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輪重横圧推定式による乗り上がり脱線に対する安全性評価

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Academic year: 2022

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(1)IV-292. 輪重横圧推定式による乗り上がり脱線に対する安全性評価 ○鉄道総合技術研究所 正会員 村松 浩成 鉄道総合技術研究所 正会員 高井 秀之. 2.輪重横圧推定式の構成 2.1 輪重推定式 輪重推定式は以下の 3 つの要素から構成されている。 (1)内外軌の静止輪重に対する遠心力による定常的な輪 重増減を考慮: P(外軌) 、 P(内軌) o i (2)緩和曲線でのカント逓減や平面性狂いにより発生す る軸ばね・枕ばねの伸縮による輪重増減を考慮: ∆P (3)曲線通過時に生じる空気ばねのねじれの反力(=F1) の輪重成分を考慮:F1/tan60°. 2.3 限界脱線係数 限界脱線係数の算定には従来と同様にナダル(Nadal) の式を用いるが、これに用いる摩擦係数μには、車両の 走行位置における曲率の差異を反映するため、車輪アタ ック角の関数となる等価摩擦係数μeを用いる。 限界脱線係数:(Q P )cri =. tan α − µ e 1 + µ e tan α. α:車輪フランジ角(rad). ………(4). μe:等価摩擦係数. 2.4 推定脱線係数比 式(4)による限界脱線係数と、式(1)、(3)による外軌側 脱線係数の比を推定脱線係数比と称し、この値が 1.0 を 超えていれば、乗り上がり開始状態にないことを表す。 推定脱線係数比=. (Q P )cri (Qo Po ). …………………(5). 3.輪重横圧推定式による推定値と実測値の比較 走行試験時に得られた外軌側の輪重、横圧、脱線係数 の実測値と、輪重横圧推定式による推定値を比較した結 果を図 1 に示す。図 1 より、推定値は概ね実測値の平均 的なところを捉えていることが分かる。 外軌側輪重・内軌側輪重の比較 50 40. 輪重(kN). 1.はじめに 急曲線(特に、出口側緩和曲線の始点付近)を低速で 走行する車両の乗り上がり脱線が、 近年増加傾向にある。 このような乗り上がり脱線の影響因子には、 車両側では、 左右静止輪重比や軸ばね・枕ばねの硬さ等が、線路側で は、曲線半径、カント、軌道狂い等が挙げられ、その他 にも走行速度や車輪/レール間の摩擦係数も大きく影響 する。 乗り上がり脱線に対する安全性の評価方法としては、 外軌側の脱線係数が限界脱線係数以下なら乗り上がりは 発生しないと判断する方法があり、その際の脱線係数の 推定値を求める方法として、車両・線路の各パラメータ を入力条件とする輪重横圧推定式が提案されている。 本研究では、輪重横圧推定式の構成及び実測値との比 較について述べるとともに、推定脱線係数比(=限界脱 線係数/推定脱線係数)の感度分析結果から、乗り上が り脱線に影響を与える各因子に対する考察を行った。. 鉄道総合技術研究所 正会員 内田 雅夫 鉄道総合技術研究所 石田 弘明. 外軌側輪重推定値. 30. 内軌側輪重推定値 □ ●. 20. 外軌側輪重実測値 内軌側輪重実測値. 10 0 0. 10. 20. 30 速度(km/h). 40. 50. 外軌側横圧の比較. ………(1) ………(2). 30. 横圧(kN). 内軌側輪重: Pi = Pi + ∆P − F 1 / tan 60°. 35. 2.2 横圧推定式 横圧推定式は以下の4つの要素から構成されている。 (1)内軌側の摩擦係数(=内軌側横圧輪重比κ)から算出 される摩擦力による曲線転向横圧を考慮: Q i = κPi (2)遠心力による輪軸横圧と曲線通過時に生じる空気ば ねのねじれの反力(=F1)を考慮: ∆Q AS (3)軌道狂いによる輪軸横圧の変動分を考慮:∆Q AD (4)レール継目部での衝撃的な横圧変動分を考慮: ∆Qunsp 外軌側横圧:Q o = Qi + ∆Q AS + ∆Q AD + ∆Qunsp …(3). 