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トラス構造を有する橋梁の検査車に関する一考察

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Academic year: 2022

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トラス構造を有する橋梁の検査車に関する一考察

西日本高速道路(株) 正会員 ○山下 恭敬 正会員 飯田 浩貴 JFEエンジニアリング(株) 新田 善弘

1.はじめに

写真-1に示す関門橋 (以下,本橋という)は,若戸大橋を始まりとする日本における長大吊橋の初期(1973 年)に建設された上下6車線の高速道路専用吊橋である.本橋は現在,供用開始から約41年が経過し,断面日 交通量が約 39,000 台の重交通下で供用されており,日々の点検,小補修が重要となっている.

本稿は,関門橋の点検,小補修の効率化を目指してこれらの維持管理に必要不可欠な検査車の構造改良を行 った検討内容報告を行うものである.

写真-1 関門橋全景 図-1 関門橋断面図 2.検査車の設置目的

本橋は図-1に示すように,上下線 2 条の検査路を有している.通常の遠方目視点検には検査路を用いるが,

本橋はトラス構造のため死角が多く完全な点検は難しい.また,通常の維持補修として,タッチアップなどの小 補修により橋梁の長寿命化を図る必要があるが,検査路のみでは補修可能箇所は限られる.

小補修のために足場を架設することは費用対効果が低く効率的な維持管理とは言えない.そこで本橋では建 設時より側径間に各 1 台,中央径間に 2 台,計 4 台の検査車を設けている.(図-2)

現在,本橋の検査車は平成 11 年ごろに更新を行った第 2 世代,平成 26 年に更新を行った第 3 世代の 2 タイプ が存在している.建設時に設置された第 1 世代検査車を含めた概要を表-1に示す.

図-2 検査車位置図 表-1 新旧検査車比較表

キーワード 橋梁検査車,橋梁点検,吊橋の維持管理,

連絡先 〒807-1263 福岡県北九州市八幡西区金剛 403-1 西日本高速道路(株)北九州高速道路事務所 TEL093-618-3141 9000mm

29000mm

新旧検査車比較表 ※表中の黄色網掛け箇所は第3世代検査車の設計にあたり解消したデメリット

検査車世代 第1世代 第2世代 第3世代

積載荷重 3.95t 1.75t(機材1t+人0.75t) 自重

9.9t 27t 18.5t 更新年 建設時 H12~H16

H25

15m/min(低速),30m/min(高速)

5m/min(低速),30m/min(高速)

5~30m/min(無段変速)

1.75t(機材1t+人0.75t)

備  考 旧2号機(中央径間下関側)

1・3・4号機

新2号機,軽量で可動範囲の大きいブームバケット式を採用 昇降装置

無し 2基(垂直リフト式)

2基(ブームバケット式)

開口部 無し(全面床)

有り 無し(全面床)

走行速度

検査路 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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3.第 2 世代検査車の課題

第 2 世代検査車の全景を図-3,写真-2に示す.第 2 世代検査車は第 1 世代の検査車にはない大揚程の昇降装 置を有しており,これによりタッチ率 9 割程度の近接点検もしくは作業が可能となった.

ただし,この昇降装置の採用は第 1 世代検査車に比べ大幅な重量増となり,昇降装置が橋軸直角方向に移動 するため大きな開口が必要となった.この昇降装置は垂直方向にのみ昇降する垂直リフト式であり,水平方向 移動のため盛替えが多々必要となることから作業時間のロスを生んでいる.また,床面がエキスパンドメタル であり,物の落下に対するリスクがある構造となっている.さらに,活荷重等による橋梁本体の振動と第 2 世代 検査車の固有振動数が近いため,共振による揺れが発生している.

図-3 第 2 世代検査車一般図 写真-2 第 2 世代検査車 4.第 3 世代検査車の改善点

第 3 世代の検査車への更新にあたり前述した第 2 世代検査車の課題を解決すべく検討を行った.まず昇降装 置の重量低減と昇降装置の動作自由度の改善を目的として,昇降装置の形式を垂直リフト式から市販の高所作 業車と同様のブームバケット式とした.これによる昇降装置の重量低減は約 7t,検査車全体では第 2 世代の検 査車に比べ約 9t の軽量化を達成と同時に検査車構造の簡素化により,共振の問題も解決できた.また,床面は 全面アルミ縞鋼板として開口部を無くし,さらにつま先板を設けるなどの落下に対する配慮をした.さらに,検 査車が第 2 世代に比べフラットな構造であることから,作業性の向上と同時に運転者の死角低減を実現し,よ り安全な運用が可能となった.(図-4,写真-3)

図-4 第 3 世代検査車一般図 写真-3 第 3 世代検査車全景 5.まとめ

第 3 世代の検査車へ更新を行った結果,ほぼ 100%のタッチ率を達成することができ,さらに動作自由度の高 いブームバケット式昇降装置の採用により点検等の作業効率が大幅に向上した.今後は順次第 2 世代検査車を 第 3 世代検査車への更新とともに,作業性の向上を目指しさらなる改良も検討していく予定である.

本稿がトラス構造を有する橋梁の維持管理の一助となれば幸いである.

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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