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The y t i l i b i s s o P Group f o n o i t a e r C

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Academic year: 2021

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(1)

音楽科における集団創作の可能性

渡 辺 学 * ・ 久 枝 隆 子

The y t i l i b i s s o P Group f o n o i t a e r C

i

n r o o m a s s C l Music

Manabu WATANABE n d a Takako HISAGAE (

R e c e i v e

d t o b e r O c 4, ) 1 9 9 1

は じ め に

これまで「動き」そして「民族音楽」などの基本 理念

) 1

に拠ってたつ,即興表現のための教材を考え てきたが,それらをこども達とともに具体化する過 程において,そのいずれもが集団としてなされてい ることを改めて認識させられることが,昨今,しば しばであったのはなぜであろうか一一.

公教育における学習の殆どが集団でなされている ことは今にはじまったことではない.しかし,そこ で集団的になされる活動が至極当然のように,集団 は所詮個の集まりにすぎないことのみが強調され,

個が活かされるというよりむしろ孤独な競争,一一 受験態勢に代表される成績主義の土俵になってきた

きらいがなかったか.

音楽科にあっても,ある楽曲を,あるいは楽器を もって一斉にスタートする乙ども達に,そのゴール に至る速さを競わせるのでなく,集団であることを 確かに利とする方法としては,こども同志が互いに 援け合い,触発し合ってゴールをめざすことが望ま

しいのはいうまでもないであろう.

そのことに闘して,学校教育というまたとない集 団学習の場にきわめてふさわしい教材が「即興」の ためのそれであったことに最近気づいたのは,次の ような理由からである.

音楽科の学習において,従来のような過去の文化 の伝授にのみその焦点をあて,時には個々ぱらぱら に個人レッスンをしたい衝動にかられる器楽や声楽 の技術的指導よりも,根本命題として共同で即興的 にものを作ることにねらいを定めることによって,

技術的には多少貧しくとも,集団でセッションし,

$音楽科

まず表現することの楽しさを優先することにより,

すべてがより意欲的に参加し,その結果(技術的に も)前向きの成果をもたらすという事が期待できる のではなかろうか.

そのことは,あたかも従来から根強くある,創作 (作曲家や文筆家)は天才一ーしかも個人でのーーに よってなされるものであって,一般はそれをありが たく享受し,また十分な練習の上で表現させていた だくものといった観念から脱皮し

r

即興」がその根 拠に「民族音楽」に近いそれがあるように,まさに 集団であることによってこそその効力を高め得る教 材であるという認識にたつことである.

本稿においては,集団による即興表現,すなわち 集団創作に焦点をあてるとともに,それらをめざす 具体的教材例について報告することとする.

1.集団創作の意義について

既に何回となく述べてきたのであるが, ドラマあ るいはパフォーマンスなどを通してセッションする ことによって,ファンタジーやアイディアを引き出 すことができ,それがこども達に限らず音楽する上 できわめて重要なプアクターをなすこと,そして年 令が低いほど有効なことは明らかであろう.

しかもそれは一律に誰にも同じように湧いてくる ものではなく,しかしまた,それは個人個人に別々 に湧いてくるというよりも,皆でセッションをして いるとき,やや共通してお互いに感じ合えるものと いったらよかろうか,つまりなんらかのリズムや楽 器をいじっているうちに,お互いに誘発し合うよう にして身に付いていくものではなかろうか.

丁度ある話題(雑談,あるいは世間話でもよい) について話し合ううちに,そのことに関する考えが

(2)

めいめいに湧きあがってき,それぞれの考えもまと まってくるように,実際に集まって音を出すうちに,

相互にひらめいてくるといった種類のもの,つまり 即興的セッションこそ,創造的活動の源泉であり,

実は創作活動の根源そのものなのではなかろうか.

創作とはまさにアイディアの積み重ねということが できるからである.

しかし,学級全体というような大集団にあっては,

指揮という統率者,あるいは練習を必要とし,個人 個人が埋没する方向へ向かわざるを得ないのであっ て,やはり小集団

0 1 (

人以内)による即興的なセッ ションの方が個性的なアイディアに適していると思 われる.

以下に小集団によるセッションの具体的な場面を 示す.

2

.

集団創作の諸相

1

)かつて小泉文夫氏と芸大の民族音楽研究ゼミ の労作に「東京のわらべうた」の徹底調査の報告が あった中に,“こども達は常に作っている"という一 節があった.すなわち,こども達は,わらべうたに

よってする遊びの中で,既存の伝承的な歌を少しず つ変化させているというものである.

遊びの都合によって,その道具である「うた」を 変化させる乙とは極めて当然のことであり,そこで は既に集団的“創作"などというおおげさなものでな

く,遊びの中で起きた肢行みたいなものかもしれな いが,集団的に変化させるという意味でヴァリエー ションであり,アレンジメントという,一種の創造 を行っているといってよかろう.

さらにそれらが長い年月を経て伝承されつつ変化 してきていることを思えば,歴史的な時間を越えた 集団即興(創作)といっても過言ではなかろう.

民謡やわらべうた,子もりうたなどの,いつどと で誰が作曲したかわからないものの多くが,時空を 超えた集団創作であり,それ故に多くの人間の支持 を得るとともに,説得力を持つ所以ともいえよう.

2) 0 9 6 1

年代のビートルズをはじめとして,ロッ クやジャズ,ポップスが,クラシックを主流とする 学校教育での音楽ゆえにシャットアウトされてきた のが,一頃から民放のみならず

NHK

までが先頭を きってコンテストを主催するほどの市民権(

?

