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貯留性舗装 と浸透施設の設計 と浸透特性 に関す る検 討

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Academic year: 2022

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(1)【土木 学会 舗 装 工学 論 文 集. 第10巻2005年12月. 】. 貯留性舗装 と浸透施設の設計 と浸透特性 に関す る検 討. 三 浦 康 夫1・. 中薗. 裕2・. 三 枝 長 生3・. 阿 部 長 門4・. 真 鍋 和 則5. 1正会員 日本貨物鉄道株 式会社 物流 システム本部 保全 工事部 副部長(〒102‑0072東 京都 千代 田区飯 田橋3‑13‑1) 2正会員 工修 日本貨物鉄道株式会社 関東保全技術 セ ンター 副所長(〒116‑0003東 京都 荒川区南千住4‑1‑1) 3正会員 工博 日本貨物鉄 道株 式会社 物流 システ ム本部 保全 工事部 部長(〒102‑0072東 京都 千代 田区飯 田橋3‑13‑1) 4正会員 工博 東亜道 路工業株式会社 技術部. 技術課長(〒106‑0032東 京都港 区六本木7‑3‑7). 5正会員 東亜道路工業株式会社 技術研 究所 第4研 究室. 主任研 究員(〒300‑2622茨 城県つ くば市要315‑126). 着発線荷役 方式の鉄道貨物 施設 のコンテ ナホームは,着 発線 は1線 あた り延長500m以 上必要 である.さ らにフォ ー ク リフ トによる荷捌 きのために,2面 タイ プのコンテナヤー ドの幅員 は40m以 上必 要なた め,コ ンテナヤー ドの面 積 は約1.5〜2.0haとなる. また,モ ー ダル シフ トの概念 か ら交通の結節 点となる都市道路 とのア クセスの良好 な箇所 に建設 され るため,都 市 河川や 下水道 に与える洪 水への影響 を最小限 に しなけれ ばな らない. そ こで,フ ォー ク リフ トの荷重 に耐 え うる排 水 性混合物 の開発 を行 ってきた.こ こでは現場散水試験 を実施 し,貯 留型 路盤 の強度 及び厚 さ設計,浸 透 施設 の設計方法及 び浸透 能 力を検証 した.. Key Word : reservoirpavement,containeryard,permeable well,storagepenetrationfacilities. 1.は. 出す る排 水量 は約3倍 とな る.. じめ に. また,「特定都 市河川 浸水被 害対策 法」 が平成16年5 月15日. 近年 のCO2抑 制 を含む環 境問題 の高 ま りか ら,荷 物 の. か ら施行 とな り,全 国 の主要都市 で車道透水 性. 鉄道輸送 が見 直 されて きてい る.こ れ に対応 す るため 日. 舗装 の試験 施工 を行 うことが決 定 して い る.透 水 性舗 装. 本貨物鉄 道株式 会社 で は,荷 物 の速 達化 を図 るため,旅. を上記 の 目的で運 用す る場合,「 降 雨 を舗 装体 内 に一時. 客列 車 と同様 に コンテナ輸 送用 のた め旅 客本線 か ら直接. 貯 留 して流 出時 間 を遅 らせ る こ とで,雨 水 の流 出状 況. ホー ム を有す る着発線へ 列車 を引 き込 んで貨車 を切 り離. (ピー ク流 量)を 低 下 させ る舗 装構造 」 と考 える ことが. さず荷役 す る,着 発線 荷役方 式(E&S方. でき る.以 降で は,舗 装体 内に雨水 を一 時貯留 し,下 方 の地 盤 お よび舗 装 付 帯の浸 透施 設 に浸透 させ る舗 装 を. 式)の 導入 を積. 極 的に行 ってい る.. 貯留 性舗 装 と して呼ぶ こ とと した.. 貨物鉄道 の コンテナ ホー ムは,一 般 的 な貨物列車 の長. この貯留浸透型 の舗装や構 造物 を"開 発 行為 の 申請 を. さを考慮すれ ば,着発 線1線 あた りの延長 は500m以 上,. 