1-O1-1
急性期脳梗塞に対する血行再建術における術前診断としての DWI と CTP の役割 聖マリアンナ医科大学東横病院 脳卒中センター1) 植田敏浩1)Ueda Toshihiro 高田達郎1) 野越慎司1) 高石 智1) 吉江智秀1) 深野崇之1) 徳浦大樹1) 水上平祐1) 野田昌幸1) 小野 元1) 【目的】最近の急性期血行再建術の RCT では,画像診断による適応 基準として ASPECTS(CT または DWI)や CTP 等を用いた側副血 行を評価したものが報告されている.当院では治療前に MRI と CTP を両方撮影しており,両者の所見と転帰との関連について検 討した.【方法】2008 年以降に内頸動脈または中大脳動脈(M1)閉塞 に対して,MRI 撮像後に脳血管内治療を施行した 95 例(平均 74 歳, 男 61 例)を対象とした.発症~来院までは中央値 74 分,NIHSS 中 央値 17,M1 閉塞は 51 例,tPA 静注は 46 例に施行した.血栓回収 デバイスは 70 例に使用した.転帰関連因子として,発症からの時 間,来院時 NIHSS,DWI-ASPECTS,CBF 対側比,CBV 対側比, 再開通までの時間,再開通の程度等を検討し,転帰良好群(mRS0-2,G 群)と不良群(mRS3-6,P 群)を比較した.【成績】G 群(38 例) では平均 70 歳,NIHSS15(中央値),発症からの時間 58 分,P 群(57 例)では 77 歳,NIHSS20,79 分であった.DWI-ASPECTS は中央 値 8 点と 7 点,rCBF は 53%と 50%,rCBV は 99%と 87%(p < 0.05)であった.また再開通(TICI2B 以上)は 91%と 51%であっ た.転帰不良群では症候性の脳出血を 2 例に認めた.転帰良好に関 して,DWI-ASPECTS8 点以上の感度/特異度は 68%/61%であり, rCBV90%以上の感度/特異度は 69%/54%であった.【結論】CTP による rCBV の評価は,DWI-ASPECTS と同等に転帰に関連する 因子として重要なものと考えられた.今後は MRI をスキップして CT(CTP 及び CTA)だけによる治療選択も期待される.1-O1-2
中大脳動脈閉塞に対する急性期再開通療法における SWI の有用 性 西宮協立脳神経外科病院 脳神経外科1) 山田佳孝1)Yamada Yoshitaka 鱒渕誉宏1) 英賢一郎1) 遠藤 秀1) 浮田 透1) 辻 雅夫1) 三宅裕治1) 大村武久1) 【目的】急性期再開通療法では時にアテローム病変による閉塞例に 遭遇することがあり,機械的血栓回収術を行い重篤な周術期合併症 となる可能性がある.そこで我々は血栓の描出に優れる SWI を用 いて,脳塞栓症か非塞栓症であるかを鑑別可能であるか検証を行っ た.【方法】2012 年 4 月 1 日~2014 年 3 月 31 日までの 2 年間に MRA で中大脳動脈閉塞を確認でき,SWI を撮影している症例 61 例を調査対象とした.SWI 強度画像において SVS を確認し,血管 径を超える信号を large SVS,血管径を超えないものを small SVS, SVS を認めないものを SVS negative とした.SWI(mIP)画像では 低 灌 流 領 域 の 皮 質 静 脈 や 髄 質 静 脈 陰 影 が 強 調 化 さ れ る た め Perfusion の代用と成り得るかも検証した.【結果】閉塞原因の診断 では,脳塞栓症が 38 例,アテローム血栓性が 15 例,動脈原性塞栓 が 6 例,モヤモヤ病と Trousseau 症候群が各 1 例であった.49 例 (80.3%) に large SVS を 認 め,small SVS を 認 め た 例 は 10 例 (16.4%)で,SVS negative 例は 2 例(3.3%)のみであった.large SVS 群では 37/49 例(75.5%)が脳塞栓症であり,非 large SVS 群で は 11/12 例(91.7%)で非塞栓性の閉塞であった.SWI 検査の有用 性を評価すると,感度 0.647 で非塞栓性群は large SVS(-)であり, 特異度 0.977 で塞栓性群は large SVS(+)であった.SWI(mIP)画 像では患側の静脈陰影が強調され左右差を認める症例は 48/61 例 (78.7%)で認められた.【結論】再開通までの時間が治療成績に大 きく影響することが証明された今日ではあるが,安全で適切な治療 手技を選択する上で,SWI はアテローム病変の検出に有用であると 思われる.1-O1-3
Dual energy CT 撮像による急性期血行再建術後の出血と造影 剤漏出の鑑別 東京女子医科大学 八千代医療センター 脳神経外科1) 東京女子医科大学 八千代医療センター 画像検査室2) 東京女子医科大学 脳神経外科3) 林 正孝1)Hayashi Masataka 福田幸太郎2) 細野純仁1) 今中康介1) 名柄江満1) 川俣貴一3) 川島明次1) 【背景】急性期血行再建術後の CT を撮像するとしばしば出血と造 影剤漏出の鑑別が困難な症例に遭遇する.【目的】当院は高性能 CT による特殊な撮像条件での画像でその鑑別を試行しており,実際の 症 例 応 用 と 画 像 を 提 示 し 有 効 性 に 関 し て 検 討 し た.【方 法】 TOSHIBA 社製 CT Aquilion ONE ViSION EDITION を使用.Dual energy CT 撮 影 の 1 法 で あ る Rotate/Rotate 方 式 を 利 用 し, 80kV/500mAS/EC と 135kV/220mAS/EC の条件で volume scan で撮像.2 つの X 線の減弱の相違から 3 種類の画像を作成. Monochromatic 画像は主に通常 CT と等価な画像.Iodine Map 画 像は主に造影剤成分を際立たせる画像であり,この Iodine Map 画 像から差分した Virtual noncontrast 画像は造影剤成分をフィル ターし出血を確認できる.画像は術直後または翌日に撮像した.【代表症例】症例は 86 歳 ADL 自立の男性.Af と診断されていたが
抗凝固薬の投与はなかった.完全右麻痺と失語を認め,来院時 NIHSS は 21 点.MRI では左 IC 閉塞,DW-ASPECTS は 8/10 だっ た.直ちに t-PA 加療を開始.血行再建術へ移行した.Penumbra 5MAX ACE と Trevo による血行再建術で TICI3 の再開通を得ら れた.術後 CT にて左基底核に造影剤の漏出とみられる HDA を認 め,翌日 Dual energy CT を施行.Iodine 画像で HDA であり造影 剤漏出と判断できる画像所見であった.【考察】Dual energy CT は 既存の CT で撮像できるため,今後出血や造影剤漏出の鑑別など成 分の違いを見極めるツールの一つと成り得る.
