自己認知 にお ける 「 私 」 「 み られ る私 」 が パー ソナ リテ ィの満足度 に与 える効果 について
Th ee 鮎c t so fs e l fa n dr e f l e c t e ds e l fp er c e p t i o no ns a t i s f a c t i o n w i t h p er s o n a li t y
弘前大学保健管理セ ンター 弘前大学保健管理セ ンター 弘前大学保健管理セ ンター
弘前大学教育学部附属教育実践総合セ ンター
雪子輔忍
美酒大
場藤木場名々名田佐佐田
パー ソナ リティ認知構造を基にして,どの次元における 「私がみる私
」
「他者みられる私」の 一致 ・不一致が自分‑の満足度に影響するか検討 した。結果,「私」「みられる私」ともに積極性, 安定性,社会的望ましさとい う3
つの観点から考えることができた。積極性 と安定性についての「私
」
の認知がパーソナ リティの満足度に影響を与え,社会的望ましさについては 「私」
「み ら れる私」
間の自己認知の不一致が 自分のパー ソナ リティ‑の満足度の低 さをもた らすことがわ かった。題的法果察
問目方結考
1 2 3 4 5
キー ワー ド :自己認知,パー ソナ リテ ィ, メンタル‑ル ス
1
問 ̲題自分 自身 のパ ー ソナ リテ ィを どの よ うに とらえるか において, 「私 の視点」の他 に 「他者 の視 点
」
が 重要 にな る場合 がある。 自分 自身 に よるイ メー ジ と他者 に よるイ メー ジが一致 してい る と感 じた場合 ,「わか って も らえる
」
とい う満足感 が得 られ ることもあるだ ろ う。 しか し, 自分 自身 を不誠実で ある と 考 えてい る人間が,他者 か らも不誠 実である とみ な され てい る と実感 した場合,一致 した とい う理 由で 満足す るだ ろ うか.一致が必ず しも満足 を もた らす ものではないO次 に不一致の場合 を考 えてみ る.「私 は,友達が言 うほ ど冷たい人間 じゃない」
「私 は,み んなが思 ってい るほ ど優 しい人間で はない」 と嘆 くこ ともあ る。 一方 で, 「友達 は私 の こ とをお とな しい人間だ と思 ってい るよ うだ け ど,私 は 自分 の こ とをそんなにお とな しい とは思 っていない。 そんな 自分 が大好 き」 と自分 自身 に満足す ることもあるだ ろ う。 つ ま り, 「私 がみ てい る私」
「他者 か らみ た私」
の一致 の程度 が 自分 自身‑ の満 足 の程度 に単純 には反 映 しない ことが予測 され る。本研 究では, どの領域 にお ける 「私 がみてい る私
」
「他者 か らみた私」
の一致度 が満足度 に影 響 を及 ぼすのか検討す る。私 あるいは 自分 にはい くつ もの領域 を想 定で きるだ ろ う。た とえば,外 見,生 き方, パー ソナ リテ ィな どがあ るが,本研 究ではパー ソナ リテ ィに焦点 を当て る。パー ソナ リテ ィとは,個人 に特徴 的で安定的 な行動傾 向を示す ターム として使用 されてい る。 この よ うな,場面や状況の差 を越 えて一貫 し安定 した行動傾 向な どはそ もそ も存在 しない とい う考 え方 もある が
( Mi s c h e l , 1 9 6 8 )
,本研 究ではパ ー ソナ リテ ィを安 定的 な行動傾 向 として扱 うもの とす る。我 々は一 般 に, 自らの過去経験か らパー ソナ リテ ィ とい うものについての素朴 な信念体系 をもってお り, これ を‑ 1 2 ‑
もとに様 々な情報処理 を行 い, 自他 のパー ソナ リテ ィの全体像 を形成す る。 この よ うな素朴な信念体系 は暗黙のパー ソナ リテ ィ観
( i mp l i c i t p e r s o n a li t y t he o r y)
と名付 け られてい る( Cr o n b a c h ,1 955)
.つま り,現実生活場面で,我 々が 自他のパー ソナ リテ ィを認知す る場合,対象人物 の リアル な特性その もの を正確 に反映 させてい る とい うよ りも,む しろ,個 々人が 自分 な りの認知カテ ゴ リー (す なわち,暗黙 のパー ソナ リテ ィ観) を保持 し, これ に基づいて 自他 のパー ソナ リテ ィを理解 していることになる。この よ うな考 え方 に基づ く多数の研究 をふ まえ,林 (
1 97 8)はパー ソナ リテ ィ認知構造 を構成す る基
本的な次元 として 「個 人的親 しみやす さ」
「社会的望 ま しさ」
「力本性」の3
つ を設定 できる としてい る (表1
参照)。 この基本3
次元 は,20項 目か らな る尺度評 定か ら得 られ ,従来の研 究 (林 ・大橋,1 9 83;大橋,1 9 84;田名場,1 99 3 ;虞岡 ,1 997)で安定的に抽 出 され てきている (
表2
参照)0上述 したパー ソナ リテ ィ認知研 究の観 点か ら, 「私がケてい る私
」
「他者 か らみ た私」
の一致が満足 を導 きやすいパー ソナ リテ ィの領域 ,不一致が満足 を導 きやす いパー ソナ リテ ィの領域,一致 ・不一致 とは関連 のないパー ソナ リテ ィの領域があると想定 し,その領域 を探索的に検討す る。表 1 パー ソナ リテ ィ認知の基本 3次元
基 本
3
次 元下 ■ 位
次.
