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気乾粘土試料を用いた圧密浸水試験とその解析

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Academic year: 2022

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(1)

気乾粘土試料を用いた圧密浸水試験とその解析

名古屋工業大学 学生会員 立松和憲,小池真奈,京川裕之 正会員 菊本統,中井照夫

1. はじめに

不飽和土要素試験は,サクション制御に伴う試験時間の長期化,正確な体積変化計測,不飽和試料の作成 が課題となり,再現性のある試験結果の収集が困難である。そこで本稿では,通常飽和土に用いられる標準 圧密試験機を用いた気乾シルト試料の浸水試験を行うことにより,再現性のある簡便な試験から不飽和土の 力学特性を調べる。同試験はサクションを制御していない単純な試験であるが,乾燥(不飽和)状態から飽 和状態に変遷する浸水挙動ならびに浸水前後の変形特性の変化など,通常の不飽和土の試験と類似した結果 が得られることから,同試験の結果より浸水挙動におよぼす拘束圧・密度の影響を検討する。また,本研究 グループが提案する不飽和土一次元弾塑性モデルを用いたシミュレーションにより,同モデルの検証を行う。

2. 圧密浸水試験および解析概要

試料はカオリンクレー( ρs = 2.70[g/cm3], wL = 49.83[%], wP = 25.12[%] )を使用した。供試体作成では,圧密 試験機に設置した圧密リングに所定の質量のカオリン試料を入れ,加圧板で予圧密することで,初期間隙比 (e0 ≒ 2.8)を揃えるよう留意した。試験は通常の飽和試料に用いられる標準圧密試験機を用いて行い,圧密 時の載荷段階も通常の圧密試験( JIS A 1217)と同様に荷重増分比∆ σvv = 1で行った。ただし,各載荷段階で は乾燥試料の圧密終了時間を12時間とした。実施された試験は,先行圧密応力の有無で2種類のケースに分 けられる。Case 1は,加圧板を載せた状態(σv = 0.9 kPa)を含めた各載荷段階において載荷圧一定の浸水試験。

一方,Case 2はCase 1と同様に,一度,各載荷段階まで先行圧密応力を与えた後,σv = 9.8 kPaまで除荷し,

載荷圧一定で浸水試験を行った。また本試験では,浸水時における供試体内で均一な飽和化を促進するため,

供試体下部の管路より二酸化炭素を30分かけて注入し,供試体内を二酸化炭素で満たした後,同管路からゆ っくりと脱気水を浸水させた。これにより,浸水後の供試体の飽和度は85~99%とほぼ飽和状態となる。

試験のシミュレーションには,本研究グループが提案する不飽和土一次元弾塑性モデル 1)を用いる。同モ デルは,体積変化の影響を考慮した水分特性曲線モデルと Bishop の有効応力に基づいて,飽和度の変化に伴っ

e - lnσ ''面上で正規圧密線を移動させることで不飽和土特性を考

慮するモデルである。解析で用いた構成パラメータは,飽和藤ノ 森粘土を想定したλ =0.104, κ =0.01, Νsat = 0.83, a = 40を用いた。

また水分特性曲線パラメータは,Sres = 0.0, αd= 1.0, αw= 1.5, m = 0.8, n = 5.0, ξ = 100 , ξe = 0.0とした。なお,提案モデルならびに 構成パラメータの詳細は文献1)に譲る。

3. 実験結果と考察

Fig. 1(a),(b) にCase 1での圧密圧力σ v-間隙比e関係,浸水 時の圧密応力σv-間隙比変化∆ e 関係を示す。Fig.1(a)から,圧 密載荷段階において気乾供試体は飽和供試体よりも緩い間隙状 態を保つことがわかる。しかしながら,緩い間隙状態から一度 浸水させた試料は,拘束圧一定下にも関わらず体積圧縮を生じ ながら飽和供試体の間隙比に近づく,いわゆる浸水コラプス挙 動が確認できる。その後の圧密載荷において,浸水試料は飽和 試料と同様の圧密挙動を示すことが分かる。以上の試験結果は,

Jennnings2)などを例とした不飽和土の圧密試験および浸水試験

で見られる典型的な力学特性と同様の結果である。また,Fig.