1-O1-4
急性期脳主幹動脈閉塞における側副血行と頭部 MRI 画像所見の 関連 小倉記念病院 脳神経外科1) 高下純平1)Koge Junpei 石井 暁1) 松本省二1) 定政信猛1) 甲斐康稔1) 石橋良太1) 五味正憲1) 坂 真人1) 岡田卓也1) 西 秀久1) 園田和隆1) 永田 泉1) 【背景・目的】脳主幹動脈閉塞に対する急性血行再建術の治療成績は 側副血行と関連する.複数の大規模臨床試験で側副血行の評価が術 前 に 行 わ れ て お り,適 応 決 定 に 重 要 で あ る.頭 部 MRI DWI-ASPECTS,FLAIR に お け る Hyperintense vessel sign (HVS), MRA による PCA laterality と側副血行の関連を検討した.【方法】 2006 年 8 月から 2015 年 6 月に当院で急性期血行再建術を行った症 例のうち,術前に頭部 MRI を撮像し,脳血管造影で側副血行の評価 が可能であった脳主幹動脈閉塞 60 例(中大脳動脈 M1 閉塞 54 例, 内頚動脈先端部閉塞 6 例)を対象とした.血管造影による collateral grade を 0-2 の poor collatera 群(P 群,34 例)と 3-4 の good collat-eral 群(G 群,26 例)に分け,背景因子,頭部 MRI 所見を後方視的に 比較検討した.【結果】2 群間で,背景因子には差がなかった.入院 時 NIHSS は G 群で低い傾向があった(G 群 vs. P 群,16 vs. 19, p=0.01).閉塞部位は,G 群で M1 近位部が多く,P 群で M1 遠位部 が多かった(p=0.01).DWI-ASPECTS は G 群で有意に高値であっ た(G 群 vs. P 群,8 vs. 6,p=0.03).DWI-ASPECTS のうち,島皮 質の陽性率は P 群で有意に高く(G 群 vs. P 群,53% vs. 77%, p=0.05),皮質枝領域(M1-6)の DWI-ASPECTS も,P 群で高い傾 向があった(G 群 vs. P 群,0.5 vs. 2,p=0.08).HVS score は G 群 で有意に高く(G 群 vs. P 群,7 vs. 5,p=0.02),PCA laterality は, G 群で高率に見られる傾向があった(G 群 vs. P 群,53% vs. 32%, p=0.11).【考察】頭部 MRI による閉塞部位の診断,HVS score, DWI-ASPECTS の分布が側副血行の推定に有用な可能性がある.一
般
口
演
1-O1-5
急性期血栓回収療法―MRI DWI-ASL mismatch による治療方 針決定― 長崎大学 脳神経外科1) 長崎大学脳神経内科2) 諸藤陽一1)Morofuji Yoichi 立石洋平2) 堀江信貴1) 前田 肇1) 出雲 剛1) 松尾孝之1) 【目的】近年,rt-PA 静注療法に加え血栓回収治療を追加することで 内科治療単独群より転帰を改善することが相次いで報告された. 我々はより早く血栓回収療法を施行するため,2014 年 1 月より rt-PA 静注療法を施行しながら血栓回収治療を開始する方針に変更し た.MRI において DWI-ASL mismatch があり,内頚動脈,中大脳 動脈近位部,脳底動脈の閉塞が確認された症例は,rt-PA 静注療法 の施行決定と同時に血管内治療のセットアップを行い,door to puncture time(D2P)の短縮を図った.本研究はこの方針変更が当 院の脳梗塞急性期治療に与えた影響を明らかにすることを目的とし た.【方法】2012 年 1 月以降当院へ搬送された急性期脳梗塞 633 症 例を対象とし,方針変更前(2012 年 1 月- 2013 年 12 月)359 例と方 針変更後(2014 年 1 月- 2015 年 5 月)274 例に分けて,血管内治療 施行率,D2P,転帰を後方視的に比較検討した.【結果】方針変更後 前後で脳梗塞急性期における血管内治療施行率は有意に増加 (13.1% vs. 7.7%,p = 0.03)し,D2P も有意に短縮(75 分 vs. 115 分,p = 0.0009)していた.さらに TICI 2b-3 の再開通率が有意に上 昇(72% vs. 46%,p = 0.01)していた.【考察・結語】医師だけでな く,看護師,放射線技師,検査技師も脳梗塞急性期再開通療法の重 要性を認識し,協力体制を敷くことで MRI 及び血管造影室への搬 入が迅速となり,D2P が短縮された.近年,血栓回収良好の有効性 を示す RCT が相次いで発表されたが,患者選択における画像診断 はまだ定まっていない.MRI/MRA にて,閉塞血管,ASL-DWI mismatch を評価し,迅速に治療適応を決定,rt-PA 静注療法・血管 内治療につなげる我々の方法は有用であると考えられた.
1-O2-1
血栓除去機器にて回収血栓なく完全再開通できた急性脳塞栓例 の特徴 京都第一赤十字病院 脳神経・脳卒中科1) 京都府立医科大学附属北部医療センター 神経内科2) 京都第一赤十字病院 救急科3) 京都第一赤十字病院 脳神経外科4) 今井啓輔1) Imai Keisuke 濱中正嗣1) 山崎英一1) 五影昌弘1) 山本敦史1) 傳 和眞1) 中村拓真1) 山田丈弘2) 竹上徹郎3) 梅澤邦彦4) 【目的】血栓除去機器にて回収血栓なく完全再開通できた急性期脳 塞栓例の特徴を明らかにする.【方法】2010 年 11 月から 2015 年 5 月までの当施設にて血栓除去機器を用いた手術例中,完全再開通で きた例(TICI2B,3)を対象.Penumbra による局所血栓吸引術が主 体であった例は除外.対象を回収血栓が視認できなかった例(MCD 群)と視認できた例(MTB 群)の二群に分類.両群で背景因子,治療 内容,臨床経過を比較した【成績】完全再開通 63 例中,MCD 群 17 例,MTB 群 46 例であった.平均年齢,平均 NIHSS,閉塞部位(ICA-M1 近位-NIHSS,閉塞部位(ICA-M1 遠位-M2-BA 近位-BA 遠位-その他),手術までの平 均時間は,MCD 群/MTB 群にて 77/73 歳,19/21 点,0-3-4-7-0-2-1/18-10-8-8-1-1-0 例,305/343 分であり,MCD 群で M1 遠位,M2, BA 遠 位 の 3 部 位 で の 閉 塞 例 が 多 か っ た.使 用 機 器 (Merci-Penumbra-Solitaire-Trevo),線溶薬併用(IVtPA or IA-UK),手術時 間は,MCD 群/MTB 群にて 3-10-4-0/8-21-14-3 例,12(71%)/11 (24%),77/86 分であり,MCD 群で線溶薬併用が多かった.頭蓋内 出血,症候性頭蓋内出血,3ヶ月後予後良好例(mRS0-2)は,MCD 群/MTB 群にて 3/8,1/2,13(76%)/20(43%)であり,MCD 群で予 後良好例が多かった【結論】血栓除去機器にて回収血栓なく完全再 開通できた急性期脳塞栓例では,遠位血管閉塞,線溶薬併用,予後 良好が多かった.このような症例では血栓除去機器が機械的血栓破 砕術として働いたと推測された.1-O2-2
当院での急性期脳主幹動脈閉塞に対する機械的血栓回収術の治 療成績 ~新規血栓回収デバイス導入前後の比較~ 手稲渓仁会病院 脳神経外科1) 北海道大学 脳神経外科2) 内田和希1)Uchida Kazuki 新保大輔1) 長内俊也2) 浅岡克行1) 穂刈正昭1) 横山由佳1) 板本孝治1) 【目的】急性期前方循環動脈閉塞に対する tPA 単独治療群と脳血管 内治療併用群を比較した RCT において,脳血管内治療併用群で有 意に予後が良好であったという結果が次々に報告されている.当院 における新規血栓回収デバイス導入前後での急性期脳主幹動脈閉塞 に対する機械的血栓回収術の治療成績の変化を比較検討した.【方 法】当院にて Merci,Penumbra system が使用されていた 2011 年 1 月 か ら 2014 年 6 月 (第 1 期) ま で の 23 例 と,Stent retriever, Penumbra 5MAX ACE が導入された 2014 年 7 月から 2015 年 4 月 (第 2 期)までの 19 例について,病院搬入から穿刺までの時間 (DtoP),穿刺から再開通までの時間(PtoR),病院搬入から再開通ま での時間(DtoR),再開通率,90 日後 mRS を比較した.【結果】第 1 期 と 第 2 期 と で,そ れ ぞ れ DtoP の 中 央 値 は 251 分 vs94.5 分 (p=0.09),PtoR の中央値は 118.5 分 vs77 分(p=0.21),DtoR の中 央値は 251 分 vs165.5 分(p < 0.05)といずれも第 2 期で短い傾向 がみられた.再開通率は TICI3 が 2 例(9%)vs10 例(53%),TICI ≧ 2B が 10 例(43%)vs17 例(89%)と第 2 期で有意に高い再開通が 得られた(いずれも p < 0.01).90 日後の mRS は mRS ≦ 2 が 2 例 (9%)vs6 例(32%)と第 2 期で予後良好が多い傾向にあり(p=0.14), mRS ≧ 5 が 15 例(65%)vs7 例(37%)と第 2 期で予後不良が少ない 傾向にあった(p=0.13).【考察】新規血栓回収デバイス導入後,有 意に再開通率が上がり予後も改善傾向にあった.それでも報告され た RCT と比較するとまだ予後が改善される余地があると考えられ る.今後さらなる予後の改善を目指すためには,救急医,放射線技 師,看護師とより緊密な連携を行い,チームとして再開通までの時 間短縮を目指す必要があると考えられる.1-O2-3