元 一個人的親 しみやす さ あたたか さ,温厚性,や さ し一さ,親近性 ,. (好感 .親和な どの社会 .対人評価) 愛想 の良 さ,人なつ っこさ,明朗性
,
e t c
‑社会的望ま しさ 誠実性 ,道徳性 ,良心
性,理知性 , (尊敬 .信頼 な どの知的 .課題 関連的評価) 信塀性,.堅実性,
細心 さ,
e t c‑
力太性 外 向性,社交性,
積極性, 自信 の強 さ, (意志 の強 さ+活動性) 意欲性 ,大胆 さ,粘着性,
e t
c
‑ 表2
由 名先 行 研 究 の 結 果場 (1
993)
大 橋( 1 984)
第1
因子 第2
因子 第3
因子 第
、 1
因子 第2
因子 第3因子
個人的親しみやすさ 力本性 ■ 社会的望ま しさ
個人的
親しみやすさ 望ま しさ・社会的 ‑ 力本性
心 のせ まい
一心 の広 い 0.1 6
‑0.450 . 1 2 0. 25
親 しみ に くい ‑親 しみや す い 0. 1 3
‑0.12‑0; 31
. 0. 19
親 切 な ‑不親 切 な ‑0.ll
0.40‑0. 21
‑0. ll
人 の よい 一人 のわ るい 0. 02 0.
45‑0. 09 0. p Ol
近づ きがた い 一人 なつ っ こい ・ 0. 1 6
‑0.ll ‑0. 3 8 0. 21
かわい ら しい 一に く ら しい
‑0.1 0 0.1 9 ‑0. 08 0. 07
感 じの よい ‑感 じの わ るい ‑0. 1
3 0.38 ‑0. 1 5
‑0. 1
4なまい きな ‑なまい きで ない 0. 3 8 ‑0.1 7 ‑ 0. 2 8 、
‑0. 31
貝任 懲 の あ る一見任 ノ F L J t の よし 慎重 な ‑軽 率 な
‑ 軽 薄 な 無分別 な 恥ず か しが りの ‑恥 しらず の 社 交的 うき うき した ‑沈 ん だ ‑重厚 な ‑分別 の あ る ‑非社 交 的 な . ‑0. ‑0. ‑0. ‑0. TO.35 0. 0. 07 28 41 01 1 1 4 8 ‑0. ⊥0. ‑0. 0. 0 . . . 37 20 06 47 06 ‑0. ‑0. ‑0.08 0. 25' 46 29 ‑‑0. ‑0.33 ‑0. ‑0. ‑0. ‑0. 0.3 3 41 05 03 2 9 0 2 : : ≡ : =
0二40、 . モ ー ; ; ≡ : ≒ 妾 域 ≡ さ ; メ 三 宅 . = こ = t r と ≡ : : : : l u
‑0. 4 0. 20 1 9 . . : .
1.‑5̲貫意欲 的 な ‑無気 力 な ‑0. 1
9 0.26■ ‑0.1 5
‑0..18自信 の あ る ‑ 自信 の ない 0.