)を 得てきたといえよう.その功罪は別として,それら の音楽が,その創作のプロセスにおいて集団創作を 行っていることも,大方の認めるところであろう.

あるフレーズを,あるいは歌調について,プレイし,

それを話し合い,またプレイしていくという繰り返

しによって曲の形をなしていくことはおよそ想像つ くことであるし,お互いの息が(気が)合うことも 当然必要欠くべからざる要素であろう.また,時に,

異質のそれが火花を散らすことも想像に難くはない.

ーいずれにしても,一つのイメージへ向かつて共同 制作していることは間違いあるまい.

3

)リコーダーアンサンプル(たとえば四重奏) を集団創作する例も最近目のあたりにしたのである

4

種のリコーダーをそれぞれ手にした一一時に は各パート複数のこともあり得る一一めいめいが,

しばらくはとりとめもなく楽器に親しむ時聞があり,

そのうち,誰かが吹いたフレーズに対し,他の誰か がなんらかの形で反応し,それにまた反応した他の 誰かが……といった風に,伝播していくのであるが,

はじめからリコーダーの四重奏を作らなければとい う共通意識があることはいうまでもない.

このようにして,創作がスタートしたときには既 に調や拍子は決まっており,後は構成についての話 し合い,そして即興と,繰り返しながら作っていく.

パスがベースを或る程度まで作ったら,残るパート が時間差で加わり,自由に即興し,そのフレーズを 何回も繰り返し,お互いに反応しながら次々に変え ていくうちに,美しいハーモニーが得られたり,面 白いリズムの組み合わせが生まれたりする.

もし,これを一人で作るとなれば,楽譜に書くに しろ,ピアノで作るにしろ,和声・対位法・オーケ ストレーションなど,いわゆる作曲理論といったも のの知識を必要とし,また同時にそれに束縛される 面もあり,特に対位法的に優れた作品をーーなどと いうことになれば,

4

人がそれぞれ好きなように自 由に吹いて,それが自然に調和するという集団のそ れに比較して,なんと不自由で大変な(楽しくない) 作業ではなかろうか.

一一大学生の作曲のνッスンを笛のアンサンプル におげる遊びのひとときによって過ごした事例であ る.

4

)とと数年来本学部音楽科の教材研究における 模擬授業は,ひとつの常套的パターンができてきて いる.

すなわち,授業者(集団)はなんらかの独創的な アイディアによるパフォーマンスを考えてきてその サンプルを見せ,それを全員に,グループでさせる のであるが,

0 2 ' " " " 5 1

分,時には

0 4 - - - - - 0 3

分の作る時間 を与え,最後に発表するのが常である.

われわれは当然,彼らの指導法の隅々にはこだわ らず,考えてきた「教材」のアイディアを注目し,

(3)

その指導方法に関しては,将来の教師としての大成 に待つことにしている.まさに教材研究であって,

音楽のような創造的活動の教科にあっては,教材の 選択,あるいは創造性の有無にこそ最も重要なポイ

ントがある.

5

)ドイツの舞踊家ピナ・パウシュがヴッパター ル舞踏団をひきつれて初来日した時のインタビュー の中に,彼女とダンサーの関係についての興味深い 話があった.

「私はダンサーに今一体何が問題になっているの か常に話すようにしています.特に私達団員がお互 いに人間として語り合うようにしています.人間関 係やそれぞれの感情,不安,愛されたいという欲求

などについて語り合うのです.そうすることによっ て,それぞれの個性を生かした役ができあがってき ます.その結果,私の作品ではダンサーがありのま ま自分を表現しているのです.

J

唯一の日本人ダンサー市田京美さんによれば,「ピ ナ・パウシュの作品は初演を迎えるまでどのような ものになるのかわからない.その過程では,多くの インプロヴァイセーション(即興)によって,自分 を曝け出さなくてはならない.自分の欠点などよく わかっていながら,それを否応なしに人前にさらさ なりればならないのは,とても厳しいことだ.しか し,自分ではやらなければよかったと思うような動 きを,不思議なことに,彼女は,もう一度やってみ ろと言い,それを作品のなかに取り入れていくので ある

.J

ここには,演出家とダンサーが一つの共同体とな り,互いの個性を生かし合いながら作品を作ってい る一種の集団創作があり,即興の堆積を垣間見る思 いのするところである.

このようにして rわらべうた」や,ロックやジャ ズのバンド,リコーダーの四重奏,模擬授業のため の教材づくり,そしてプロの舞踏固などにおける集 団創作を,小学校,あるいは中学・高校やそれ以上 のレベルにおげるそれとして位置付けることができ るのであろうが,一方,唱法や奏法を際限なく極め る従来の音楽科(それが限りなく向上していくはず であるのが実は年令が上がるにつれて,その都度同

じレベルで,あるいはより低下したレベルで存在す るジレンマを繰り返している. )と比較して j 確かな 心身の発達に即していくことが可能なのではなかろ うか.そしてまた,年令的発達に関わりなくどのレ ベルにあっても充実して意欲をそそり,それがプロ の集団にあっても共通しているところに“集団で作