必要 とす る"5,000m2以 上 の大規模 開発(特 定都 市河川. 荷役 作業幅員30〜42mな ので,舗 装面積 で約1.5〜2.0ha の舗 装が必要 となる1).ま た,こ の よ うな施設 はモー ダ ル シ フ トの概 念 な どか ら交 通 の結 節 点 とな る都 市道 路. 流域 に関 して は1,000m2以 上)と なる コンテナ ホー ムへ の適用 を検討 す るこ とが必 要 となった.こ こで は,コ ン. とのア クセスの 良好 な箇所 に建 設 され るため,都 市河川. テナ ヤー ド内 の降雨 を路盤 内 に一 時貯留 し,そ の路盤 中. や 下水道 に与 え る洪 水 へ の影響 を最 小 限 に しな けれ ば. に貯 留 した水 の圧 力 差 に よっ て浸透 井 戸 に排 水す る構. な らな い.ま た,舗 装表 面の降 雨は近接 の排水構 造物 か. 造 を設 計及び施 工 した.金 沢 貨物 ター ミナル駅 構 内改良. ら流域 の河 川や 下水 道 に遅れ が な く流出す るた め,貯 留. にお いて は,雨 水 の浸透 を舗 装 で遅 らせ,か つ9割 の雨. や 浸透 に よ る洪水 流 の遅れや 容量 の低 減 が必要 で あ る. バ ラス ト敷 きの軌 道構 造 を コ ンテナ ホ ー ム舗 装 に 改. 水 を舗 装下4.3mの. 築す る と,同 一面積 におい て表 面排水 の流 出係 数が0.30. 本 稿で は,透 水 性舗装 と浸透井 戸 を用 いた雨水洪 水流 の遅延 効果 を把 握す るため に,設 計降雨強 度 に近 い条件. 地 盤へ 浸透 させ,地 下水 を涵養 し,. 舗装 体温度 も低 減 させ る可能性 を検 討す るこ と と した.. か ら0.90に 変更 とな るため,河 川 や 下水道 に集 中的 に流. 99.

(2) 図‑1透. 水 性路盤 と排水 性舗 装(V=20%)の. 粒度分布. 図‑3現. 場抜取 り供試体 の硬化 に伴 う透水係 数 の変化. 残 りの25%を 舗 装下 の地盤 に 自然 浸透 させ る構造 を 目標 と して舗 装構 成 の検討 を行 った.こ の結果,路 盤 層や浸 透 井戸 で水 を浸透 させ るクラ ッシ ャランお よび単粒砕 石 の透水能 力 を3×10‑3cm/s以 上確保 す るこ とを 目標 とし た2). ここでは,貨 物 駅構 内の軌道撤 去時 に発 生す る廃 棄バ ラス トを有効活用 し,再 生資源利用促 進法(リサイ クル 法)に準拠 した透水 性舗装用 路盤 の検討 を行 った.廃 棄バ ラス トと切込み砕 石(30)を7:3の割合 で配合 し,セ メ ン ト とア スフ ァル ト乳剤 で混合 した ものが大粒径CAE路 盤 であ る.ま た,高 炉で鉄鉱 石か ら銑 鉄 を生産 す る時に生 写 真‑1φ150mmの. モール ドを用 いた定水位透水 試験. 成 す る高炉水砕 ス ラグを用 いた透水性 路盤 につい て も同 様 に検討 を行 った.透 水 性ケ ミカル 路盤 材 は砕 石(30)+高 炉 ス ラグ+石灰,透 水 性 ケ ミカル水砕 は水砕 ス ラグ+石灰 で構 成 され る.検 討 を行 った透水 性路盤 と表層 に用 い ら れ る排 水 性舗 装(空 隙率2%)の. 粒度 分布 を図‑1に示す.. 室内 で直径150mmの モ ール ドを使 用 し,3層 の振動締 固めで 作成 した供試 体 に よる定水位試 験(写真‑1)を行 い, 求 め られ た各路盤材 料 の透水係 数(定 水位,材 令1週間) を図‑2に 示 す.参 考値 として排 水 性混合 物(空隙 率20%) の透 水係 数 も示 した.排水 性混合 物 と3種類 の路盤 材を比 較す る と,排 水 性混合物 の透 水係数 はいずれ の路盤 材 よ りも1オー ダー 以上大 きい値 を示 してい る. 図‑2各. 材 料 の透 水係 数 の比較(室 内,定水位 材令1週 間). 