博 士 ( 歯 学 ) 道 念 正 樹
学位論文題名
Relationship of expression and function of Toll − like receptor2 and4withaginginhumanandmouSe
(ヒトとマウスにおけるTLR2 とTLR4 の発現ならびに 機能と加齢との関連性)
学位論文内容の要旨
免疫応答の減弱は加齢のーっの大きな特徴である。加齢による獲得免疫の変動に関してはよく研究さ れているが,自然免疫の加齢による変動についてはいくっかの報告はあるものの,未だ不明な点が多い。
そこで,本研究ではマウスならびにヒトの加齢と,自然免疫ならぴに自然免疫と獲得免疫の橋渡しで 重 要な働き をして いるToll−like receptor (TLR),特にTLR2とTLR4の発現ならびに機能との関連性 について調べた。
マ ウス脾 臓細胞(SP)に 対する マイトゲ ン活性 は,種々 の週齢のC57BL/6 (B6)マウスから調製した SPを 種々の 濃度のTLR2リ ガンド であるジ アシル リポペプ チドFSL―1あるいはTLR4リガン ドであるE coli由 来 リ ポ多 糖(LPS)で48時間 刺激し た後,1ウェル 当たりO.2yCiの[3H]―thymidineを加え , 16時 間後に セルハーベスターで細胞を回収し,放射能を液体シンチレーターで測定し,評価した。SP に おけるTLR2ならびにTLR4の発現は,螢光色素で標識された特異抗体ならびにイソタイプコントロー ルを用いて,フローサイトメーター(FACS Calibur)で測定し,評価した。これらのTLRの機能は,SPを FSL―1あ る いはEcoli LPSで 刺 激し , 産 生さ れ たILー6とTNF‑aをELISA法 で測定し ,評価 した。
ヒト末梢血単核球(PBMC)は,北海道大学歯学部学生(20〜30才)ならびに教員50〜 60才)のそれぞ れ5名の ボラン ティアか らへパ リン血を 採取し,フイコール・パック密度勾配法で分離・調製した。
そ れぞ れ1匹の8週 齢と20月 齢のB6マウ ス か らSPを調 製し, 種女の濃 度のFSL−1あるいはEcoli LPSで刺激 し,増 殖活性を 調べた ところ,8週齢 のSPに比 べて20月齢のSPが有意に弱いことがわかっ た 。次に, これら のSPのTLR2な らびにTLR4の 発現を 調べたと ころ, 両TLRと も,20月 齢のSPでの発 現 レ ベ ルは8週 齢に 比べ た有意 に低いこ とがわ かった。 さらに ,それぞ れ9匹 の8週齢と60週 齢(20 月 齢は入手 不可能 なため)B6マウス でTLR2なら ぴにTLR4の発 現を調べた。その結果,60週齢のSPで のTLR2の 発 現が8週 齢のSP比 べて有意 に高か ったが,TLR4の発現 では逆に60週齢のSPでの発現 が8 週 齢に比べ て有意 に低いこ とがわ かった。 さらに ,SPをFSL―1あ るいはEcoli LPSで刺激し,IL―6 とTNF‑aの 産生量を 調べたと ころ, 両サイト カイン とも,60週 齢のSPが8週齢に比べて有意に低いこ とがわかった。
次 に, そ れ ぞれ5人 の若 年 者(20〜30才 ) な らびに 高年齢 者(50〜60才)のPBMCで,同様 にTLR2 な らぴにTLR4の発現と ,FSL−1あ るいはEcoli LPSで刺激後のILー6とTNFーぱの産生量を調べた。そ ―624−
の結果,50t 60才のヒトでのTLR2ならびにTLR4の発現が20〜30才のヒトに比べて低い傾向を示しが,
統計学的に有意差はみられなかった。また,50ヘ 60才のヒトのIL―6とTNF‑dの産生量が20〜 30才のヒ トに比べて有意に低いことがわかった。