1 2. 0. 02 0. 2 0 0. 04
■ 消極 的 な ‑積 極 的 な 0. 1 8 0. 1 2 0.06 ‑0.1 8
卑屈 な ‑堂 々 と
2
日 的本研究では,多数 の人々に安定的 に共通 してみ られ るパー ソナ リテ ィ認知構造 を基 に して, どの次元 にお ける 「私がみ る私
」
(以下, 「私」
と略記) 「他者み られ る私」
(以下, 「み られ る私」
と略記)の一 致 ・不一致が満足 に影響す るか検討す る。そのために,次の二点 を明 らかにす る.① 「私
」
「み られ てい る私」
のパー ソナ リテ ィ認知構造② ① と自分のパー ソナ リテ ィ‑ の満足度 との関連性
3 方 法
平成
1 4
年度全新入生 (1 3 7 8
名)を対象に郵送法 に よる質問紙調査 を実施 し,以下について質問を行 った。分析対象者 は
8 5 5
名 (男子3 31
名 ,女子5 2 4
名),平均年齢 は1 8. 5
歳 である。次の質問‑回答 を求 めた。 な お,質問紙上では ̀̀パー ソナ リテ ィ" よ りもな じみのある ̀̀性格" とい う用語 を用いた。①
20
対のパー ソナ リテ ィ特性語尺度上 にお ける 「私」
「み られ る私」
の7
段階評定 (使用尺度 は, 表2
参照) を求めた。それぞれの教示 は,以下の とお りである。・「私」についての評定を求 める教示 :
以下には,性格 をあ らわす こ とばが対 になって示 されています。それぞれ について 「現在 のあなた
」
に最 も近い ところに○をつ けて下 さい。・「み られ る私
」
についての評定 を求める教示 :次 に,あなたをよく知ってい る人を 1人思 い浮かべて くだ さい。 その人 はあなたを どの よ うに思 っ ているので しょ うか。それぞれ について最 も近い ところに○ をつけて下 さい。
② 自分のパー ソナ リテ ィ‑の満足度 についての 7段階評定
4 結 果
(1
)認知構造私が私 を評価 した場合の 「①私」, 自分の ことをよく知 ってい る他者 が私 の ことを どの よ うに評価 し てい るかについての予測である 「②み られ る私
」
についてそれぞれ因子分析 (主因子法,非反復法,バリマ ックス回転) を施 し,先行研 究 に基づ き次 の
3
因子 を抽 出 した (表3
参照)。 因子負荷量 に若干 の違いはみ られ るもののその構造 はほぼ等 しい といえる。以下に詳細 を述べ る。① 「私」についての認知構造
第
1
因子 「積極性」,第2
因子 「社会的望ま しさ」,第3
因子 「安定性」
② 「み られ る私
」
についての認知構造第
1
因子 「積極性」,第2
因子 「安定性」,第3
因子 「社会的望ま しさ」 1)
「私」
の認知構造第 1因子 に高い因子負荷量 を示 したパー ソナ リテ ィ特性語 (以下,特性語 と略記) は, 「社交的 一非 社交的 な
」
「恥ず か しが りの一恥 しらずの」
「親 しみやすい‑親 しみに くい」 「意欲的な‑無気力な」
「自 信 のある一 自信 のない」
「消極 的な 一積極的 な」
「近づ きがたい 一人なっ っ こい」
「うき うき した‑沈ん だ」
「卑屈な一堂々 とした」
「感 じの よい 一感 じのわ るい」で あった。積極 的,社交的で 自信 のある 自 分 を親 しみやす く感 じのよい存在 として認知 してい る とみ るこ とができ, この第1
因子 を 「積極性」 と 命名 した。‑ 1 4 ‑
表
3
因子分析の結果(
「私」
「み られ る私」
の認知構造)① 私 ② み られ る
私 第
1
因子 第2
因子 第3
因子 第積極性一 第1
因子 .2
因子第
3
因子 '積極性 望 ま しさ社会的 安定性 安定性'社会的 望ま しさ 社交的意欲的な ‑非社 交的な‑無気力 な I:===p‥.㌢=p===;≡;≡==;::=J=宍■=二.i‑二.===.′告::
r ≡ = = =
嵩莞≡ ‑0.1 ‑0. 3 ‑0. 08 譜‑ : I f : : T E = T E = 7 : ; . ‑ / : ‑ ‑0. 20 ■' 0. 03
40. 0.05 ‑0.1 6 ‑0.31
自信 のある 「 自信 のない‑0.1 0 ‑0.03 . 0.1 0 ‑0. 26
恥ずか しが りの‑恥 しらずの‑0. 37 ‑0.03 ‑0.ll ・ ‑0
. 28
消極的な ‑積極的な
0.1 0 ‑0.08 0. 09
0. 03
近づ きがた い一人なつ っこい‑0. 07 0.31
0. 49 ‑0. 21
うき うきpした ‑沈んだ0. 08 ‑0.1 5 ‑0. 3 0.21
卑屈な, ‑堂々 とした ≡揖鉦二 流 , = = = ■ モ = く r ■ … こ … ! : I . i l I : 岩喜 現 0/ .1 4 0.1 4 0.l l 0. . 29
親 しみ に くい ‑親 しみやすい感 じの よい ‑感 じのわるい
‑0. 0.00 27
0.28 .
