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不飽和土はサクションの効果によって飽和土より

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Academic year: 2022

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(1)3‑057. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 下負荷面と回転硬化の概念を用いた 不飽和土の 弾塑性構成モデル 茨城大学. 学生会員. ○満山 聖. 茨城大学. 正会員. 茨城大学. フェロー会員. 安原一哉. 茨城大学. 正会員. 小峯秀雄. 村上. 哲. 1. は じ め に 不飽和土の代表的な弾塑性構成モデルとして, Alonso ら 1),軽部ら 2),向後ら 3)などにより定式化 されている.これらのモデルはサクション応力の捉 え方に特徴があるが,必要となるパラメータの数や 決定方法が複雑であること,非関連流動則を仮定し ていることなど課題を残していると考えられる.本. 図 −1. 構 成 モ デ ル の 概 念図. 研究ではこれらの課題を解決し,さらに,現在大都. 不飽和土はサクションの効果によって飽和土より. 市部において地下水位が上昇し,構造物や基礎地盤. も高い剛性を示すため,モデルではこれを降伏曲面. の不安定性への影響が懸念されており,地盤が水浸. の拡大により表現している.下負荷面の飽和土正規. (飽和化)されていく過程における,不飽和土の力学. 降伏曲面に対する大きさの比 R と飽和土及び不飽和. 特性を考慮した弾塑性構成モデルの構築を試みた.. 土の正規降伏曲面の大きさの比 R b の積により下負. 2. 不 飽 和 土 の 弾 塑 性 構 成 式. 荷面を規定している. f (σ' ) = R ⋅ Rb ⋅ p& y (1). Rb = exp (µs p m ). (2). 本研究では,不飽和土の代表的な力学特性として. ここで,p y は圧密降伏応力,μ s は不飽和土の降伏. ①サクションの作用,②コラプス沈下現象,③せん. 曲面の大きさを決める係数である.誘導異方性に起. 断時の大きなダイレイタンシーの 3 つと考えて構成. 因する体積変化に関する係数μd を,不飽和土ではサ. 式を構築している.これまでシルト質粘土の圧密,. クションの変化に起因する体積変化に関する係数と. せん断挙動を表現可能な弾塑性構成モデルを構築し. 捉え,サクション項として定式化する.構築した構. てきた. 4). .サクションの増加による効果を,有効応. 成モデルの概念図を図−1,応力速度〜ひずみ速度関. 力の増加と剛性の増加と仮定し,サクションと飽和. 係は以下のようになる.構成式に用いる材料定数を. 度に関する内部拘束応力 pm で与えている.本報告で. 表−1 に示す.. は,粘性土より粒径の大きい非塑性シルト(DL クレ. (. 向後ら. 5). ). p & σ& ′ij = Eijkl − Dijkl εkl +. ー)について,構成モデルの妥当性を検討した.. ˆ ' , Μα ) Eijmnnmnµs f (σ mˆ ij Eijkl nkl + D. ηy. は,粘性土と砂質及びシルト質土では,. サクションの効果が異なり,体積変化挙動を表現す. −. るために,異なる状態面をモデル化し弾塑性構成モ. p& m. (3). Eijmnnmn f (σ ˆ ' , Μα ) λc − κc &d µ mˆ ij Eijkl nkl + D. デルを修正している.本研究では,この現象を降伏. パラメータμd をサクション項で定式化するため. 曲面の回転硬化の概念により解決している.村上ら. に,異なるサクションを与えた三軸圧縮試験を実施. 6). は回転硬化と下負荷面の概念を用いて ,飽和土の. した.含水比 17%で締固めたシルト質土(初期間隙比. 応力誘導異方性が表現できる弾塑性構成モデルを提. 0.6907)を高さ 10cm,直径 5cm に成形し,サクショ. 案している.このモデルを拡張し,不飽和土の力学. ンを 0(飽和),30,60,120kPa の状態で,拘束圧 98kPa. 特性が表現可能な弾塑性構成モデルを構築した.. で等方圧密し,ひずみ速度 0.01%/min,排水・排気状. キーワード 連絡先. 不飽和土. 〒316-8511. 構成式 サクション せん断変形. 茨城県日立市中成沢町 4-12-1. 茨城大学工学部都市システム工学科. ‑113‑. ℡0294-38-5174.