施 工後 の月数 の違 い に よる路盤材料 の検討 を行 うため, 現場 か らコア を採 取 し,透 水試 験 を行 った結果 を図‑3に. の散 水試験 を実施 し,貯 留 性舗装や 浸透施設 の排水能力. 示す.ど の路盤 材料 も室 内試 験 で2×10‑2cm/s以 上 であ. の検証 を行 った.. り,設 定 した透水係数 の 目標値 を十 分 に満足 して い る. しか し,室 内締固 め供 試体 と現場 の抜 き取 りコア を比較. 2.貯. す ると,ケ ミカル 水砕 ス ラグは2‑5mmの 粒 状材 が多 いた め,初 期 の透 水能力 の傾 向が異 なる.ま た,現 場 か らの. 留性舗 装. (1)透 水型路盤 の検討. 抜 き取 り供試 体 の乾燥 密度 が0.02g/cm3程度 高い ため,室 内締 固 め供試 体 の透 水係数 が大 き くな る傾 向に ある.い. 透水 性舗装 を考 えるにあた り,舗 装表 面か ら河川 へ直 接流れ 込む排 水量 を極力 減少 させ るた めに,路 床(フ ィ ル ター層)内 に設置 した有孔管 か らの排 水量 と路床 以下 へ の 自然浸透 量 をほぼ一 致 させ,降 雨量 の75%を 浸透 井. ずれ の材料 も高炉セ メ ン トや石 灰 を用い てい るた め,路. 戸 に よって地 下(砂礫 層)に 強 制浸透 させ,か っ オー バー フ ロー した 雨水 は排水施 設か ら河川 へ放 水す るこ とと し,. て供試 体 中の空隙 が詰 ま る ことを示 してい る.このた め,. 盤 材料の強 度増加 が進 む と共 に透水係 数 が若 干低 下す る. これ は路盤 中の未 反応 の遊 離物 が固化す る こ とに よっ. 100. 材令1週 間の配 合設 計時 の路盤 材 にて透 水試 験 を行 った.

(3) 図‑4コ. ンテナ ホーム に適 用 した貯 留性舗 装 と貯 留浸透施 設 の断面図. 表‑3不 飽和及び飽和状態の弾性係数 と等値換算係数. 場合 には,材令6ヶ 月程度 まで透水 型路盤 の固化 が進 行す るため,配 合設 計時 の透 水係数 よ り小 さな値 を設 計値 と して採 用 し,供 用状態(安 全側)で 排水 計算 を行 うこ と (a)不 飽和状 態. が望 ま しい.. (b)飽 和状態(年 間90日). 図‑5提. (2)貯 留浸透性舗装 の設 計例 ここでは,雨 水浸透 によ る舗 装体 内部の飽和 及び不飽. な い 状 態 の許 容 可 能 年 数12.8年,弾 和 時 の 許 容 可 能 年 数5.60年. 和状態 を考慮 した舗 装設計 方法 に関 して検討 を行 った.. 性係 数 を低 減 した 飽. と算 出 され る.降 雨 に よ る路. 盤 な ど が飽 和 状 態 とな る条 件 が年 間25%(90日)と. 飽 和 ・不飽 和状態 にお ける路盤材 の弾 性係数 の違 いにつ. と,12.8×0.75十5b×0.25=11.0年. いて は,既 に参考文献3),4)で検討 してきた結果,飽 和状. 計 年 数10年. 態の弾 性係 数 が3割 以上小 さくなる こ とか ら,有 意 差が. に 対 して,11年. する. とな る.こ の た め,設. 間 は 許 容 可 能 とな る.常 に. 飽 和 状 態 と した 場 合 の 舗 装 構 成 は,図 中 の(b)の 結 果 とな. あるこ とが判 った.従 って飽和状態 にお いては弾 性係 数. り,不 飽 和 状 態 で 路 盤 と路 床 の置 換 え に 関 して 年 間 の1/4. 及び等 値換算係数 の低減 が必要 であ る と考 え られ る.現. が 飽 和 した 場 合 に 比 べ 路 盤 お よ び 路 床 上 部 の 層 厚 で. 在 までの検討結果 か ら,透 水 性または貯 留性 舗装 に使 う. 120mm厚. 材料 に関 して設 計に用 い るこ とが適 当 と考 え られ る弾 性. くな る.. 飽 和 及 び 不 飽 和 時 の 舗 装 状 態 に お け る弾 性係 数 や 等値. 係 数 をま とめる と表‑3の 様 な結果 にな る. この設 計事例 で検 討 した金沢貨 物駅構 内の貯留1生舗装. 