気象衛星
NOAA
データ処理装置高 部 広 昭 い 山 内 恭
2
NOAA Data Processing System H i r o a k i T A K A B E 1 and T a k a s h i Y AMANoucm2
A b s t r a c t : The 2 8 t h J a p a n e s e A n t a r c t i c R e s e a r c h E x p e d i t i o n h a s i n s t a l l e d a NOAA d a t a p r o c e s s i n g s y s t e m a t Syowa S t a t i o n ( 6 9 ° 0 0 ' S , 3 9 ° 3 5 ' E ) and h a s s t a r t e d t h e o p e r a t i o n . T h i s s y s t e m i s u s e d t o o b t a i n c l o u d and s e a i c e d i s t r i b u ‑ t i o n i n t h e broad a r e a u n d e r t h e p r o j e c t of" A n t a r c t i c C l i m a t e R e s e a r c h (ACR)", which s t a r t e d i n 1 9 8 7 . The main p a r t o f t h e s y s t e m i s composed o f a FACOM S 3 3 0 0 m i n i c o m p u t e r , which i s u s e d t o a c q u i r e t h e r e c e i v e d d a t a o f s a t e l l i t e a t a r e a l t i m e , t o make t h e c a l i b r a t i o n t o o b t a i n t h e a l b e d o and t e m p e r a t u r e , t o make a map p r o j e c t i o n , t o d i s p l a y t h e i m a g e s and t o s t o r e t h e d a t a i n com‑
p u t e r c o m p a t i b l e t a p e s . Moreover, i m a g e s o f b r i g h t n e s s t e m p e r a t u r e d i f f e r e n c e and h i s t o g r a m a r e made t o d i s c u s s t h e way t o d i s c r i m i n a t e c l o u d s o v e r t h e snow and i c e s u r f a c e s .
要旨:第
2 8
次南極地域観測隊では,気象衛星NOAA
データ処理装置を昭和基地( 6 9 ° 0 0 ' S , 3 9 ° 3 5 ' E )
に搬入,運用を始めた.これは,1 9 8 7
年から始まった「南極域 における気候変動に関する総合研究( A n t a r c t i cC l i m a t e R e s e a r c h : ACR)
」の中で,衛星画像データの処理を通じて広域の雲や海氷分布を求めるためのものである.
FACOM S 3 3 0 0
ミ ニ コンヒューターを中心としたシステムで,受信データをリアル タイムに取り込み, キャリプレーションを行うことでアルベドや湿度に変換し, 投 影変換を行い,結果を画像表示し また磁気テープに保存する.その他,雪氷面上 の雲識別方法の検討を行うため,輝度温度差画像やヒストグラムを作成した.1 .
は じ め に7 3
第
28
次 南 極 地 域 観 測 隊 は 気 象 衛 星NOAA
の主に画像データ(Advanced Very High Resolution Radiometer: A VHRR)
の 処 理 を 行 う た め に 「NOAA
デ ー タ 処 理 装 置 」 を 昭 和 基地に持ち込んだ.これは,1 9 8 7
年 か ら 行 わ れ て い る 「 南 極 域 に お け る 気 候 変 動 に 関 す る 総 合 研 究 計 画( A n t a r c t i cClimate Research: ACR)
」(山内・高部,1 9 8 9 )
の中で,重点課題とし て 行 わ れ る 気 象 衛 星
NOAA
に よ る 太 お よ び 海 氷 観 測 の た め の も の で あ り , 通 年 の 衛 星 画 像 デ ー タ の 処 理 を 通 じ て , 広 域 の 実 の 分 布 特 性 , 海 氷 の 分 布 特 性 , そ れ ら の 変 動 を 明 ら か にしようというものである.
NOAA
デ ー タ の 受 信 は 従 来 か ら 行 わ れ て き た(TANAKAe t a l . , 1 9 8 2 ) .
し か し 受 信 後 の 処 理 に つ い て は , 現 場 で は 高 密 度 磁 気 テ ー プ に デ ー タ を 記 録 し , モ ニ タ ー 画 像 と し て レ ー ザ ー1
ファコム・ハイタック(株) .Facom H i t a c L t d . , 6 , Sanbancho 2 ‑ c h o m e . C h i y o d a ‑ k u , Tokyo
1 0 6 .
2
国立極地研究所.N a t i o n a l I n s t i t u t e o f P o l a r R e s e a r c h , 9 ‑ 1 0 , Kaga 1 ‑ c h o m e , l t a b a s h i ‑ k u ,
Tokyo 1 7 3 .
74
高部広昭• 山 内 恭 〔南極資料 ファクスの出力画像(生データの出力)が得られただけであった.この出力画像だけでは実や 悔氷の識別も難しいし,昭和加地周辺の詳細な様子も分からず,せっかくの高分解能データ でありながら,現場では十分利用できないという弱点があった.今回,昭和桔地にNOAA
データ処理装置を蒋入することにより,NOAA
受信後直ちに両像処理を行い,火の分布や 海氷の分布を見ることができ,また,現場で放射観測等の他の観測結果と比較ができるよう になった.高分解能の画像出力が得られることで,航空機観測などほかの観測計画を検討す る上でも参考となり,さらに日々ルーチン的に処理を行うことにより多鼠のデータの一次処 理を越冬中に完了することができ,南極の大気状態の年々の変動をつかむ上でも威力を発揮 することになる.本稿では以下に,データ処理装置の概要および第
2 8
次観測隊での昭和基地への設趾,運 用,さらに,結果の一例について報告する.2 . NOAA
データ処理ヽンステム2 . 1 .