推定値(κ=0.4). 25. 推定値(κ=0.5). 20. ○ 実測値(0.35<κ≦0.45) ▲ 実測値(0.45<κ≦0.55). 15 10 5 0 0. 10. 20. 30 速度(km/h). 40. 50. 外軌側脱線係数の比較 1.6. 外軌側脱線係数. 外軌側輪重: P0 = P0 − ∆P + F 1 / tan 60°. 1.4 1.2. 推定値(κ=0.4). 1 0.8. 推定値(κ=0.5) ○ 実測値(0.35<κ≦0.45) ▲ 実測値(0.45<κ≦0.55). 0.6 0.4 0.2 0 0. 10. 20 30 速度(km/h). 40. 50. 図 1 輪重横圧推定式による推定値と実測値の比較. キーワード:乗り上がり脱線、輪重横圧推定式、脱線係数、推定脱線係数比 連 絡 先:〒185-8540 東京都国分寺市光町 2-8-38 鉄道総合技術研究所 軌道技術研究部 軌道管理 TEL 042-573-7278 FAX 042-573-7296. -584-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) IV-292. 【フランジ角 60 度】. 1.5 1.0. R200m R400m R600m. 2.5 2.0 1.5 1.0. 1.1. R200m R400m R600m. 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0. 10. 30. 50 70 設定カント(mm). 90. 10. 110. 30. 50 70 設定カント(mm). 90. 110. 3.5. 3.5 R200m R400m R600m. 2.5. R200m R400m R600m. 3.0 推定脱線係数比. 3.0. 2.0 1.5 1.0. 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5. 0.5. 0.0. 0.0 0. 200. 0. 400 600 800 1000 1200 カント逓減倍率(倍). 3.5. 200. 400 600 800 1000 1200 カント逓減倍率(倍). 3.5 R200m R400m R600m. 2.5. R200m R400m R600m. 3.0 推定脱線係数比. 3.0. 2.0 1.5 1.0 0.5. 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5. 0.0. 0.0 0. 2. 4 6 8 10 軸距平面性狂い(mm/2m). 12. 0. 3.5. 2. 4 6 8 10 軸距平面性狂い(mm/2m). 12. 3.5. 2.5 2.0 1.5 1.0. R200m R400m R600m. 3.0 推定脱線係数比. R200m R400m R600m. 3.0. 0.5. 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5. 0.0. 0.0 0.35 0.40 0.45 0.50 0.55 0.60 内軌側横圧輪重比κ(基本踏面モデル). 0.35 0.40 0.45 0.50 0.55 0.60 内軌側横圧輪重比κ(基本踏面モデル). 3.5. R200m R400m R600m. 3.5 R200m R400m R600m. 2.5. 3.0 推定脱線係数比. 3.0. -585-. 0.7 0.8 0.9 1.0 外軌側車輪の静止輪重比. 3.5 推定脱線係数比. 推定脱線係数比. 1.0. 0.6. 0.0. 推定脱線係数比. 4.2 各因子に対する考察 (1)外軌側車輪の静止輪重比 この因子が1に近づくほど外軌側輪重が増加し、これ による内軌側輪重の減少に伴い曲線転向横圧が減少する ため、脱線係数は小さく、推定脱線係数比は大きくなる。 (2)カント この因子の減少に伴いカント超過量が小さくなり、内 外軌の輪重差が減少して外軌側輪重が増加する。 さらに、 内軌側輪重の減少に伴い曲線転向横圧が減少するため、 脱線係数は小さく、推定脱線係数比は大きくなる。 (3)カント逓減倍率 この因子の増加に伴い緩和曲線部での構造的な平面性 狂いが小さくなり、 外軌側での輪重抜けが減少するため、 脱線係数は小さく、推定脱線係数比は大きくなる。 (4)軸距平面性狂い(カント逓減による構造分を除く) この因子の減少に伴い軸ばねの伸縮による外軌側での 輪重抜けが減少するため、脱線係数は小さく、推定脱線 係数比は大きくなる。 (5)内軌側横圧輪重比κ この因子の減少に伴い曲線転向横圧は減少するが、κ は輪重に影響しないため、脱線係数は小さく、推定脱線 係数比は大きくなる。 (6)走行速度 この因子の増加に伴いカント超過量が小さくなり、内 外軌の輪重差が減少して外軌側輪重は増加するが、軌道 狂いや継目衝撃による横圧変動分も増加する。今回の計 算条件においては、曲線半径 200m、400mでは前者の影 響により走行速度の増加に伴い脱線係数は小さく、推定 脱線係数比は大きくなるが、曲線半径 600mでは後者の 影響により逆の結果となる。 (7)車輪フランジ角度 この因子の増加に伴い輪重・横圧・脱線係数の推定値 は変化しないが、限界脱線係数が増加するため、結果と して、推定脱線係数比も増加する。. 1.5. 1.1. 0.5. 推定脱線係数比. 10 外軌フランジ部摩擦係数μ 0.3 輪軸横圧変動係数 0.00015 継目衝撃有効分(%) 20 通り狂いσ(mm) 2.5 軸距平面性狂い(mm) 3mm/2m+構造分 台車中心間平面性狂い(mm) 構造分のみ 内軌側横圧輪重比κ 0.55. 2.0. 0.0 0.7 0.8 0.9 1.0 外軌側車輪の静止輪重比. 3.0. 4.その他 横動遊間(mm). 2.5. 0.5. 3.5. 推定脱線係数比. 10. カント(mm) カント逓減倍率(倍) スラック(mm). 推定脱線係数比. 2.0. 0.6. 200 400 600 105 400 10. R200m R400m R600m. 3.0. 0.0. 推定脱線係数比. 2.走行条件 走行速度(km/h). 曲線半径(m). R200m R400m R600m. 2.5. 0.5. 3.線形条件. 1.3 56 0.9 2.2 12 1620 2000 1067 上下軸ばね定数/1軸箱(MN/m) 1.40 上下枕ばね定数/台車片側(MN/m) 0.33 枕ばね前後剛性/台車片側(kN/m) 153 基本踏面 車輪踏面形状. 3.5. 3.0. 表 1 感度分析の計算条件 1.車両条件 車両重心高さ(m) 静的軸重(kN) 外軌車輪の静止輪重比 軸間距離(m) 台車中心間距離(m) 左右軸ばね間隔(mm) 左右枕ばね間隔(mm) 軌間(mm). 【フランジ角 70 度】. 3.5 推定脱線係数比. 4.推定脱線係数比の感度分析結果 4.1 感度分析結果 表 1 に示す計算条件を基本に、以下に示す6つの影響 因子の推定脱線係数比に対する感度分析を、車輪フラン ジ角 60 度及び 70 度を想定した場合に対して実施した。 計算結果を図 2 に示す。. 2.0 1.5 1.0 0.5. 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5. 0.0. 0.0 0. 10. 20 30 40 走行速度(km/h). 50. 60. 0. 10. 20 30 40 走行速度(km/h). 50. 60. 図 2 推定脱線係数比の感度分析結果. 5.まとめ (1)遠心力や空気ばねのねじれ等を考慮した輪重推定式 及び横圧推定式を構成した。 (2)限界脱線係数と外軌側脱線係数の比を推定脱線係数 比と定義し、乗り上がり脱線に対する評価を行った。 (3)輪重横圧推定式による輪重、横圧、脱線係数の推定値 と実測値を比較することにより、 その精度を確認した。 (4)推定脱線係数比の感度分析結果から、 乗り上がり脱線 に影響を与える各因子に対する考察を行った。. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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