換 算 係 数 に て 低 減(安. 全 側)で. 検 討 す る と,貯 留 性 舗 装. の舗 装 設 計 を 行 うこ とが で き る と考 え られ る.等 値 換 算. と浸透井 戸の断 面図 を図‑4に 示 す.こ こでは,路 床 上部. 係 数 を用 い た 設 計 方 法 で は,表 一3で 示 した よ うに等 値 換. に一 次貯 留 を行 うた めに再生バ ラス トとC‑40を6:4で 混 合 した置換 え層 を300mmす. 案す る舗 装構造. 算 係 数 を15〜20%低. る もので,路 床 の弾 性係数. うにD交. が60MPa(設 計CBR=6)を 確保 す る条 件 とした.な お1年. 減 して 考 えれ ば よい.以 下 に示 す よ. 通,設 計CBR=6の. 等 値 換 算 厚(TA=30cm)を. 満 足 す る舗 装 構 成 は 同等 な 構 造 と見做 す こ と が で き る.. 当た り12食フォー ク リフ ト交 通量 は138.5千 回 とす る(10. 不 飽 和 時:TA=5×1.0+10×1.0+24×0.65=30.6. 年 間の49kN換 算輪数 で2200万 輪程 度,D交 通 レベル).. 飽 和 時:Ta=5×0.9+10×0.9+31×0.55=30.55. 図‑5に 示 した 不 飽 和 時 の舗 装 構二 成 を基 準 に,多 層 弾 性 解 析 に よ り排 水 性 混 合 物 の基 層 下 面 の水 平 引 張 りひず み と路床 上 面 に発 生 す る垂 直 圧 縮 ひ ず み を算. 3.貯. 出 し,参 考 文 献1)に 示 され て い る新 設舗 装 断 面(図‑5 飽 和 状 態90日)の た.表‑3に. 留浸透施 設の設計例. (1)貯 留 量. 許容可能年数 を比較す るこ ととし. ここでは,図‑4に 示 す よ うに コンテ ナ置場 には透水性. 示 され た標 準 の 弾性 係 数 で は雨 水 浸透 が. 101.

(4) 図‑6降. 図‑7設. 雨強度 と降雨継続 時間(I10t1324mm/h). 計箇所 の浸透井 戸の本数 と浸透 時間. 浸透ます. 舗 装 を設 計 し,荷 役 箇所 には フォー ク リプ トの据切 りな どに抵抗 力の ある密 粒度混 合物(改質 アス ファル トII型) を使用 した.密 粒度 混合物 の表面 を流れ る水 に関 しては. (3)浸 透井 戸内 に1次 貯留可 能量(Qa3). 円型排水 路 に排水 され,集 水桝 か ら密 粒度 混合物 下面の 大粒径再 生CAE路. 浸透 井戸N=45本Vは. 盤層や 路床上部 の開粒型 の置換 え層. 空隙率%,4は. 浸透 井戸 の. 長 さ(m). (再生バ ラス ト+C‑40)で 一次貯 留 し,そ の後路床 面か. 1本 当た りの貯留量. らの浸透 や浸透 井戸に よる浸透構造 を検討 した. 鉄道 構 造物等 設計標 準(土 構 造物 編)5)に よる と,路 盤排 水 工 にお け る雨水 の排 水設備 までの流 達時間 は一般 に10分 とされ てい る.雨 水流 出量Q1(m3/sec)は式(1)で求. (4)舗 装 内に一時貯 留可能量(Qa4). めることができる.. 有 効空隙 は,ア ス ファル ト混合物層 に関 しては空隙 つぶ れや空 隙詰 ま りを考慮 し,路 盤 材につ いては,空. (1) ここに,I:降. 雨強度. C:流. 出係 数. A:集. 水 面積. 隙率 に対 して最適含 水比 を控 除 した. 有 効 空 隙 率(空 隙 詰 ま りを考 慮 して 低 減) 表 層50mm・. 基 層100mm:空. 路 盤 層,大 粒 径 再 生CAE路 ここで,本 設 計 箇 所 の連 続 降 雨継 続 時 間t=10分 雨 強 度1は132.4mm/hで,連. 場 合の 設 計 降 雨 強 度 は23mm/hで. 置 換 え層(貯. 間の. けるコンテ ナ ホ ー ム の集 水 面積 は16,170m2,流. 留),道. 床 バ ラス ト. :空 隙 率25%‑3%=22%. あ る.