システム概要今回昭和基地に設協したデータ処理ヽンステムは,
1 9 8 0
年に第2 1
次観測隊によって設骰さ れた気象衛星NOAA
受信ヽンステムのフォーマットシンクロナイザー(AYDINM 4 4 2 )
からインターフェース装樅(明星電気製)を介してリアルタイムにミニコンピューター(富士 通,
FACOMS 3 3 0 0 )
にテータを取り込み,画像処理を行うものである.処理した結果はグ ラフィックディスフレイに表示することができ,磁気テーフ,ラインプリンター,ハードコ ヒー装置,XY
プロッターヘ出力する.全体の概念図を図l
に示す.受信システム部の構成および今回の処理ヽンステムとの関係を図
2
に示す.NOAA
の受信Receiving system
Interface
Antenna
S3300
Out putto line printer Data recording
to CCT
Image display
‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
一
‑ ‑
一一 ‑ ‑
一
一一
‑ ‑
Hard copy
Data acquisition Processing
一一
一一一
Drawing
by X Y ‑plotter 図
1 NOAA
衛星データ処理ヽンステム概念図Fig. 1. Schematic diagram of NOAA data processing system.
V o l . 3 3 , No. 1
〕Antenna
D r i v i n g s i g n a l
気象衛星
NOAA
データ処理装置Bit
s y n c h r o n i z e r AYDIN M336
Data r e c o r d e r H o n e y w e l l
M101
図
2 NOAA
衛星受信システムブロック図Format s y n c h r o n i z e r AYDIN M442
L a s e r FAX M u l l e r M300
Image
75
F i g . 2 . B l o c k diagram of NOAA d a t a r e c e i v i n g s y s t e m .
Floppy disk
Character display
Character display
` ヽ ; Character display
Serial printer
Line printer
M a i n system
Subsystem
I I
'-~
ごごごこここニ――l I I
I II
――ー、 I II ' r ̲I I I
, ̲ ̲ ̲ ̲ , , ,
,, I II I I I
‑ ‑ ‑ 、 I l
召';,‑‑」
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1
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‑ ‑ ‑ ‑ I, ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ,
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I ,‑J I ' 1
1 ̲ ‑̲, I , ̲ ̲ ̲ ̲
,,) ‑̲I I
Ir ‑ ‑ ‑ ‑
―'I I I I ‑
, ̲1‑J I
,‑―― CPU : Central・processing unit
SWP : Service and work station processor MXC : Byte multiplexer channel
BMC : Block multiplexer channel CBA : C‑bus adapter
FTA : File tape adapter ICU : Interface control unit DKCA : Disk control adapter
図
3 NOAA
衛星データ処理ヽンステム構成図F i g . 3 . B l o c k diagram of NOAA d a t a p r o c e s s i n g s y s t e m .
は通常オービクルプログラマーのプログラム追尾で行い,
HRPT
デ ー タ を ア ナ ロ グ 磁 気 テ ー プ に 約1 5
分 問 記 録 ( 記 録 ス ピ ー ド は6 0 IPS)
す る . 同 時 に , 可 視 か ら 赤 外 領 域 ま で5
チ ャンネルあるAVHRR
データのうち,夏季はCH. 1
(可視),冬季はCH.4
(赤外)をフォー マ ッ ト シ ン ク ロ ナ イ ザ ー(AYDINM 442)
に よ り 選 択 し て レ ー ザ ーFAX
(ミュラーM 3 0 0 )
に出力した.デ ー ク 処 理 部 は , ミ ニ コ ン ピ ュ ー タ ー
(FACOM S 3300)
を中心に構成されている(図3 ) .
76 高部広昭・山内 恭 (南極資料
S 3300
本体部には12MB
のメモリーと浮動小数点演算機構(HSP)
を実装し,256MB
の磁 気ディスク装置8
台(システム用2
台, データ処理用4
台,予備2
台)を備えている.周辺機 器としては,1 6 0 0 / 6 2 5 0 RPI
の磁気テープ装置2
台(1
台は予備),キャラクターディスプレ イ3台, 画像プロセッサー(Nexus 6400:
解像度480 X 5 1 2 ) 2
台の他, ラインプリンター,シリアルプリンター,
XY
プロッター, フロッピーディスク装置,ハードコピー装置がある.また,計算機本体は予備としてもう
1
組設厭されており,障害発生時には周辺機器をつなぎ 変え,予備機運用で対処する.2 . 2 .
輪送・設置国立極地研究所内での総合試験後に機器を湿気・ほこり対策のため真空パックし,木箱梱 包とした.輸送中の最大動揺はローリングで
3 0
数度を記録し(平常時5‑10
度),梱包に取 り付けたG
メーターの計測では(加速度)最大ーl0 +5G(H
方向,ただし解梱時に約1.7m
落下している),ー4 40(W, D
方向)となっている.昭和基地でヘリコプターから降ろす際 に,計算機本体がフォークリフトより約lm
落下する事故が発生したが,幸い機器には異常 がなかった.観測棟入口の扉サイズの制約及び棟内レイアウトの都合により,建屋西側の扉前に約
3x 6m
の踊り場を組み,大型物品はクレーンを使用して踊り場に乗せ,木箱を解梱してから棟内へ搬入した.搬入後
1
日半静置させてから開封し,設置した.室内のスペースとの兼ね合 いで,操作性を優先させたため,特に本体系ラック, ライソプリソターの背後に規定の保守 エリアを確保することができなかった. また運用上はそれほど不満を感じることはないが,ケーブルが床にじか置きであることと周辺機器もかなり窮屈な配置となっているため,保守
t
80005000 3000
A A
ロ ニ l
‑ A oosz
ーー—ーー上F i g . 4 .