る"ととの面白さ,そして満足感があるといってよか ろう、

しかし,ここで断っておかなくてはならないのは,

筆者達はプロの集団における分業的効率をめざして いるのではなしあくまで集団をなす各スタップが 即興的にプレイすることを繰り返し,集団をつくっ てから発表に至るまでのどの場面をとっても,相互 に触発し合い,より生き生きとした表現をめざして 相互理解を深めていくようなそれをめざしているの である.すなわち,即興的に動くことが,周りをも それに反応して動かざるを得なくなる(動きやすい) ような状態を想定しているといったらよかろうか

未開といわれ,あるいは原始民族といわれている ような人々の間での打楽器によるセッションを,あ る先進国といわれている外国人が採譜する為,ひと りずっ演奏してくれることを頼んだが,ひとりひと りではどうしてもプレイできなかったという話はそ れに似ている.筆者の一人がわが国での作業歌の取 材にあたって,ひとりでは(仲間がいないと)どう

しても歌えなかった古老に出会った経験からしても,

音楽にお付る集団とはそのような,相互に切っても 切れない因果関係によって結ぼれている場合が多く,

各パート譜があって拍子を合わせればハモるといっ た単純なやり方とは異なった発生,そして生い立ち によっているものではなかろうか.

次項ではそのような,集団すなわち即興といった コンセンサス形成に至る教材開発の経過について述 べよう.

1 1

即興的創作という分野を学校教育の音楽科におい てどのように展開し得るか,指導要領が改訂され「即 興」の

2

文字が大きく打ち出された今,過去の実践 例の少ないわが国においては,教師一人一人が新し い教材を作っていくような前向きな姿勢が必要であ ろう.誰かがマニュアルを作ってくれるのをじっと 待つよりも,せっかくのこのチャンスに,自分自身 の手を汚して教材を作っていとうという人聞が増え れば,将来それが自然と系統化されることも十分に 期待できる.しかし,これまでの音楽教育で殆ど浸 透しなかった「即興」であるから,教師自身,体験 不足の為にどこから手をつけたらいいのかわからな いという状況が起こっていることは否めないであろ う.

それならば r音楽」という枠に縛られるよりは,

(4)

むしろ,表現のためのあらゆるメディア(音,動き,

言葉,映像,造形等)を同時に受け入れることによ って,より水平的な視野でする「即興」のあり方を 探っていくことが賢明ではなかろうか.まずは,こ

どもに即興で表現する喜びを味わわせることが先決 であり,教師もこどももできそうなことからひとつ ずつ試してみればいい.体験が新しいアイディアを 生み,それを繰り返すうちに,必ずや即興的創作能 力は身に付いていくと思われる.

ここで,筆者達がこれまで実践してきた即興的創 作の為の代表的な教材(1) )(25-- を提示するが,

これらは全て,即興的なセッションを通してする小 人数グループの集団創作である.

( 1) rパフォーマンス大会」小学校のお楽しみ会の 感覚で.何をやってもいい,一人でもグループで

もいい,適当な時間と空間を使ってなんらかの自 己表現をする.

( 2)

r遊びの館」遊びの空間を創造する.客寄せの

ポスターやチケット,音楽等も工夫する. (例)見 せ物小屋,占いの館, くもの巣館,劇場館,サー カス小屋,福引き,お化け屋敷

(3)r

即興ミュージカル

J2)

台本や楽譜の介在しない ミュージカル.即興的セッションを通して作り,

本番でも即興の余地を残している.

( 4 )

rアート&サウンドスペース」あるテーマに基づ

いて空間をデザインし,そのイメージに合った即 興音楽をエンドレステープに録音して流す. (例) 地獄,海,ふしぎな花園

( 5)

rコマーシャル」あったらいいなと思うものを

宣伝する.絵コンテを書いて,劇,文字,絵,音 楽等を適当に組合せ,

8

ミリビデオ等で撮影し編 集する. (例)ねばなし納豆,わんわん保育園,魔 法のテーブルクロス,さるさる応援団,未来自転 車,ミニミニ変身ライト

( 6) rファッションショー」紙,布, リボン,テー プ,セロファン,組,草花等を身体につけていき

(譜例

1 )

ながら,オリジナルな衣装をデザインする.ショ ーでは,そのイメージに合った即興音楽と簡単な 解説を入れる.

( 7)

r一枚の絵から劇を作ろう」一枚の絵を見て,

その前後の物語を作り劇と音楽で表現する.

( 8)

r音楽を聞いて紙芝居を作ろう」音楽を聞いて

わいてきた物語を紙芝居にする.発表するときそ の音楽を

BGM

として流すが,曲を複数用意する

ことで,場面に合った効果的な使い方を工夫でき

る.

( 9)

r影絵と歌」短い物語を影絵と歌で表現する.

(

1)0 r四コマ漫画」四コマ漫画を作り,場面にあっ た効果音や

BGM

としての即興音楽を交えながら,

ナレーション入りで発表する.

( 1 1

) r図形楽譜による即興アンサンプル九自分たち の考えた約束事に従って図形的な楽譜を作る.描

くことを楽しみながら,音楽の素材や構成につい ても話し合うことになり,その結果が図形として 出来上がるのであるから,絵に描いたように分か るとはまさにこのことで,グループによる即興も 非常にスムーズに運ぶことが多い.

(

1

) 2

r音と動きのドラマ

4 ) J

短い物語を台詞を使わず に,音と身体の動きだけで表現する.

(

1

) 3

r見立て遊び一一何ですかこれは

J

r何ですかこ れは」の歌(譜例

1

)に合わせ

2

本の棒を何か に見立て(たとえば竹馬,太鼓のパチ,プランコ の鎖,箸) ,それを身体の動きとともに表現する.

