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「授業研究」 はモンゴルの授業を変えたのか ?
株式会社コーエイ総合研究所コンサルティング事業部 石井徹弥 鈴木 サヤカ
○キーワード
モンゴル、 初等 ・ 中等教育、 授業研究、 校内研究
○概要
「授業研究」 は、 日本において明治時代から実施されてきた教員の指導法改善を目的とする活動である。 「授業研究」
は今日、 国際的にも注目されており、 国際協力機構 (JICA) もアジア、 アフリカ諸国において現職教員の能力強化に活 用している。
モンゴルの初等 ・ 中等教育が抱える課題 (①教員の児童生徒に対する理解不足、 ②知識伝達型の授業展開、 ③適切 ではない学習内容) に対し、 JICA モンゴル国子どもの発達を支援する指導法改善プロジェクトは、 「授業研究」 を通じて どのような取り組み、 その結果、 授業はどのように変化したのかを検証した。 モニタリング結果に基づき、 モデル校におけ る授業の質および授業研究実施状況の変化を確認し、 「授業研究」 が課題解決に貢献したことを紹介する。
○技術ポイント
授業の質を改善するためには下記のアプローチが有効である。
① 外部の専門家を交えて、 担当科目を同じくする教員同士が 「授業研究」 を実施すること。
② 学校単位で、 同校の教育目標に即した研究テーマを選定し、 「授業研究」 を活用した研究実践を行う 「校内研究」
を実践すること。
授業の質および授業研究実施状況の変化を見る手段として、 下記を用いた。
① 2010 年 10 月と 2013 年 4 月にモデル校で実施された物理の授業の比較
② モデル校における授業観察および関係者へのインタビュー (モニタリング活動)
○図 ・ 表 ・ 写真等
モデル校における授業の質を 2012 年 9 月および 2013 年 3 月で比較した結果は下記のとおりである。
学校管理職および教員とのインタビュー、 授業モニタリングから各モデル校の授業研究の実施状況を確認した。
ザブハン県について評点がほぼ横ば いである項目があるものの、 ボルガ ン県、 ザブハン県のモデル校におい て、
2013
年3
~4
月の授業研究の 実施状況は、2012
年9
月と比較し て改善されていることが確認できた。2.50
2.78
2.08 3.35
4.00 3.92
1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50
研究授業の準備 研究授業の実施 検討会
授業研究の実施状況:ボルガン県
2012.9 2013.3
3.29
3.67 3.88
3.72 3.80 3.83
1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50
研究授業の準備 研究授業の実施 検討会
授業研究の実施状況:ザブハン県
2012.9 2013.4 3.44
3.99
3.62 3.76
3.43 4.05
2.5 2.7 2.9 3.1 3.3 3.5 3.7 3.9 4.1 4.3 4.5
2012.9 2013.4 2012.9 2013.3 2012.9 2013.4
ソンギノハイルハン区 ボルガン県 ザブハン県 授業の質:教材・授業の構成の適切さ
3.09 3.63
3.30 3.57
3.30 3.61
2.5 2.7 2.9 3.1 3.3 3.5 3.7 3.9 4.1 4.3 4.5
2012.9 2013.4 2012.9 2013.3 2012.9 2013.4
ソンギノハイルハン区 ボルガン県 ザブハン県 授業の質:教員の発問・児童生徒との関わりの適切さ
3.14 3.09
2.93 3.71
3.20 4.04
2.5 2.7 2.9 3.1 3.3 3.5 3.7 3.9 4.1 4.3 4.5
2012.9 2013.4 2012.9 2013.3 2012.9 2013.4
ソンギノハイルハン区 ボルガン県 ザブハン県 授業の質:児童生徒の思考・表現が活性化しているか
2012
年9
月と比較して、2013
年3
~4
月には教材や授業の構成が適切であっ たことが確認された。教員の発問や児童生徒との関わりの適切 さも改善が見られた。 しかし、 評点が低 い傾向にあるのは、 「生もの」 である授業 において改善が求められる点であることが 影響している。
ボルガン県、 ザブハン県においては著し い向上が見られ、 これらの県のモデル校 では、 授業を通して児童生徒の思考力 ・ 表現力が育成されていると言える。