このように,マウスならぴにヒトにおいても加齢と共にTLR2ならびにTLR4の機能が減弱することが わかった。しかしながら,マウスにおいてはTLR2の発現は必ずしも加齢とともに減弱するという結果 は得られなかった。これはジアシルリポペプチドFSL―1の認識ではTLR2が重要な役割を果たしている が , 補 助 レ セ プ タ ー と し てTLR6を 要 求 する こ と が関 係 し てい る の では な い か と推 測 さ れた 。 TLRは自然免疫で微生物の認識において重要な役割を果たしているだけでなく,マクロファージや樹 状細胞などの抗原提示細胞の補助刺激シグナル分子の発現を制御し,自然免疫と獲得免疫の橋渡しで重 要な働きをしている。このことから考えると,加齢に伴って,自然免疫に関わる細胞の微生物認識能カ や 抗 原 提 示 細 胞 の 抗 原 提 示 能 カ も 低 下 し て い る の で は な い か と 推 測 さ れ た 。
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学位論文審査の要旨
学位論文題名
Relationship of expression and funCtionof T011 ― likereCeptor2and4 丶航 thaginginhumanandmouSe
( ヒ ト と マ ウ ス に お け るTLR2とTLR4の 発 現 な ら び に 機 能 と 加 齢 と の 関 連 性 )
審査は, 審査員全員出席の下に,申請者に対して提出論文とそれに関連した学科目につ い て 口 頭 試 問 に よ り 行 わ れ た . 審 査 論 文 の 概 要 は 以 下 の 通 り で あ る ・
免疫 応答の減 弱は加齢の 特徴の1っ である. 加齢によ る自然免疫の変動については未だ 不明な点が多い.本研究は,マウスぬらびにヒトの加齢とToll‑likereceptor(TLR)の発現 ならぴに機能との関連を調べたものである・
最初 にマウス 脾臓細胞(sP)に対する増殖活性を調べた.C57BL/6毋6)マウスから調製 し たSPを 皿ーR2リガ ン ド であ る ジア シ ル リポ ペ プチ ドFSL‐1あるいはTLR4リガンド で あ るEcDぬ 由 来リ ポ 多 糖(LPS)で 刺 激 した 後 に培 養 し ,さ らにP聞・my血d血を加 えて 培 養 し, 回 収後 に 液 体シ ン チレー ターで測 定した.SPに韜けるTLI也ならび にTLR4の発 現は,螢光色素で標識された特異抗体を用いて,フローサイトメーター(FACSC虹ibur)で測 定 し た. こ れら のTLRの機 能 は,FSL‐1あ るいはEcDカLPS刺激によ り産生さ れたIし‐6 と冊 岬‐aをELISA法 で測定した .ヒト末 梢血単核 球叩MC)は ,20〜30才を らびに50〜60 才のそれぞれ5名のボランティアからへパリン血を採取し,フイコール・パック密度勾配法 で分離・調製した・
ま ず ,8週 齢 と20月 齢 のB6マ ウ ス 各1匹 か らSPを調 製 し ,種 カ の濃 度 のFSL−1あ る い は ■cDMJSで 刺 激 し て 増 殖 瀞 陸 を調 べ ,20月 齢SPの 増殖 漕 陸 は8週 齢sPに 比 べ て有 意 に 弱い こ とを 示 し た.TLRの発現に ついても ,皿一R2,TL44ともに,20月齢SPの発 現 レ ベ ルは8週 齢sPに 比 べて 有 意に 低 い こと を 明ら か に した .次に ,8週齢と60週齢のB6 マ ウ ス 各9匹 に っ い てTLR2お よ びTLR4の 発 現 を 調 べ ,n風4の 発 現 は ,8週 齢SP比 べ て,60週齢SPで有 意に低く,TIーR2の発現 は逆に60週 齢sPで有意 に高いこ とを示し た・
さ ら に,sPをFSL−1あ るい はEcDぬLPSで刺激し て凡‐6とTNF‐aの産生 量を調べ ,両サ
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