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高分子材料の低速破壊研究への計測用テレビシステ ムの応用

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

高分子材料の低速破壊研究への計測用テレビシステ ムの応用

高橋, 清

九州大学応用力学研究所 : 助教授

桜田, 泰弘

九州大学応用力学研究所 : 助手

http://hdl.handle.net/2324/4743614

出版情報:應用力學研究所所報. 51, pp.1-12, 1980-02. Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University

バージョン:

権利関係:

(2)

九 州 大 学 応 用 力 学 研 究 所 所 報 第51号 昭 和55年 ー

高分子材料の低速破壊研究への計測用 テレビシステムの応用

橋 田

清 *

弘**

概 要

高分子材料の低速破壊域における成長開始点の検出や破壊速度の測定,影点法による応力拡大係数の 連続測定などに閉回路計測用テレビシステムがどの程度利用可能かにつき,了備的な実験を行った.時 閻的分解能は約1/10秒,また,{象の非旧線性は垂匝方向で2 6彩,水平方向で2 18%程度であった.

顕微鏡と組み合わせて用いたときの低ひすみ速度下におけるアクリル樹脂の破聡成長開始時の検知限界 き裂長さは約50μであった.影点法の応川て10%を越えない誤差の筍囲内で応力拡大係数の連続測定が 可能である. 0.01mm/分の引張速度の場合このシステムによって高速詭性破壊開始位置のごく近くまて 観測が可能で,そのときの破壊速度は10 20mm/秒であった.

Key Words: Poly  (methyl Methacrylate),  Slow Fracture,  Fracture Velocity, Shadow‑

Spot Method,  Televison System. 

1. は じ め に

破壊現象などのように動きのある対象を観測するときに何らかの撮影手段が用いられることがよくあ る。対象の変化する速度に応じて通常の光学カメラ, 16mmフィルム振影装詈,各種の高速度カメラな どが用いられる. しかし高分子材料の低速破壊では負荷速度が遅ければ成長開始まての時間はかなりあ り,成長を開始してからの速度はゼロ近くから10mm/秒以上のオーダーまで大屈に変化する. したが ってフィルム式撮影装賞が利用可能なのはごく限られた特定の時閻的,空間的条件においてのみという ごとになる. 16mm撮影装懺の利用例は比較的多い.例えばRegel'),樋n2l, Kambourら3)によるク レーズやクラックの成長や変形の観察例がある.

しかし長時間の連続観察にはフィルム式撮影装樅は不適当で, これにかわるものとしてテレビ (TV) システムの利用が考えられる. この場合問題となるのはシステムの測定粕度,特に残像性と像の直線性 である.通常のいわゆるエ巣テレビは単なる監視を主目的としているので,計測に応用したときの粧度 には閻題がある. しかし最近では計測も可能なように高感度て低残像性の撮像管を用い,掃引の直線性 を改良するための補正コイルをブラウン笞に紀みこんだ閉凶路式のTVシステムが市販されている.

*九州大学応用力学研究所助教授

**九州大学応用力学研究所助手

(3)

2  高 橋 ・ 桜 田

この計測用TVシステムを使用して,アクリル樹脂の低速破壊の発生の検知,破壊成長速度や影点法 による応力拡大係数の測定を試験的に行ってみたので,その結果について報告する.

2.  計測用テレビシステムと実験方法

図1に計測用TVシステムのブロック図と実験方法を図示した. このシステム(日立CCTV)は2台 のカメラ(カメラ I・・・カルニコン管使用, カメラII…ビジコン管使用), ミキサー, VTR,モニターか らなり,モニター上で2現象を同時に鋭察てきる.試料板(アクリライトS, 110mmx40mmx(l 10)  mm)には楔衝撃式き裂スターター4)により長さ a。が8mm前後の鋭いき裂をあらかじめ片側に入れた.

引張負荷は引張試験機(島津オートグラフ DSS‑5000)により,室湿ドで0.01mm/分の速度で行った.