本 設 計 箇 所 にお. ア スファル ト舗 装 で あるの でCは0.90と. 盤. :空 隙 率25%‑6%=19%. 間 の降. 続 降 雨 継 続 時 間t=3時. 隙 率20%‑4%=16%. 出係 数 は. 舗装総面積 透水性表基層. す る.コ ンテ ナ ホ ー. ム の 流 出 量 をQ1と した 場 合,以 下 の ようにな る.. 大粒径 再生CAE路. (2). 盤. バ ラス ト置換 え層 これ に対 し,排 水構 造物や舗装 体 に貯 留可能 とな る貯. 舗装内に貯留可能な量. 留量Qaは, (1)円 形 水 路 内 に1次 貯 留 可 能 量(Qa1) 円型 水 路 φ300mm,延. 貯 留 水 面 は 平 面 性 を持 ち,舗 装 体 は 軌 道 側 が 高 い 形 状. 長1,000m. の 台 形 とな っ て い るた め,コ. ンテ ナ ホ ー ム端 部 で は 中 央. 部 に 対 して15cm程 度 高 くな る.こ の た め,コ ン テ ナ ホ ー ム に お け る横 断 の 勾 配 を 考 慮 す る と路 盤 層+路 床 置 換 (2)浸 透 ます 内 に1次 貯 留 可 能 量(Qa2) え層 に お け る貯 留 可 能 量Q2は8割. 102. 強 の1400m3/hと. な る..

(5) 図‑8現. 図‑9現. 場 で設 置 した計 測装置 の フロー 図. 場 に埋設 した計測 装置. (2)設 計浸透 量 ここでは,雨 水浸 透施設技 術指針(案)6)に お ける"設 置施 設の基準 浸透 量"を 算 定す るための"試 験施設 の終 期浸透 量"と"試. 験 施設 の比浸透 量'を 以 下の方法 で求. めた.こ こに金沢市 の降雨強度1は,5年 で降 雨継続 時 間t=10分. 確 率時 間雨量. と した場 合,先 述 した とお り. 1324(mm/h)と なる. 設 計浸透 強度 は,参考文献4)で は流 出量Qの. うち90%. 以上 を処理 す る量 として定 めなけれ ばな らない と し,路. (a)砕 石詰式 浸透井 戸. 盤 お よび 浸透井戸 に浸透 させ な けれ ばな らないので95%. 図‑10現. (b)中空 式浸透井 戸. 場 に埋設 した浸透 井戸 の構 造. 以上 の浸透 お よび設計 にお け る安全側 を配 慮 し,浸 透施 設の設計 浸透強度20mm/h以. 上 とす る必要 があ る.本 箇. 号が 出力 され る(太 田計器製 作所製).こ のパル スをパル ス カ ウ ン タ ー に て カ ウ ン ト し,デ ー タ レ コ ー ダ. 所 にお け る降 雨継続 時間 と降 雨強度 の 関係 を図‑6に ま とめた.. (NR‑000)に. この図 よ り,本 設 計で は降雨強度1と 継続 時間 曲線 で. てデ ー タを収 集 した.電 位 差 に よる圧 力. セ ンサー は,計 測器周 辺 に水分(含 水)が な い場 合(不. 得 られ る降雨継 続時間3時 間 の場 合の降雨強度23mm/h. 飽和 状態)で は,デ ー タの検 出がで きない場 合があ るた. を基 準 と し井 戸の本数 を定 めた.. め,雨 水 の浸 透 に伴 う路盤 中に発 生す る間隙水圧 を計測. ここで は,舗 装体の 中に貯留 し,浸 透井 戸に よって舗. す るた めに圧 力式 間隙水圧計(コ ーナ システム(株))を. 装体 内の水 が排 水 され る形 式 となって い る.現 場透 水試. 使用 した.本 箇所 は積 雪降 雨地域 のため,コ ンテナ ホー ムに消雪装 置が取 り付 けて あ るが,こ の消雪 装置 の圧送. 験 結果 よ り,各 井戸 の基 準浸透 量に影響係 数(安 全率) を考慮す る と,浸 透井 戸1本 当た りの単位 設計基 準浸透. ポ ンプ に流 量計 を設 置 し,消 雪用散水 装置 を用い た負荷. 量 は7.92m3/hと なる.こ の基準浸透 量に基づ く,浸 透井. 試験 を実施 した.. 戸 の本 数 と浸透時間 の関係 を図‑7に 示 す.