• 検索結果がありません。

特に図1に示す多径間吊橋(図1では4径間を示す

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "特に図1に示す多径間吊橋(図1では4径間を示す"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

多径間吊橋の力学特性改善に関する提案

−塔頂変位抑制型多径間吊橋(固定吊橋)について−

川崎重工 正会員○江上武史 正会員 大西悦郎 正会員 水上義彦 ゴッドフット企画 正会員 神足史人

1 はじめに

 吊橋はケーブルで吊られた可撓性構造物であるために、活荷重や風荷重などの作用によりたわみやすく振動 しやすい特性を有している。特に図1に示す多径間吊橋(図1では4径間を示す。以降4径間吊橋で説明する)

の側塔以外の塔(4径間では中央主塔)は、直接塔頂がアンカレッジにケーブルを介して固定されていないた め、中央主塔の拘束度が弱くたわみやすい。このため、中央主塔の基部に作用する曲げモーメントが極端に大 きくなり、中間主塔が極めて大型化し不経済設計となる。さらに、橋全体の剛性が低く、例えば中央主塔を挟 む補剛桁のたわみが活荷重などの偏載荷重によって大きくなり、また、主塔を挟んで逆対象モードに対する剛 性が低いことから耐風安定性の面でも不利であると考えられる。しかしながら、海峡横断においては、多径間 吊橋とすることで、それを超長大な3径間吊橋で跨ぐよりもアンカレッジ・ケーブル・塔を小型化でき、また、

小型の3径間吊橋を複数繋いで跨ぐよりも、アンカレッジ(それも海峡の中に設けねばならない)の数を減ら すことが可能で、経済性の面で有利となる可能性がある構造であるとも言える。本論文では、上記の問題を有 する従来の多径間吊橋を簡易な方法で改善する方法を示し、その有効性を解析的検討により示すものである。

2 提案のコンセプト

 従来の4径間吊橋(以下従来吊橋という)と本論文で提案する塔頂変位抑制型吊橋(以下固定吊橋という)

の構造モデルを図2に示す。従来吊橋の中央塔の拘束度は側塔に比べ小さいが、これは、側塔を拘束するケー ブルのサグがf1なのに対し、中央塔は、f2なる大きなサグによって不利に拘束していることに起因してい る。そこで、メインケーブルと補剛桁を利用して中央主塔の拘束度を高めることを考える。その変更方法のポ イントを記すと下記の通りである。

固定吊橋の従来吊橋からの変更点

変更1 補剛桁を橋長全体に亘り軸力を伝達できるように、連続化する(本例ではピン結合で連続している)

変更2 桁端を固定する(ただし、塔頂変位に影響の無い温度によるシンメトリックでかつ十分緩慢に挙動す る補剛桁の伸びについては開放するメカニズムとする。例えば、ダシュポットにより温度による十 分緩慢な変形に対する拘束を開放するか、補剛桁の温度伸び変形を察知するセンサーを用いた制御 機構を有する固定機構により桁端部とアンカレッジを固定するなどのメカニズムとするなど)

変更3 支間中央において、メインケーブルと補剛桁を橋軸方向にずれを生じないように直結するか、強固な ダイアグナルステイケーブルで連結する。

以上の変更において、桁端の連結装置以外は付加的なものをもちいていない。これだけの変更で、中央主 塔の拘束に関するメインケーブルの実際上のサグは、f2からf3に大幅に小さくでき、ケーブルシステムと して著しい性状改善が図れるというのが、本提案のコンセプトである。

3 比較解析

 上記の提案の有効性を証明するために、上記の変更を除き同一の構造緒元(死荷重や剛性など)を有する、

スパン割が、1000m+2000m+2000m+1000m の、従来吊橋と固定吊橋とに関し比較解析を行った。中央主塔塔頂変 位は、偏載荷重によって引き起こされるため、ここでは、形状決定(初期張力算定)を行ったのち、偏載荷重         キ−ワ−ド:多径間吊橋、海峡横断、塔頂変位、サグ

連絡先  :〒675‑0155 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 TEL0794‑35‑8413 FAX0794‑35‑0249

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1269‑

I‑635

(2)

の代表例として活荷重を載荷して解析を行った。その結果を図3および表1に示す。解析結果を要約すると下 記の通りである。

1)補剛桁のたわみは、従来吊橋に比べ、約32%〜35%程度低減する。このことは橋としての剛性が高ま り、たとえば耐風安定性に対しても有利に働くことが考えられる。

2)中央塔基部のモーメントは、通常吊橋の60%程度低減し、端主塔なみになった。このことは、中央塔の 小型化や経済化につながる。ちなみに塔頂変位についても、通常吊橋の60%程度低減する。

3)活荷重の偏載成分によって生じる補剛桁の作用軸力(中央塔拘束荷重)は、応力レベルで40N/mm2程度 であり大きくない(支配的ではない)。

なお、本構造は桁端部や塔部における伸縮装置の小型化やそれに伴う走行性にも寄与できるものと考えられる。

4 まとめ

多径間吊橋の構造システムを中央主塔塔頂変位を抑制するという観点から工夫したアイデアを示し、その有 効性を確認した。今後は、耐風安定性の面からも検討を加えたい。

※ :補剛桁をアンカレッジに固定

    (温度応力の開放については本文を参照)

      図1 従来吊橋      図2 固定吊橋

表1 解析結果の比較

単位 従来吊橋 固定吊橋 最大塔頂変位  Mm     4909     1952 最大塔基部モーメント tf・m   169782    69399 最大補剛桁たわみ(+)  Mm     8562     5581 最大補剛桁たわみ(‑)  Mm   ‑10516    ‑7189

      図3  たわみの比較

‑12000

‑10000

‑8000

‑6000

‑4000

‑2000 0 2000 4000 6000 8000 10000

‑3000 ‑2000 ‑1000 0 1000 2000 3000

桁位置(m)

変位(mm)

従来吊橋 固定吊橋

桁 の た わ み   大

曲 げ モ ー メ ント   大

M o v M o v M ov Mov M o v

桁 の た わ み   小

曲 げ モ ー メ ン ト   小 塔 頂 変 位   小

F i x  ※ 塔 頂 変 位   大

f2 f2 f3

f1

f1

M o v

M o v M o v M o v M o v M o v

F i x   ※

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑1270‑

I‑635

参照

関連したドキュメント

吊橋を設計の立場に立ってながめると,設計の理念なり手法なりを最初に手中にしたのは,近代科学の発祥地の

  主塔については,縦リブ剛度,ダイヤ フラム間隔が道示の規定を満たしてい ないが,実構造は耐震設計上の照査断面

剛性は、試験体毎にばらつきがあり、C2は、初期 剛性がC1よりも約60%、降伏時剛性が約15%高

  シャドウイング法は、広い意味での真空蒸着法の一つで あり電子顕微鏡試料作製技術として完成されている。例え

(1)建設業における人材不足の解決、労働環境の改善、生産性・安全性向上をめざし、ドローン等 を活用した測量、3次元データによる設計図作成、〔

供用後 41 年を経過した関門橋(写真-1:L=178+712+178m)においては、今後の健全性を維持していく目 的で、4 年前から約

材料特性 鋼主ケーブルと CFRP 主ケーブルの主要な材料特性等を表-1 に示す.表にも示したように,以後 6 種類の CFRP はそれぞれ CFRP許容応力度の数値と表現する.これら鋼と 6 種類の CFRP

しかしながら,床版の補修・補強を実施した にも関わらず数年で床版の劣化が進行し,それ を起因とする舗装路面の損傷が発生する状況が