ADAPT を第一選択とした急性期再開通療法の検討 国立循環器病研究センター 脳神経外科1) 国立循環器病研究センター 脳血管内科2) 国立循環器病研究センター 脳神経内科3) 織田祥至1) Orita Yoji 佐藤 徹1) 山上 宏3) 早川幹人2) 菅田真生1) 丸山大輔1) 濱野栄佳1) 江口盛一郎1) 片岡大治1) 長束一行3) 豊田一則2) 高橋 淳1) 【目的】急性期脳主幹動脈閉塞に対する血管内治療の有効性を示す ランダム化試験が発表され,stent retriever が治療の中心となりつ つ あ る.一 方 で Penumbra system で も,ADAPT (A Direct Aspiration first Pass Technique)による治療成績の向上が報告され ている.ADAPT を第一選択とした(ADAPT first)治療成績を中心 に,所要時間,再灌流率の観点から検討した.【方法】2012 年 10 月 から 2015 年 3 月までに当院で血管内治療を行った 93 例(年齢 73 ± 11 歳,女性 32 例,治療前 NIHSS 中央値 17 [IQR 12 - 23])を対象 とした.ADAPT first 群(以下 A 群),非 ADAPT first 群(以下 N 群)の 2 群に分け,3 か月後の転帰良好(mRS0-2)と TICI ≧ 2b の再 灌流,Puncture to Reperfusion(PTR),Onset to Reperfusion(OTR, TICI ≦ 1 の例では手技終了まで)の各時間との関係を検討した.ま た ADAPT 単独と stent retriever 単独での再開通群について同様 に検討した.【結果】A 群(23 例)は N 群(70 例)に比し,3 か月後の 転 帰 良 好 (mRS0-2) (45.5% vs 46.5%),TICI ≧ 2b 再 灌 流 率 (63.6% vs 73.2%),OTR(395 ± 244 分 vs 337 ± 114 分),PTR(86 ± 37 分 vs 103 ± 68 分)において明らかな差を認めなかった. ADAPT 単独での再開通群は stent retriever 単独での再開通群と 比較し,PTR(56 ± 24 分 vs 85 ± 26 分,p=0.05)が短い傾向にあっ た.【結論】急性期再開通治療で良好な転帰を期待するには,早期に TICI ≧ 2b 以上の再灌流を得ることが重要である.ADAPT first 群は他の治療群と比較し,手技時間及び再灌流率に遜色のない結果 を得られた.ADAPT により PTR を短縮することにより,単独で 再開通が得られれば良好な治療成績が期待できる.1-O2-4
治療体制の変更とステントリトリーバーの導入が ICA/MCA M1 急性閉塞例の転帰に与えた影響 国立循環器病研究センター 脳神経内科1) 国立循環器病研究センター 脳血管内科2) 国立循環器病研究センター 脳神経外科3) 山上 宏1)Yamagami Hiroshi 早川幹人2) 宮崎雄一2) 東田京子1) 木下直人1) 古賀政利2) 佐藤 徹3) 高橋 淳3) 豊田一則2) 長束一行1) 【目的】当院において,急性主幹動脈閉塞による脳梗塞例に対する治 療体制の変更とステントリトリーバーの導入が,ICA または MCA M1 閉塞例の転帰に与えた影響を明らかにする.【方法】対象は 2011 年 10 月から 2015 年 4 月までに当院に入院した急性期脳梗塞 2180 例のうち,発症前 mRS スコア≦ 2 で,発症または最終未発症 から 6 時間以内に来院し,MRA で ICA または MCA M1 閉塞が確 認された症例.主幹閉塞例に対して tPA 静注後ただちに血管内治 療を開始する治療体制の変更(2012 年 10 月)までを I 期,ステント リトリーバーの導入(2013 年 11 月)までを II 期,それ以降を III 期 とし,背景因子,治療法,転帰を比較した.転帰良好は 3ヵ月後の mRS スコア≦ 2 と定義した.【結果】解析対象は 179 例(73.8 ± 12.2 歳,男性 111 例,来院時 NIHSS 中央値 19)で,I 期 65 例,II 期 62 例,III 期 52 例であった.3 期間で年齢,性別,発症-来院時間, NIHSS,DWI-ASPECTS に差は無かった.急性期治療として tPA 静注施行率(I,II,III 期:50.8%,53.2%,53.8%)は同等であった が,血管内治療は II 期以降で増加し(23.1%,48.4%,51.9%),血 管内治療例での発症から再開通までの時間が短縮傾向にあった(中 央値 338 分,269 分,260.5 分).転帰良好例は 3 期間で増加する傾 向があった(30.8%,40.3%,50.0%).多変量解析により年齢・性 別・発症-来院時間・NIHSS・DWI-ASPECTS・心原性塞栓・tPA 静 注の有無で調整後,I 期に比し II 期(OR 1.49,[95%CI 0.62-3.60]) と III 期(OR 2.55,[1.01-6.43])では転帰良好例が増加した.【結論】早期治療介入とステントリトリーバーの導入は,発症 6 時間以
内の ICA/MCA M1 閉塞例の転帰を改善させた.
1-O2-5
Penumbra vs Stent retriever-multidevice 時代の適切な機 材選択について 大西脳神経外科病院 脳神経外科1) 高橋賢吉1)Takahashi Kenkichi 岡本薫学1) 前岡良輔1) 久我純弘1) 大西英之1) 【目的】急性脳主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法は Penumbra が 主流であったが 2014 年 7 月から 2 種類の Stent-retriever が承認さ れ multidevice 時代が到来した.承認前後の当院での Penumbra と Stent の治療成績の比較を行い,適切なデバイス選択に関して検討 する.【方法】2014 年 6 月までに Penumbra を使用し血栓回収療法 を施行した 17 症例と同年 7 月以後に Stent を使用した 15 症例に関 して,その治療成績(穿刺-再開通時間,閉塞部位別の再開通率,合 併症率)を解析し,各デバイス間での成績を比較した.【結果】デバ イス別の TICI-2B 以上の再開通率は全体として,Penumbra が 85%,Stent が 75%であり,Penumbra の方が再開通率は高かった. 閉塞部位別の TICI-2B 以上の再開通率に関して,IC-M1 proximal で Penumbra-100%(TICI-3:75%) / Stent-100%(TICI-3:100%), M1 distal-bifurcation で Penumbra-100% / Stent-40%,M2 で Penumbra-33% / Stent-100%であった.平均穿刺-再開通時間は Penumbra-56 分 / Stent-97 分で Penumbra の方が短かった.手技 に伴う合併症に関して,Penumbra-0 例 / Stent-2 例であり,M2, A2 閉塞に Stent を使用した症例で術後にくも膜下出血をきたした.
【結論】全体の治療成績としては Penumbra の方が再開通率は高く,
穿刺-再開通までの時間も短く,安全性も高い.閉塞部位別に比較 す る と IC-M1 proximal は Stent,M1 distal-bifurcation は Penumbra,M2/A2 の末梢動脈は Stent にて良好な再開通が得られ ており,第一選択のデバイスと考えられる.しかしながら,M2/A2 に対する Stent の使用は出血性合併症のリスクが高く,デバイス選 択や治療手技に関してさらなる検討が必要と考えている.
