飽和粘土の降伏関数と3次元弾塑性圧密解析
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(2) III-A161. 4.解析結果の比較と考察 図‑2 に示すように,解析対象領域は広さ 50 Ç 50 m ,深さ. d. 10 m の一様な飽和粘土層とし,側面および底面を非排水境界,. 地表面からのみ排水可能とした.載荷条件は,地盤中央. c. a. 10 m. h b. e. 20 Ç 20 m に 500 kP a の等分布荷重を作用させた.解析に用い. g. 50 m. f. 50 m. た材料定数は N = 1:3 ,M = 1:5 ,ï= 0:2 ,î= 0:02 ,ó= 0:25 , 図-2 モデル図. ü= 1:0 , E0 = 5000 kP a , k = 1:0 Ç 10Ä 6 cm=sec である.. 図‑3 は,圧密完了時点の地表面沈下量を示したものであり, 載荷面中央での沈下量は,線形弾性解の約 60 cm に対して弾 塑性解では約 78 cm であり,後者は前者の約 1:3 倍となってい る. 図‑4 は,載荷面中央直下付近における圧密の進行状況を圧. -0.1 0 0.1 沈 0.2 下 0.3 量 (m 0.4 ) 0.5. 線形弾性 弾塑性. 0.6. 密度と時間係数の関係で表したものである.同一圧密度に達. 0.7. するまでの圧密所要時間は弾塑性解に比べ線形弾性解ではか. 0.8 0.9. なり早く,この解析例では,80〜90 % 圧密に要する線形弾性. 0. 5. 解の所要時間は弾塑性解の約半分程度となっている.もし,. 10. 15. 20. 中心からの距離. 線形弾性解よりも弾塑性解のほうが実現象をよりよく表現し. 25. r. 図-3 圧密完了時の地表面沈下量. ていると期待できるとすれば,線形弾性解析は地盤内の過剰 間隙水圧の消散を実際よりもかなり早めに評価する危険が常 に付きまとうことになる.. 0.0. 図‑5 は図‑2 の abfe 断面で見た過剰間隙水圧の分布を線形 の初期段階では,両者とも載荷面直下部にポケット状に高い 間隙水圧領域が形成される.しかし, 圧密中期から後半では,. 0.2 圧密度 U(T). 弾性解(左)と弾塑性解(右)で比較したものである.圧密. 線形弾性 弾塑性. 0.4 0.6. 弾性解ではほぼ一様に過剰間隙水圧が消散する傾向を示すが、. 0.8. 弾塑性解の過剰間隙水圧は載荷面下の底部不透水層境界付近. 1.0 0. に残留する傾向にある.. 0.2. 0.4 0.6 時間係数 T= cvt/H2. 0.8. 1. 5.あとがき 圧密降伏関数として限界状態モデルに類似した Cap モデル. 図-4 圧密度と時間係数の関係. を新たに導入し,Biot の圧密理論に基づく3次元弾塑性−圧 密連成解析の具体的な数値例を示し,線形弾性解析と弾塑性解析の比較から考察を加えた.その結果,土粒 子骨格構造の変形を支配する構成方程式は過剰間隙水圧の逸散過程や圧密沈下量に非常に大きな影響を及ぼ すことを示した.. 線形弾性. 弾塑性. (載荷 1 日後). 線形弾性. 弾塑性. (載荷 5 日後). 線形弾性. 弾塑性. (載荷 116 日後). 図‑5 過剰間隙水圧の分布 [参考文献] 内田亮,草深守人,竹内則雄:破壊状態線と限界状態線を仮定した Cap‑Model,土木学会第 56 回年次学術講演会講演概要集第Ⅲ部門,2001.. -323-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
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