クイズ形式で,棒を渡された人が即興的に問題を

作るー

( 1 4

) r動きのカノン

) 5 J

短いドラマを,日常の何気な い動きと言葉によって一定のテンポの中でリズミ カルに表し,それをカノンにする

o

( 1 5

)

rダンスとその音楽を作ろう的」音楽を先に作つ てそれにダンスをつける場合と,ダンスとともに 音楽を作る場合とがある.

(

1

) 6

r新体操ごっこ」ポール,縄, リボン等,手具

J

I

I

.

F

で引すか"よれ

g

はトな

レ | ん で " す H か

F

こ'れす は , . --TI F こ'れオはミ

なんです

ι"

です市か"これす は

L~

〆ー

(木魚) (トライアングル}

(5)

を使うことで動きの語法を得ることができる.即 興音楽で伴奏する.

( 1 7

)

rバンプーダンス

7)j 2

本の竹ざおの聞を足をは さまないようにして飛ぶことで,ステップを作る.

即興音楽で伴奏する.

(

1

) 8

rジャンプダンス川音楽に合わせて,ジャンプ する動作

A

と,即興で踊る

B

とを交互に組合せ たダンス.

( 1 9

) r

ウォーキングダンス

m 4 - - j 3 ) 9

おきに置いてあ る太鼓の聞を音楽に合わせて好きなようにステッ プを作って歩き,丁度フレーズの終わりのところ で太鼓にたどりつき,合いの手をドントンと入れ るダンス.

( 2 0

)

r歌の即興リレー」ピアノや打楽器等による伴 奏によって,思いついた物語の断片を即興的に歌 い,それをリレーして物語を作っていく.

( 2 1

) r音組織固定の即興アンサンプル

j-

音板取り外 し可能なオルフの木・鉄琴を使用する.各種

5

音階等の旋法組織に従い,要らない音板を取り外 すことによって,どのように叩いても自然にメロ ディーが導きだされ,他人とのアンサンプルにお いても不自然な音程のぶつかり合いを避けながら 即興演奏ができる.

(22V

ボディーパーカッションによるアンサンプル

J

身体から出るあらゆる音を使って音楽を構成する.

( 2 3

) r声による即興アンサンプル」一人一つずつノ イズのような特徴的な声色を作り,指揮者の指示 に従って切ったり,のばしたり,曲げたり,ひっ ぱったり,放ったり,音高やダイナミクスを変化 させたりする.指揮者は即興的に音楽を構成する.

( 2 4

)

rパーカ‘ツションコン宇一ト」打楽器の即興ア ンサンプル.基本的には,各パートごとに違うリ ズムのオスティナートを組み合わせていく.途中,

ソロアドリプや,ユニゾン,エコー等をおりこみ 変化をつける.人数が多い場合はきっかけを出す 指揮者が必要で,即興的に音楽を構成する重要な 役割を果たす.

( 2 5

)

rトンガトンまたはサッゲイポによる即興アン サンプル

1 0 ) j

トンガトンは堅い床等に打ちつげて 鳴らす太い竹筒,サッゲイポはパンフルートを一 本一本ぱらぱらにしたような細い竹の笛でどちら もフィリピンの民俗楽器である.これらの伝統的 な演奏様式にならい,一人一つずつ違うピッチの 楽器を持ち,リズムのオスティナートを即興的に 組み合わせていくことによって,偶然的に生まれ

るメロディーやリズムのうねりを楽しむ.

このように,多種にわたるメディアの混合から教 材が成立し,課題の出し方についても,何をしても いいという( 1) rパフォーマンス大会

J

から,楽器 や演奏様式まで指定されている

) 5 2 (

rトンガトンま たはサッゲイポによる即興」まで様々である.

これらの教材を,図

1

のように配置し,その全体 像を明らかにしてみた.

縦軸の「枠組み」とは,即興表現のきっかけとし て与えられる課題が,表現の内容をどのように制限 するかを意味し,枠組みが「狭い」ほど,課題の内 容(メディア・素材・テーマ・構成等)が細かく指 定されていることを表している.また,横軸はメデ

ィアの種類に関わらず,その数の多い少ないを表し ている.

この図を見ながら,これまでの実践を振り返って みると,枠組みの「広い」教材ほど「遊び」的な要 素が強く,個人やグループに合った表現を自由に選 ぶことができるが,制限が少ない分,自分たちで決 定しな付ればならないことも多く,その過程にお砂 る十分な即興的セッションの積み上げがより必要で あるように思われる.逆に,枠組みの

C

狭い」教材 は r即興のエクササイズ」というニュアンスが強 く,自分たちで

O

から作り出す面白さは少ないが,

枠組みの広い教材へ向けてアイディアをたくわえる 機会として有効である.つまりこの両者をうまく組 合せていくことで,どのような場面にも対応できる 即興的創作能力

ι

を身に付砂させることができるので はないだろうか.

