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多細胞構築研究室

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Academic year: 2021

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多細胞構築研究室

澤 斉 教授

動物の中で個々の細胞のふるまいを直接観察して研究する!

http://square.umin.ac.jp/Nemalab/Home.html

生物の発生の際、幹細胞は分裂しながら多種多様な細胞を作り出しながら複雑な器官を作り出 します。この過程において、個々の細胞のふるまい(移動、死、分裂のタイミングと方向、生まれ た細胞の運命など)は高度に制御されています。高等動物においては、この過程を生体内で詳細 に調べるのは困難です。線虫C. elegansは体が透明で、スライドグラスの上で生育できるので、

実際の発生過程で細胞系譜を直接観察することができます。受精卵から成虫までの全細胞系譜 が明らかにされており、個体差がほとんどありません。私たちは、C. elegansをモデルとして用い、

発生の際の細胞のふるまいを制御している普遍的原理を明らかにしていきます。

b-catenin APC

Frizzled

Dvl

TCF b-catenin

分裂前の細胞

分裂後の娘細胞

b-catenin::GFP

細胞はどのようにして非対称に分裂するのか?

細胞は非対称に分裂して異なる形態、運命を持つ娘細胞を生み出します。例えば様々な幹細胞 は非対称分裂を繰り返し、幹細胞自身と分化した細胞を作ることで、幹細胞を維持すると考えられ ています。 C. elegansではほとんどの細胞が新規のWntシグナル伝達機構により非対称に分裂 します。私たちは細胞分裂の際、βカテニンなど様々なタンパクが細胞内で非対称に局在していま す。(Genes & Dev. 2005)マウスのES細胞の分裂においても、βカテニンが非対称に局在するこ とが報告されており、この機構は哺乳類でも保存されていると考えられます。

どのような機構でこのような局在が制御されているのでしょうか?私たちは細胞表層のβカテニン がβカテニン自身の核局在を抑制していること、その過程に癌抑制蛋白APCと微小管が関与して いることを明らかにしていますが、まだ多くの謎が残っています。(Dev Cell 2007、Cell 2011)

矢印は細胞膜を示す

(2)

細胞は方向をどうやって知るのか?

このような非対称な局在はほとんどの細胞分裂の際に観察されます。

つまり全ての細胞は同じ方向の極性を持っています。組織の細胞の極性が同調する現象は他の生 物でもパターン形成や形態形成に重要な働きをしていますが、個々の細胞の極性の方向がどのよう に制御されているかかはどの生物でも明らかになっていません。細胞はどうやって正しい方向を知 るのでしょうか?

多細胞構築研究室

特定の遺伝子のクロマチン状態を可視化する 細胞ごとの特異的な遺伝子発現は、その遺伝子座のエピ ジェネティックな状態によって制御されています。次世代シー クエンサーなどにより遺伝子座に結合している蛋白を知るこ とは容易になりました。しかし、クロマチン状態のダイナミック な変化を細胞をすり潰して知ることは困難です。細胞内で特 定の遺伝子(特にWntの標的遺伝子)のクロマチン状態(蛋 白の結合や修飾)を可視化する方法を現在開発しています。

私たちは線虫の側面にある表皮幹細胞に注目し、その極性の方向を制御する機構を研究して います。これまでに極性が体の前方あるいは後方で発現している複数のWntによって制御されている ことを明らかにしています。これらのWntがないと幹細胞は極性化しますがその方向が異常になります

(PLoS Genet. 2011) 。 細胞はWntが来る方向を認識するのでしょうか?またはそれ以外に方向を 知る機構があるのでしょうか?線虫の遺伝学によって細胞極性の同調化機構を明らかにします。

Wnt-b

Wnt-a Wnt-c

Wnt-a

三重Wnt変異体:ランダム方向の極性

三重Wnt変異体でのWnt-aの異所発現:正常極性 野生型:同調した極性方向

Wnt標的遺伝子(赤)と アセチル化ヒストン(H3K9ac)

(緑)との共局在

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