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高レイノルズ数における直列2本円柱の静的空力特性 : 続

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Academic year: 2022

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

高レイノルズ数における直列2本円柱の静的空力特性 : 続

岡島, 厚

九州大学応用力学研究所 : 助教授

杉谷, 賢一郎

九州大学応用力学研究所 : 文部技官

http://hdl.handle.net/2324/4743620

出版情報:應用力學研究所所報. 53, pp.111-116, 1980-11. Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University

バージョン:

権利関係:

(2)

九州大学応用力学研究所所報第53号 昭 和 55年 111 

寄 書

高レイノルズ数における直列 2 本円柱の 静的空力特性(続)

岡 杉

谷 厚*

賢一郎**

1 .

ま え が き

本報告では,前報1)に引き続き,高レイノルズ数範囲で流れに直列におかれた2本円柱周りの流れお よび静的空力特性につき,特に2本円柱の間隔が直径の20倍程度まで広く開いた場合に注目して実験 的研究を行った.

本実験では, 2本の円柱は共に滑面円柱とし, 2本の円柱の間隔 S/dtは前報の実験範囲を含めた S/d=2 20の範囲で変えた. レイノルズ数は R

t=(1. 18,  2. 36,  4. 36) 105の3種類に変えた.前

報によれば, Re=(1. 18,  2. 36) 105 0)上流側円柱まわりの流れは亜臨界域であるが, Re=4.36x 106  では上流側円柱表面には層流バプルが生じ,超臨界域の流れである.

また,今日までの数多くのこの種の実験結果1)3)7)8)によれば,直列2本円柱における上流側円柱周り の流れには,円柱間隔の狭い場合を除いて,下流側円柱による影響はほとんど見られず, しかも間隔が 広く開いている場合には単独円柱の場合と差異が認められない.そこで本報告では下流側円柱のみに注

目する.

2.  実験装置および実験方法

本実験で用いた風洞などは全て前報1)2) と同じであるのでここでは説明を省略する.

2本の供試模型は 16.5 cm</,塩化ビニール製円筒を用いた.下流側円柱のみ表面に0.8mm<t,の静圧 孔を45゜毎に円周上8カ所あけ, これを5゜おきに回転させることにより,模型円周上72点の静圧分布 を測定した.

2本の円柱の間隔はS/d=2 20まで2おきに上流側円柱を移動させ, レイノルズ数はRe=(l.18, 2. 36,  4. 36) X 105の3種類に変えた.

*九州大学助教授,応用力学研究所

**九州大学応用力学研究所文部技官

t本論文で用いる記号や定義は全て前報1)と同一であるので,ここでは説明を省略する.

(3)

112  岡

島・杉 谷

3

••

3  

実 験 結 果

(a) 

下流側円柱の静圧分布

亜臨界域の場合 (Re=(1. 18,  2. 36) x 105)  図1には Re=l.18x105,

を示す.両レイノルズ数の静圧分布はほとんど同一で円柱間隔, 20~S/d~6 の範囲で,

図2には Re=2.36 105の直列2本円柱の下流側円柱の静圧分布 C嘉 静圧の分布形 状には大きな変化が認められない. そして図1,~から下流側円柱のよどみ点圧力 C知,背圧 CPb2 の S/d Iこ対する変化を図3に示すが,亜臨界域の場合 S/dの増加に伴い, Cps2iま漸増するが S/d=20 でも Cp,2=0.56であり,よとみ点圧力はかなり低い.単独円柱など Bluffbodyの後流速度分布の測 定 結 果4)によれば物体から直径の10 20倍下流でも後流中央では未だ一様流速の20 17%の速度欠損

1. 0 

Cp2 

o . o  

‑1. 0 

‑2. 0 

‑3. 

‑180  ‑80 

90 

9DEG  180 

00000 

. . . .

.  

2UB80 11112 

︱ ︱ ︱ ︱

︱ ︱ ︱ ︱

︱ ︱  

ddddd 

II II I 

88888 ロ

A 0

00000 

. . . .

.  

2"

T6

80

 

︱ ︱ ︱ ︱

︱ ̲ ‑ ﹄

l ‑

ddddd 

II II I 

88888 

0+ x 

図1 直列2本円柱の下流側円柱静圧分布 C2, Re=l.18x105 

*本報告で現れる Cp2, CPs2などの添字2は全て下流側を意味する.

(4)

高レイノルズ数における直列 2本円柱の静的空力特注(続) 113  1‑0 

Cp2 

o .  

‑1. 0 

‑2. 0 

^ 

-3• O 

‑180 

‑ s o   ︒

90 

DEG  180 

S/d=  2.0  mS/d=t2.Q  ...S/dc:  Q.Q  Sid= lQ.Q 

SId=  6. 

SId = 1 8. 

8/d=  B. 

x 8/d= 18• O  x Sid= 10.0  ‑.  S/d=20.Q 

図2 直列2本円柱の下流側円柱静圧分布 Cp2, Re=2. 36x 105  1. 0 

CP2 

o .  

