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流木の流下特性から見たトンネル河川断面の余裕率

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). Ⅱ-195. 流木の流下特性から見たトンネル河川断面の余裕率 建設省土木研究所. 正会員. 武富一秀. 建設省土木研究所. 正会員. 末次忠司. 香. 学. 正会員. 河原能久. 建設省土木研究所. 正会員. 岡部. 川. 大. 勉. 1.はじめに トンネル河川は、 「地上開水路河川以外のトンネル構造河川のうち、トンネル内の水位が吐口水位よりも高 く、自由水面を有する開水路流として設計するもの」をいう。今後トンネル構造河川の必要性は、流域の都 市化に伴う土地利用や山間地の地形の制約等から高まると考えられる。しかし、現在のトンネル河川の断面 設計基準1)「トンネル断面は、原則として配分 される計画高水流量の 130%流量以上を設計流 量とし、また、設計流量の流下に必要な断面積 の 15%を下回らない値を標準として空断面積 を設ける必要がある。 」で設計した場合、計画流 量が流下した場合でも直径の約6割程度の水位 にしかならない。このため、設計断面を確保す るのに苦慮しているケースも多く、本研究では、 合理性な設計基準を確立するために水理模型実 験を実施した。 図‑1. 2.実験内容 2.1. 実験条件. 表‑1. 本実験では、長さ 10m、縮尺 1/30 のアクリル. 流木模型. 流木模型の寸法と投入本数. No.. 直径. 製トンネル河川模型を用いて特に流木の流下実. 1. 約 1.7cm. 40cm. 2. 幹のみ. -. -. -. 赤. 験を行った。事例では、トンネル断面形状とし. 2. 約 1.3cm. 30cm. 2. 幹のみ. -. -. -. 黄緑. 3. 約 1.3cm. 30cm. 1. 幹+根. 7. 4.5cm. 4.5cm. 黄. 4. 約 0.8cm. 20cm. 3. 幹のみ. -. -. -. 黒. 5. 約 0.8cm. 20cm. 2. 幹+根. 7. 3cm. 3cm. 緑. 6. 約 0.7cm. 20cm. 2. 幹+根. -. -. -. 無. 7. ー. 10cm. 10. 根毛群. -. -. -. -. て馬蹄形が多いことから、標準馬蹄形断面を採 用した。流木模型の形状については、過去の洪 水後の流木調査より決定し、流木模型の種類を No.1〜7 の7種類とした。実験に用いた流木模 型を図‑1、寸法を表‑1に示す。実験条件を表-. 長さ 1 投入当たりの本数. 形状. 根本数 根広幅R 根長H. 色. 2に示す。 表‑2. 実験ケース. ケース. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 余裕率(%). 15%. 0.3Q+15%. 15%. 0.3Q+15%. 15%. 15%. 0.3Q+15%. 15%. 0.3Q+15%. 5%. 10%. 15%. 勾配. 1/200. 1/200. 1/300. 1/300. 1/300. 1/300. 1/300. 1/1000. 1/1000. 1/1000. 1/1000. 1/1000. 流量(m3/s). 43.3. 43.3. 50.0. 50.0. 100.0. 199.2. 181.7. 200.0. 200.0. 108.0. 104.4. 100.0. 注)余裕率とは、断面割増率(0.3Q)と空面積率を合わせた値である。また、流量は、現地値である。. キーワード:トンネル河川,余裕率,トンネル閉塞,流木 連絡先:〒305‑0804 つくば市大字旭1番地,Tel. 0298‑64‑2211, ext.4237,Fax.0298‑64‑1168.

(2) 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 2.2. Ⅱ-195. 50. 実験内容. 本実験では、指定した余裕率を確保できる流量 験方法は、各実験ケース(表‑2)において流木模 型を12本と根毛群模型10本の計22本を2秒. 余裕率(%). を流下させ、定常状態において実験を行った。実. 波有. 40. 毎に20回流下させ、トンネル本管内の流況、閉. 波無 30 実際の余裕率が 10%以下である。. 20 10. 塞状況を観測した。 0. 3.実験結果. 1/1000. ・勾配が緩く余裕率 0.3Q+15%の条件では、トン ネル本管内の流速が遅いためトンネル壁面との表. 勾配. 図‑2. 1/300. 1/200. 余裕率と勾配. 面張力により滞留する流木が増えるが、これは、 流木の特性による影響であり、流木の流下には、 影響が少ない。. 0.30. ・図‑2より、トンネル勾配が 1/300 と急にな 発生すると水位が上昇した状態になり部分的では あるがトンネル模型の実際の余裕率が 10%以下 に小さくなるため、流木滞留率は増加する。. 流木滞留率(%). ると高さ約 1.7cm の水面波が発生する。水面波が. 0.25 0.20. 15%以下で流木 滞留数減少. 0.15 0.10 0.05. ・流木滞留率と余裕率の関係を図‑3に示す。. 0.00. 図‑3より余裕率が 10%以下となると流木滞留率. 0. 10. は増加し、余裕率が 15%を上回ると流木滞留率が. 40 0.3Q+15% 50. 20 30 余裕率(%). 減少する。 図‑3. 4.結論 4.1. 流木滞留率と余裕率. 結論 100. 裕率は、計画流量の 0.3Q+15%とされているが、実. 80. 験結果より最大 15%まで減少させることが可能で ある。また、合理性及び経済性の面から余裕率の 縮小を考えると、図‑4の工事費減少率より、余裕 率 15%にすると工事費は、0.3Q+15%の場合と比べ. 費用減少率(%). 文献1)の設計基準によるとトンネル河川の余. 60 40 20. ると約 33%減少させることができる。 5%. %. +1 3Q 0.. 余裕率(%). 40. % 35. % 30. % 25. % 20. 10. ただし、本実験で得られた結果から、トンネル. %. 0 15. 前提条件. %. 4.2. 断面の余裕率を小さくできる条件は、限られたも のとなる。以下に可能な条件を上げる。. 図‑4. 余裕率と費用減少率. ・将来、流域開発等により、大きな計画流量増 加が見込まれない場合。 ・呑口部に沈砂池等の施設があり、流域特性から著しい土砂堆積がない場合。 ・急勾配により、著しい水面波が発生しない場合。 【参考文献】1) (財)国土開発技術研究センター編集:都市河川計画の手引き‑立体河川施設計画編‑ 2)末次他:トンネル河川水理模型実験,土木研究所資料第 3711 号,2000.2.

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