Air-dried Soaked

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

1 10 100 1000

Void ratio e

Vertical stress σ

v [kPa]

Soaking

(a)

Fig.1 乾燥粘土圧密浸水試験(Case 1)

(a) σv - e 関係,(b) 浸水時σv – ∆e関係

soaking without unloading history

-0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8

1 10 100 1000

Decrease of void ratio (-de)

Vertical stress σ

v [kPa]

Increasing OCR

(b)

土木学会中部支部研究発表会 (2010.3) III-005

-225-

(2)

1(a)に示される乾燥供試体の圧縮指数λ (圧密圧力σv-間隙比 e 平面での傾き)は,飽和供試体のそれより大きくなっている。そ

のためFig.1 (b)に示されるように,浸水時における間隙比変化

は圧密応力により異なり,圧密応力σv = 19.6kPaを最大として,

その後圧密応力の増加に伴い間隙比変化量は減少する。

次にFig. 2(a),(b) にCase 2における圧密圧力σ v-間隙比e 関係,浸水時の先行圧密応力σ v

c (過圧密比)-間隙比変化∆ e

係を示す。Fig.2(a)より,先行圧密応力を与えた過圧密状態の乾 燥試料を浸水させると,その間隙比はCase 1とは異なり飽和供 試体の間隙比とは一致しないことが分かる。またその時に生じ る間隙比変化(Fig.2(b))は,先行圧密応力(過圧密比)が大きいほ ど圧縮量は小さくなり,特に大きな過圧密比では浸水コラプス 挙動は見られず体積膨張を示す場合が確認できる。浸水後の再 圧密挙動に関しては,飽和過圧密試料と同様に,初期に剛性の 高い挙動を示しながら,圧密応力の増加に伴い飽和供試体の圧 密線に漸近する。以上から,浸水時における土の挙動は,拘束 圧および間隙比の影響を受けて大きく異なり,浸水後は同様な 過圧密状態の飽和土の挙動を呈することが分かる。

4. 解析結果

解析では実験における初期条件ならびに載荷段階を表現する ため,初期過圧密土にサクションを与え不飽和化(Sr ≒ 0%)さ せた後, サクション一定下のもと各段階まで全応力載荷で圧密 および除荷し, 続いて全応力一定条件下でサクションを減じる ことで浸水試験をシミュレートする。Fig.3,4にCase 1,2に 則した解析結果をそれぞれ示す。両図から提案モデルは,実測 値の不飽和土が示す緩い間隙状態の保持,浸水コラプス挙動,

さらには拘束圧および間隙比の異なる不飽和土の浸水時の体積 変化量を適切に表現できている。また浸水後の圧密挙動に関し ても,実験結果の考察と同様に飽和土の(再)圧密挙動に近づく 様子が分かる。一方で,実測値に見られる乾燥試料と飽和試料 の圧密特性(圧密圧力σv-間隙比 e 平面上の傾き)の差異は表現 できていない。中井ら 3)は,これらの圧縮特性の違いをボンデ ィング(インターロッキング)の影響としてモデル化しており,

同様の考え方を導入することで,提案モデルは不飽和とボンデ ィングの影響を同時に取り扱えると考える。

5. 結論

一般的な標準圧密試験機を用いた気乾試料の圧密浸水試験により,典型的な不飽和土の力学特性である,

緩い間隙状態の保持,浸水に伴う大圧縮挙動などを再現性のある実験結果として得ることができた。さらに 同実験結果より,浸水時において拘束圧および密度が体積変化挙動に大きく影響することが示された。また 解析的検討に関して,提案モデルは実測値に見られる主要な不飽和土の力学特性を表現可能である。

参考文献 1) 京川ら: 応用力学論文集 vol.12, pp.331-342, 2009. 2) Jennings & Burland: Geotechnique 12(2), pp.125-144, 1962. 3) 中井ら: 応用力学論文集 vol.12, pp.371-382, 2009.

1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

1 10 100 1000

Void ratio e

Vertical stress σ

v [kPa]

Soaked at p = 9.8 kPa Air-dr

ied Initially

soaked Soaking

(a)

Fig.2 乾燥粘土圧密浸水試験(Case 2)

(a) σv - e 関係,(b) 浸水時σ v

c – ∆e関係

0.4 0.8 1.2 1.6

1 10 100 1000

Void ratio e

Vertical stress σ

v [kPa]

Sr = const Soaked soaking

Computed

Fig.3 モデルシミュレーション(Case 1)

0.4 0.8 1.2 1.6

1 10 100 1000

Void ratio e

Vertical stress σ

v [kPa]

Sr = const Initia

lly soaked Soaking

reload unload

Computed

Fig.4 モデルシミュレーション(Case 2)

Increasing OCR

-0.2 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8

1 10 100 1000

Decrease of void ratio (-de)

Maximum vertical stress σ

v [kPa]

1 10 100

Overconsolidation ratio

(b)

土木学会中部支部研究発表会 (2010.3) III-005

-226-

参照

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