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所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 吉野

ヨ シ ノ ジュン

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

学 位 記 番 号 健博 第

120

号 学位授与の日付 平成

28

9

30

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 子どもの体調不良をめぐる働く母親の経験 論 文 審 査 委 員 主査 教 授 飯村 直子

委員 教 授 安達 久美子 委員 教 授 西村 ユミ

【論文の内容の要旨】

1.

研究目的

保育所や幼稚園に通う子どもの体調不良に直面し対応してきたことが、働く母親にとっ てどのような経験であるのかを母親の語りから記述する。

2.

研究方法

研究デザインは質的記述的研究である。研究参加者は、乳幼児を育てながら働く母親

12

名であり、子どもが保育所ないし幼稚園に通う者とした。データ収集方法は、子育て支援 サービスを提供する団体を通じて研究参加者を募り、半構成的面接法を行った。データの 分析は、語られた内容から、子どもの体調不良に際し、働く母親は何に直面しどのような 対応をしてきたのかに焦点を当てて分析し、子どもの体調不良をめぐる働く母親の経験の 意味づけを行い、テーマを抽出した。平成

26

年度首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫 理委員会の承認(承認番号

14059

)を得て行った。研究参加者には、文書を用いて研究の趣 旨や方法、倫理的配慮について説明し、同意を得た。

3.

結果

子どもの体調不良をめぐる働く母親の経験について、

4

つのテーマが見いだされた。

1

)子どもの体調不良という窮地を、綱渡りで乗り切る

子どもが体調不良になった時、仕事と子どもの看病の調整を迫られ、自分が休むか、自 分の持てるあらゆるサポートを総動員して看病を何とか間に合わせ、その場を切り抜けて いた。しかし、仕事も休めずサポートも得られなかった時、体調不良を押して、子どもを 保育園に行かせ、その場をしのいでいた。

2

)仕事にも子どもにも負い目を感じ、苦悩している

(2)

博士学位論文内容の要旨

子どもの体調不良により仕事を休むことは「穴をあけること」であり、許されないと考 えていた。仕事への責任や評価、職場への迷惑を強く意識し休みづらさを感じていた一方 で、働いているため子どもに十分なことがしてやれないという申し訳なさから、病気の時 ぐらい仕事を休んで看病してやりたいと願い、仕事と子どもの看病との間で悩んでいた。

3

)何とか回している生活が、子どもが体調不良になっても立ち行かなくならないように備 えておく

母親たちは、忙しい時間の中で、生活が円滑に進むようにやりくりし、何とか「回して」

いた。夫や周囲の人々を巻き込み、子どもの体調不良時にサポートが得られるよう関係づ くりをし、子どもが体調を崩さないように生活を管理していた。また、やむを得ず休んだ 場合にも職場への影響が最小限になるように根回しをしていた。

4

)育児も仕事も中途半端と思いながら、「子どもを育てながら働くこと」の折り合いを つけようとしている

母親たちは、仕事と子育ての両立という厳しい状況の中で、子どもの健康に一喜一憂し、

仕事を続けられるか悩んでいた。それでも、仕事は自分の一部であり、自分が自分である ために必要なものだった。将来のために今できることを細々と続けていくしかないと考え、

仕事と子育ての折り合いをつけようとしていた。

4.

考察

働く母親は、子どもの健康に左右されながら、制約された時間の中で、家事や育児、仕 事に関わる多くのことをこなし、日々の生活を必死に「回していた」。子どもの体調不良 に伴い、そのやりくりは行き過ぎたコントロールへとつながっていることが推察され、子 どもの健康は危機にさらされていた。仕事に対する責任や評価という重圧、子どもに対す る母親としての至らなさや世間の評価が負い目となり、さらに母親を苦しめていた。母親 の苦悩と負担を理解し、母親と子どもの健康と発達を守るための支援が必要と考えられた。

母親たちは、そのような過酷な状況の中で自己の生き方を模索しており、仕事は自分の 一部であり切り離すことはできないと考え、子育てと「折り合い」をつけ、細々とでも働 き続けようとしているのだと考えられた。

以上のことから、働く母親と子どもへの支援についての課題が示された。

1

)仕事と子育

ての両立における母親の苦悩や負担を理解し、その重圧から解放されるような社会の意識

の変化を促す努力をすること、

2

)働く母親が子どもの体調不良においても、子どもの健康

と発達を守ることができるようなサポート体制を充実させていくこと、が重要であると考

える。

参照

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