き裂先端部をTVカメラ Iで観察した.カメラには顕微鏡(ニコン SM‑5, SMZ‑10)ないしは接写リ ングをとりつけた.一方像面0)すりガラス上の影点の連続観察にはカメラJIを用いた.影点は He‑Ne レーザー嵐光源からの光がき裂先端の応力集中城を通るときに屈折させられることにより生じる.影点 の人きさから応力拡大係数を求めることができる見 図1の像面上にはディジタル時計をおき, TV像 に時刻が表示されるようにした. T VカメラJIの隣りの光学カメラは光軸上にあり,進展開始前の影点 の粕密測定(今回の報告には含まれない)とTVカメラI1による影点測定の較正という 2つの目的を持 っている.カメラ IとI1の像はミキサー, VTRを経てモニターに写し出される. ミキサーの操作によ りモニター上で種々のワイプか可能である. VTRは3/4ィンチ カセットテープを用い,辿続録画時 間は30分で,一時停止,静止両再生,駒送りなどの機能をもち,遥隔操作が可能てある. TVモニター

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図 1 計 測 用 テ レ ビ シ ス テ ム と 実 験 法

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嵩分子材料の低速破壊研究への計測用テレビシステムの応用 3 

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図 2

4  6  TV Fields  搬 像 管 の 残 像 特 性

は水平偏向回路に直線性補正コイルをもち, 直線性は公称で土10%以内とされている. 解像度は水平 700本以上,

さえられる.

垂直350本とされているが, VTRと併用したときにはVTRの解像度(水平300本)でお

動きのある対象を観察,計測しようとする場合TVカメラの撮影管の残像特性が問題となる. 図2は カメラ I(カルニコンE5176A)及 びll(ビジコン 20PE19)の管球の残像特性の1例で,横軸に TV フィールド数(駒数), たて軸に光の入射を瞬間的に零にしたときの管球からの信号出力がとられてい る. この図によると1駒目(約1/30秒)の残像は両者とも約32%, 2駒目(約1/15秒)で約18%に 低下している.残像特性は出力電流の閲数となっており,信号電流 Isig.が0.05μAとなると図の特性 曲線は約10鈴程度上方へ移動する.これらの特性から時閻的分解能を厳密に数値て 与えることはもちろ んできないが,残像度が約1割位にまておちる1/10秒程度がひとつの目安と考えられる.

3.  テレビシステムによる像の直線性

像の直線性は主としてカメラレンズの歪曲収笠(光学的) とテレビの掃引特性(電気的)によって影 聘される.等間隔の目盛りを与し出させて直線性を調べた例を次に示した. 図3(a)は4倍の対物レ ンズをつけた顕微鏡を通して 0.1mmきざみの目盛板を正面から見た場合で,水平方向の相対的な拡人 率の変化をグラフで示した.視野のほほ半分を占める定倍率域の両側は主としてレンズの歪曲収差のた めに倍率が増し,特に右側ではこれに水平方向掃引の非直線性が加わって,最大て約1割の非直線性が 生じている. この結果から,被写体がこのような非直線域にまでおよぶ場合には,要求される測定精度 に応じて較正か必要となることがわかる.同図 (b)は同じく 0.8倍の対物レンズを用いた場合で, 2  次元的な倍率の不整がチェックできる.垂直方向で最大6 %,水平方向で最大18形の非直線性をもっ.

しかし視野の巾心部に限れば,数形の誤差内で補正なしに定量測定が可能である.

図 4には, TVカメラIIて像面のすりガラス上においた方眼紙を見たときの像の下半分だけをとり上

(5)

4  高 橋・桜 田

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図 3 顕微鋭と組み合わせて用いたときの{象の非直線性の例 (a4倍の対物レンズ使用 (bl 0. 8(音の対物レンズ使用

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図 4 ななめ接写における非囲線性を示す倍率分布の例

げて,その相対的な倍率分布を数字で示した. ここではカメラの観察方向が/象面と逍角になっていない ことによる非直線性がさらに加わっている. 応力拡大係数 (K)は像面上の影点の垂直方向の最大直径

¢の5/2乗に比例しており, Iくの測定誤差を10%以下におさえようとするならば,のは4彩以下の精度 で読みとることが要求される.¢はモニター上の静止させた像の撮影フィルムをフォトデンントメータ ーにかけて測定するが,図4の結果は影点の位懺によって補正が必要になることがわかる.

