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変性網膜におけるiPS由来網膜色素上皮細胞移植による保護効果―間葉系幹細胞及び神経幹細胞との比較

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Academic year: 2021

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Title

Protective Effects of Human iPS-Derived Retinal Pigmented Epithelial Cells in Comparison with Human Mesenchymal Stromal Cells and Human Neural Stem Cells on the Degenerating Retina in rd1 Mice.( Abstract_要旨 )

Author(s) Sun, Jianan

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2016-03-23

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k19561

Right

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

(2)

京都大学 博士( 医 学) 氏 名 孫 嘉 楠

論文題目

Protective Effects of Human iPS-Derived Retinal Pigmented

Epithelial Cells in Comparison with Human Mesenchymal Stromal Cells and Human Neural Stem Cells on the Degenerating Retina in rd1 Mice (変性網膜における iPS 由来網膜色素上皮細胞移植による保護効果 ―間葉系幹細胞及び神経幹細胞との比較)

(論文内容の要旨)

網膜色素変性は、遺伝性の桿体視細胞の進行性の変性を特徴とする疾患群であ る。その治療戦略は大きく桿体視細胞の変性抑制と視細胞の再生治療が考えられ る。網膜色素上皮細胞(RPE)が分泌する PEDF は神経栄養因子として網膜変性モデ ルにおいて保護効果が報告されている。また、海外においては神経幹細胞(NSC) や間葉系幹細胞(MSC)を用いて網膜色素変性や加齢黄斑変性における視細胞保護 効果を目的とした臨床研究が行われている。本研究では、視細胞変性疾患マウス モデルであるrd1 を用いてヒト iPS 細胞由来網膜色素上皮細胞(hiPS-RPE)を移植 することにより、視細胞の保護効果が得られるか、NSC や MSC と比較検討を行うこ とを目的とした。 ヒト NSC, MSC, hiPS-RPE はそれぞれ特徴的マーカーで確認後、変性進行極期 の2週齢のrd1マウスの片眼網膜下に 1×105 cells/眼ずつ移植し、シクロスポリ ン免疫抑制剤を投与した。また移植前細胞を用いてそれぞれの細胞における PEDF、 VEGF、TGF-beta、BDNF などの栄養因子の分泌を ELISA を用いて比較した。また移 植2-3週後に視細胞の残存数、移植細胞の残存数、移植細胞中の増殖細胞数とア ポトーシス細胞数、移植片へのマイクログリア浸潤細胞数を比較検討した。 hiPS-RPE 移植群では他の細胞の移植群に比べ移植2-3週後に有意に多く視細 胞が残存しており、わずかに増殖が見られた。また、他の細胞より移植細胞の残 存が多く、マイクログリアの浸潤も少なかった。眼内の PEDF 濃度を調べると移植 2-3週後に 1 μg/ml を超えており、このことが視細胞保護効果に寄与している と考えられた。 hiPS-RPE は変性進行極期でも良好に生着し、PEDF などの栄養因子を分泌する ことにより視細胞変性を遅延させる効果が期待できると考えられた。 (論文審査の結果の要旨) 加齢黄斑変性や網膜色素変性など視細胞変性を呈する疾患に対して海外では視 細胞保護目的で神経幹細胞(NSC)や間葉系幹細胞(MSC)の移植の臨床研究が行わ れている。本研究では視細胞変性疾患マウスモデルであるrd1を用いて、ヒト iPS 細胞由来網膜色素上皮細胞(hiPS-RPE)を移植することにより、視細胞の保護効果が 得られるか、NSC や MSC と比較検討を行った。 hiPS-RPE 移植群では他の細胞の移植群に比べ移植2-3週後に有意に多く視細 胞が残存していた。また、NSC や MSC は移植後早期にから顕著に減少したが、 hiPS-RPE は長期に生着・残存し、マイクログリアの浸潤も少なかった。眼内の PEDF 濃度を調べると移植2-3週後に有意に上昇しており、このことが視細胞保護効果 に寄与していると考えられた。これらの結果から、hiPS-RPE は変性進行極期でも 良好に生着し、PEDF などの栄養因子を分泌することにより視細胞変性を遅延させ る効果が期待できると考えられた。 以上の研究はヒト iPS 細胞由来網膜色素上皮細胞の視細胞保護効果の解明に貢 献し、ヒト iPS 細胞由来網膜色素上皮細胞を用いた移植治療の臨床開発に寄与する ところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認め る。なお、本学位授与申請者は、平成 27 年 12 月 25 日実施の論文内容とそれに関 連した試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

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