図 4 昭和基地観測棟内,
NOAA
データ処理ヽンステム配置平面図P l a n e f i g u r e o f a r r a n g e m e n t o f NOAA d a t a p r o c e s s i n g s y s t e m i n t h e
o b s e r v a t i o n h u t , Syowa S t a t i o n .
V o l . 3 3 , No. 1
〕from MG
気象衛星
NOAA
データ処理装置図
5 NOAA
データ処理ヽンステム電源系統図F l g . 5 . C o n f i g u r a t i o n of power s u p p l y .
環境は必ずしも良好とはいえない.図
4
に室内配置を示した.7 7
F6286D (PR)
データ処理システムヘの軍源供給し、ま,全体で
8 . 5
kV A という見積もりで,観測棟主分電 盤から専用に一系統分配し,その先に絶縁トランスを介した後に各機器に分配している(図5 ) .
3 .
シ ス テ ム の 連 用昭和基地においては現在
NOAA9 , 1 0
号が受信可能であり,それぞれ1
日に最大7
軌道 受信できる.しかし,NOAA9
号のAVHRR
は5
チャンネルであるのに対し,NOAA1 0
号は4
チャンネルしかないため,NOAA9
号の昼間の1 3 ‑ 1 5
時の軌道を1 9 8 7
年2
月3
日より通年に渡って受信することを観測の基本とした.なお,
NOAA9
号の高仰角の時間帯 は,1 3 ‑ 1 5
時と22‑23
時(UT)
である.NOAA 1 0
号については9
号の補助という形で,太陽が昇らなくなる
6
月前半約20
日間に,1
日1
回受信を続けたほか,適時受信した.ま た,衛星観測の重点期間として真冬および春に,7
月22‑24
日にはNOAA9
号の連続1 5
軌道を,9
月7‑9
日には同9
号の連続1 5
軌道に加え,同1 0
号の8
軌道を,9
月1 0
日ー1 0
月6
日には同9
号の22‑23
時帯(UT)
の受信を行った.衛星観測以外の目的としても,特に
1 0
月22
日ー1 1
月6
日には航空オペレーション時の天候状況把握の補助資料のため,同
1 0
号の7 ‑ 8
時帯(UT)
の受信を行った. また,NOAA
データ処理画像は野外活動や「しらせ」回航のための海氷状態把握の補助資料としても利用された.
4 . デ ー タ 処 理 ・ 保 存
HRPT
データを受信あるいはM 1 0 1
データレコーダーからのデータ再生,と同時にS3300
へ取り込み,ヘッダ部とAVHRR
データ部を別ファイルに分けて磁気ディスク上に格納する.ヘッダ部
(TOYS
データ含む)は鉛直温度分布・水蒸気量鉛直分布・地表面温度・雲の78
高 部 広 昭 ・ 山 内 恭 〔南極資料 検出・オゾン量などの情報を含んでいるが,第2 8
次観測隊では磁気テープヘの保存までで,その解析は行っていない.
AVHRR
データ部は1
マイナーフレーム1 0 2 4 0
ワードから成り,2 0 4 8
画 素5
チ ャ ン ネ ル( 1
ライン)で構成されている.各チャンネルはCH.1
が 可 視0 . 5 8 ‑ 0.68μm, CH. 2
が近赤外0.73‑1.1μm,CH. 3 ‑ 5
が赤外チャンネル3 . 5 5 ‑ 3 . 9 3 ,1 0 . 3 ‑ 1 1 . 3 , 1 1 . 5 ‑ 12.5μm
である.1
ワードは1 0b i t
から成り,S 3 3 0 0
へ の デ ー タ 取 り 込 み 時 に 上 位b i t
に0
を詰めて1
画素当たり1 6b i t
にしている.データ受侶・処理のフローを図6
に示す.(l)
前処理(キャリブレーション,投影変換,温度変換)HRPT
デークのヘッダー情報を使用して,センサーのレベル値( X )
で 格 納 さ れ て い るAVHRR
データをアルベドあるいは放射強度( N )
に変換するキャリブレーションを以下のように行う.
N=GX+l,
Preparation for receiving ( 3 0 min/week) Enter o r b i t a l parameter
C a l c u l a t i o n of orbits
Preparation of computer for
data acquisition ( 2 0 min)
Data receiving ( 2 0 min)
「 Data processing ― ― ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ( ‑ 3 hr 3 ‑ ‑ ‑ 0 min ‑
戸I AVHRR data extraction
I Calibration 1
L ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ Projection ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ J 1
r ̲̲̲̲̲̲̲ f ̲̲̲ ‑‑‑‑‑‑‑
Output of image data t o CCT ( 1 5 min) ‑ ‑ ,
ヒ— ---1 ―_________
) ̲
「 L ̲ Output of header data t ― ̲ ̲ ‑ ̲ ‑ ̲ ‑ ̲ ‑ ̲ ‑‑ ̲ ̲ ̲ ̲ ‑ ̲ ‑ o ̲ CCT ‑ ̲ ‑ ̲ ‑ ̲
(5‑ ̲ min) ̲ ‑ ̲ ‑ 」 ‑
7←一―‑‑‑‑」‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ Processing of cloud image ( 5 min)
7ヒ—----― J ―_________
) ̲ ̲
「 Output to X ― ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ V plotter ‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ( 3 ‑ 0 min) ‑ ‑ ‑
7ヒ—---]―-
‑‑‑‑‑ ‑‑ ‑ ̲j .‑‑‑‑‑‑ ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑
Calculation of histogram
(5min)
7し---~--
‑ ‑‑ ‑ ‑‑ ‑ ‑
‑」Hard copy of images ( l h r )
(1)
図
6 NOAA
データ受信, 処理操作の流 れ図.破線部分はオペレーターが常時介 在する必要はない.F i g . 6 . Flow c h a r t o f NOAA d a t a r e c e i v ‑
i n g and p r o c e s s i n g . No n e e d o f o p e r a t o r
f o r t a s k s shown b y t h e b r o k e n l i n e .
