流木の流下特性から見たトンネル河川断面の余裕率
2
0
0
全文
(2) 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 2.2. Ⅱ-195. 50. 実験内容. 本実験では、指定した余裕率を確保できる流量 験方法は、各実験ケース(表‑2)において流木模 型を12本と根毛群模型10本の計22本を2秒. 余裕率(%). を流下させ、定常状態において実験を行った。実. 波有. 40. 毎に20回流下させ、トンネル本管内の流況、閉. 波無 30 実際の余裕率が 10%以下である。. 20 10. 塞状況を観測した。 0. 3.実験結果. 1/1000. ・勾配が緩く余裕率 0.3Q+15%の条件では、トン ネル本管内の流速が遅いためトンネル壁面との表. 勾配. 図‑2. 1/300. 1/200. 余裕率と勾配. 面張力により滞留する流木が増えるが、これは、 流木の特性による影響であり、流木の流下には、 影響が少ない。. 0.30. ・図‑2より、トンネル勾配が 1/300 と急にな 発生すると水位が上昇した状態になり部分的では あるがトンネル模型の実際の余裕率が 10%以下 に小さくなるため、流木滞留率は増加する。. 流木滞留率(%). ると高さ約 1.7cm の水面波が発生する。水面波が. 0.25 0.20. 15%以下で流木 滞留数減少. 0.15 0.10 0.05. ・流木滞留率と余裕率の関係を図‑3に示す。. 0.00. 図‑3より余裕率が 10%以下となると流木滞留率. 0. 10. は増加し、余裕率が 15%を上回ると流木滞留率が. 40 0.3Q+15% 50. 20 30 余裕率(%). 減少する。 図‑3. 4.結論 4.1. 流木滞留率と余裕率. 結論 100. 裕率は、計画流量の 0.3Q+15%とされているが、実. 80. 験結果より最大 15%まで減少させることが可能で ある。また、合理性及び経済性の面から余裕率の 縮小を考えると、図‑4の工事費減少率より、余裕 率 15%にすると工事費は、0.3Q+15%の場合と比べ. 費用減少率(%). 文献1)の設計基準によるとトンネル河川の余. 60 40 20. ると約 33%減少させることができる。 5%. %. +1 3Q 0.. 余裕率(%). 40. % 35. % 30. % 25. % 20. 10. ただし、本実験で得られた結果から、トンネル. %. 0 15. 前提条件. %. 4.2. 断面の余裕率を小さくできる条件は、限られたも のとなる。以下に可能な条件を上げる。. 図‑4. 余裕率と費用減少率. ・将来、流域開発等により、大きな計画流量増 加が見込まれない場合。 ・呑口部に沈砂池等の施設があり、流域特性から著しい土砂堆積がない場合。 ・急勾配により、著しい水面波が発生しない場合。 【参考文献】1) (財)国土開発技術研究センター編集:都市河川計画の手引き‑立体河川施設計画編‑ 2)末次他:トンネル河川水理模型実験,土木研究所資料第 3711 号,2000.2.
(3)
関連したドキュメント
枚方市 土木部
1.はじめに 本研究の対象とする嘉瀬川は,脊振山の西方を源と する嘉瀬川水系の本川であり,佐賀平野を南下し,有 明海に流れ込む. 流域面積 368km²,幹線流路延長 57km,
図-2 解析対象の位置 3.解析方法 水文水質データベースより、解析対象となる 10 河川の 1970 年から 2000 年前後の約 30 年間の流
1.はじめに
4.点検箇所および点検方法 点検箇所図を図-4 に示す.点検対象である川崎航路トンネル 7 継手及び多摩川トンネルの 10 継手の内,各 2
鮏川、鈴木;管路の流れから開水路の流れに遷移する円管路の定常流の解析、土木学会第 55 回年講、 2000
の C が最も高くなった要因は,高水敷の流速値が低水 路よりも遅くなっている為である. 3 Run2 の結果を図-4 に示す.単断面開水路の遊泳深 度は,河床
田名部川広域基幹河川改修工事は山岳トンネル工法により最小土被り