‑0.48ー ‑0. 0. 0. 0 40 20 24
. 22 0. 25 0.1 5
0. ' 28 ‑0.
1 6
‑0.1 6
心のせ まい 一心の広い‑0.3 3 0.1 2
0. 25
短気 な ‑気長 な0. 06 ‑0. 03
0.1 3
人の よい 一人のわるい0. 33 ‑0. 37
‑0. 25
なまい‑きな‑なまい きでない0
. 2 . 1 0. 23 0.1 5
かわい らしい一に くらしい
0. 3 0 ‑0. 06
‑0. 0 8 ' ‑03 3
親切 な ‑不親切 な 一0. 3 4 ‑0. 41
‑0.43
責任感 のある‑責任感 のない0. 31 ‑ 0. 03
‑‑00.1 0.1 0.1 .31 0 3 7 ‑ 0 . 1 5 ‑
慎重な ‑軽率 な‑0.1 5 ‑0 . . 09 ‑0.1 0 二 ㌧ p .
軽薄な ‑重厚 な
0. 07 0.
22 ・0.1 9
無分別 な ‑分別 のある
‑0.1 5 、 = { ≒ ン ン 一 二 . i . I .
. L 一 J . L . ‑ ≡ こ こ = > 二 法 ; ; ; ≡ 0.1 4 0. 26
因 子 寄 与 率24. 87 1 2. 82 1 2.48 2
1.51 1
8. 60
12.4 3
第
2
因子に高い因子負荷量を示 した特性語 は,「責任感のある一責任感 のない」「慎重な‑軽率な
」
「軽 薄 な一重厚 な」
「無分別 な‑分別 のある」
であった。 責任感 と慎重 さと重厚さ,分別 がひ とま とま りに なってい ることか ら, この第
2
因子 は 「社会的望ま しさ」 と命名 した。第
3
因子 に高い因子負荷量 を示 した特性語 は, 「心のせ まい 一心の広 い
」
「短気 な‑気長 な」
「人の よ い一人のわるい」 「なまいきな‑なまいきでない」
「かわい らしい一に くらしい」であった。心の広 さ, 気長 な,人の よい,なまいきでない,かわい らしいがひ とま とま りにな
っていることか ら, この第
3
因 子 を 「第 1因子 に2)
安定性「み られ る私」
と命名 した。」の認知構造
高い因子負荷量 を示 した特性語 は, 「社 交的 一非社 交的 な
」
「恥ず か しが りの 一恥 しらず の」
「親 しみやす い 一親 しみ に くい」 「意欲的 な 一無気力 な
」
「自信 のある一 自信 のない」
「消極的 な‑積極的な
」
「近づ きがたい一人なっ っこい」「うき うき した一沈んだ
」
「卑屈 な‑堂々 とした」
であった。積極的,社交的で 自信 のあ
る自分 を親 しみやい存在 として認知 してい るとみ ることができ, この因子 を
「積極性第
2
」 と命名 した。因子 に高 い因子負荷量 を示 した特性語 は, 「心のせ まい 一心 の広い
ト
「親 しみやすい 一親 しみ に くい」
「短気 な一気長 な」
「親切 な ‑不親切 な
」
「人の よい 一人 のわ るい」
「なまい きな‑なまい きでな い」 「かわい らしい 一に くらしい」 「感 じのよい一感 じの薄 な ‑重厚 な
」
「無分別 な 一分別 のあ る」
であ った。 責任感 と慎重 さと重厚 さ,分別 がひ とま とま りに なってい ることか ら, この第3
因子 は 「社会 的望 ま しさ」 と命名 した。(2)
満足度 との関連1
)満足度自分 のパー ソナ リテ ィ‑ の満 足度 の平均得 点 は4.2点
( SD
‑1.4)で あった。 どち らか と言 うと満 足
してい る とい う結果 であ るが,分散 が大 きい こ とか ら,個人差の大 きい こ とが予測 され る。2)
自己認知が満足度 に及ぼす効果因子分析 の結果 か ら,因子負荷 量 の高い項 目を選択 し 「積 極性 尺度
」
「安 定性 尺度」
「社 会 的望 ま し さ尺度」 を作成 し (表4
参照),各合 計点 を算 出 した。 この合 計点 に よ り対象者 をそれ ぞれ3
分割 し (平均合 計点±0.43SD)高得点群 と低得点群 を得 た。 そ して, 自分 のパ ー ソナ リテ ィ‑ の満足度‑ の