1-O2-6
超急性期頭蓋内内頸動脈閉塞症例に対する Penumbra 5MAX ACE の有用性 日本医科大学大学院 医学研究科 神経内科学分野1) 鈴木健太郎1) SUZUKI KENTARO 青木淳哉1) 坂本悠記1) 阿部 新1) 木村和美1) 【はじめに】急性頭蓋内内頸動脈閉塞例は tPA 静注療法施行でも転 帰不良例が多く,現在の脳梗塞診療における課題の一つである.最 近の報告では,急性期脳梗塞例に対する超急性期血行再建術はデバ イスの進歩により,再開通率が飛躍的に向上し,転帰改善効果が示 されている.しかし,内頸動脈閉塞例の登録は少なく,その有用性 は明らかにされていない.我々は,Penumbra 5MAX ACE 導入の 前後で治療成績の変化を検討したので報告する.【方法】当院で Penumbra system を用いて治療した超急性期頭蓋内内頸動脈閉塞 例を対象とした.Penumbra 5MAX ACE を用いた群と,その他の 群で患者背景,再開通率,治療時間,Pass 回数や転帰に関して後ろ 向きに検討した.有効再開通は TICI2B とした.【結果】17 例が対 象となった.8 例が 5MAX ACE 使用例であった.2 群で患者背景 に有意差は認めなかったが,有効再開通例では 5MAX ACE 使用群 で Pass 回数は 1[1-2]回と,その他の群の 3[2-4]回より少なかった (p=0.04).穿刺から再開通までの時間も 5MAX ACE 使用群で 60 [25-67]分と,その他の群の 92[73-119]分より短かった(p=0.05).【考察】Penumbra 5MAX ACE は高い吸引力を有しているため,導
入前と比較し血栓が一塊にして回収できるようになり,それが Pass 回数や再開通時間の短縮につながっていると考えた.【結語】 頭蓋内内頸動脈閉塞例に対し,Penumbra 5MAX ACE を用いるこ とで今までと比較し成績を向上させることができる可能性がある.
1-O3-1
ウィングスパンステント留置術前後における quantitative DSA の検討 東京医科歯科大学 血管内治療科1) 唐鎌 淳1)Karakama Jun 三木一徳1) 吉野義一1) 根本 繁1) 【緒言】頭蓋内動脈狭窄症に対するウィングスパンステント(WSS) の使用が可能となったが,この手技による血行力学的変化について は不明な点がある.今回,我々は WSS を留置した症例において, quantitative DSA で血流動態の変化を検討した.【対象・方法】当 施設で治療した症候性頭蓋内動脈狭窄症のうち,WSS の留置を要 した 4 症例を対象として,後方視的に quantitative DSA による解 析をした.全 4 症例が男性.平均年齢 62.3 歳(51-68 歳).病変の 部位は頭蓋内内頚動脈が 3 例,中大脳動脈 M1 部が 1 例であった. 全例とも手技的な問題なく WSS は留置され,術中および術後に合 併症を認めなかった.Siemens 社の syngo iFlow を使用して,内頚 動脈 I1(cervical portion),I2(cavernous portion),I3(supraclinoid portion),中大脳動脈 M1,M2,M3 および SSS の 7 部位で Time of maximal opacification (Tmax) を 算 出 し た.ま た,部 位 間 で の Tmax の差(Delay time of maximal opacification,Td)を WSS 留置 前後で評価した.【結果】4 例中 3 例で,WSS 留置後に 7 部位すべ ての Tmax が短縮していた.残る 1 例では M3 と SSS の Tmax が わずかに短縮しているものの,その他の部位では Tmax はほぼ不変 であった.Tmax の短縮を認めた 3 例で MCA の 3 部位での内頚動 脈からの Td を算出すると,2 例では WSS 留置後に短縮を認めた一 方で,1 例では WSS 留置前後で値はほぼ変わっていなかった.【考 察】WSS 留置による血行動態の変化を評価するにあたり,quanti-tative DSA が有用である可能性がある.造影剤量,放射線照射量を 増やすことなく評価可能であり,術中に施行できる利点もある. SPECT など他の脳血流検査との相関について検討していく必要が ある.一
般
口
演
1-O3-2
Wingspan stent の初期治療成績 宇部興産中央病院 脳神経外科1) 池田典生1)Ikeda Norio 坂倉孝紀1) 西崎隆文1) 藤井奈津美1) 中野茂樹1) 【目的】2014 年 8 月より頭蓋内動脈ステント Wingspan stent が使用 可能となり,頭蓋内動脈狭窄症に対するバルーン拡張式血管形成術 用カテーテルを用いた経皮的血管形成術において,血管形成術時に 生じた血管解離,急性閉塞または切迫閉塞に対する緊急処置(res-cue stenting),または他に有効な治療法がないと判断される血管形 成術後の再治療が適応である.今回我々は Wingspan stent を使用 した 3 例について報告する.【対象】症例 1 は 80 歳男性.TIA 発症 の左内頚動脈錐体部狭窄(WASID 法 70%)に対して血管形成術施 行.術後 6ヶ月目に TIA が再発し WASID 法 80%の再狭窄を認め た.他に有効な治療法がないと判断し再狭窄に対し血管形成術後 Wingspan stent を留置し再治療後 11ヶ月間虚血性事象・再々狭窄 を認めていない.症例 2 は 73 歳男性.minor stroke 発症の左内頚 動脈完全閉塞で発症 1ヶ月後に血行再建術施行.proximal protec-tion 下に閉塞部をガイドワイヤーを通過させ血管形成術施行.閉塞 部の再開通を認め頚部内頚動脈狭窄部に頚動脈ステントを留置,左 内頚動脈錐体部及び海綿静脈洞部に解離を認め Wingspan stent を 3 本留置した.左内頚動脈完全再開通が得られ術後 10ヶ月間虚血性 事象・再狭窄を認めていない.症例 3 は 65 歳女性.minor stroke 発症の右中大脳動脈狭窄(WASID 法 72%)で発症 1ヶ月後に血管形 成術施行.血管形成術時に解離を生じ Wingspan stent を留置し術 後 9 ヶ 月 間 虚 血 性 事 象・再 狭 窄 を 認 め て い な い.【結 語】 SAMMPRIS study により Wingspan stent の脳卒中再発防止効果は 証明されず,rescue stenting と血管形成術後再治療に限り使用可能 であるが,ステント性能は良好で初期治療成績も良好であった.1-O3-3
