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九州大学応用力学研究所 : 教授

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Academic year: 2022

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Moffatt渦の観察

種子田, 定俊

九州大学応用力学研究所 : 教授

http://hdl.handle.net/2324/4743600

出版情報:應用力學研究所所報. 49, pp.135-137, 1979-02. Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University

バージョン:

権利関係:

(2)

九州火学応用力学研究所所報 第49号 昭和54年 135 

寄 書

Moffatt  渦

の 観 察

種 了 田 定

俊*

Key words: Viscous flow,  Sharp corner, Moffatt eddies,  Visualization. 

Moffatt (1964)1)はStokes近似を用いて,頂角 146゜以下のくさび型領域には頂点に向かって等 比級数的に人きさが減少する無限個の渦の列が形成されることを示した. しかし, 現在までのところ Moffatt禍はまだ実験的には検証されていないように思われる.観測が困難である卸由は(1)流れの 場 の Reynolds数 が1に比べて小さくなければならないこと, (2)渦の強さがくさび型の頂点に向 かって急激に減少するので,一番外側の渦の流線模様を撮影するための露出時間に比べて次の渦の撮影 には桁違いに長い露出時間が必要であることなどによるものである.従って,静水槽中を物体を移動さ せる方法は,露出時間に制限があるので, Moffatt渦の観察には適しない2).

そこで,本実験では静水槽の代りにくさび型容器内の流体を回転円筒で駆動する方法をとり, 1時間 程度の露出時間を与えることにより二番目の渦巻を検出することに成功した.図1は実験装置の略図を 示す. くさび形の液槽はアクリライト製で, 1頁角は28.5゜である.円筒は直任 2.2 cm,長さ 15.5 cm  で,小型同期電動機により 0.1回転/秒の一様回転を与えられる. 円 筒 下 端 と く さ び の 頂 点 の 距 離 は5 cmで,流体としては動粘性係数 20cm2 /sのシリコーンオイルを使用している.円筒下端とくさびの 頂点閻の距離及び円筒の周速でとった Reynolds数は 0.17である. 従って,流れの場全体は十分に

MOTOR 

CIRCULAR CYLINDER 

E3N.N 

^ じ

SILICONE  OIL TANK 

図1 実 験 装 置 略 図

*九州大学教授,応用力学研究所

(3)

136  種 子 田

Stokes流れの範囲内にある円筒を回転させはじめてから数秒後には流れは定常に達する. 流 れ の 可 視化にはアルミ粉法を使用した 、ンリコーンオイル中のア)レミ粉の沈降速度は 10‑6cm/s以下である.

スライドプロジェクタからのうすい光の膜で液槽の中央部の鉛直断而を照明し,断面内のア)レミ粉の動 きを 35mmカメラにより撮影した.

図2は露出時間60分で撮影された流線模様の写真の一例を示す.円筒の作用で形成される第一の渦 巻の内側に明瞭な第二の 渦 巻 を 見 る こ と が で き る 第二の渦巻の回転方向は第一の渦巻の回転方向と逆

図2 くさび型領域の Moffatt渦

円筒の直径 2.2 cm,周速 0.69 cm/s,  円筒下端とくさび型頂点の 距離 5cm,流体はシリ コーンオイル,動粘性係数 20cm'/s,  くさ びの頂角 28.5゜,露出時間60分.

(4)

Moffatt渦の観察 137 

であり,第一の渦巻と第二の渦巻の境界の位置は項点と円筒下端の距離の約1/2である.残念ながら第 三,第四の渦巻の存在を検出することはできないが, この写真から, くさび型領域に一個の渦巻が形成 されるとその内側に逆向きの渦が誘起されることがわかる. しかるに Stokes流れの流線模様は Rey‑

nolds数に無関係であるから, くさび型額域に一個の渦巻が存在すれば,その内側には常に逆向きの渦 巻が次々に形成され, 次の渦巻との大きさの比は一定であることを意味する. 本実験により Moffatt 渦の存在が実証されたことになるのではあるまいか.

謝 辞

実験の方法について有益なヒントを頂いた佐野理博士ならびに実険を手伝って下さった石村京子さん に感謝する.なお,本研究は文部省科学研究費の補助により行なわれた研究の一部である.

文 献

1)  H. K. Moffatt:  Viscous and resistive  eddies near a sharp corner, 

J .  

Fluid  Mech. 

18  (1964)  1. 

2)  種子田,天本,石井:剥離を伴う Stokes流れの可視化,応用力学研究所所報 第48号(1978) 1. 

(昭和53年10月31日 受理)

参照

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