影響 を, 「私」
(高低2
水準),
「み られ る私」
(高低2
水 準) の2
要因分散分析 に よ り検討 した。 次の結 果が得 られた。表 4
各尺度 に使用 した項 目項 目 尺 度 名
社 交的 一非社 交的な 恥ずか しが りの一恥 しらず の 意欲 的な 一無気 力 な
自信 のある 一 自信 のない 消極的 な 一積極 的 な
うき うき した 一沈んだ 卑屈 な
心のせ まい 短気 な 人 の よい なまい き かわい らしい 責任感 のあ る 慎重 な 軽薄 な 無分別 な
一堂 々 とした 一心の広 い 一気長 な 一人のわ るい
‑なまい きでない 一に くらしい
‑責任感 のない 一軽率 な 一重厚 な 一分別 のあ る
積極性 積極性 積極性 積極性 積極性 積極性 積極性 安定性 安 定性 安定性 安定性 安定性 社会的望 ま 社 会的望 ま 社会的望 ま 社 会的望 ま
ささささLLLL
① 積極性 に関 しては, 「私
」
の主効果 のみ有意 で あ り,高群 が低群 よ りも有意 に満 足度 が高い こと が示 され た( F(
1, 363 )‑35. 09
,p <. 0
1) ( 図 1
参照)0② 安 定性 に関 しては, 「私」の主効果 のみ有意 であ り,高群 が低群 よ りも有意 に満足度 が高い こと が示 され た
( F(
1, 28
1)‑9. 3 4
,p <. 0
1) (図2
参照)0③ 社会的望ま しさに関 しては 「み られ る私
」
「私」 との間に有意な交互作用が認 め られ た( F(
1, 3 05 )
‑5. 06 ,p <. 05)ため下位検 定 を行 った。 その結果 , 「
み られ る私」
高群 にお いて 「私」
高群が低 群 よ り有意 に満足度 が高 く( F(
1,3 05)‑7.1 5
,p<. 0
1), 「私」
高群 にお いて 「み られ る私」
高群 が低群 よ り有意 に満足度 が高い ことが示 され た (F(1,305)=4. 33
,p<.05)(図3 参照)0‑ 1 6 ‑
「 払」低 「 私」
図
1
「積極性」についての 自己認知における満足度の比高
r
弘J低 「
払 j轟
較 図2
「安定性」についての 自己認知における満足度の坪較 76
5
以上 の結果か ら次 の こ とが言 える。 自分 自身 を積極性 あ りとみ な してい る人 は,積極性 が低い とみ な してい る人 よ りも自分 自身 のパー ソナ リテ ィに満足す る傾 向がある. 自分 自身 を安定性 あ りとみ な して い る人 は,安定性 が低 い とみな してい る人 よ りも自分 自身のパー ソナ リテ ィに満足す る傾 向にある。社 会的望 ま しさに関 しては,他者 か ら社会的望 ま しさが高い と思われてい る とみ な してい る人 の場合 , 自 分 自身 を社会的望 ま しさが高い とみ な してい る人の方が低 い とみ な してい る人 よ りも自分 自身 のパー ソ ナ リテ ィに満足度 が高い。 自分 自身 の社会的望 ま しさを高い とみな してい る場合,他者 か ら社会的望 ま しさが高い と思われ てい る と自分 自身 をみてい る人の方 が低 い とみな してい る人 よ りも 自分 自身のパー ソナ リテ ィに満足 してい る。
5 考 察
(1
) 自己認知私 が私 を どの よ うにみてい るか,他者 は私 を どの よ うにみ てい るか とい う自己認知は,積極性 ・安定 性 ・社会的望ま しさとい う3つの観 点か ら考 えることがで きる。 ただ し,本研 究では,先行研 究 と同様 の形 で は 「個人的親 しみやす さ
」
の次元が抽 出 され なか った。「個 人 的親 しみやす さ」 に, これ まで安 定的 に高い因子負 荷量 を示 して きた代表的 な尺度 が (表 2 参照),本研究では どの よ うな因子負荷量 とな ってい るかみてみ る (表
3
参照)0 「親 しみやすい 一親 しみ に くい」は,「私」
