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図-1 各トンネルの波線通過状況

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Academic year: 2022

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(1)VI‑195. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). トモグラフィ的弾性波探査解析を用いた波線通過状況の把握. 1.. 山口大学大学院. 学生会員. ○寅岡. 千丈. 山口大学工学部. 正会員. 重田. 佳幸. 基礎地盤コンサルタンツ(株). 正会員 三木 茂. 山口大学工学部. 正会員. 進士. 正人. 山口大学工学部. フェロー会員. 中川. 浩二. はじめに. 弾性波探査は地表面に設置した起振点から発信された波の到達時間を受振点において , 観測することで調査地山 内部の弾性波速度値を推定する方法である . 近年 , コンピューターの性能向上により , 弾性波探査の精度向上や従 来法であるはぎとり法の欠点を補う方法として , トモグラフィ的考えを弾性波探査に導入したトモグラフィ的弾性 波探査解析法(以下トモグラフィ解析と呼ぶ)が注目されている . この手法では調査したい部分に波線が通過した かどうかを確認することができる利点を有する . 本研究ではこの特徴を生かして , トモグラフィ解析を用い , 実際行われた弾性波探査が十分目的とする深度まで 探査できていたかをトンネルの探査事例を用いて検討を行った . また , 最大受振距離を延長することで探査深度も 増すと言われている 1)がその妥当性の評価と最適な受振距離について検討を行った .. 2.. 波線通過状況. 波線通過状況の事例調査 トンネル事前調査として行われた弾性波探査の走時曲線デー. 3. タを用い , トモグラフィ解析によりトンネル通過位置まで十分. 波線通過率(%). 4. 波線が通過しているかを調べた . ここで , トンネル延長に対し. 0% 0%〜20% 20%〜40% 40%〜60% 60%〜80% 80%〜100%. 5. て波線が通過した部分の割合を波線通過率(%)と定義する . 図 ‑. 4 39. 1 に , 対象とした 61 トンネルの波線通過状況を示す . 図中の数. 6. 字はトンネル数を表す . この図より波線通過率が 80% 以下とな り , トンネル計画位置まで十分に波線が通過せず弾性波速度値 が一部でも不明の部分を有するトンネルは全検討トンネルの約. 図中の数字はトンネル数を示す. 1/3 (22 件)を占めることがわかる .. 図 ‑1 3.. 最大受振距離と最大探査深度の関係. 最大受振距離. 一般に , 最大受振距離を長くすれば探査深度 0. も深くなるが , 必要とする最大受振距離は目標. めた . なお , 最大探査深度とは , トモグラフィ解 析の成果物である波線図からもっとも深い位置 まで , 波線が到達した深さを最大探査深度と定 義した . 得られた関係を図 ‑2 に示す . この図よ. 300. 400. 500. 600. 700. 800. J J. H(m). いて , 最大受振距離と最大探査深度の関係を求. 200. J. 50. 最大探査深度. れている . そこで , 実際の走時曲線データを用. 100. L(m). 0. とする探査深度の 7 倍〜 10 倍必要であるといわ 1). 各トンネルの波線通過状況. 100. J. J J J JJ J J J J JJ J J J J JJ J J J J J J JJ JJ J J. J J J JJ J J. L/H=7. J J J. 150 J. 200. J. J. 250. L/H=3. り最大受振距離は最大探査深度の 3 倍〜 7 倍程度 となっていることが分かった . よって ,7 倍程度. 図 ‑2. 最大受振距離と最大探査深度の関係. キーワード:トモグラフィ , 弾性波探査 , 受振距離 , 探査深度 , 波線 連絡先:〒 755‑8611 山口県宇部市常盤台 2‑16‑1 Tel:0836‑85‑9332 ‑389‑. Fax:0836‑85‑9301.

(2) VI‑195. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月) 高さ(m). の受振距離をとれば目標とする探査深度までほぼ十. 150. 分な探査が行えるものと考えられる .. 100. 波線通過率 100%. 50. 4.. 最大受振距離に関する数値シミュレーション. 0 0. 200. 長くすることで探査深度が深くなるので , 波線通過. 距離程(m). 高さ(m). 波線通過率 51%. 150. 率が低いトンネルにおいては最大受振距離を延長す ることにより波線通過率を改善できる . そこで , 実測 例を用いて , 最大受振距離延長の有効性について数. 100 50 0 0. 値シミュレーションを行った . この検証方法として , 実際行われた探査データを用い , 最大受振距離を最 大土被りの 1 倍から 7 倍まで変化させた場合 , 波線通. 200. 距離程(m). 高さ(m). 波線通過率 29%. 100 50. 討ケースの波線通過状況を示し , 図 ‑4 に各ケースの. 0. 600. 400. case2(最大受振距離=最大土被り×6倍). 150. 過率がどのように変化するか検討した . 図 ‑3 に各検. 0. 200. 波線通過率の変化を示す . 図 ‑3 より , 最大受振距離. 距離程(m). 600. 400. case4(最大受振距離=最大土被り×4倍) 高さ(m). が短くなるにつれて波線はトンネル地山の地表面付. 150. 近しか通過しなくなり , 肝心のトンネル計画位置ま. 100. での探査が困難となることが分かる . また , 図 ‑4 よ. 50. り最大受振距離が最大土被りの 5 倍〜 7 倍にかけては. 600. 400. case1(最大受振距離=最大土被り×7倍). 前章の検討からも明らかなように最大受振距離を. 波線通過率 21%. 0 0. 200. 距離程(m). 400. 波線通過率が大きく変化しているが , それ以下の最. case7(最大受振距離=最大土被り×1倍). 大受振距離のケースではそれほど大きな変化がみら. トンネル計画位置. れない . このことから , 例えば , 実際の探査で最大受. 600. 図 ‑3 各ケースにおける波線通過状況. 振距離を最大土被りの 6 倍しかとらなかった場合 , ト ンネル計画位置までの波線通過率が格段に悪くなっ. 大土被りの 7 倍の受振距離をとることで格段に波線 通過率が向上する . よって図 ‑1 に示した , トンネル 計画位置まで十分な波線通過がなされていないトン ネルでも , わずかな受振距離の延長で , 格段に波線通 過状況が改善される可能性があり , 最大受振距離の 設定には注意する必要があることが分かった .. 100 100. 波線通過率(%) 波線通過率(%). てしまう . 逆にあとわずか最大受振距離を延ばし , 最. 8080 6060 4040 2020 00 1倍 27倍 72倍 63倍 45倍 33倍 54倍 7倍 6倍 5倍 4倍 1倍 6倍 2倍 8 最大土被りに対する最大受振距離 最大土被りに対する最大受振距離の割合. 図 ‑4 5.. 波線通過率の変化 (L/H). おわりに. トンネル事前調査として弾性波探査を行う場合 , 最大受振距離を目標とする探査深度の 7 倍程度に想定すると十 分な探査が可能であることが分かった . しかしそれぞれのトンネルにおける地形形状や地質構造の違いから波線の 通過状況が大きく変化することも予想される . そこで実際の探査を行う前に , 上記に示すような波線通過検討シ ミュレーションを行い , 最大受振距離だけではなく , より合理的な起受振点配置などの検討も含めて行うことで , より経済的で精度の高い探査が可能となることが明らかになった .. 参考文献 1). トンネルの地質調査と岩盤計測. 土木学会 ,p.20,1983. 2). 鈴木守 , 冨田宏夫:トンネル事前調査の性格と問題点(2) トンネルと地下 , 第 24 巻 10 号 ,pp.49‑59,1993.10 ‑390‑.

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