頭蓋内狭窄病変に対する Wingspan Stent の初期使用経験 水戸医療センター 脳神経外科1) 筑波大学 医学医療系 脳神経外科2) 加藤徳之1) Kato Noriyuki 山崎友郷1) 藤原雄介1) 後藤正幸1) 渡邉真哉1) 安田 貢1) 松村 明2) 【はじめに】SAMMPRISS の報告から頭蓋内動脈狭窄病変に対する 経皮的血管形成,ステント留置術は周術期早期の合併症率が高値で 内科的治療に優位性が見いだせなかった.一方で国内に於いては頭 蓋内狭窄病変に対する Wingspan stent が厳密な使用基準のもと認 可され,その使用にあたっては術者制限,同施設内の神経内科医の 中立的な判定のもと使用が始まっている.しかし国内に導入された Wingspan は残念ながら屈曲部位での追従性も悪く使い勝手の良い 製品ではなく屈曲の強い病変では誘導は困難である.当院でも 4 例 の治療経験がありいずれも周術期合併症を生じず良好な転帰を得て いる.症例を紹介する【症例】症例 1:71 歳男性,ふらつきを主訴に 頭部精査にて左 IC petrous portion に 70%狭窄,症例 2:82 才男性, 無症候性多発脳梗塞を脳外科専門病院にて追跡中に緩徐進行した左 IC petrous portion の 85%狭窄,症例 3:79 才男性,ふらつきを主訴 に頭部精査の結果対側閉塞の患側右 VA の 80%狭窄,症例 4:50 才 男性,ふらつきを主訴に頭部精査の結果健側 VA 低形成,患側左 VA 90%狭窄に対していずれもまず guiding catheter を高位に誘導 した.症例 3 は大腿経由から上腕経由に変更した結果,高位まで guiding を進めることができた.全症例で PTA を試み,解離が存 在を確認し Wingspan stent の留置に踏み切った.【結語】IC,VA 近位側での使用経験がほとんどであるが中間カテの活用,guiding catheter の留置位置やアクセス路の工夫などで安全に Wingspan stent が留置できた.現状では屈曲の強い IC siphon 以遠の MCA への留置は device の性能面からかなりリスクが高い印象を持つ. 今後も安全第一に治療経験を蓄積していきたい.1-O3-4
Wingspan 治療の初期成績 湘南鎌倉総合病院 脳卒中センター 脳卒中診療科1) 笠倉至言1)Kasakura Shigen 森 貴久1) 岩田智則1) 丹野雄平1) 吉岡和博1) 【背景】Type B や C の頭蓋内動脈狭窄病変に対して血管形成術を施 行し Wingspan を留置した際の本邦での長期成績は明らかでない. 【目的】Wingspan 留置症例での初期・長期成績を調査する.【対象・ 方法】2014 年 7 月から 2014 年 11 月までの間に Wingspan ステント を留置した症候性の頭蓋内動脈狭窄・閉塞症例(術者 MT).成功 率・合併症率・3ヶ月時再狭窄率・6ヶ月時再発作率・6ヶ月時再治療 率を調べた.3ヶ月時は血管造影を行い再狭窄率を正確に評価した. 正常血管径の 50%以上の狭窄を再狭窄と定義した.【結果】対象は 7 例.年齢中央値:79 歳,女性 4 人,中大脳動脈 2 例,頭蓋内・内 頚動脈 3 例,椎骨脳底動脈 2 例.糖尿病 5 名,高血圧 6 名,脂質異 常症 7 名.TIA 再発 1 名,TIA と狭窄進行 1 名,脳梗塞再発 2 名, 陳旧性脳梗塞と狭窄進行が 1 名,陳旧性脳梗塞と TIA が 2 名. Type B:4 病変,Type C:3 病変.上腕動脈経由で治療し用いたガ イドカテーテルは MSK-guide 4 例,Optimo 3 例.初回拡張用バ ルーンは Gateway 6 人,Shiden 1 人.バルーン拡張後の血管解離に 対して Wingspan ステントを留置した.7 例全てで留置に成功し た.治療前 WASID 狭窄率中央値:74.8%,治療後狭窄率中央値: 37%(p < 0.05).手技に伴う合併症なし.3ヶ月の再狭窄は 4 例 (57%)だが,術後 6ヶ月時点で再発作は 0 例,再治療も 0 例だった. 【結論】Type B,C 病変に対する Wingspan 留置は安全な血管形成 術を提供し再発作抑制効果もあったが,無症候性再狭窄が問題だっ た.1-O3-5
当院における Wingspan 留置症例 7 例の中期成績 福井赤十字病院 脳神経外科1) 宮腰明典1) Miyakoshi Akinori 波多野武人1) 服部悦子1) 北原孝宏1) 多喜純也1) 早瀬 睦1) 中村威彦1) 【目的】2013 年 11 月頭蓋内動脈狭窄症に対する Wignspan stent system が,本邦にて薬事承認された.2014 年 8 月より 1 年間に, 当院にて施行された Wingspan 留置症例 7 例について報告する. 【方法】7 例の内訳は,男性 7 例女性 1 例,年齢中央値 71 歳(63-71), 狭窄率中央値 80%(72.5-82.5)であった.合併疾患として,高血圧 を 6 例に,糖尿病を 3 例に,脂質異常症を 6 例にみとめた.全例で, アスピリン 100mg,クロピドグレル 75mg を治療 7 日前より内服開 始し,内 1 例で治療前に測定した血小板凝集能の結果をふまえ,シ ロスタゾール 200mg を追加投与した.ステント留置部位は,頭蓋 内内頚動脈が 5 例,頭蓋内椎骨動脈が 2 例であり,頭蓋内内頚動脈 の症例については proxymal protection 下に手技を施行した.【成 績】術後合併症は 2 例で出現し,頚部内頚動脈解離 1 例,過潅流に よると考えられる反対側の SAH1 例をみとめた.虚血性合併症は みとめることなく,術後 48 時間以内に撮影した MRI diffusion weighed image にて 1 例で high intensity spot の出現をみとめた. 全例退院時 mRS0 であった.治療後 3 か月,6 か月,1 年の時点で, 脳血管撮影にてフォローアップを行ったが,50%以上の再狭窄をみ とめた症例はなかった.【結論】SAMMPRIS 試験で否定された頭 蓋内ステント留置術であるが,慎重な適応の判断と適切な周術期の 管理によって,安全で有効な治療となり得ると考える.1-O3-6
頭蓋内硬膜外内頚動脈狭窄に対する Wingspan stent system を併用した経皮的血管形成術 福岡大学筑紫病院 脳神経外科1) 新居浩平1)Nii Kouhei 相川 博1) 堤 正則1) 伊香 稔1) 井上律郎1) 坂本王哉1) 江藤 歩1) 花田迅貫1) 熊谷光祐1) 風川 清1) 【目的】頭蓋内硬膜外領域(錐体部および海綿静脈洞部)の内頚動脈
狭窄に対して Wingspan stent system を用いた経皮的血管形成術の 治療成績を報告する.【対象および方法】2014 年 5 月~2015 年 4 月, 15 例の症候性頭蓋内主幹動脈狭窄に対して経皮的血管形成術を施 行し,その内の 11 例は錐体部および海綿静脈洞部内頚動脈狭窄で あった.Wingspan stent system は,再発例またはバルーンカテー テルだけでは十分な血管拡張を得られない場合に使用した.【結果】 錐体部および海綿静脈洞部内頚動脈狭窄に対して Wingspan stent system を用いた経皮的血管形成術は 7 例であった.全例で良好な 血管の拡張を得られ,周術期の脳血管イベントは認めなかった.3-7ヶ月に施行したフォローアップ検査でも追加治療を要するステン ト内再狭窄は認めなかった.【結論】頭蓋内硬膜外内頚動脈狭窄に 対する Wingspan stent system の留置は,比較的安全な landing zone で手技を行え,ステントサイズも適切であった.またフォロー アップにおいても良好な治療成績が得られた.