(2) 3‑057. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 表 −1. 材料定数. 材料パラメータ. 実施試験. 800. 結果. ○:飽和状態 □:サクション30kPa ◇:サクション60kPa △:サクション120kPa. 700 0.0425. 飽和三軸試験 膨潤指数:κ. 軸 差 応 力 q (kPa). 圧縮指数:λ. 0.0040 (圧密試験). 下負荷面パラメータ:μR. 100.0. ポアソン比:ν. K0 圧密試験. 0.333. 限界状態線の傾き:Μ. 1.25,0.70. 飽和三軸. 600. サクション120kPa解析結果. 500. サクション60kPa解析結果. 400 300 200 飽和土解析結果. (圧縮及び伸張) 回転硬化パラメータ:m α. 480.0. 不飽和三軸試験. 回転硬化パラメータ:μd. -70. 式(*)参照 不飽和三軸試験. ○:飽和状態 □:サクション30kPa ◇:サクション60kPa △:サクション120kPa. -6. 0.01. 体 積 ひ ず み ε v (%). サクションパラメータ:μs. サクション30kPa解析結果. 100. 圧縮伸張試験. 態でせん断した.図−2(左)に各せん断試験の限界状 態を e~logp’平面で示す.飽和土と同様に不飽和土に おいても正規圧密曲線と平行な限界状態線が得られ ると仮定し,この曲線より各サクションのμ d を算出. -5. サクション60kPa解析結果. -3 -2 サクション30kPa解析結果 飽和土解析結果. -1. した.得られたμd とサクションの関係を求めるため,. 0. 内部拘束応力 pm を平均有効応力 p’で正規化し,整理. 1. したものが図−2(右)で,次式のように近似した. (4) µd = − 1 .1912 ( p m p ′) 2 + 0. 02. サクション120kPa解析結果. -4. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 軸 ひ ず み ε a (%). 図 −3. せん断過程における実験と計算結果の比較. -0.5. 3. 弾 塑 性 構 成 モ デ ル の 適 用. -0.2 0. ピーク強度と限界状態における体積ひずみで若干異 なる計算結果となっているが,不飽和土の力学特性. (%). 0.2. v. ε. 0.5. 体積ひずみ. 図−3 は,実験と計算結果を比較したものである.. 軸ひずみ ε a (%). 0. 1. 1.5. 0.4 0.6 0.8 1. をうまく表現できていることが分かる.地下水位上. 2. 0. 5. 10. 15. 20. 昇を想定した要素シミュレーションを図−4 に示す.. 内 部 拘 束 応 力 pm (kPa). 水浸に伴う圧縮挙動を定性的に表現できている.. 図 −4. 25. 1.2. 0. 5 10 15 20 内 部 拘 束 応 力 p m (kPa). 地下水位上昇を想定した要素解析. 25. <参考・引用文献>. 4. ま と め. 1)Alonso,E.E.,Gens,A.,and Josa,A.:A constitutive model for. 下負荷面と回転硬化の概念を導入した弾塑性構成. partially saturated soils, Geotechnique,Vol.40, No.3, pp.405-. モデルにより,(不飽和シルトの)サクションの大き. 430,1990. 2)軽部大蔵,勝山潤一,西海健二,丹波尚人:不飽和土. さの違いによるせん断挙動の違い,地下水位上昇を. の三軸圧縮状態における降伏関数,土木学会論文集, No.406/. 想定した水浸挙動を表現できることが分かった.. Ⅲ-11,pp.205-211,1989. 3)向後雄二:不飽和土の土質力学的特. 1 0.95. ⊿e サクション120kPaの 限界状態. 0.75. 飽和状態拘束圧 196kPaの限界状態. 0.7. ・ ・ ・ ・ ・. サクション30kPaの 限界状態. μd. 飽和状態拘束圧 98kPaの限界状態. 正規圧密曲線 NCL. 0.65. 1 1. 10. 100. 1000. 圧密応力(kPa). 図 −2. -0.01. 術講演会講演概要集,pp.677-678.2002. 5)向後雄二 ,浅野勇,林. -0.02. 田洋一:二つのサクション効果を考慮した修正弾塑性モデル,. -0.03. 農業土木学会論文集,No.217,pp.9-18, 2002. 6)村上哲,安原一哉,. Cs. -0.04. Cc. 1. 雄:不飽和土のせん断挙動シミュレーション,第 57 回年次学. 0. サクション60kPaの 限界状態. 0.8. 告,No.34,pp.39- 162,1995. 4)満山聖 ,村上哲,安原一哉 ,小峯秀. μ d = ‑1.1912*(p m / p') 2 +0.02. 0.01. 0.85. e. 実験より得られたμd 近似関数. 0.02. 0.9. 0.6. 性と土質構造物の安定性の解析について,農業工学研究所報. 0.03 λ=0.434Cc κ=0.434Cs. 4. 10. 5. 10. -0.05. 小峯秀雄,満山聖,酒井康徳:シルトの三軸せん断挙動に対す 0. 0.05. 0.1. 0.15. 0.2. 0.25. 0.3. る応力誘導異方性を考慮した弾塑性構成モデルの適用,第 39. pm / p'. パ ラ メ ー タ μ d に つ い て 結果 の 整 理. 回地盤工学研究発表会(投稿中),2004.. ‑114‑.

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