V o l . 3 3 , N o . 1
〕 気象衛星NOAA
デーク処理装置7 9 CH. 1 , 2
についてはG ,I
は与えられた定数,CH.3
から5
については内部黒体の温度T
がヘッダー情報で与えられるので,その値から計算した黒体放射NT
と,それを見た時のカウント値ふ,同じく宇宙空間を見た時の放射強度
N s p ,
その時のカウントXsP
によりG = NsP‑NT
XsP‑XT' l=N8p‑GX8p,
、~‘‘,'·
2 3
︑
¥︑
.し
によって計算される.このような線型のキャリブレーションでは測器の感度の非線型性によ る若干の誤差が出得るが,
Nsp
を修正した値を入れることで対応することが多い.実際には,さらに誤差が
1‑2°C
出る可能性が報告されており,詳細な結果を得るには,その項を評価す る必要がある(LAURITSON e t a l . , 1 9 7 9 ) .
この非線型性は本処理では考慮していない.キャリブレーション終了後,ポーラステレオ図法により投影変換を行う.投影変換は
ACR
計画期間中の標準処理としては,解像度が4400m
のもの2
領域(昭和基地より海側及び大 陸側),2200m
のもの1
頷域(昭和基地周辺),1100m
のもの1
領域(昭和基地周辺)の4
領 域について5 1 2 X 5 1 2
画素の画像データを切り出す.各領域の投影変換パラメーターを表1
に,また,表示領域を図7
に示す.投影変換後,CH.3 ‑ 5
の放射エネルギー量については,キャリブレーション係数から算出した変換テーブルを用いて輝度温度値に変換する.
なお,データ取り込みから前処理終了までは人手を省くため,アプリケーションソフトウ ェア本来の使用法ではなく,処理の流れに従って自動的にアプリケーションソフトを起動す る昭和基地独自の運用形態としている.
(2) 画像の保存
投影・温度変換後の
4
領域の画像データを磁気テープに記録( 6 2 5 0 RPI)
し,保存する.2400 f t
の磁気テープ1
巻当たり84
チャンネル分の投影(温度)変換済データファイルを吸 い上げることができる.実行上は,5
チャンネルx4
領域x4
軌道分80
ファイルでテープ1
巻とした.(3) 霙画像の作成
CH. 3
とCH. 4
の輝度湿度差を利用して雲画像を作成する.1 9 8 7
年4
月より運用開始.CH. 3
とCH. 4
の輝度温度データファイルを入力として画素ごとにCH. 3
の輝度温度値 からCH.4
の輝度温度値を引いた値を求める.結果はグラフィックディスプレイに表示でぎる.
(4) 画像の表示とハードコピー
RGBそれぞれに対して
CH.1
からCH.5
の任意のチャンネルを割り当て,オリジナル 画像,キャリブレーション済画像,投影(温度)変換済画像(雲画像含め)をグラフィックデ ィスプレイに表示することができる.表示用のルックアップテーブルは,ポジティブとネガ ティブの2
種類を標準で用意している.8 0
高部広昭• 山 内 恭 (南極資料 表1
投影変換(ポーラステレオ図法)バラメーターT a b l e 1 . P r o j e c t i o n parameters ( p o l a r s t e r e o ) .
領域名 解像度
(m)
中心点緯度 中心点経度 投影基準経度A 4 4 0 0 78°s 45°E 0°E
B 4 4 0 0 63°s 25°E 0°E
C 1 1 0 0 69°s 40°E 40°E D 2 2 0 0 69°s 35°E 35°E
図
7 AVHRR
画像データ標準処理領域図.A, B
は解像度4.4km, C
は1 . 1km, D
ぱ2.2km.
F i g . 7 . Areas of s t a n d a r d p r o c e s s i n g of AVHRR i m a g e s . F i e l d of v i e w i s 4 . 4 km f o r A and B , I . I km f o r C and 2.2kmfor D.
表示した両像について,
4x5inch
のカラーと15x17 cm
の モ ノ ク ロ の ハ ー ド コ ピ ー が 取 れる.ただしモノクロについては,RGB
の う ち1
チ ャ ン ネ ル を256
階 調 か ら1 6
階 調 に 落とした両像となる.
第
28
次 観 測 隊 で は , キ ャ リ ブ レ ー シ ョ ン の 後 , 投 影 ( 温 度 ) 変 換 し て 切 り 出 し た4
領 域 に ついて適時ハート`コピーを取得した.RGB
に 対 し て , 冬 季 はCH. 5 , 4 , 3
を , 夏 季 はCH.
