意でなかった。

Table 4 Mean number of items within category

High frequency

Low frequency

1     2     3

Sorting    2.3   2.7   2.8 Contro1    2.4    2.2    2.9 Sorting 1.7   2.9   2.7 Control    1.5    2.0    2.3

考    察

本研究では、高頻度語と低頻度語を用いて、幼児の自由再生に及ぼす記銘時のカテゴリー分類 の効果について検討がなされた。その結果、記銘時のカテゴリー分類は再生を促進し、しかもそ の効果は、高頻度語よりも低頻度語において大きく、本研究の予想を支持するものであった。

カテゴリー分類の促進効果は、これまでの幼児を用いた研究の結果と一致するものであった (斉藤, 1970; Lange & Jackson, 1974; Worden, 1974;藤田・川乱1976; Emmerich &

Ackerman, 1978;藤田, 1978),これは、カテゴリーごとに項目を分類させることが、カテゴリ

‑を利用した記銘を促進し、さらに再生時にも手がかりとして、それをより利用しやすくし、再 生を促進したものと考えられる。これは、カテゴリー利用を反映していると考えられる再生カテ

ゴリー数が分類条件で多かったというデーター(Table3)によっても裏づけられる。

ところで、興味がもたれるのは、カテゴリー分類の効果が、カテゴリ‑利用の比較的容易な高 頻度語リストよりも、カテゴリー利用の困難な低頻度語リストにおいて大きかったという結果で ある。このように、記銘時のカテゴリー分類の効果は、用いたリストを構成する項目のカテゴリ ー連想頻度によって異なるのである。この点に関しても再生カテゴリー数の結果が参考になる.

先にも述べたように、分類により再生カテゴリー数が増加し、しかも、高頻度語リストでは分類 群と統制群の問には違いがなかったが、低頻度語リストでは分類群が統制群よりも再生カテゴリ ー数が大きいという結果であった。それ故、リストの連想頻度の差に主として影響しているのは、

再生カテゴリ‑数の要因であるといえよう。このことは、記銘あるいは再生時のカテゴリー利用 の効率が再生成績に影響することを示唆するものといえよう。

次に、分類の転移効果について考察してみよう。第3試行では分類を行わずに記銘がなされた。

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216 梅    IK

これは第2試行での分類の効果が後続のリストの再生に及ぼす転移効果について調べようとした ものである。なお、本研究の場合は、第1試行から第3試行まで、項目の提示順は変えられたが、

リスト項目は同じものが使用された。第3試行の再生については分類群が統制群の再生成績より もよかった。また、第2試行から欝3試行への再生数の変化についても比較してみたところ、す べての条件で統計的には有意な差はみられなかった。また、分類を行った2群のいずれも再生成 績は変化していなかったので積極的な促進効果はみられなかったが、一応、分類による効果は維 持されていたと考えることができるだろう。

最後に、第1試行では高頻度語が低頻度語よりも再生数が多かった。これは従来の結果と一致 するもので、大学生(Bousfield, Cohen, &Whitmarsh, 1958)や小学6年生(進, 1972a, b) らでみられた結果を幼稚園児にまで拡大するものであった。なお、森・宮崎・加来(1976)の5 歳では差がなかったという結果とは一致しない。しかし、この不一致についての解釈はむつかし

い。また、分類が施された第2試行において、分類群では頻度による差はなくなったが、統制群 では高頻度語が低頻度語よりも再生数が多かった。これらのことから、分類操作により項目の連 想頻度によるカテゴリ一利用の差がなくなったと考えられる.

要    約

本研究では、幼児の自由再生に及ぼす記銘時のカテゴリー分類の効果について、高頻度語と低 頻度語を用いて検討した。

平均年齢5歳8か月の幼稚園児40名を被験者にし、半数の者には高頻度語リストを,残り半数 の者には低頻度語リストを与えた。それぞれのリストは4カテゴリー、 4項目の計16項目から成 る彩色画カードであった。実験は個別に行われ、記銘‑再生段階は3試行繰返された。グループ の等質性を調べるための第1試行と分類の転移効果を調べるための第3試行は、すべての条件で 標準的な自由再生が行われた。第2試行において分類の操作が導入された。各々のリスト条件の 半数の者は分類群、残り半数の者が統制群に割りあてられた。分類群では、記銘の際、カテゴリ ーごとに項目を分類しながら記銘し、統制群では、分類なしで記銘した。両群ともそのあとで自 由再生が行われた。

主な結果は次のとおりである。分類群の再生成績は統制群よりもよく、このような分類の促進 効果は、高頻度語よりも低頻度語において大きかった。これらの結果は、本研究の予憩を支持す

るものであり、分類の促進効果はカテゴリーの利用を促進する点にあることが示唆された。

〔付記〕 本論文を作成するにあたり御指導下さいました杉村健教授、実験を行うにあたり御協力下さいまし た奈良教育大学附属幼稚園の諸先生方、園児の皆様に厚く御礼申しあげます.

引 用 文 献

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幼児の自由再生に及ぼすカテゴリー分類と項度の効果 217

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Effects of Category Sorting and Taxonomic Frequency of Items on Free Recall in Kindergarten Children

Tadashi Fujita

Department of Psychology, Nara University of Education, Nara, Japan (Received April 30, 1980)

The purpose of this experiment was to investigate effects of category sorting and taxonomic frequency of items upon free recall in kindergarteners. It was hypothesized that facilitative effects of category sorting were greater for the low frequency list than for the high frequency list.

A 2×2×3 factorial design was used, which incorporated taxonomic frequency (high

and low) and sorting (sorting and control) and number of trials (1, 2 and 3). The last factor was a within variable. The subjects were 40 kindergarteners with a mean age of 5 years and 8 months, who were assigned to one of the four conditions: High frequency‑

Sorting, High frequency‑Control, Low frequency‑Sorting and Low frequency‑Control. Each of high and low frequency lists was composed of 16items of 4 taxonomic categories in each (animals, fruits, music instruments and vegetables) as is shown in Table 1. These items were familiar to children at this age and were presented in colored pictures.

The experiment was conducted individually. Memory and recall phases were repeated thrice. In the first and third trials, a standard free recall paradigm was used in all four conditions and the sorting conditions were introduced in second trial. The first trial was prepared to test memory ability, and the third trial was set to test the transfer effect of sorting in the second trial.

As is shown in Table 2, the performance of recall under Sorting conditions were significantly better than that under Control conditions, and the facilitative effects of sorting was greater for low frequency list than for high frequency list. These results supported the present hypothesis and were interpreted to show that category utilization in the low frequency list was more facilitated by category sorting than that in the high frequency list.

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