では 「積極性」
因子 に, 「み られ る私」においては,「積極性」
因子 と 「安定性」
因子 の双 方 に高い因子負荷 量 を示 してい る。 「人 の よい 一人 のわ るい」
は 「私」
「み られ る私」
ともに「安定性
」
因子 にそれぞれ高い因子負荷量 を示 してい る。 「人 なっ っこい ‑近づ きがたい」 は 「私」
「み られ る私」
ともに 「積極性」
因子 にそれぞれ高 い因子負荷量 を示 してい る。「感 じの よい 一感 じのわ るい
」
は 「私」 では 「積極性 」因子 と 「安 定性」
因子 , 「み られ る私」では「安定性
」
に高い因子負荷量 を示 してい る。つ ま り, 「積極性
」
因子 と 「安 定性」
因子 の双 方 に 「個人的親 しみやす さ」
と従 来命名 され て きた尺 度 が関与 してい る。 したがって, これ まで言 われ て きた社会 ・対人的評価 としての 「個 人的親 しみやすさ」 とい った認知次元は存在せず,変形 として存在 してい る と推測 され る。
この よ うな変化が生 じた こ との要因 としては,次の
3
つが考 え られ る.第‑ には,認 知構造 自体 の変 化 で あ る。本研究 に使用 した尺度 は20年以上前 に作成 され た ものであ り,認 知構造が変化 してい ること も考 え られ る。我 々が 日常使用す ることば も変化 してい るこ とか らこの可能性 は大 きい と考 える (田名 場 ,2002)。第二には被評 定人物 が,私 ・み られ る私 に限定 され ていた こ と,第三 には対象者 の属性 で ある。(2
) 自己認知が満足度 に及ぼす効果自分 自身‑の満足度 との 関連 について考察す る。積極性 と安定性 に関 しては 「私」の 自己認知の高低 が満 足度 に関係す る。 「私 は積極性 が あ る
」
「私 は安定性 が高 い」
とみ なす こ とが満 足度 につ なが る。一方 , 「社会的望 ま しさ
」
に関 しては, 「私」
の 自己認 知 が高 くて も 「み られ る私」
の 自己認知が低 い 場合 ,「み られ る私」の自己認知が高 くて も 「私」の 自己認知 が低い場合 と満足度 が低 くな る。つま り,「自分 では社会的望 ま しさがあ る と思 ってい るが,他者 はその よ うにみて くれ ていない よ.うだ
」
「他者 か らは社会的望ま しさが あ る とみ られ てい るが, 自分ではそ う思わない」 とい う自己認 知 の不一致が 自 分 のパー ソナ リテ ィ‑の満足度の低 さにつ なが る と言 える。 「社会的望 ま しさ」が信頼や 尊敬 に関わ る もので あることを考 える と, 自分 で 自分 を どの よ うに思 ってい るだけではな く,あるい は 自分で どの よ うに行動す るかだけではな く, 自分のふ るまいが他者 か らどの よ うにみ られ ているのか とい うことが重‑ 1 8 ‑
要 になって くるのだ ろ う。その際 に不一致が 自分 自身 のパー ソナ リテ ィ全 体‑ の満 足度 の低 さにつ な がって くると言 える。
大学生のメンタル‑ル ス維持 ・向上に際 して考 えると,積極性 ・安定性 においては 「私が私 を どの よ うに考 えるか
」
とい う点に援助の焦点 を当て るこ とが有効であろ う。 た とえば,関連す る行動 を増やす ことを促 した り, 「私 には積極性/安定性がある」
とい うよ うな現実認識 の再検討 が 自己イ メー ジを高 め, 自分 自身のパー ソナ リテ ィ‑の満足度向上につなが るだろ う。社会的望 ま しさに 関 しては,私が ど う思 うか とい う点ではな く他者 との関係性 に援助 の焦点が当て ることが有効 であろ う。 自己認知 と他者 認知 の溝 を埋 めるために,他者 の視 点 を取 り入れ た認知枠組み を学習 した り,行動化す ることが 自分 自 身のパー ソナ リテ ィ‑の満足度 向上 につなが るだ ろ う。引 用 文 献