1 , 2 , 4
あるいは雲画像,CH. 2 , 1
を割り当てている.ハードコピー以外では, グ ラ フ ィ ッ ク デ ィ ス プ レ イ の 両 面 を
35mm
カ メ ラ で 直 接 撮 影 す ることも行った.(5)
裳 量 , 実 の 種 類 分 布 図 の 作 成投 影 , 温 度 変 換 後 の
C
領 域 ( 解 像 度1100mm
の 昭 和 基 地 周 辺 ) の デ ー タ を 元 に2
枚 の 宍 贔:,ょの種粕分布図の作成を行う.CH. 4
の 輝 度 温 度 値( T 4 )
に 対 す る 輝 度 温 度 恙(Ts‑T4)
V o l . 3 3 , No. l J
気象衛星NOAA
データ処理装闘8 1
および(T4‑T5)がどのように分布しているかをグラフ化し, X Y
プロッターに出力する.4
月よりテスト運用を続け, 11月より本運用に入った.1
例を図8
に示す.( a )
昭和基地を中心とする128X 128
画素温度変換後の
C
領域のCH.3‑5のデータファイルを入力とし,それぞれ昭和基地を中心
とする128X 128
両素を対象領域とする.対象領域を,8x8
両索を1
小領域とする16x16
個の小領域に分割し,CH.3‑5それぞれの小領域ごとの平均輝度温度値を求める.さらに小
領域ごとにCH.3
とCH.4 , CH. 4
とCH.5の平均輝度温度の差を求め,横軸に CH.4
の平均輝度温度値を,縦軸に温疫差を取ったグラフにプロットする., ~
‑
‑ ‑ ・ , . . . . . 彎
I‑ c
っビ ‑ :
ー‑→: ‑ : : :
→~
〇. . . . ~
50 40 30 20 10
‑10 ゜
4 2
〇→‑
‑ 2
‑4
230 240 250 260 270 280
Brightness temperature T (K) 4
図8 輝度温度差
(CH.3‑CH. 4および CH.4‑CH. 5 )の CH.4輝度温度に対す
る分布図.領域C内の5 1 2X 5 1 2のピクセルを 16X16個について平均したもの
について示した.F i g . 8 . B r i g h t n e s s t e m p e r a t u r e d i f f e r e n c e (CH. 3‑CH. 4 o r CH. 4‑CH. 5 ) a g a i n s t
CH. 4 b r i g h t n e s s t e m p e r a t u r e . P o i n t s show t h e means of 16Xl6 p i x e l s i n
512X512 of a r e a C .
8 2
高 部 広 昭 ・ 山 内 恭 〔南極資料( b ) C
領域の5 1 2 X 5 1 2
画素全域温度変換後の
C
領域のCH.3 ‑ 5
のデータファイルを入力とし,それぞれ5 1 2 X 5 1 2
画素全 域を対象領域とする.対象領域を,16x1 6
画素を1
小領域とする32x32
個の小領域に分割し,
CH.3 ‑ 5
それぞれの小領域ごとの平均輝度温度値を求める.さらに小領域ごとにCH.3
とCH.4 , CH. 4
とCH. 5
の平均輝度温度の差を求め, (a)項と同様のグラフにプロット する.その際,昭和基地を中心とする1 2 8 X 1 2 8
画素(8x8
個)の小領域についてはプロットの色を変え,識別できるようにしている.
(6)
輝度湿度ヒストグラムの作成温度変換後の
CH.4
の輝度温度データを元に輝度温度ヒストグラムを作成する.A, B , C, D
領域について任意に1 : : :
ストグラムを作成できるが,第2 8
次観測隊ではA
及びB
領域を 対象とした.対象領域5 1 2 X 5 1 2
画素全域を,64x64
画素を1
小領域とする8x8
個 の 小 領 域に分割する.そして小領域ごとに1 8 0 ‑ 2 8 0K
まで5K
単位でヒストグラムを求め,結果を 全体の合計とともにラインプリンターに出力する.8
月より運用を開始した.(7)
ヘッダー部データの保存S 3 3 0 0
に取り込んだHRPT
データ全体の保存は,テープ量の制約( 1
軌道1
巻必要)か ら行えなかった.ヘッダ一部(TOYS
データ含む)のみのデータファイルを磁気テープに6 2 5 0 RPI
で記録,保存した.これは,鉛直温度分布や水蒸気分布,オゾン量等を求めるための赤 外放射計HIRS/2,
マイクロ波MSU
および成層圏用SSU
のデータを含むものである.な ぉ,当面昭和基地では解析を行っていないが,データ持ち帰り後国内での解析にそなえてい る(TANAKAe t a l . , 1 9 8 2 ) .
(8) 全天写真撮影
衛星通過時に,観測棟屋上から
35mm
カメラに8mm
(視野1 8 0 ° )
の魚眼レンズを装着 して全天写真を撮影した.衛星から見ている雲が地上からどのように見えるかの参考データ とするものである.撮影は,裳の識別できる夏季のみ行った.5 .
シ ス テ ム 稼 動 状 況 , 問 題 点第
2 8
次観測隊での計算機稼働時間は月平均で約2 5 0
時間となっている.1 9 8 8
年1
月は,次の隊への引き継ぎのためのハードウェアチェック時間も含んで
3 3 0
時間となった.観測棟は冷房設備がなく,建屋内の換気のみであるために機器からの発熱で温度がかなり 上昇してしまう問題があった.計算機室内に家庭用の加湿器を
1
台用意したが,計算機室内 で は だ い た い 温 度 ー5 +35
℃,湿度10‑30%
となっていた.計算機本体ラック内の温度,湿 度 も 通 年 計 測 し た が , 温 度 十
5 40
℃,湿度20%
前後であった.一年間の運用で発生した障害は,ハードウェア関連
1 5
件, ソフトウェア関連5
件である(表
2 ,3 ) .
