「新幹線の分岐器レール削正における一考察」
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(2) IV‑145. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 床下騒音レベル(dB). 度数. 転換試験を行い、削正クズが分岐器可動レールや信号設備に支障をおよぼしていないことを確認した。 3. 削正効果の検証 3−1.床下騒音の低減 50 施工前 削正を実施した分岐器における、施工前後で電気軌 40 施工後 道総合試験車の床下騒音レベル(1M 代表値)の頻度 30 20 分布を図 2 に示す。これより床下騒音レベルが 110dB 10 を下回った箇所が施工後では施工前に比べ約 50%以 0 上増加し、全体の約 79%となった。床下騒音レベルピ 105 110 115 120 ークも 112dB から 107dB まで低下している。 騒音レベル(dB) 3−2.削正位置による効果の相違 図2 削正区間床下騒音分布 分岐器削正で最も良好な結果が得られた分岐器の騒 118 施工直前 116 施工直後 音レベルの施工前後での変化を図 3 に示す。1 が分岐器 114 112 後端の溶接、4 が分岐器先端の溶接の位置にあたる。ま 110 108 た、 2、 3 はリード部、 クロッシング部の溶接位置である。 106 104 これより溶接位置特にリード部については約 10dB 床下 102 100 騒音レベルの低減が見られる。しかし、未削正の可動レ 2 3 4 1 98 96 ール周辺については、騒音レベルが低減しなかった。 734226 734246 734266 734286 734306 ㌔程 3−3.溶接部頭頂面凹凸量の改善 図3 床下騒音レベルの施工前後の変化 分岐器内溶接部の頭頂面凹凸量を2m ストレッチの データから評価した。14 パスを基準とした削正前後の溶 接部凹凸量の変化を表 1 に示す。最大で 0.220 ㎜/m、平均で 表1 削正前後の溶接部凹凸量変化 0.162 ㎜/m 程度の削正実績を得た。これを 1 パス当たりの削 床下騒音 凹凸量 正量に換算すると 0.012 ㎜/m となる。また、溶接部での削正 (dB) (㎜/m) 効果の維持に関して、図 4 からわかるように床下騒音レベル 削正前 0.278 112.4 平均値 について平均 6.6dB 低減し、施工後 3 ヶ月間で床下騒音レベ 削正後 0.116 105.8 ルの悪化量は約 2dB の範囲に収まっている。 最大値. 削正前. 0.400. 114.5. 床下騒音レベル(dB). 削正後 0.280 105.8 4. 考察 115 今回の分岐器削正により、床下騒音レベルとレール頭頂面 各溶接平均 113 凹凸量の改善に関して以下の 3 点が明らかになった。 111 (1) 削正区間については沿線騒音への寄与を示す指標 109 である床下騒音レベルを110dB 以下 3)に抑える効果 107 が得られた。 105 (2) 溶接部については相対的な低減効果とその持続効 施工直前 施工直後 1ヶ月後 2ヵ月後 3ヶ月後 果について良好な結果を示すことができた。 経過日時 図4 溶接部分床下騒音変化 (3) 溶接部については、平均削正量 0.162 ㎜/m に対し て、リード部のみでは 0.114 ㎜/m と削正量が伸びな かった。これは可動レールを削正しない手法を採用したため可動レール近傍の溶接部で、取り付けが確保 できなかったためであると考えられる。 5. おわりに 今回の 6 頭式レール削正車による分岐器削正では、 床下騒音レベルの低減とその維持で 110dB を下回る結果が示 せたことから、環境に対する一定の効果を得ることができたと考えられる。しかし、床下騒音レベルに関しては削 正対象から除外した可動レールの乗り移り部分について高い騒音レベルを残す結果となった。乗り移り部分前後の 削正だけでは効果が限定されてしまうため、今後は乗り移り部分において列車動揺に対する安全を確保しつつ削正 可能な範囲について再検討が必要であると考えられる。 1)千代誠: 「新幹線レール短波長管理とレール削正」,鉄道現業社,新線路,平成 8 年 7 月 2)井手寅三郎 須永陽一: 「短波長軌道狂いの効率的な管理手法」,鉄道現業社,新線路,平成 8 年 7 月 3)須永陽一 小井土八十一 北沢忠: 「レール溶接部の効率的な削正手法」,鉄道現業社,新線路,平成4年2月. ‑290‑.
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