こ の場合,浸 透 井戸45本 に よって356m3/h(0.099m3/s)の 浸透速 度 を. (2)浸 透量 の検証 ここでは,鋼 管(SGP管)の 下部1mに. 確保 す るこ とがで きる.こ の図か ら,舗 装体 に貯 留 され た雨水 は,5.5時 間 か けて舗 装下4.3mの 深 さの透 水層 に. 浸透 も可能 とす るため に開 口率6%の. 浸透 す る事 とな る.. 管 の側 面 か らの ス リッ トを用 いた. 浸透 井戸 を設置 した.こ こでは 自然 降雨 のデー タのほか に,散 水装置 を用 いて舗装 体が飽和 に至 るまで の負 荷試. 4.現. 場 試 験 に よ る検 証. 験 を実施 した.現場試 験で用 いた浸透井 戸の構 造 を図‑10 に示す.浸 透井 戸の設置 に関 しては,2重. (1)現 場 に設 置 した機 器 コンテ ナホー ム周辺 の雨量 と舗 装体 内及び浸透 井戸 の. リングを採用 し,ボー リングを しな が ら鋼 管 を押 し込み, 孔内洗浄 後 に単粒2号 砕 石を落 下 させ詰 めた浸透井 戸 と. 水 の流れ を把 握す るた めに図‑8に 示 す計測機 器 を,図‑9. 孔内洗浄 後 に管 上部 に鋼 製の蓋 を掛 けた浸透井戸 にて比. の 浸透 井 戸 周 辺 の位 置 に埋 設 した.雨 量 計 は,口 径 200mmの. 受 水 口か ら集 水 された雨 が0.5mm毎. 管方式 のボー. 較 検討 を行 った.. に雨量 計. 自然状 態の アス ファル ト混合物 の平均温度,雨 量 と浸. 内部の転 倒桝 が転倒 し,そ の転倒 動作 に よってパル ス信. 透 井 戸 の水位,下 層 路 盤底面 の 間隙水圧 に関 して図‑11. 103.

(6) 図‑112時. 間連続 降雨23mmの. 趣 平均温 度,雨 量 と. 図‑12負. 荷試験 に よるAs平 均温 度,雨 量 と浸透井 戸 の水位,路 盤の 間隙水圧 の変化. 浸 透井戸 の水位,路 盤 の間隙 水圧 の変化. に示 す.負 荷試 験 に用 いた散 水装 置の圧送 ポ ンプか らの 排水 量 と浸透 井戸の水位,下 層路盤 底面 の間隙水圧 に 関 して図‑12に 示 す.以 降の図 の凡例で は,砕 石詰式 浸透 井戸 を砕 石 と略 し,中 空式浸透井 戸 を中空 と略す. 平成16年6月1日. の2時 間連続降 雨23mmの. 対 して,浸 透 井戸 は急激 に1mほ. 雨量 に. ど上昇す る.中 空 式浸. 透井 戸 と砕 石詰式 浸透 井戸で は,浸 透井 戸内の最 大水位 の ピー ク時 間差で20分 の差 が生 じてい る.路盤 中の間隙 水圧 か ら,路 盤 中の水位 の レベル は15cm程. 度 上昇 し,. 路盤 中に雨水 が貯留 してい る間は,ア スプ ァル ト混合 物 図‑13飽. 層 の平均温度 も22℃ 程 度で あ る.雨 水 が浸透 し終 わ る と. 和時 の浸透 井戸 の透水係数. 間隙水圧 が消 散 し,ア ス ファル ト舗 装 の温度 上昇 が始 ま. く,散 水装置停 止24時 間後で も水深6cm程. る.ま た,路 盤 中の間 隙水圧 の消散 は接続 してい る浸透. 路盤層 に貯留 して いる.. 井 戸の種類 に よって 消散 までの時 間(流出時間)が異 な る.. 度の雨水 が. この時 の浸透 井戸 の水位低 下か ら求めた透水 係数(変. 散 水に よる負 荷試験 は,5.5時 間で1360m3の 水 が浸透 井. 水位)の 推移 を図‑13に 示す.砕 石詰 式浸透 井戸 の透水. 戸 に流 れ込 んだ状態で,浸 透井戸 の基準浸透 量 に関す る. 係数 は,中 空式 浸透井戸 の透 水係 数の1/10以 下で あるが,. 設計値 の96%程 度 で あった.ま た,路 盤 中の間隙 水圧 の. それ ぞれ の浸透 井戸 におい ては時間 の経過 に伴 う透水係. 消散 をみ る と,完 全飽和 後 は浸透井 戸へ の水の浸透 も遅. 数 の低 下 はほ とん どない.中 空式浸透 井戸 の透 水係数 の. 104.