ハードウェア関連では,受信ヽンステム(第2 1
次観測隊設置)の老朽化による障害V o l . 3 3 , No. 1
〕 が多かった.気象衛星
NOAA
データ処理装置8 3
処 理 後 画 像 デ ー タ に も 問 題 が な い わ け で は な い . 投 影 変 換 に お け る 画 像 と 地 図 と の 重 ね 合 わ せ に 難 点 が あ る . 基 準 と な る 軌 道 か ら 受 信 す る 軌 道 を 計 算 に よ っ て 予 測 し て い る こ と , 常 に 固 定 の 係 数 値 で ア フ ィ ン 変 換 を 行 っ て い る こ と な ど か ら , 正 確 な 位 置 合 わ せ は 難 し い . ア フ ィ ン 変 換 係 数 の 問 題 は 改 善 可 能 で あ る が , 受 信 後 少 な く と も
1
時 間 は 人 手 を 介 し て の 操 作 が 必 要 に な る こ と , ポ イ ン ト と な る 地 表 が 見 え る 天 候 で あ る こ と , ボ イ ン ト を 三 角 形 に と ら ね ば い け な い こ と 等 か ら , 現 状 の 処 理 運 用 に と ど ま っ た .表 2 ハードウェア障害履歴
T a b l e 2 . Records of hardware t r o u b l e .
発 生 日対 処 日
1 9 8 7 . 2 . 1 4 1
現象:データバックアップ時にM T
装 置 でEQC
発 生2 . 1 4
原因/対処:その後再現せず,詳細原因不明( 6 3 . 2 . 1
打ち切り)2 . 2 0 2 . 2 0
2 . 2 1
現象/原因:CPU
ラック頭上に漏水.浸水は上部ファンまで2 . 2 1
対処:約3 0
時間運用休止して乾燥させた.後日天井内側をコーキング3 . 2 8
3 . 2 8
3 . 1 8 1
現象/原因:レーザFAX
(ミュラー)のヒューズコネクター破損3 . 1 8
対処:予備品なく,同規格の代用品に交換3 ,
中1 現象/原因:レーザFAX
(ミュラー)のモータ軸が摩耗し,紙送りしない.3 .
中 対処:モータ軸補修(ただし約1
カ月しかもたず,その後は人手で紙送り)内 容
現象:リアルタイム受信後処理
RSCLNM
で受信データのリードエラー発生.Flame SYNC Format
の特定BIT
落 ち( ' l '
→' 0 ' )
している.原因:
M442
からICU
問のコネクター接触不良 対処:コネククー接点をレキサイトで洗浄現象:データ処理中にアプリケーションソフトが異常な時間を処理しようとし,異常 終了
原因:この時発電機の電掠切り換えがあり,そのためと思われるが詳細不明 対処:再度
MlOl
よりデータを再生して処理5 6
. .
4 4
4 . 6 4 . 6 4 . 7 4 . 7 4 . 2 9 5 . 7
現象:受信ヽンステムの電源ダウン
原因:
NOAA
系とEXOS‑ISIS
系の受信システムを同時に立ち上げたため,主プレ ーカの3kW
の電源容量を超えた.対 処 : 両 系 の ブ レ ー カ を 分 離
現象:データ取り込み中に
ICC
エラー( 2 2 )
発 生原因/対処:データ取り込み中にレーザ
FAX
のスイッチをON‑OFF
したため,外 部ノイズがのった. (国内テスト時に確認済)現象:データ取り込み中に
ICC
エラー( 2 2 )
発 生原因/対処:データ取り込み中に
M442
のSTA TUS LOCK OFF
の状態が続いたため 現象:アンテナのAzimuth
駆動系が動作しない.原因:
Azimuth
駆動系のロックピンが浮いていて, リミットマイクロスイッチが掛 かりっばなしの状態だった.対処:接点不良のマイクロスイッチを回路上で短絡
8 4
高 部 広 昭 ・ 山 内 恭 表 2 つ づ ぎT a b l e 2 . ( C o n t i n u e d )
[南極資料
発 生 日
対 処 日 内 容
‑ ‑
‑1 9 8 7 . 6 . 8
現象:LP
が動かなし\6 . 8
原因/対処:LP
タイプベルトにゴミが付着していたので洗浄8 . 5
現象:POWER O N
時,PROGRAM LOAD
画面でスト、ノプ(FLAG‑CODE 8 . 5 El 7 1 4 0 0 0 0 1 4 0 1 9 1 5 )
原因/対処:
POWER OFF
後再立も上げ.DISK
に 異 常 な し そ の 後 再 現 せ ず .( 6 3 . 2 ̲ . 1
打ち切り)1 0 . 9 1
現象:ア ノテナAzimuthC W 2 6 0 °
でリミ、ノトが掛かりそれ以降受信できず.1 0 .
24I 原因:AZ
リミットスイッチアッシー内ウォームギアの不調 対 処 : ウ ォ ー ム ギ ア を 正 規 の 位 置 に 調 整1 9 8 7 . 1 2 . 1 8
現象:アンテナが駆動できない.1 9 8 8 . 1 .