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症候性頭蓋内狭窄病変に施行した PTA 後に生じた解離に関す る検討 横浜新都市脳神経外科病院1) 疋田ちよ恵1)Hikita Chiyoe 服部伊太郎1) 石森久嗣1) 佐々木亮1) 大高稔晴1) 根本哲宏1) 佐藤純子1) 岩崎充宏1) 福田慎也1) 森本将史1) 【はじめに】内科的治療の困難な症候性頭蓋内狭窄に対して PTA は 治療選択肢の一つになりうるが,合併症として解離を起こす危険が ある.今回当施設で頭蓋内狭窄病変に施行した PTA にて解離が生 じた症例を後方視的に検討したので,その対処法と予後について報 告する.【対象と方法】2012 年 4 月~2015 年 3 月の間に,当院で施 行した内科的治療抵抗性の症候性頭蓋内有意狭窄に対する PTA51 症例のうち,解離が生じた 8 症例について検討した.年齢は 43~88 歳.狭窄部位は IC:3 例,MCA:2 例,BA:3 例.拡張後に解離が 生じたと判断した場合,基本的に 15 分後に再評価し,真空の描出が 保たれていれば保存的に経過観察し,真腔の描出が poor な場合に はステントを留置した.【結果】解離が生じた 8 症例のうち,症候性 は 2 症例,無症候性は 6 症例であり,PTA 全体の症候性合併症率は 2/51(3.9%)であった.症候性 2 症例のうち,1 例は遠位閉塞に伴う 出血と基底核の梗塞が出現し,他の 1 例は解離進行を認めなかった が散在性梗塞が出現した.無症候性 6 症例に関しては,3 症例でス テントを追加留置し,3 症例は保存的経過観察となったが,翌日 MRA において 5 症例で十分な拡張を認め,1 症例は術前と不変で あった.また 3-6 か月の follow において,閉塞 1 例と拡張不全 1 例 を除く 6 症例で解離部の最狭窄を認めなかった.また平均 5ヶ月の follow 期間で症状の再発は認めなかった.【考察】頭蓋内狭窄に対 する PTA において,解離は最も注意すべき合併症であるが,ステ ント留置などの追加手技が必要な場合もある一方で,急性期の再狭 窄がない場合は保存的加療で良好に経過する可能性も十分にあると 思われる.1-O4-2
頭蓋内 ICA の閉塞性病変に対する経皮的脳血管形成術中の protection 手技実施例の特徴 京都第一赤十字病院 急性期脳卒中センター 脳神経・脳卒中科1) 京都第一赤十字病院 急性期脳卒中センター 救急科2) 京都府立医科大学附属北部医療センター 神経内科3) 国立循環器病研究センター病院 脳血管内科4) ロスチャイルド病院 神経放射線治療科5) 山本敦史1)Yamamoto Atsushi 今井啓輔1) 濱中正嗣1) 山崎英一1) 五影昌弘1) 傳 和眞1) 中村拓真1) 竹上徹郎2) 池田栄人2) 山田丈弘3) 徳田直輝4) 武澤秀理5) 【目的】頭蓋内内頸動脈(ICA)の閉塞性病変に対する経皮的脳血管 形成術(PTCBA)中に protection 手技を実施した症例の特徴を明ら かにする.【方法】2006 年 8 月から 2015 年 7 月に当施設で実施した 頭蓋内 ICA の IC-PTA 連続 53 例中,再手術の 7 例を除いた 46 例 を対象とした.対象を protection 使用群(P 群)と非使用群(NP 群) の二群に分け,両群で背景因子と手術成績を比較した.P 群では具 体的な方法も検討した.【成績】P 群は 19 例,NP 群は 27 例であっ た.背景因子は P 群/NP 群において,男性 14(74%)/19(80%)例, 年齢中央値 68(49-86)/73(49-90)歳,緊急手術 9(47%)/6(22%)例, 術前の狭窄率中央値 99(80-100)/90(60-100)%,完全閉塞 9(47%) /2(7%)例であり,P 群で緊急手術例や完全閉塞例が多かった.一 方,手術成績は P 群/NP 群において,手技成功 14(74%)/25(93%) 例,術直後の狭窄率中央値 25(0-100)/30(0-100)%,ステント留置 15(79%)/11(41%)例,症候性合併症 0/3(遠位塞栓 2 例,動脈解離 1 例)であり,P 群でステント留置例が多かった.Protection 手技の 内訳は 19 例とも proximal flow control であり,ICA での balloon-guide catheter(BGC)拡張が 17 例,総頸動脈での BGC 拡張が 2 例 であった.前者の 17 例中 10 例では BGC とは別の血管に留置した カテーテルによる逆行性造影を利用していた.【結論】頭蓋内 ICA の閉塞性病変に対する PTCBA では 46 例中 19 例(41%)で protec-tion 手技を実施していた.Protecprotec-tion 手技実施例では,緊急例,完 全閉塞例,ステント留置例が多かった.完全閉塞例でも protection 手技にて遠位塞栓を生じずにステント留置できた例が多く,症例を 選択すれば同手技は有用である.1-O4-3
症候性頭蓋内動脈狭窄症に対する小径バルーン拡張術を基本と した脳血管内治療 JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 脳神経外科1) 金 相年1)Kim Sangnyon 大瀧雅文1) 津田宏重1) 木村友亮1) 【目的】症候性頭蓋内動脈狭窄病変は,高い再発率が懸念されるため に,抗血栓療法を中心とした内科的治療に抵抗性を示す群を対象に 血管内治療の適応となってきたが,SAMMPRIS study では自己拡 張型の,VISSIT study ではバルーン拡張型のステントを,各々用い た血管内治療の有効性が否定され,症候性頭蓋内動脈狭窄症に対す る血管内治療は,慎重かつ安全に行うことが高度に求められる.今 回,症候性頭蓋内動脈狭窄症に対する我々の血管内治療の成績につ き検討し,報告する.【方法】対象は 2013 年 1 月以降に実施された 20 例で,内科的治療に抵抗性の症候性かつ 70%以上の狭窄病変と した.硬膜内病変に関しては,小径のバルーンを用いた拡張術のみ を原則とし,頭蓋内硬膜外病変に関しては,プラークの性状や機材 の誘導・到達性を考慮した上で,ステントを積極的に使用した.【結 果】平均年齢 70 歳,男性 12 例,内頚動脈 6 例,中大脳動脈 11 例, 椎骨脳底動脈 3 例であった.治療時期は発症後平均 22.4 日で,ス テントを用いた症例は 7 例であった.バルーンによる拡張は平均 2.75 回施行され,ステント不使用の際の拡張は平均 3.92 回であっ た.治療 30 日以内の症候性脳卒中を 1 例(5%)で認めた.平均観察 期間は 14 か月で,期間内の再発は認めていない.治療後の抗血小 板剤は全例で複数の薬剤が用いられ,その平均期間は 8 か月であっ た.【結論】内科的治療に抵抗性の症候性頭蓋内動脈狭窄症に対す る血管内治療の際は,周術期イベントの抑制が治療の成否につなが り,小径バルーンを用いた拡張術を中心とする血管内治療が有効か つ安全である可能性が示唆された.長期転帰に関しては,今後の症 例の蓄積と経過観察が必要である.一
般
口
演
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当院における頭蓋内狭窄病変に対する緊急血行再建術の検討 国立病院機構 九州医療センター 脳血管内治療科1) 鶴崎雄一郎1) Tsurusaki Yuichiro 津本智幸1) 徳永 聡1) 【はじめに】当院では頭蓋内動脈硬化性病変に対する緊急血行再建 術を,適応を見極めた上で積極的に行っている.基本方針としては, NIHSS5 点以上の急性閉塞あるいは内科治療抵抗性の progressing stroke に対し緊急血行再建術を行っている.PTA で必要十分な再 開通が得られれば治療を終了し,不十分な場合のみステントを留置 する方針としている.当院での治療成績を報告し,本疾患の特徴に ついて考察した.【症例】2012 年 1 月から 2015 年 5 月までに,頭蓋 内動脈硬化性病変に起因する脳梗塞に対し,緊急血行再建術を施行 した 15 例について検討した.【結果】年齢の中央値は 74 歳,病変は 中大脳動脈水平部が 9 例,脳底動脈が 3 例,内頸動脈が 2 例,椎骨 動脈が 1 例であった.治療前 NIHSS の中央値は 11 点であった. 手 技 不 成 功 が 2/15 例,PTA の み が 7/15 例,PTA + Stent re-triever が 2/15 例,stent 留置が 4/15 例であった.退院時 mRS0-2 は 9/15 例(60%)であった.【考察】頭蓋内動脈硬化性病変に対する 血行再建術は,lesion へのアクセスの問題,lesion cross の難解さ, 穿通枝梗塞の問題,頭蓋内ステントによる合併症,狭窄病変に付随 する血栓の distal embolism など,労を要することが少なくない. 当院での症例をふまえ,頭蓋内狭窄病変に対する緊急血行再建術の 問題点を考察し報告する.1-O4-5