(7) 負荷 量 が少 な く,洪 水対 策及 び都 市環境 に優 しい技 術 で あ る.. 5.ま. とめ. 以下 に,貯 留性舗 装及び貯 留浸透施 設の設 計並び に現 結果 に関 してま とめ る. 1)貯. 場試験. 留性舗 装の厚 さ設 計 におい て,飽 和状態 を加 味 し. 低 減 した弾 性係数 を用 いて解析 を行い,年 間の飽 和 状 態 の比 率 を考慮 した ダ メー ジ解 析 によ り舗 装厚 を 算 出す るか,等 値換算係 数 を低 減 したTA法 に よ り算 出す る と良い. 装面 の雨量 か ら既設排 水量 及び浸透量 の水収 支が. 2)舗. 路盤貯 留量 とな るが,路 盤 中の間隙水圧 は路盤 貯留 量 と同様 な傾 向 を示 してお り,貯 留量 を検 討 す る路 盤 材料 の空隙率 とそ の低減 量 を使 って,設 計的 に問 題 な い事 が観測 された. 図‑14浸. 3)飽. 透 井戸 の水位 低 下時のsとIn(t/r2)の関係. 和後 の浸透井 戸の水位 低 下か ら算定 した透水係 数 は,中 空状態 では時 間の経過 に伴 って低 下す る こと. 表‑4浸 透井戸 と滞水層の透水量係数 と貯留係数. が ある. 4)貯. 留 性舗 装の路盤 に雨水 が貯 留 されて い る状態 では, 約1日 間 にわた って,ア スフ ァル ト混合 物 の路面温 度 の上 昇 を抑制す るこ とがで きる. 石詰 式浸透井 戸 は中空式浸透 井戸 に比 べ降 雨強度. 5)砕. や浸透 量の変動 に対 して安定 してお り,降 雨 に伴 う. 低 下 は,雨 水 を浸透 させ てい る砂 礫層(透水 層)の貯留容. 浸透 に関す る滞 水層 への負荷 を考慮す る と砕石詰 式. 量の低下 に よる と推 測 され る.. 浸透井 戸の使 用が望 ま しい と考 え る. 透 施設 の設 計 に当た っては,現 位置 で浸透 させ る. 散水 に よる負荷 試験 の1時 間 当た り30mmと60mm. 6)浸. の場合 にお ける,浸 透井戸 の水位低 下時 のsとIn(t/r2). 透水層 の浸透 試験や 揚水試 験 を行 い透 水係数 も しく. の関係 を図‑14に 示す.負 荷試 験で得 られ た1時 間の降 雨量30mmと60mmの. は透水 量係数Tや 貯留係 数Sを 求 め,浸 透 施設 の安. 場合 の浸透 井戸 と滞水層 の透水. 全率 を考慮 した基準 浸透量 に基づ き,浸 透 施設 の容. 量係 数 と貯留 係数 を表‑4に 示す.透 水量係 数Tと 貯留. 量 を定め る方 法の妥 当性 が検証 された.. 係 数Sは ヤ コブの方法7)で求 めた もので,こ れ は雨水 を 浸透 させ て い る浸透井 戸 と滞 水層 の合成 的 な結果 を表. 【 参 考文献 】. して い るが,負 荷 試験 に用 いた浸 透井 戸の 中心 間隔 は. 1). 20mし か離れ て いない ため,両 者 の浸透 井戸 の試 験条. 日本 貨 物 鉄 道株 式 会 社: 貨 物 設 備 ア ス フ ァ ル ト舗 装 の 設 計 補 修 の 手 引 き, 2000. 3. 件 の うち,滞 水層 の条件 はほぼ一定 とみ な され る. この ため,表‑4に 示 した透 水量係数Tと 貯 留係 数S. 2). (社) 日本 道 路 協 会: 舗 装 設 計 施 工 指 針, pp.61, 平 成13年 12月.. は浸透 井戸 の特 性 を表 して い る と考 え られ,砕 石 詰式 浸透井 戸の 浸透 は遅 い ものの,降 雨強度 が 異な って も 一定 の浸透 量 を保 持 してお り ,安 定 してい る.こ れ に. 3). 阿 部 長 門, 雑 賀 義 夫: 路 盤 材 料 の レ ジ リエ ン トモ ジ ュ ラ ス,. 4). 三 浦 康 夫, 中薗 裕, 三 枝 長 生, 阿 部 長 門, 井 上 彰: 車 道 型. 舗 装, 第29巻,. 対 し,中 空 式浸透 井戸 は降 雨強度 が小 さい と浸透 量や. 6月 号, pp.9‑15, 1994. 透 水 性舗 装 と貯 留 浸 透 施 設 の設 計 方 法 に 関 す る検 討, 土 木. 速 度 が速 い もの の,降 雨強度 が 高い場合 には砕 石詰 め よ りも浸透 が遅 くな る.降 雨 に伴 う浸透 に関す る滞水. 