初 原因: AZ リミットスイッチアッシー内ウォ-—ムキアの不調によりドラムスイッチが まったく動かなくなった.そのため毎日のNOAA
受 信 後 の ス ト 一 時 にAZ
方 向で同方向に回り続け,アンテナ内部のケーブル断線に到った.対処:連用時に注怠することで仮対処,後日
AZ
リミットスイッチアッシーを交換1 .
24 現象/原因:昭和基地全停電1 . 2 4
I 対 処 : 電 涼 復 旧 後 にGFCP,OLTE
に て 本 体 系 及 び デ ィ ス ク の ハ ー ト チ ェ ッ ク を 実 I 施 し 異 常 が な い こ と を 確 認‑ ‑‑―‑‑ ‑‑‑ ---一—----‑‑‑‑‑‑‑‑ ‑‑‑‑ ‑‑ ‑、‑‑ ‑ ‑ ‑‑ ‑‑‑ ‑‑
発 生 日 対 処 日
表 3 ソフトウェア節 占履歴
T a b l e 3 . Records of s o f t w a r e t r o u b l e .
内 容
1 9 8 7 . 9 . 2 s :
現象:2 4
時をまたがるデータを取り込むと,24
時以降の日付が前日のまま替わらず,1 9 8 8 . 1 . 1 1
アベソドする.原因:
NDAPP
のバグ対 処 : 正 式 バ ー ジ ョ ン ソ フ ト と 入 れ 換 え
1 9 8 7 . 1 1 . 8
現 象 : 受 信 途 中 でLOCKOFF
状態が長いデータをキャリブレーションしようとする1 1 . 8
とJZL242
が発生し,異常終了する.原因/対処:アプリケーションソフトでは気象協会のデータ(データ抜けがない)を入 カの前提としているため,
LOCKOFF
状態が長いと処理できない.1 2 . 8
現象:リアルタイム受信起動時,RTS
スクート後KEYIN
した時刻がセットされず1 2 . 8
にEND
状態となった.原因/対処:受信まで時間なく,再起動したため詳細不明.環境異常あるいは使用ミ スと考えられる.その後再現せず.
( 6 3 . 2 . 1
打ち切り)1 9 8 8 . 1 . 1 2 1
現 象 : 任 怠 の 開 始 / 終 了 ラ イ ン を 指 定 し て キ ャ リ ブ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 後 に 投 影 変 換1 . 2 6 1
を行うとJZL217
となり異常終了する.原因:
NDAPP
のルーチンの実行順序に誤りがあった.対処:
NDAPP
の 起 動 プ ロ シ ジ ャ を 修 正1 . 1 2
現象/対処:NDAPP
バ ッ チ 処 理 起 動 時 に 異 常 終 了 . 再 起 動 し て 再 現 せ ず1 . 1 2
原 因 : 前 項 の 投 影 変 換 時 の エ ラ ー 発 生 に よ り , フ ァ イ ル の ク ロ ー ズ 処 理 が な さ れ て い なかったものと考えられる.V o l . 3 3 , No. 1
〕 気象衛星NOAA
データ処理装置6 .
観 測 経 過8 5
NOAA
の月別受信軌道数とデータ処理軌道数を表4に示す.処理軌道数は年間合計 400
軌道とそう多くはないが,第28次観測隊では ACR初年度ということで,処理・運用方法
および雲解析手法についていくつかの試行を行った.AVHRR
データによる雲の解析については, 昭和基地付近のデータについての輝度温度 差図(輝度温度差を輝度湿度に対してプロット)を,実際の雲と比較して検討した.これは波 長による放射特性の差が雲と雪や氷面とで異なることを利用したもので,CH.3と 4
の輝度 温度差(Ta‑T4)図では,雲の場合かなり大きい温度差が生じ,海氷や大陸との識別,雲の種
類の大まかな分類が可能であった(Y AMANOUCHI e t a l . , 1 9 8 7 ) . 4
領域について,夏の1
例 を図 9aに示す.青色は大陸と海氷を,赤味がかったところは雲を示す.沿岸には定着氷が あり沖合はパックアイスと開水面が,まだらになっている. リュツォ・ホルム湾さらに沿岸 には低い層状の雲が 2層になっており,パックアイス域および開水面上に拡がっている.冬 季,CH.3
に日射の反射が入らない時期はCH.3
データのノイズが効き,また,CH.3
の 温度分解能が下がることから,低温域で雲識別が難しくなる.また画像を作った場合も縞模 様が顕著になった.これは新しいNOAA‑10に比べ,古い NOAA‑9でより著しかった.図 9b
に冬の例を示す. 雲は左端に黄色っぽく見える.ほとんどは睛天域で, 沖合に流氷が拡 がっている.表
4
月別NOAA受信・処理軌道数
T a b l e 4 . Monthly amount of NOAA d a t a r e c e i v i n g and p r o c e s s i n g .