また r音楽」というメディアにこだわることを,

枠組みが狭いと考えるならば,音楽的表現を中心と する学習の後では,かえって枠組みの広いあらゆる メディアとの混合を許すような教材を与え,その中 でこどものもっているささやかな音楽性を開花させ ることができれば,より理想的であるといえるので はなかろうか.

l l l

1

.

rlQ畳のパフォーマンス」について

1 9 9

0

2

月,熊本市立碩台小学校

6

年生のこども 達を対象に,即興的創作の集大成としての「即興ミ ュージカル」の実践研究を行い,

ζ

どもに創造的活 動をさせる上での教師役割として次の

4

項目を提示

した

11)

1

適切な課題を与える

2

こどもを観察する

3

集団的活動をオーガナイズする

(6)

図 l

多 い

集団による即興的創作の教材 メディアの数

広 (1)パフォーマンス大会

)2( 遊びの館 )4( アート&サウンドスペース

ω

ダンスとその音楽を作ろう

l . - l

( 3

) 即興ミュージカル (

5

) コマーシャル ( 6

) ファッションショー (7)一枚の絵から劇を作ろう

ω

音と動きのドラマ

( 8

) 音楽を聴いて紙芝居を作ろう (

9

) 影絵と歌

Q

O

)

四コマ漫画 (

2

) 0

歌の即興リレー

。日新体操ごっこ

ω

音組織固定の即興アンサンプル 自司バンプーダンス

(

2

) 2

ボディーパーカッションによるアンサン.プル 仰声による即興アンサンプル

(剖)ノ守ーカッションコンサート 仰)見立て遊び一一何ですかこれは

U

D 図形楽譜による即興アンサンプル

ω

動きのカノン

仰トンガトンまたはサッゲイポによる即興アンサンプル

U

8)ジャンプダンス

Q 9

)

ウォーキングダンス

少ない

4

上演に際して作品の全体的な構成をする できるのかを確かめるといったらよいであろうか.

ここでは,教師が特別な権利や知識によってこど もを束縛しないという配慮に基づき,

ζ

どもの輸の 中に入って創作の手助けをするようなことはなかっ たので,こども達の問で起こったであろ

1

う小さな事 件の数々について詳しく知ることはできなかった.

そこで,教師の立場からだけでなく,こどもの立 場にたって集団創作のあり方を探ってみたいという 思いから,自分自身が集団創作のメンパーの一員と なって実践を行うことにした.そうして作ったのが rlO畳のパフォーマンス・J3'-'"'1 という一連の作品で ある rパフォーマンス」としたのは,たとえば「ミ ュージカル」のような,既に確立したスタイルにと らわれることなしどのような表現をも可能なよう にしたかったからで,とにかく限られた時間と空間 があって,そこにたまたま集まったメンパーに何が

これらのパフォーマンスは,碩台小の即興ミュー ジカルの場合・と同様,はじめに台本や楽譜を作って それを練習するというのでなく, ミーティングと即 興練習を繰り返すことによって,メンパー全員の共 通の意識の中でいつのまにかテーマや材料,構成が 決まっていき,台詞,音楽,踊りその他様々なこと を,本番まで決して固定しないという方法をとって いるが,その詳しい過程をrlO畳のパフォ二マンス・

3

“私の青い鳥"」を例にとって述べることにする.

2

. r

lQ畳のパフォーマンス・

3

“私の青い鳥

"J

の制 作過程

日 時 : 1 9 9 1

5 月 8 1 ・ 9 1 日 PM 6 3 : " " " 0

上演時間:

0 4

分程度

場:半径約

6

メートルの円形劇場(総合婦 人会館カルチャーセンター多目的ホール)

-106-

(7)

メンパー:辻川 真理(熊本大学教育学部音楽科

4

月上旬

3

年・作曲)

富川 美夏

1 1 3

年・作曲) 久保田千帆 (

1 1 4

年・音楽教育) 吉田恵利子(

刀 4

年・音楽教育) 星野久美(広島大学大学院教育学専 攻科 2 年・音楽教育) 久枝隆子(熊本大学教育学部音楽科

助手・作曲,音楽教育) 場所と時間とメンパー以外は何も決まっていない.

どこから手をつけていいのかわからないので,近ご ろ自分の近辺で起きた興味深い出来事や,本で読ん だり人から聞いて面白かったことなどをとりとめも なく話す.また,集団創作をすることで有名な劇団

「青い,鳥川」や,その他小劇場の公演をビデオで見た りして自由に感想を言い合う.こうした“雑談"の中 から,自分たちの「表現したいこと」が少しずつ見 えてくる.私達はそれらをパフォーマンスを作る材 料として,大切にノートに書きとめていった.

(最近興味をもったこと)

・メーテルリンクの「青い鳥」

・犬放し飼い禁止の立て札について

・幼稚園のこどもの生態

・細野晴臣編集の

CD rETHNIC SOUND SELEC- TIONJ

・犬は人間の悲しみをすいとる役目がある

・賞味期限が過ぎたりんごジ・ユースを発酵してうま いと言って飲む

M.T.

さん

・ 1 ヵ月に 1 度しか髪を洗わないのに髪のきれいな

W

教授

・こどもの作ったなぞなぞ

・最近親が離婚したこどもの告白

・どうして逆上がりができなくてはいけないのか

・今中学校で流行っているクイズ

・メリーポピンズに出てくる風と話をする赤ちゃん

・会議でよく耳にするくだり「それを認めると前例 を作ることになる

.J

・インドのシタールの授業風景

1

レ}ルを教えないポートポールの授業 (やってみたいこと)

・ステージが円形であることを活かした表現

・普段の生活で無意識にカノンをやっているものは ないか

・日常の何気ない動作を素材としたシンプルなダン

-りゅう(犬)を会場に放す

・客入れの工夫

・観客との一体化(観客が参加できるような場面を 作りたい)

4

月中旬

ポスターやチラシを作る都合上,グループ名とタ イトルを決めなくてはならない.グループ名は私達 に身近な 2 匹の犬の名前を取って「りゅう&チャコ」

とした.タイトルの方は,少し前から r私の青い鳥」

というのが,語感も温かくそれでいて透明な感じが して,第一作りやすそうだ,などという話はでてい た.