4. 破壊成長開始時点の検出の問題

破壊成長の開始は材料強度論上最も軍要な問題である金属材料のような不透明体ではその正確な検 出は大変難しく,従来は光学的方法の他に,アコスティックエミッション,超音波,歪ゲージ,翫位差 刹定などの方法が用いられてきているようであるが,いずれも一長一短があるのが実情である この実 験におけるような透明な高分子材料の場合には,光学顕微鋭にTVシステムを併用した本方法は破壊成 長開始時点の検出には最も適したシステムと考えられる以下にこの場合の検出の限界について商単に 考 察 し て み た い

顕微鏡を用いるにせよ接写リングを用いるにせよ,その系の分解能(あるいは目視の誤差を考慮する ならばその2倍程度)が検出限界を 与 え よ う な めらかな破面をもつき裂を観察する場合,この検出限

(6)

高分子材料の低速破壊研究への計測用テレビシステムの応用 5 

界をさらに低下させる次のような要因がある。観察ではき裂からの透過光ないし反射光を見ているわけ だが, き裂の存在を知るためにはその開口部における光路差が少くとも可視光波長(入)の%は必要で ある.テレビシステムを通してモニター上で像を見る場合にはシステム自身による分解能低下もあるわ けだから, さらに多くの光路差が必要である.しかしながらアクリル樹脂のようななめらかな破面をつ くる材料に鋭いき裂を発生させ,いったん除荷した後に再び負荷を加えてゆく場合,開口部の光路差が 入/4以下になってしまっていて,見かけ上き裂が閉じて, しまっていることがあり得る. この理由には 破面近傍の弾性余効的な変形挙動や空気中の水分子のき裂先端への侵入付着などが考えられる.図5に はその最も極端な例を示した.1 7までの写真は下の(5‑I(グラフ中の①〜⑦の位置にそれぞれ対応し て い る こ こ で6は荷重をき裂のない部分の断面積で割って得た応力である.見かけ上は1 3の過程 で成長開始しているように見えるが実際の開始点は4(矢印)であろう. 1のスケッチ図を1'に示し た か す か は 見 え る フ ロ ン トBがき裂の先端らしいことはその根元のところCにおける応力集中による 影の存在が示している.仮りに開始点を1とすると,破断強度の1/2以下て破壊が発生するという不自 然なことのほかに,き裂がかなりの程度の速さで進みだすまでの時間が異常に長すぎるということがあ

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図 5 2mm厚試料のき裂の成長開始と影点の観察例 (K値の計算は破壊力学の式による)

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(7)

6  高 橋 ・ 桜 田

る.図 6は前記Aのような見かけ上の先端部が光学系の分解能の 1 2倍程度進んだ時点を開始点と仮 定したときのき裂成長量 (a‑a。)と時間 (t) の関係を示すいくつかの例である (1,2mmは顕微鏡,

3,10mmは接写リングを使用).いずれも動き出したと見なされたき裂がその後長時間にわたって静止 に近い状態にあり,一定のひずみ速度で引張られている高分子材料中の挙動としては不自然である.

図 5 は極端な例で,実際には真のき裂先端がどこかを知ることが難しい場合が多い•そのような場合 には図6のようなき裂の成長曲線から,、き裂が明臼に成長しつつあることが明らかな惹を選び開始点と せざるを得ない.顕微鏡を使用した場合にはみかけ上のき裂長さ a‑a。にして 0〜約 50μの間にそのよ

うな開始点があるようで,検出限界としては最高 50μということになる.