月
I 2 3 4 5 6 7 8 , 1 0 1 1 1 2 1 I
合計NOAA‑9
受信軌道数2 8 2 5 2 9 2 3 2 8 4 4 3 1 62 3 6 3 0 29 3 1 3 9 6 NOAA‑9
処理軌道数2 6 2 5 2 9 2 3 2 8 3 2 3 1 5 1 3 6 3 0 2 9 3 1 3 7 1 NOAA‑10
受信軌道数゜ 8 ゜ 4 1 7 ゜゜ 8 5 6 ゜゜ 4 8
NOAA‑10
処理軌道数゜ 8 ゜ 4 1 7 ゜゜゜゜゜゜゜ 29
受信軌道数
2 8 3 3 2 9 2 7 4 5 4 4 3 1 70 4 1 3 6 2 9 3 1 I 4 4 4
合 計 処理軌道数
26 3 3 29 2 7 4 5 3 2 3 1 5 1 3 6 3 0 2 9 3 1 I 4 0 0
CH. 4‑CH. 5
の輝度温度差( T 4‑T5)の場合は雲と海氷や大陸雪面の違いは小さく,雲域
を過少評価する鋲向がある.しかし海氷・大陸(晴天域)を表わすプロットからはずれるもの は必ず雲と考えられるようで,輝度温度差図を見れば晴天域と雲域の識別は可能である.T4
ーれには放射計の見込み角依存性や温度依存性(放射計出力の非線型性(前出)による誤差 や雪面射出率の温度依存性の違い等による)があり,現場ではその補正までは行わなかった ので,T4‑T0
による雲画像は作らなかった.T3‑T4
を使った雲画像から,低気圧じょう乱 の動きや大陸内への雲の侵入の様子が明瞭にとらえられた.開水面の上に薄い雲が発生する とか,流氷域は低気圧の雲とは異なる低い層状の雲にほとんどいつも覆われているといった8 6
(a)
(b)
高 部 広 昭 ・ 山 内 恭 〔南極資料
図
9 AVHRR
両像の例.昭和基地を中心とした1 1 3 0km
幅のD
領域.( a )
夏の例.1 9 8 7
年1 2
月7
日.CH. 1
を青にCH.2
を緑に,(CH.3‑CH. 4 )
を赤に対 応させ菫ね合わせた図. 古い所が大陸と面氷で, 赤味がかった所が雲を表す.( b )
冬の例.1 9 8 7
年9
月3 0
日.CH. 3
を青,CH.4
を緑,CH.5
を赤に色 づけ(ネカ)重ね合わせた.白い方が低温域に対応するF i g . 9 . Examples of AVHRR image f o r a r e a D of 1 1 3 0 km w i d t h around Syowa
S t a t i o n . ( a ) Summer, December 7 , 1 9 8 7 . A s s i g n m e n t s of RGB a r e a s
f o l l o w s : CH. 1 b l u e , CH. 2 g r e e n and (CH. 3‑CH. 4 ) r e d . C o n t i n e n t a l
snow f i e l d and s e a i c e a r e b l u i s h and c l o u d s a r e r e d . ( b ) W i n t e r , September
3 0 , 1 9 8 7 . A s s i g n m e n t s of RGB a r e a s f o l l o w s : CH. 3 b l u e , CH. 4 g r e e n
and CH. 5 r e d ( n e g a t i v e ) . B r i g h t c o l o r c o r r e s p o n d s t o t h e c o l d r e g i o n .
V o l . 3 3 , No. 1
〕 気象衛星NOAAデータ処理装置 8 7
興味ある現象が見られた.海氷に関しても各種の興味ある画像が得られた.海氷の発生期,定着氷縁と流氷域の間に 大小の流氷の渦が見られた.特に沖合の流氷側に大きな渦があり,風下側に吹き寄せられた 流氷の挙動として貨菫なデータと思われる.また,昭和基地付近の高分解能画像から, リュ ツォ・ホルム湾の海氷の消長がよく分かった.沖合流氷帯が無くなり定着氷にひびが入る.
何らかの力で定着氷が流出.開水面が次第に凍結し安定化.そこヘブリザード等が,到来し て再び海氷流出.という一連の動きが分かり,航空機観測のルート検討や,野外観測行動の 可否を検討するのに役立った.ただし沖合の流氷の端,ずなわち氷縁は太に覆われているこ
とが多く,
AVHRR o)
可視や赤外画像では判別しがたかった.TOYS
の中のマイクロ波テ ータ等の解析に待たねばならない.結果の詳しい解析は今後行うことになるし,気候変動の本格的研究はさらに何年ものテー タの菩積が必要である.しかし,現地で直ちに(受信数時間後ではあるが)処理結果を見るこ とができるようになったのは大変な進歩であり,また海氷や山の分布の解析にとって大変貴 屯なデータが得られたものと思われる.
謝 辞
本装骰導人にご尽)
J
いただいた国立極地研究所川口貞男教授, システム設計にご協力いた だいた富士通(株)の田中信也氏に謝意を表します.また, ll{i和基地での装置の設置,連用に 際しての,第28
次南極地域観測隊の皆様のご協力,また,特に受伯ヽンステムのメンテナン スを担当して下さった斉藤浩昭氏( 心気通伍大学)に感謝致しまず.文 献
LAURITSON, L . , NELSON, G. J . and PORTO, F . W. ( 1 9 7 9 ) : Data e x t r a c t i o n and c a l i b r a t i o n o f TIROS‑
N/NOAA r a d i o m e t e r s . NOAA Tech. Memo. NESS, 1 0 7 , 5 8 p .
田中信也・芳野赳夫
( 1 9 8 0 ) :
昭和基地における気象衛星データの受伝方法.南極資料,6 9 ,1 9 5 ‑ 1 9 9 . TAN AKA, s . , YOSHINO, T . , Y AMANOUCHI, T . and KAWAGUCHI, s . ( 1 9 8 2 ) : On t h e s a t e l l i t e remote
measurements of v e r t i c a l temperature p r o f i l e of t h e A n t a r c t i c atmosphere. Mem. Natl I n s t . P o l a r R e s . , S p e c . I s s u e , 2 4 , 9 4 ‑ 1 0 0 .
山内 恭・高部広昭