そろそろ表現したいことを整理する時期に入った かなという.感じで,それまで書いたものを読み返し たりしながらテーマを絞る方向で話し合いを進めて いった.そのうちに,メーテルリンクの「青い鳥」

の中に私達の日常生活を織りこもうという案が有力 になってきて,改めてこの物語についてつっこんで みると,青い鳥を何度つかまえても,簡に入れた途 端その色が変わったり,最後に自分の家にもどって きてやっと本当の青い鳥を見つけたのに,それさえ も緯の中から大空へと飛ぴたってしまうのはなぜだ ろうということになった.そして r籍の中にとじ込 められた鳥は,鎖につながれた犬,そして規則や世 間体やその他見えない権力にしばられる人間と同じ で,そこから思い切って飛び出さなければ本当の幸 せは見つからない.

J

また r幸せは決してつかまえ るものではなしっかまえた途端それは色槌せたも のになる.

J

r幸せを探し求めることその行為自体が 幸せなのかもしれない.

J

というようなテ}マらしき

ものが見えてきて,タイトルも素直に「私の青い鳥」

でいこう!ということになった.

やりたいことがかなり具体的になってくる.

・円形ステージを,三輪車をゆっくり漕ぎながらま わってみたい

・インドのシタールの授業方法にならって,その場 で即興合奏をしたい

・日常の生活の中で無意識にカノンをしているとこ ろを面白く表してみたい(たとえば,お巡りさん が見えた途端,前の車から順々にシートベルトを おろしていくような)

-メーテルリンクの「青い鳥」で「未来の国

J

の場 面に出てくる恋人同志の別れの場面をそのままや

ってみたい

・ルールを教えないポートポールの授業を,歌とパ ントマイムで面白く表現してみたい

(8)

-夏休みにある熊大公開講座「ミュージカル制作」

の宣伝をしたい

4 月下旬

材料が大体そろってきたので,構成について話し 合う.全体を一つの物語にまとめて劇中心に表現す

るとミュージカルのようになってしまうのでそれは 避けたい.話があちこちに飛んで,表現の媒体も次 から次へと変化し,それでいて全体に流れているも のがなんとなくあるようなものを作りたかった.そ

こで,表現の媒体が異なるパフォーマンスのオムニ パスで,そのつなぎに大学の研究室を舞台にしたフ リートークっぽいものを入れていき,全体の始まり と終わりには,チルチルが青い鳥を探しにでかけ,

帰ってくるところをもってくる乙とになった(図

2) •

( 図 2 )

-

"Z

- / ' 7 l

ま.研史宣

7

|人の - 4 1

l

ここまできてやっと,実際に身体を動かしての即 興創作が始まった.動いてみると,机の上ではとう

てい思いつかないようなアイディアが次々に浮かん で,それをかたっぱしからやってみた.採用されよ

うとされまいと,そんなことはもうどうでもよくて,

思いついたことを試してみることによって,そこか らまた新しい何かが生まれてくること自体面白くて 仕方がない.誰かが思いついた動き・言葉・音によ るフレーズが

6

人の様々な感覚をもって雨付けされ,

あらゆる方向に展開していくうちに,「これ,いい!

J

と全員で納得できる瞬間がくるのである.そうかと 思えば,

6

人もいて何のアイディアも生まれてこず,

初めの構想、を変更せざるを得ないこともしばしばで あった.

5 月上旬

喫茶庖で話していて思いついたアイディア.ステ ージいっぱいに敷きつめた大きな円形の紙の上にみ んなで,観客も一緒になって落書をして,大人にな っていつのまにか忘れてしまっていたような幸せを 味わってみたい.そして,その丸い紙を私達の地球

と見立て,そこに無数の青い鳥を飛ばしてみたい.

照明については専門家に相談することになった.

インドのシターlレの授業風景の場面が,何度やっ ても行き詰まりがちなので,とうとう諦めて,かわ りにダンスを作ることになった.曲を流しながら身 体を動かそうとするのだが,あまり普段から踊り慣 れていないせいもあって,すぐ飽きて座りこんでし まう.その日も,曲を流しながら車座になっていて,

ふと,あぐらをかいた足を組みなおしたり,髪の毛 を耳にかけたりするようなささいな仕草が面白いと いうことになって,それらを音楽に合わせてつなげ たりしているうちにダンスのようなものが出来上が っていった.

音楽は基本的に全て即興演奏で,歌については,

作りたい人が歌詞とメロディーを作り,その伴奏,

コーラス,オプリガート等をみんなで即興しながら 加えていった.楽譜には書かずに,その日その日の 気分で違うところが音楽が生きているという感じで

うれしい.

本番

2

週間前,やっと配役を決める.一人一人の 得意分野はみんなが認めるところで,それを出来る かぎり活かすという方向で話し合ったが,そのこと は内容を作っていく段階から潜在的にあったので,

簡単に

5 1

分程度で決まったように思う.

本番前1 週間

ミーティングと即興練習の結果をまとめた形とし

-108-

(9)

ての台本が完成する.これによって台詞やその他の 内容が固定されることはないが,一応の目安とする ことによって,乙の先,照明,音響のきっかけ等,

細部にわたって決めていかなければならない.