頭蓋内動脈狭窄病変に対する PTA/stent 療法の治療成績 札幌白石脳神経外科病院 脳血管内治療センタ-1) 札幌白石記念病院 脳神経外科2) 野中 雅1) Nonaka Tadashi 米増保之2) 高橋 明2) 野村達史1) 恩田敏之1) 本田 修2) 橋本祐治2) 大坊雅彦2) 【目的】頭蓋内動脈狭窄病変に対する PTA/stent 治療は,2013 年 Wingspan が承認され,その効果が期待されてはいるものの,その 有用性は未だ評価が分かれる.これまでの治療成績を検討し,現時 点での治療方針につき考察する.【対象・方法】2001 年以降,症候性 病変または何らかの理由で脳血管内治療を行った無症候性病変を有 した 56 症例を対象とした.この中には急性期脳梗塞症例 9 例も含 まれている.平均年齢は 67.0 歳(43-84 歳),男性が 48 例であった. 対象部位は C3-6:C1-2:M1:BA:V4=42:3:2:2:7 で,このう ち近位側病変との合併例が 9 例であった.手技は PTA 単独が 12 例,PTA/Stent が 44 例 (balloon-expandable40 例,self-expand-able4 例)であった.手技中に proximal flow control を行ったのは 内頚動脈系病変 45 例中 34 例であった..【結果】術前平均狭窄率 79.5%,術後は 16.5%(Stent 群=16.5%,PTA 単独群=11.9%)と 53 例(96%)で残存狭窄率 50%以下へと改善が得られた.手技に伴 う術後 30 日の morbi-mortality は 3 例(5.4%),その内訳はステン ト内急性閉塞をきたし死亡した急性期 VA 病変の 1 例と C4-5 病変 に頚部頚動脈病変が合併し術後 minor stroke をきたした 1 例,さら に術後過潅流に起因するくも膜下出血例で major stroke となった 1 例であった.【考察】内頚動脈 C4-C6 部分の PTA/stent 留置術の 安全性に関しては十分な成績と思われるが,C2 以上または V4 以上 の頭蓋内病変に関しては未だその有効性と安全性に関しては評価は 定まっておらず,今後更なる症例の蓄積が必要である.PTA 単独 例での成績を考えるならば,これら病変に対するステント使用は現 時点では慎重であるべきと思われる.1-O5-1
瘤状拡張部からの細分枝を有する破裂椎骨動脈解離性動脈瘤に おける proximal occlusion の有用性 国立循環器病研究センター1) 広島大学大学院医歯薬保健学研究院脳神経外科学2) 堀尾欣伸1)Horio Yoshinobu 佐藤 徹1) 石井大造2) 菅田真生1) 丸山大輔1) 濱野栄佳1) 織田祥至1) 江口盛一郎1) 植松幸大1) 片岡大治1) 高橋 淳1)【背景】破裂椎骨動脈解離性動脈瘤(ruptured vertebral artery
dis-secting aneurysm : RVADA)には急性期の脳血管内治療が第一選 択となっており,PICA involved type 以外では破裂部位と考えられ る瘤状拡張部を含めた internal trapping が通常施行される.しか し病変部から穿通枝や前脊髄動脈などの細血管の分枝を認める症例 が稀ならず存在する.当施設ではこのような細血管分枝症例に proximal occlusion(PO)を第一選択としており,その治療成績につ いて報告する.【対象・方法】対象は 2005 年 4 月~2015 年 5 月に当 施設で血管内治療による母血管閉塞を行った RVADA 38 例.男性 30 例,女性 8 例,平均年齢 50.4 歳(33 歳~80 歳),WFNS grade 1: 6 例 ,grade 2:5 例 ,grade 3:5 例 ,grade 4:3 例 ,grade 5:19 例で あった.細血管温存の目的で PO を行われた症例の,術後再破裂率, 脳幹梗塞の有無について検討した.【結果】病変部位を PICA との 関係で分類すると proximal to PICA(pP):3 例,PICA involved(Pi): 7 例,distal to PICA(dP):22 例,hypoplastic PICA(hP):6 例であり, このうち PO を施行したのは 11 例で,Pi:4 例,残り 7 例が細血管 温存を目的としており,pP:1 例,dP:6 例であった.細血管分枝温 存を目的とした 7 例全例で再出血は認めず,initial damage による 広汎な脳梗塞を来した 1 例を除いた 6 例で術後脳幹・脊髄梗塞を認 めなかった.また瘤状拡張部の増大を来した症例も認めなかった. 【考察】病変部から細血管が分枝する RVADA においても,当施設
から報告した(Iihara et al,J Neurosurg 2002)PICA involved type への対処法と同様,超急性期の proximal occlusion により,再出血 および術後脳幹・脊髄梗塞を防ぐことができると考えられた.
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椎骨動脈の解離性動脈瘤破裂に対する治療と虚血合併症 東海大学 医学部 脳神経外科1) 東海大学 医学部付属 八王子病院 脳神経外科2) 長田貴洋1) Osada Takahiro キッティポン スィーワッタナクン1) 百瀬浩晃1) 滝沢 賢1) 林 直一2) 平山晃大2) 重松秀明1) 青木吏絵1) 反町隆俊1) 松前光紀1) 【はじめに】椎骨動脈の解離性動脈瘤(VADA)の破裂に対しては血 管内治療による internal trapping(IT)が良い適応となるが,穿通枝 障害が問題となる.さらに後下小脳動脈を含む場合(PICA in-volved type)では小脳の虚血合併症が問題となる.今回 VADA に 対する治療と脳幹及び小脳の虚血合併症について検討した.【方法】 2012 年 1 月から 2015 年 2 月までに治療された VADA の 14 例 (PICA proximal type 1 例,PICA involved type 4 例,PICA distal type 7 例,none PICA type 1 例,inter double origin PICA type 1 例) について術後数日の MRI で脳幹及び小脳の虚血範囲と脳血管造影 検査による小脳の側副血行路について検討した.【結果】14 例中 8 例が男性で平均 51.6 歳.WFNS score は grade 1 が 5 例,grade 2 が 2 例,grade 3 が 1 例,4 が 1 例,Grade5 が 5 例.治療は PICA involved type の 1 例でバイパス併用の Trapping を施行し,その他 13 例は IT を行った.1 例で術後に全脳虚血を呈していた.脳幹梗 塞を合併した症例は PICA involved type の 1 例と PICA distal type の 1 例だった.また PICA involved type で小脳梗塞が出現したの は 1 例のみで,その他 3 例では上小脳動脈や前下小脳動脈,lateral spinal artery からの側副血行路が見られた.退院時 mRS は 0 が 6 例,1 が 1 例,2 が 3 例,5 が 2 例,6 が 2 例だった.【結論】以前の 報告に比べ脳幹梗塞の出現は比較的少なく,最近報告されている short segment での塞栓が有効だと考えられる.また小脳梗塞も出 現しない症例が多く,PICA involved type を含め VADA 対して IT は有効な治療法だと考える.しかし,小脳が梗塞になると頭蓋内圧 が亢進して予後不良となるため,慎重な治療の選択が必要である.1-O5-3
解離性椎骨動脈瘤 98 例の治療成績 -母血管閉塞と術後脳幹梗 塞合併のリスク因子を中心に-群馬大学 医学部 脳神経外科1) 老年病研究所附属病院脳神経外科2) 前橋赤十字病院脳神経外科3) 館林厚生病院脳神経外科4) 藍原正憲1)Aihara Masanori 内藤 功2) 清水立矢1) 朝倉 健3) 松本正弘4) 宮本直子2) 好本裕平1) 【目的】解離性椎骨動脈瘤(VADA)に対する瘤内親動脈塞栓術 (PAO)は,再出血予防として広く行われている.今回我々は PAO 後の脳幹梗塞合併のリスク因子について詳細に検討した.【対象と 方法】過去 20 年間に当院ならびに関連施設で血管内治療を施行し た VADA141 例のうち,Stent 併用 22 例と術前脳幹梗塞合併 8 例, 術後早期死亡 13 例を除いた 98 例を対象とした.脳幹梗塞合併頻 度,パターン,リスク因子等を統計学的手法を用いて検討した.【結 果】出血発症 91 例(93%).動脈瘤の部位は Proximal to PICA15 例(15%),Distal to PICA 42 例(43%),PICA involved7 例(7%), AICA-PICA23 例(24%),extracranial origin PICA11(11%).術後 30 例(31%)に脳幹梗塞を認めた.内訳は Proximal to PICA7 例 (23%),Distal to PIA2 例(7%)PICA involved4 例(13%),AICA-PICA10 例(33%),extracranial origin PICA7 例(23%)であった. 術後脳幹梗塞は Distal to PICA では有意に少なく(p < 0.001)ex-tracranial origin PICA で有意に多かった(p=0.01).他リスク因子 については頭蓋底部から塞栓部位までの間の flow out の有無,最終 閉塞距離が有意であった.【結語】VADA98 例に対する PAO 後脳 幹梗塞の合併頻度,リスク因子を明らかにした.これらは母血管温 存ステント併用治療を選択すべきかどうかの治療選択に役立つと思 われた.
