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本文では、拡径杭の施工後 の経過を報告する

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Academic year: 2022

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(1)Ⅴ‑150. 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). トンネル路盤沈下を有する桁構造化スラブ軌道の維持管理について 東日本旅客鉃道株式会社 正会員 ○清田 玲央* 東日本旅客鉃道株式会社 正会員. 伊東 久雄*. 1.はじめに インバート構造でない一部の新幹線トンネルにお いて、列車振動と地下水による地山細粒分の流失で 路盤(りょう盤コンクリート)下に空隙が生じ、路盤の 沈下や軌道狂いが発生した。 その対策として、路盤に杭頭部を拡径した小口径 の場所打ち杭(以下、拡径杭)を打設し、軌道スラブを 桁構造化して支持した。本文では、拡径杭の施工後 の経過を報告する。. 1.80. 0.20. 2.トンネル及び変状概要 (1)構造、経年、地山、巻圧等の諸元 対象のトンネルは、新幹線トンネルで、供用後32 図−1 トンネル縦断図 年経過した複線断面の馬蹄形であり、一部入口区間 桁構造化スラブ軌道工法 にインバートがある。巻圧は70~140cmである。地質 は、新第三紀中世期後期に形成された火山灰質凝灰 りょう盤コンクリート 岩から成っており、この層を不整合に被覆して、第 四紀の河岸丘堆積物が分布している。明り巻出口付 近は、沖積層が0.5~1.0m程度堆積している。なお、 拡径部 φ 280 図-1にトンネルの縦断図を示す。 (2)変状の内容、原因 地盤 主な変状は、路盤沈下である。この理由は、勾配 杭 杭 変更点がトンネル内あり、りょう盤下に地下水が集 φ 180 水するためである。(図-1)。このことから、トンネ ル下部の集水は不可避であり、恒久的な対策が必要 とされる。対策を実施するにあたって、列車の運行 図−2 拡径杭の概要図 を確保しながら施工できること、支持機構は摩擦で あること、今後も路盤噴泥が発生しうること、この 三点を考慮し路盤構造自体を桁構造として杭で支持 する、拡径杭を施工した。 (3)対策工の概要 この工法は、既設スラブ軌道の路盤下に、杭頭部 を拡径する小口径の場所打ち杭を構築し、荷重を支 持する工法である。これにより、軌道構造を杭で支 持することによって列車振動によるポンプ作用を抑 図−3 計測器の配置図 えることができる。更に、列車走行の間合時間に作 業を行うことにより列車の運行の確保を可能とした。 部に引張り応力が作用する場合を想定し、杭頭付近 拡径杭の施工に要した線路延長は、下線は60m、上線 に鉄筋を配筋することとした。 は140mである。本数は、下線は72本、上線は170本で 鉄道構造物等設計標準・同解説により、杭一本あ あり、杭の間隔は原則として1.2m/本とした。杭長を たりの設計鉛直支持力は、使用限界状態では141.0kN、 2.0mとし、直径は180mmである。なお、拡径部の長 終局限界状態では192.2kNであった。なお、死荷重で さは0.2mであり、直径は280mmである(図−2)。 あるレール・軌道スラブ・路盤及びりょう盤コンク 拡径杭は、杭体全長にわたり背筋できないこと、お リートは合わせて39.4kNであることから、杭一本あ よび水中施工となることから、杭体には水中不分離 たりが負担できる荷重は、使用限界状態では101.6kN、 性鋼繊維補強早強コンクリート(ファイバーコンク 終局限界状態では152.8kNである。 リート)を採用した。りょう盤下が空隙となり、杭頭 キーワード:スラブ軌道、拡径杭、東日本大震災、桁構造化、ファイバーコンクリート 連絡先:*〒983-0853 宮城県仙台市宮城野区東六番丁 31 番 2 号. ‑299‑. TEL:022-266-2397.