公演場所に,りゅう(犬)を放すことを頼んだが,

断られる.作品のテーマとの関わりをどんなに説明 しても r前例がないので.

J

下規則は規則ですから.

J

の一点張りだった.私達はここにも,規則に縛られ 怠慢になっている大人の姿を見たような気がした.

仕方がないので, りゅうがそこにいるつもりで演じ てみようということになった.

近くの幼稚園から,補助車付き自転車と,黄色の 帽子を借りてくる.ただー列に並んでゆっくり漕い でいるだけなのに,何ともいえない少し異様ともい えるような雰囲気が漂う.想像していた以上に新新 なシーンになりそうだ.

衣装は

3

人が黒,

3

人が白.役に応じて,帽子を かぶり分げ(黄色の幼稚園帽,植木屋の麦藁帽子,

怪しい男のちょんまげのかつら等)シンボリックに 表現することにする.チルチルだけは実在しない架 空の人物として仮面をつけることになった.さっそ

く,美術科の

E

君のところに相談にい.く.

とにかくここまできたら,ひたすら自の前の仕事 をこなし,練習を重ねるだけである.

本番

5 月1 8

9 1 日

1 日目の公演が終わり,片づ貯などしながら本番 で気になったところを話していて,何となくしっく

りいかなかった場面について変更しようということ になった.研究室の場面で,それまで身体を使った ゲームをして遊んでいたところを,りゅうをテーマ にしてのフリートークに変えたのであるが,翌日,

本番直前の

5

分程度の打ち合せだけで本番にのぞん だあたり,即興がすっかりなじんできたなあという 感じがした.

落書の場面では,大人もこどももいりみだれて,

みんな楽しそうに参加してくれた.ある友人から,

犬を実際に使わなかったことが,反って効果的だっ たと言われた.いろいろ失敗などあったかもしれな いが,それも含めて即興なのだから,後悔すること など何もない.

3

.

感 想

集団というと,没個性的なイメージがつきまとう のであるが,今回のように小人数で,しかも,

0

ら何かを作り出そうとする場合は,むしろ,集団の 中でいかに自分を,そしてとなりにいる友達を活か すことができるかという気持ちが自然に起とってく

るものではないだろうか r ものを作る」ということ は本来そういうものかもしれない.私達は個性をア ピールするために「作る」のだ.そして,集団にお けるそれは,さらに大きな個性のかたまりとなって 表現される.

この場合の集団は,対等な立場でものが言える仲 間同志であることが望ましいが,あるいはそうでな かったとしても,このような創作活動を通してそう なっていく可能性は強い.今回,学生に交じって参 加したわけだが,教師,学生という私にとっては希 薄であった関係を超えることができたと自負してい

.M.

シェーファーのいう

r教室の犀 1 3 ) J

ではなく

「学習者共同体」としての教師のあり方が,少しずつ ではあるが見えてきたような気さえする.

また集団というと,とかく仕事を分業しがちであ るが,ここでは,事務的作業以外はとことん集団で やり通した.集団でする煩わしさというものは確か にあるかもしれないが,それが創造的行為であるな らば,決して無駄ではないのだ.アイディアが生ま れ成長していく過程をメンパーが共通に体験し,理 解していることが,その先の作業をどんなにスムー ズにするであろう.このような活動を通してこそ,

集団としての成長があるのであって,どのような状 況にも柔軟に対応できる身軽さを備えるようになる のである.そうなったときの「集団」は,まるでひ

とつの「大きな個人」として,何者にも束縛されず 自由であることができるのではないだろうか.

(参加した学生の感想)

・納得して作っていきたいという気持ちがあったか ら,思いついたことは何でも,言いにくいことで も言ったほうがいいと思って,そうしているうち にアイディアが湧きやすくなった.また,自分で はたいしたととないと思っている自分の意見を,

他の人が取り上げて,ふくらましてくれることが 多 か っ た 久 保 田 千 帆 )

・部分部分少しずつ形になっていくところに面白さ があった.日常起こりそうなハプニングなどを取

り入れたが,ふだん何気なく感じていたことが意 識化されて面白かった.通し練習も殆ど無くて本 当につながるんだろうかと心配したけど r練習な んていらない,私達には.

J

という,どこかでつな がっている糸みたいなものを信じることができた.

(吉田恵利子)

r幸せを探しにいく……」その幸せの中味には,

6

人の一致した思いがこめられていました

.RYU

をはじめとする動物の自由,パーツと白く広い紙

(10)

の上に思い切ったらくがきができる心の自由さ,

夢をおいかけるすばらしさ'"・パフォーマンス が出来あがっていく過程では,みんなの頭の中か

らいろいろな材料が飛び出してきて,創造の世界 の楽しさを味わうことができました. (富川美夏)

・り.ゅう&チャコで過ごした時間というのは,みん なが今感じていること,思っていることをミーテ イングで話し,その延長上のさりげない日常生活 の よ う な 楽 し さ が あ り ま し た 辻 川 真 理 )

・真っ白な広い広い紙に

6

人と

1

匹で絵を描く r何 を描こうかしら.

J

r何で描こうかしら.

J

rみんな と重なったらどんな形かしら,色かしら.