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当院における破裂椎骨動脈解離性動脈瘤に対する血管内治療 中村記念病院 脳神経外科 / 脳血管内治療センター1) 高平一樹1)Takahira Kazuki 荻野達也1) 遠藤英樹1) 中村博彦1) 【はじめに】破裂椎骨動脈解離性動脈瘤(VADA)に対するコイル塞 栓の治療戦略は,解離部と PICA 分岐部との位置関係により異なり, 周術期合併症や予後に影響する.当院における VADA に対する血 管内治療を後方視的に検討したので報告する.【対象,方法】1997 年 7 月から 2015 年 4 月までに血管内治療を行った VADA 34 例を 対象とした.PICA 分岐部との位置関係により解離部を distal to PICA(dP),proximal to PICA(pP),PICA involved(Pi),no PICA (nP)の 4 type に区分し,コイル留置部,PICA 温存,再開通,周術 期合併症,退院時 mRS を検討項目とした.【結果】解離部は dP 11 例,pP 1 例,Pi 11 例,nP 11 例であった.膨大部のみの閉塞は dP 6 例,pP 1 例,Pi 8 例,nP 7 例,膨大部と近位部の閉塞は dP 5 例,Pi 1 例,nP 3 例あった.Pi 2 例で近位部の閉塞を行ったが,1 例で後 日 PICA が閉塞し,もう 1 例で術翌日に開頭手術を要した.PICA を含めて塞栓した Pi 1 例で延髄梗塞と小脳梗塞が出現し,減圧術を 要した.再開通は dP 1 例,Pi 3 例あり,Pi 3 例全て膨大部のみの閉 塞で,dP 1 例と Pi 2 例で追加治療を行った.10 例で延髄梗塞が出 現し,膨大部と近位部の閉塞は 5 例あった.nP type では延髄梗塞 の出現率が 5 例(45.5%)と高く,膨大部と近位部を閉塞した 3 例全 てで延髄梗塞が出現した.経過中,再破裂や出血性合併症を認めな かった.退院時 mRS は 0: 11 例,1: 5 例,2: 6 例,3: 1 例,4: 3 例,5: 4 例,6: 4 例であった.【結語】当院における VADA に対す る血管内治療の成績を報告した.Pi type で膨大部のみを閉塞した 場合には再開通に注意を要し,nP type や膨大部と近位部を閉塞し た場合には延髄梗塞の出現に注意を要すると考えられた.1-O5-5
当院における破裂性椎骨動脈解離に対する治療戦略-PICA との 位置関係を中心に-聖路加国際病院 神経血管内治療科1) 聖路加国際病院 脳神経外科2) 茂木陽介1)Moteki Yosuke 新見康成1) 佐々木康輔2) 島 彰吾2) 佐藤慎祐2) 井上龍也2) 藤井本晴2) 篠田正樹2) 【背景】破裂性椎骨動脈解離に対する治療戦略を決定する上で動脈 瘤と後下小脳動脈(PICA)との位置関係は極めて重要であり,再出 血を予防しつつ虚血性合併症を回避するために塞栓範囲を柔軟に変 更する必要がある.今回,当院で治療を行った破裂性椎骨動脈解離 の治療戦略について,PICA との位置関係を中心に検討し,若干の 文献的考察を加えて報告する.【対象・結果】2007 年 1 月から 2015 年 7 月の間に当院で加療を行った破裂性椎骨動脈解離 19 例を対象 とし,動脈瘤と PICA との位置関係により,PICA proximal type, PICA involved type,PICA distal type の 3 群に分類した.全例で 血管内治療を施行し,PICA involved type の 1 例を除いて全て母血 管閉塞を行った.PICA proximal type は動脈瘤ごと母血管を閉塞 したが,PICA involved type に対しては動脈瘤近位側を含み, PICA を温存して瘤を一部残しながら母血管閉塞を行った.PICA distal type は症例により動脈瘤と脳底動脈の距離,前脊髄動脈の分 岐位置などから塞栓部位を調整した.PICA involved type の 1 例 のみ再出血が見られ,lateral spinal artery → PICA を介した順行性 側副血行が原因であった.治療に関連した脳梗塞は 9 例で見られた が,小脳梗塞,脳幹梗塞ともに発生率に群間差は認めなかった.【考察・結語】PICA involved type,PICA distal type の破裂性椎骨動脈
解離に対して不完全な塞栓術を施行せざるを得なかった場合,動脈 瘤への残存血流や側副血行路発達による再出血が起こりうるため, 治療後は厳密なフォローが必要である.
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entry-reentry type の椎骨動脈解離性動脈瘤に対する血管内 治療 ー semi-jail technique を用いたステント併用塞栓術の有 用性ー 富山県済生会富山病院 脳卒中センター 脳神経外科1) 富山大学 医学部 脳神経外科2) 久保道也1)Kubo Michiya 桑山直也2) 岡本宗司1) 堀恵美子1) 柴田 孝1) 梅村公子1) 堀江幸男1) 黒田 敏2) 【はじめに】椎骨動脈解離性動脈瘤(VADA)の大部分が reentry を有さない one entry type(OET)であり,血管撮影で確認できる en-try-reentry type(ERT)は稀である.治療適応を有する病変(PICA involved type を除く)に対する血管内治療は,前者には病変を含め て椎骨動脈を閉塞する internal trapping やステント併用塞栓術が 行われるが,後者は血行動態が異なり適切な治療法が確立していな い.われわれは,当院で経験した椎骨動脈解離性動脈瘤を分析し, ERT の VADA に対する治療について検討した.【対象/方法】対象 は,最近 6 年間に当院に入院した椎骨動脈解離病変 59 例のうち膨 隆病変を有する VADA 47 例(両側性 3 例)であり,その中で脳血管 内治療を施行したのは 15 例(男 9,女 6: 平均 60.3 歳)であった. 発症は,くも膜下出血 8 例,解離痛または虚血発症であるが病変の 増大を認めた病変 7 例であった.病変の局在は,proximal to PICA が 10 例,distal to PICA が 5 例であった.【結果】15 例中 1 例が ERT であり,14 例が OET であった.血管内治療の方法は,ERT の 1 例には semi-jail technique を用いてステント併用瘤内塞栓術を 行った.偽腔の遠位流出口(reentry)に semi-jail でステントを配置 して末梢血栓塞栓を防ぐとともにコイルコントロールに活用し,さ らに近位流入口(entry)部分はマイクロカテーテルの自由度が良い 状態で十分な塞栓を行い,最後に残ったステントを留置して良好な 塞栓を得た.OET の 14 例中,12 例は internal trapping を,2 例は ステント併用塞栓術を行った.ERT では合併症はなく,OET の 1 例に延髄外側梗塞を合併した.【まとめ】ERT に対する semi-jail technique を用いたステント併用塞栓術は安全かつ有効と思われ た.