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所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 伊藤

イ ト ウ

久美

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

学 位 記 番 号 健博 第

104

号 学位授与の日付 平成

28

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 子どもの

End-of-Life Care

に携わる看護師達が、語り合う会を通

して起こした変化

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 飯村 直子 委員 教 授 山村 礎 委員 教 授 西村 ユミ

委員

教 授 草柳 浩子

(

上智大学

)

【論文の内容の要旨】

1.

背景

子どものEnd-of-life Careに携わる看護師達は、「再発やターミナル期の先にある死を 考えると心が折れる」という思いの中、懸命にケアしていても、知識や技術の不足を感じ、

「何もできなかった」という、無力感に陥るような体験や離職につながっていた。この様 な状況に陥らないために実践への示唆は報告されているが、どのタイミングでどのような プロセスを踏めば、無力感に陥らない方向へ変化をしていけるのか、明らかにされた研究 はほとんど見当たらなかった。

2.

目的

アクションリサーチの手法を用いて、子どもの

End-of-Life Care

に携わる看護師達が、

ともに語り合う会(以下、『語ろう会』)を行うことで、子どもの

End-of-Life Care

に 対する意識や捉え方、実践がどのように変化していくのか、起こる変化とそのプロセス を記述し明らかにすることを目的とした。

3.

方法

本研究のデザインは、アクションリサーチを用いた質的記述的研究であった。主要なア クションは、『語ろう会』であった。研究参加者は、 子どもの

End-of-Life Care

に携わる 看護師

19

名であり、小児看護経験年数

9

か月~

20

年以上だった。データ収集は、参加者 達が記載したジャーナルと、『語ろう会』の逐語禄であった。データ分析は、 参加者達 が子どものEnd-of-Life Careに対する意識や捉え方、実践がどのように変化していくのか、

参加者個人、会の中で起こった変化、会を通して変化してきたことなど、時系列に分析し

(2)

博士学位論文内容の要旨

変化のプロセスを記述した。倫理的配慮は、平成25年度首都大学東京荒川キャンパス研究 安全倫理委員会(承認番号13047)と研究施設の臨床試験審査委員会(承認番号2013030)

から承認を得た。その後、調査を実施した。研究施設、研究参加者に対する研究依頼は、

文書を用いて説明し同意を得た。

4.

結果

会の開催当初の参加者達は、

End-of-Life Careに対してネガティブな捉え方をしていた。

しかし、会の中で自分の正直な感情を吐き出し、参加者同士で様々な思いを共有できると、

「間違ってなかった」「やって良かった」など、徐々に自分の意識にも変化が起こること が分かり、語ることの大切さや、語り合う場の必要性を感じ始めた。さらに、回を重ねる ごとに『語ろう会』は、困っていることなど何を話しても良い、違う意見も受け入れられ 否定されないなど、経験年数も関係なく自由に語ることができる場として浸透し始めてい た。このような自由に語り合える場の中で、悩みは受け入れられ、ともに考えながら悩み の塊をほぐす、そこから新たな具体的ケアを生み出し、実践するという流れができ始めて いた。そして参加者達が起こした実践は、参加していない他のスタッフの意識や実践にも 波及していたことが明らかになった。

5.

考察

子どもがEnd-of-Life にある時に、看護師同士が語り合う意味は、残された時間の中で、

タイミングを逃さず、そして子どもや家族が納得できるケアを提供することにつながり、

この実践が、子どもが亡くなった後も後悔ばかりが残る今までの状況とは大きな違いにな

ると考えられた。自由に語り合える場の中で、様々なきっかけを通し、徐々に子どもの

End-of-Life Careに対する意識や捉え方、実践は変化しており、それは、参加者達が目指

した、肯定的で達成感が得られるような実践に変化させる、というプロセスを辿っていた

ことが推察された。子どものEnd-of-Life Careに携わる看護師達には、語り合える場は必

要不可欠であり、日々の業務の中でも語り合える場を作ることは重要である。

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