J

描く途 中も,そしてできた絵も,

6

人と

l

匹がそれぞれ 満足できる!そんな,まるでそれぞれが好き勝手 なことをやりながら,一枚の絵がいつのまにかで きあがっていくように私達は創った.かつてこん な楽しい作品創作の方法があっただろうか!?眉を しかめ苦しみながら創作する時代は過ぎ去ったの ではないだろうか.これからは「私の青い鳥方式」

で,こどもも大人も

Le

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パフォーマンス!

(星野久美) 要 約

集団による創作が即興表現という形によってとそ,

最もその所を得て活かされるということを,こども の教材の場合において,また筆者の一人の体験とし て提示した.

学校での音楽科が集団学習であることは今に始ま ったことではないが,あらためて,その集団性を認 識した上でする創造的表現は,小集団をもってする セッション,すなわち即興的表現の積み重ねによっ て可能であり,しかも,単に音楽としてのみでなく,

他のメディアをも加えてする総合的なパフォーマン スであるべきことを志向している.

こどもとともに実践し検討を重ねてきた

5 2

の教材 では,規則の緩い自由なパフォーマンスから,一定 の規範の中でのそれに至るまで,即興的な表現の累 積であるとともに,即興の具体的なあり方,いかに すればこども達が容易に即興と取り組むことができ るかについての仮説を立て,実証することをめざし ている.

さらに,“

0 1

畳の--...-"においては,上演に至るまで の即興の組み立て方を,ミュージカルなど限定され たフォームでなくパフォーマンスとし,そのメンパ ーに一定の時間と空間の中で何ができるかという模 索を伴った即興の実験として問題提起をしている.

すなわち,スタップ全員のミーティングの積み重 ねによって自然に湧き上がったテーマや材料が,即 興的セッションを経てどのように形を成していった か,本番当日の実験的ステージを“台本"におこした

ものを参考に呈し,本稿を終わる.

1

0

畳のパフォーマンスその

3

r私の青い鳥

J

[1]プロローク.

暗閣の中,鳥の声が聞こえる.それが少しずつ遠ざかって いき,パックライトを浴びてチルチルが立っている.妖婆の 声(録音したもの).

妖婆「いいかい,チルチル,その帽子についているダイヤを 右から左へちょいと回すんだ.そうすりや,見えないも のが見えてくる.かくれてるものだって,うたぐらない で見なくちゃいけない.まったくお前たち人聞は自分た ちが見えないってことを考えてもみないんだからね.ま あいいさ,きっとその帽子が青い鳥をさがすのを手伝っ てくれるだろうよ.童書せの青い鳥をきっと見つりでおい で.

J

チルチル帽子をかぶり,鳥簡を持つぞ歩きだす.

[ 2 ]研究室

久美,えり,千帆がテープルを囲んで座っている.

久美 r(歌いながら)語学の勉強いたしましょう.語学の勉強 いたしましょう.アップルは何語でしょう.アップルは 何語でしょう.

J

えり「英語

.J

久美「アップ

1

レはりんごでしょう.アップ

J

レはりんごでしょ う.

J

千帆「なんだー,どがつくだりじゃない

.J

まりがギターをかかえて入ってくる.

久美「じゃ次,語学の勉強いたしましょう.語学の勉強いた しましょう.ストロペリーは何語でしょう.ストロペリ ーは何語でしょう.

J

まり「発音が悪いから日本語.

J

4

人しばらく問題の出し合いをして遊んでいると,ひきと 美夏が犬のりゅうとかけっこしながら入ってくる.ただりゅ

うは実際にはいないので,演技でいるように思わせなげれば ならない.皆りゅうに話し掛けたりなでたりしている.

久美「いいもんねー, りゅうは,自由に散歩できるもんね.

J

ひき「でもね,放し飼仏してると白い目で見る人いるよ

.J

えり「あー,そうそう,放し飼い禁止の立て札が増えたもん

ね.黒髪

2

丁目とか.

J

ひさ「あの辺放し飼いの犬がグループで行動してる

.J

美夏「グループ?グループ交際 ?J

久美「ちょっと古いんじゃない.一一そうね,おとなしい犬と かみんなにまじって好きな犬の後ついていったりしてた のが,放し飼い禁止の立て札が立った途端,鎖でつなが れて……(つながれた犬の演技.好きな犬が前を通って いくのを目で追っている

) J

-110 ー

(11)

(譜例 2) - 1

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初予詩的 事伊五多事V

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(#盤 ノ、ーモニカ)

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がひろすぎ るのー コートがひろすぎ るのー み ん む こ う

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{コーラス)

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(12)

(譜例

2 ) - 2

ft . 五置

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あ そ ん で る

子「あそんでる一」 子「ずるいー

J

先生「うーん、どう

(トライアングル}

子「むこうでば っかりー」 しょうかな」

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トをかきなお そうー コートをかきなお そうー

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子「先生/いい 考えがあるよ」

(80

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害 事 零 零 事件零樗., |季ま'1-1:

l ままþ~

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図 l 多 い 集団による即興的創作の教材メディアの数 広 (1)パフォーマンス大会 枠 組 み ぃ ) 2 ( 遊びの館 ) 4 ( アート&サウンドスペースω ダンスとその音楽を作ろう 狭 l.- l  (3) 即興ミュージカル(5)コマーシャル(6) ファッションショー (7)一枚の絵から劇を作ろう ω 音と動きのドラマ(8)音楽を聴いて紙芝居を作ろう(9)影絵と歌QO)四コマ漫画(2)0歌の即興リレー。日新体操ごっこω 音組織固定の即興アンサンプル自司バンプーダンス(2)2 ボディーパーカッ

参照

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