(2) Ⅴ‑150. 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月). また、拡径杭の施工後においても噴泥の発生は不 可避であることから、拡径杭の荷重が増加していく こと、路盤構造自体が桁構造となったことを想定し、 拡径杭の支持機構を継続的に監視していく必要があ った。 3.拡径杭の支持機構の監視について 拡径杭の支持機構を継続的に監視していくため、 列車荷重載荷に伴う拡径杭の動的挙動の計測を実施 した。計測時期は、降雨期の夏季と、渇水期の冬季 とし、2回/年とした。 動的挙動は、ひずみ計測とし、使用する計測器は、 杭の打設時に杭体内に埋め込んだひずみ計を使用し た。ひずみ計は、長期間の絶縁保持が困難であるこ と、測定箇所がトンネル入口から160m程度離れてお り列車通過に伴うノイズが発生すること、この二点 を考慮しファブリー・ペロー型ひずみ計による光フ ァイバー式計測器とした。サンプリング周波数500Hz、 収録時間40秒とした。ただし、列車通過に伴う杭体 内ひずみの変化を収録のトリガに用いたため、計測 開始が数十m/s程度遅延するのと、列車通過前の状態 を把握するため、プレトリガを1.0秒に設定した。 なお、先述の杭一本あたりが負担できる荷重より、 使用限界ひずみと、終局限界ひずみを試算した。杭 一本あたりに作用する荷重Qは、式(1)に示すとおり である。 Q=E×ε×A (1) なお、Eはコンクリートの弾性係数であり、2.5× 107kN/m2とした。また、断面積Aは0.062m2であるこ とから、使用限界ひずみは65.5×10-6m、終局限界ひ ずみは98.6×10-6mとした。 図−3に、計測器の配置図を示す。測定には10-6m程 度のノイズが含まれているため、振幅はデータの最 大値、最小値の差からノイズ分を差し引いて振幅を 求めた。また、同一編成の列車が複数ある場合は平 均化した。列車編成が測定開始時点から大幅に変わ ったためである。また、近くに通過駅があることか ら、測定パターンは通過、停車の2ケースとした。 4.測定の結果及びまとめ 動的挙動の測定結果を図−4、図−5、図−6に示す。 図−4は、通過列車及び停車列車の結果の平均値を示 したものである。No6-2 において季節変動として通 常気温による影響が考えられるが、湧水の多いトン ネルであるため、りょう盤下地山の飽和度の変化に よる影響が大きいと考えられる。No6 を見ると天端 側のひずみが冬の渇水期に大きくなり、夏の降雨期 にひずみが減少しているが、以上の理由によると推 察される。図−5は、測定した年度内の最大値を示し たものである。この結果より、試算した使用限界ひ ずみ及び終局限界ひずみを下回っていることから、 支持力に問題がないことが確認できた。No6-2 につ いて、計測開始時から、他の計測器よりも大きい値 を示している。計測開始から 13 年経過したが、大き. 図−4 拡径杭の動的挙動(全列車の平均値). 図−5 拡径杭の動的挙動(年度別の最大値). No6-2 V. 32.5. V No6-1. V. 8.9. No19-2 V. V No19-1. V. 14.9. V. 5.1. 図−6 ひずみ分布図 な変化は見られなかった。 図−6に2014年度冬季測定時のひずみ分布図を示す。 杭頭部が大きく、杭下端が小さいことから、摩擦杭 としての機能を果たしていることがわかる。 以上のことより、杭の支持機構については現時点 では問題は無い。しかし、この傾向が継続するかは、 この時点では不明であるため、今後は当該区間での 保守等の実績を把握し、路盤・軌道の沈下等に注視 し、今後も継続して維持管理に努めていく必要があ る。 参考文献 森山智明,富田修司,清水満,松田芳範,斎藤貴:トンネル内の路盤噴泥対 策の検討,第 25 回トンネル工学研究論文・報告集,第 8 号,1998 年, pp.225-230. ‑300‑.

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