学 会 舗 装 工 学 論 文 集, 第7巻, 5). 層 への負 荷 を考慮 す る と,浸 透速度 が遅 く,降 雨量や. pp.8‑1〜8‑0,. 2002年12月.. (財)鉄 道 総 合 技 術 研 究 所 編: 鉄 道 構 造 物 等 設 計標 準 ・同 解 説 土 構 造 物 編, 丸 善, 1992. 10.. 浸 透量 に対 して安 定 してい る砕 石詰 式浸 透井 戸 のほ う が望ま しい と考 え られ る.. 6). (社)雨 水 貯 留 浸 透 技 術 協 会編: 雨 水 浸 透 施 設 技 術 指 針 (案). 7). 久 保 田 敬 一, 河 野伊 一 郎, 宇 野 尚雄: 透 水‑設. 調 査 ・計 画 編, 2000. 1.. 貯留 性舗 装 や浸透 施設 に浸透 井戸 を使 うことは,都. ロー チ, 鹿 島 出 版 会, 昭 和54年4月. 市 環境 にお け る河川 や 下水道 な どの排水 施設 に与 え る. 105. .. 計 への アプ.

(8) EXAMINATION. ON THE DESIGN. THE RESERVOIR Yasuo MIURA,. METHOD. PAVEMENT. Hiroshi. AND THE INFILTRATION. NAKAZONO,. Yoshimichi. Kazunori. Arrival railway. and freight. container the. yard. 2 plane. sewerage a node. facilities. type, must. capacity. since. shift. they. and. reservoir. necessary. the. arrival. over and. 1.5•`2.0ha are. traffic which. can and. base. course. the. resist thickness were. per. OF. FACILITIES. SAIGUSA,. 1 line. line of. 40m.. it is constructed from. strength. 500m. disposal. over. PROPERTIES. Nagato. ABE and. MANABE. departure. for. necessary. since. of the. mixture. out,. of the. of. are. about. be minimized,. drainage. carried. lines. becomes. of modal. Then, was. departure. AND INFILTRATION. cargo. goods And,. for the. over. extension. for. container. yard. system.. In. addition,. the. handling. by the. good. the. the. forklift. effect. position. on. for the. of the. the width flood. access. of container. given with. to. urban. the urban. of. the. area. of. yard. of. river highway. and as. concept. the. load design,. of the design. verified.. 106. forklift. has. method. been of. developed. the. infiltration. Here, facilities. the. field and. spray infiltration. test.

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参照

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4-2 5 評価 1 A

・耐久性等を考慮すると空隙率を 20 %程度まで増やすことができ、空隙率 20 %程度のときの浸透水 量は 1,000 ~ 1,500 ml /15

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