放射線生物研究 Radiation Biology Research Communications 49(3), 248-262, 2014
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<総 説> Review
細胞質内ストレス顆粒の形成と細胞生存への寄与
東京大学医科学研究所 分子細胞情報分野
1、 東京大学医科学研究所 分子シグナル制御分野
2松崎(有本)京子
1*、武川睦寛
2、斎藤春雄
1(2014 年 7 月 31 日掲載決定)
Formation of stress granules and its contribution to cell survival
1Division of Molecular Cell Signaling, Institute of Medical Science, The University of Tokyo,
2Division of Cell Signaling and Molecular Medicine, Institute of Medical Science,
The University of Tokyo
Kyoko Arimoto-Matsuzaki1*, Mutsuhiro Takekawa2, Haruo Saito1 (Accepted for publication 31 July 2014)
細胞はヒ素や熱ショック、低酸素、ER ストレスなどの特定のストレス刺激に応答して、細胞質 内にストレス顆粒と呼ばれる一過性の構造体を形成する。このとき、ハウスキーピング遺伝子をコ ードするような多くの mRNA が RNA 結合タンパク質とともにストレス顆粒内へ取り込まれ、翻訳が 一時的に停止する。細胞は、ストレス顆粒を形成することで、異常タンパク質の蓄積や更なる細胞 損傷を防御している。一方、ストレス応答性タンパク質(Heat shock タンパク質など)をコードす るような mRNA はストレス顆粒へは取り込まれず、ストレス状況下でも積極的に翻訳が実行される ことで、細胞のストレス耐性に寄与している。最近の研究から、ストレス顆粒は mRNA の翻訳を制 御するだけでなく、アポトーシス関連因子を取り込み、そのアポトーシス促進機能を阻害すること によっても、細胞の生存に寄与することが明らかになってきた。さらに、このようなストレス顆粒 形成による細胞死の抑制と疾患との関連も報告されてきている。そこで本稿では、ストレス顆粒の 形成、解体機構、及びその機能に関して、我々が見出した最新の知見も含めて紹介したい。
キーワード:ストレス顆粒、ストレス応答、アポトーシス
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