図 7は光学系の分解能程度で開始点を検出した場合(白丸)とその数倍のところまで見かけ上き裂先

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図 6 見 か け 上 の き 裂 成 長 曲 線

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d  (mm) 

図 7 低速破壊発生時の K値と見かけ上の検出限界き裂長さ (K値の計算は破壊力学の式による)

(8)

高分子材料の低速破壊研究への計測用テレビシステムの応用 7 

端が伸ひたときを検出点とした場合(黒丸) の破壊靱性 (6から計算された Ki) の比較で, 前者は 5 10%程度低いKiを与える. なお図7から, 常温でこのひずみ速度 (1.3x1o‑41分)下における PMMAの平面ひずみ破壊靱性 Kieは0.82MN/m31'と与えられる.

以上は鋭いき裂をもつ試料につき荷重を零からあげてゆく場合の検出限界に関する議論で,疲労テス トの場合とは異なることはいうまでもない.

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図 8 平行き裂の成長と影点の同時観察例及び破面の写真

(9)

8  高 橋・桜 田

5, 破 壊 の 観 察 例

図8は厚さ dがそれぞれ 1,3,  10mmの試料中の 1次元的な平行き裂の成長の観察例である. 各 No.のき裂先端は下の破面写真上の同一の No,の位骰に対応している.いずれも No.1は成長開始直 前の姿である. 図8(a)のAは時計, Bは 図1の光学カメラの較正用スケール, Cは影点である. d が 1mmのき裂はここでは著しく不賂な形状のまま高速破壊(不安定破壊)に転移している.(C)の No. 4は高速破壊転移位置から約1mm手前の状態で, 約30ms後の次の駒ではすでに破断が終ってい

. dが3mm以上の試料のき裂先端はおおむね安定して平行状態を保って進行している。

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図 9 ななめき裂の成長と影点の同時観察例及び破面の写真

(10)

高分子材料の低速破壊研究への計割用テレビシステムの応用

︐ 

図9は先端がななめの形状をもったき裂の例である.根元の部分の方がストレスインテンンティーが 嵩いため,常にここから成長を開始する. dが 1mmではシアークラックないしクレーズが数多く発生 し(No.1)そこからき裂が成長する. dが 5mmの場合には伝播中にき裂先端がそろってくるが ((b)), その過程で応力集中が2分割されることがある (No.3)ことが影点の形状変化からわかる.

6. 他の2,3の測定例

図10には影点法で測定された応力拡大係数 (K(S))とき裂長さ a との関係を示した. 1mmの試料の 靱性が例外的に高いことは当然のことながら図7の測定結果とも共通している.靱性が高くなることの 理山にはき裂先端部での多数の微少なクレーズあるいはシアークラックの存任が考えられる.これらは き裂生成時点てすでにできているものと,負荷の過程で生じるものとがあろう.応力状態が平面ひずみ 状態に近いところではクレーズが,平面応力状態に近いところではシアークラックが発生しよう.試料 が薄くなった場合にはこれらクレーズなどによる応力集中の分散効呆は熊視できなくなると思われる.

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5  10  15 

a (mm)  図 10 影点法による苔裂の K値 (K(S))の連続測定例

20 

(11)

10  高 橋 ・ 桜 田

そのために靱性が高くなるが,それらの周辺に充分にたくわえられたひずみエネルギーが急に解放され たとき,すでに図6, 8,  9で見たようにき裂は急激に不安定な成長をすることになる.

図10で他の厚さの試料はき裂の成長とともに

K

値は上昇している.これらの曲線上で凹凸がみられ るのは成長の途中でき裂先端部がななめ状の不ぞろいになることがあるためで,この場合影点の大きさ を減じる効果がある. 1mmの試料の破断直前の K値の減少も同じ理由による 10mmの試料の測定 値が幾分小さめにでることは応力光定数の板厚依存性にもとずくようである.この点については別の機 会に詳しく報告したい.'

図11は図10と同じ試料につき破壊速度VとKの関係を示した. KはVに関する増加魔数となって いるが,破壊速度は成長とともに増してゆくのであるから,この図は図10の別の表現ともいえる な ぉ,ここでは K(S)に対する応力光定数のひずみ速度依存性は考慮していない.

