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博士(文学)尹 相実 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(文学)尹   相実 学位論文題名

現代日本語判断系モダリテイの記述的研究

――文末形式分析を通して――

学位論文内容の要旨

  本論文は、話し手の判断をめくる、いわゆる判断系モダリティの全体像の解明を目指し、

主に文末形式の分析を通して考察したものである。

  第1章「 序論」で、先行研究を整理し、課題の設定と記述分析の方法論が述ぺられてい る。

  第2章「 モダリテイ諭素描」で、モダリテイ論全般にわたっての概要を述べるために、

文末、従属句末・連体句内、文頭・句頭という、文中に現れる位置と機能による主モダリ テイ、副モダリテイ、従モダリテイの検討を行い、文末形式に託されるモダリティの階層 性の分析をしている。

  第3章「 判断系モダリテイ」で、2種6類の下位類型の設定の手順と根拠、所属の代表形 式を提示、その妥当性を裏付けるために、実際の資料に当たって複合型の文末形式の出現 状況を調査分析している。

  第4章「非確言系のモダリテイ」で、「ダロウ」「ヨウダ」「ラシイ」「ソウダ」の比較・

分析をしている。話し手が何らか(無い場合を含む)の知識・情報をよりどころにして命 題の作成や判定を試みることを示す形式として一括できるが、話し手が命題作成や判定の よりどころを持っているか否か、そのよりどころの存在が強調されているかどうか、また よりどころになる知識・情報が外的なものか話し手の内的なものかなどによって区別され る、としている。

  第5章「蓋然性表明型の判断モダリテイ」で、「カモシレナイ」「二チガイナイ」を扱い、

話し手が想定している命題成立の蓋然性を明示的に表すモダリテイとして一括し、「二チ ガイナイ」は、ある命題が真である蓋然性を持ち、しかもその蓋然性が高いことを示す有 標形、「カモシレナイ」は、ある命題が真である蓋然性を持つことだけを示し、その蓋然性 の度合いの高低にっいては別に関与しないことを示す無標形として対立する、としている。

  第6章「説明型の判断モダリテイ」で、「モノダ」「コトダ」「ノダ」を扱い、命題内容に 対する話し手の真偽判断を表し、その真がどのようなものかにっいての話し手の説明の態 度を示すモダリテイとして一括し、「モノダ」と「コトダ」は命題内容をく一般的な真冫と 認めるか否かによって区別され、レベルの異なる「ノダ」とは命題を作る事柄問の関係成 立 を 真 と 認 め る く 関 係 認 定 性 > の 有 無 を 以 て 対 立 す る 、 と し て い る 。

‑ 55―

(2)

  第7章「推論型の判断モダリテイ」で、「ハズダ」「ワケダ」を扱い、命題内容に対する 話し 手の真 偽判断に 推論過 程が含まれることを明示的に示すモダリテイとして一括し、

「ハ ズダ」 が前提の 事柄Pから導 き出されるQの成立自体が真であるとの推論過程を含む のに対して、「ワケダ」は事柄PとQの関係成立が真であるとの推論過程を含む点で区別さ れる、としている。

  第8章「価値認定型の判断モダリテイ」で、「ベキダ」「ホウガイイ」「ナケレバナラナイ」

を扱い、命題内容に対する話し手の価値判断を表すモダリテイとして一括し、「ベキダ」と

「ホウガイイ亅は命題内容に対する話し手のく妥当性判断>を、「ナケレバナラナイ」はく 必要性・必然性判断>を表す、とし、前の二者はその妥当性が絶対的か相対的かによって 区別される、としている。

  第9章「結語」で、モダリテイ表現は最終的に話し手の自分の発話に対する責任の問題 に 帰 さ れ る こ と の 言 語 的 具 現 で あ る こ と が 、 整 理 し て 述 べ ら れ て い る 。

56一

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主査   教授   石塚晴通 副査   教授   宮澤俊雅 副査   教授   門脇誠一 副査   教授   小野芳彦

副査   助教授    金水   敏(大阪大学)

学 位 . 論 文 題 名

現 代 日 本 語 判 断 系 モ ダ リ テ イ の 記 述 的 研 究

― ― 文 末 形 式 分 析 を 通 し て ― 一

  日本語モダリテイの研究は、比較的新しい研究分野であり、先行研究の蓄積も不十分で 諸説の定着も見られない現状の中で、本論文は実用例を豊富に採集して丁寧な分析記述を 全面的に行うという、極めてオーソドックスな方法を取り、安定した成果を上げている。

  日本語の判断系モダリテイの形式は、非判断系モダリテイに比して数量的にも豊富であ り、個々の形式の意味用法が多岐に分かれる為に相当複雑な構造となっているが、本論文 は、モダリテイ的意味による下位カテゴリーを設定して、意味を担う代表的形式にっいて 丁寧な記述分析を行い、各モダリテイ形式が同類型の中でどのような点で一括でき、また ど の よ う な 点 で 対 立 す る か を 明 ら か に す る こ と に 成 功 し て い る 。   モダリテイ表現は最終的に話し手の自分の発話に対する責任の問題に帰されることの言 語的具現であり、

(1)話し手が自分を取り巻く客体世界の事柄を認識して判断を下す時に、どのような態度     を取るかの選択の具現

(2)話し手は前項の選択に際して、より客観的態度を取るか、より内省的態度を取るかの     選択の具現

と実用例を豊富 に採集して分析、結論づけており、当分野における研究成果として高く評 価し得る。

  中でも、第4章「非確言系のモダリテイ」で、「ダロウ」「ヨウダ亅「ラシイ」「ソウダ亅 の意味・用法を整理する際に設定された「命題の作成者(情報源)」と「命題の判定者」の 区別などは、今 後のモダリテイ研究に影響を与え得る有効な概念である と認められる。

‑ 57

(4)

  本論文が論文 博士としての学位申請論文であり、主査を初めとする審査員の専門分野を 配慮して、モダ リテイ研究の専門家として加えられた外部審査委員からも、高い評価報告 を得ている。

  以上により、 本委員会は、本論文の著者尹相実氏に博士(文学)の学位を授与するこ とが妥当である との結諭に達した。

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参照

関連したドキュメント

  

   以上の結果は、PBN とぃう非夕ンパク性ニトロン化合物が、in vitro

本号は学位規則(昭和28年4月1日文部省令第9号)第8条の規程による公表を目的として、平成

   審査の方法および経過は以下の通りである,まず: 2012 年9 月5 日に第1 回審査委員会を開 催し,各委員への審査論文配布と審査日程の確認を行った.続いて,2012

  

  

   よって中請者は歯学t

の 平面 腐食試 験に 対し て新 知見 をも たら した ことに対し、全審査 員 より 高く評 価さ れた 。ま た提 出者 は、 本研 究の今後の発展性に っ いて も具体 的に 提示 し、 歯学