図12はき裂の成長量 (a‑ao)とVの関係の測定例である. き裂長さは3の方法で補正し, 時間は 1/10秒きざみで測定した.このひずみ速度(1.3x 10‑4;分)下における低速き裂の最終速度は10 20mm

/秒と測定された.

表1はTVシステムで測定された低速き裂成長量 (Aa1) と実際の破面上で測定された量 (Aa2)と の比較を図12の試料について行ったものである. 図12で示したように低速き裂は末期に1/10秒の間に

1 2rnm進むことを考えるならば,このTVシステムによって高速脆性破壊発生の直前までの姿がと らえられているということができよう.

1,2 

PMMA 

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図11 影点法で測定された応力拡大係数 K(S)と破壊速度 Vの関係

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(12)

高分子材料の低速破壊研究への計測用テレビシステムの応用 11 

10 

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き 裂 成 長 型 a‑a。と Vの 関 係

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10 

図 12 表 1

a

Aa1  4a2 

図12の試料のテレビによる低速き裂長さ測定値 (4釘) と破面上で測定された詞速破壊転移迄の成長;;; (4化) a。は初期き裂長さ, dは厚さ(単位は m m)

2  3  5 

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10  9.8  10.0  11.5 

7. お わ り こ

ア ク リ ル 樹 脂 の 低 速 破 壊 の 観 察 を 例 に と り 上 げ,計 測 用 テ レ ビ シ ス テ ム の 応 用 に 関 し て 試 験 的 な 研 究 を行った.テレビシス テ ム は 長 時 間 負 荷中の破 壊 の 成 長 開 始 時 点 の 検 出 に 特 に 有 効 で,アクリル樹脂の 場 合 そ の 検 出 限 界 き 裂 長 さ は 約50μである0.  01mm分 の 引 張 速 度 で 常 湿 に お け る 平 面 ひ ず み 破 壊 靱

(13)

12  高 僑 ・ 桜 田

性は 0.82MN/m312となった.像の直線性はモニター上の缶位置で異なるので,四求される測定精度に 応じて補正する必要がある.補正を行うならば低速破壊進行中の応力拡大係数 (K)の影点法による連 続測定が可能である.そのようにして測定される K値は破衷速度に謁する増加関数となる. テレビシ ステムの時間分解能は約1/10秒で, l0‑4 10mm/秒のオーダーの破壊速度が連続測定できる 前記引 張条件下で高速脆性破襲に転移する直前の破衷速度は10 20mm/秒であった.

謝 辞

何かとお世話いただいた栖原寿郎教授他材料部の方々に厚く感謝いたします・

なお本町究の一部は圏和53年度文浣省科学研究費によるものであります・

文 献

1)  Regel,  V. R.,  On the Kinetics  of  the  Growth  of  Cracks  During  the  Breaking of  Solids,  Sov.  Phys. Tech.  Phys.,  1,  1956,  pp.  353‑361. 

2)樋口正一,引張ひずみ速度に依存するメタクリ酸メチ)レの破断強度,九州大学応用力学研究所 所報, No. 26,  1967,  pp.  225‑240. 

3)  Kambour,  R. P.  and Kopp, R. W., Cyclic Stress‑Strain Behavior of the Dry Polycar・  bonate Craze, J.  Polym.  Sci.,  A‑2,  7,  1969,  pp.  183‑200. 

4)高橋清,桜田泰弘,小松治男,脆性高分子試料板の人主吾裂の長さ制御,九州大学応用力学研 究所所報, No. 48,  1978,  pp.  69‑75. 

s)  Manogg,  P.,  Die  Lichtablenkung  <lurch  eine  beanspruchte  Platte  und die  Schat・  tenfiguren von Kreis und RiBkerbe,  Glastech.  Berichte,  39,  1966,  pp.  323‑329. 

(廿召和54年11月5日 受理)

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