△ 

l!l  l!I 

^ 

l!l 

賣 景 累

?  t  ; 

••

:    '

l!I 

‑1. 0 

3 下流側円柱のよどみ点圧力10  Cps2,背圧15 C2 Sid  Re=1.18x105:口; Cp,2,::0::;C 9

Re=2. 36x 10s:△;  CPs2,▽; 

c

2, Re=4.36xl05:  x; Cp,2,  +; C約 2•

'20 

(5)

114  岡 島 ・ 杉 谷

がある.そのため,下流側円柱のよど`み点圧力が低いものと考えられる.一方,背圧 Cpb2の値はほと んど変化がない.

なお,木実験の亜臨界域のレイノルズ数は Re=(1. 18,  2. 36) 105という比較的高いレイノルズ数 の2種類の結果に限られるが,図3のよどみ点圧力Cps2,背圧 CPb2をはじめ図1,2に示す静圧分布に は亜臨界域におけるレイノルズ数の相違による影響は文献 (5)に見られるほど顕著には現れていない.

他方,図1, 2に示すように,下流側円柱上下面(}=土90゜付近に生ずる最低圧力は S/d>lOの範 囲では Cp2=‑1. 5 ‑2. 0でかなり低圧となる. 下流側円柱は上流側円柱の後流渦の中に埋没してお り,後流渦の周期的変動流を受けているわけであるが,油膜法による可視観察によれば,下流側円柱表 面には層流バプルが観察された. しかも,この場合レイノルズ数は Re=2.36 105であり,単独円柱 の臨界レイノルズ数3.8 105に較べ,相当低いレイノルズ数にもかかわらず,層流バブルか形成され ている.下流側円柱に当る流れは後流という乱れの多い流れ5)であるため,文献(6)におけると同様,

1. 0 

Cp2 

o .  a 

‑1. 0 

‑2. 0 

,  ▲

.  • .  •9

e し

•• 点

狐 白

‑3‑0 

‑180  ‑90 

80  8DEG  180 

Sid=  2.0  Ill Sid• 12•0

▲ 8/d 

u . 。

A8Id 三 1U• 。 8/d  6

0 • S/d•t6. 。

+ SId=8

. 。 真

8/d1

a .  o 

X Sid l

● 。

0 v Sid20.

図4 直列2本円柱の下流側円柱静圧分布 Cp2, Re=4. 36x 105 

(6)

高レイノルズ数における直列2本円柱の静的空力特性(続)

乱れにより層流バプルの形成が促進されたものと考えられる.

115 

(b)  超盟界域の場合 (Re=4.36x105) 

図4に示す Re=4.36x1osの超臨界域の場合の静圧分布 Cp2!ま図 1, 2の亜臨界域の場合とはそ の分布形状はかなり相違している.上流側円柱は超臨界域に達し,円柱上下而に層流バブルが形成され ている.その時の後流幅は文献 (1), (2)で述べたように狭い.そのため,図4に示すごとく S/d>10 の詭囲で下流側円柱のよどみ点圧力は Cp,2=0. 9 まで回復している.背圧は Cp•2=‑0. 56ほぼ一定 である. また,上下面 0=土90゜付近に生ずる最低圧力は S/d>lOの範囲では Cp2=‑2.3の低圧と なり,層流バブルが形成されている. この場合の静圧分布 Cp2しま亜臨界域の場合と異り,よどみ点圧 力はほぼ回復し,単独円柱の超臨界域の静圧分布にほとんど等しいといえる.

3.  2 下流側円柱の抵抗

図5には既に求めた静圧分布から算出した直列2本円柱の下流側円柱に作用する抵抗 CD2をレイノ ルズ数 Re=(1. 18,  2. 36,  4. 36) x 105について示す.

1. 0 

CD2 

o.o 

l!I 

 

li!l  Ill 

‑1. O 

5 直列2本円柱の下流側円柱の抵抗10  CD215  Sid  20 

;Re=l.18 10凡△; Re=2.36x105, x; Re=4.36x1os 

亜臨界域の Re=(1. 18,  2. 36) x 105の場合, 20>S!d>6の範囲では, S/dの増加に伴い CD2=

0. 220. 30の間で僅かに漸増している. これらの CD2の値はレイノルズ数範囲の近い Cooper5)や Suzukiら6)の測定結果と比較すると, この場合むしろ Suzukiの結果 (Re=2.3 x 105,  lO~S/d~O)

に一致している.本実験の Re=(1. 18,  2. 36) 105の2つのレイノルズ数の C mの値を比較すると,

Cooperに見られるほどレイノルズ数による差異が認め難い. Cooperの実験結果によればレイノルズ 数増加に伴い Cmの値は減少している. しかし,臨界レイノルズ数に達すれば, Cnzの値は後述の如 く逆に増加するわけであり,本実験のように亜臨界域であってもレイノルズ数が比較的高く,臨界域に 近いため,レイノルズ数の影響が僅かしか現れなかったと推察される.

そして,今日迄,実験結果のほとんどない Re=4.36 x 10sの場合には, 図4の静圧分布 Cp2から

(7)

116  岡 島 ・ 杉 谷

予想される通り, Co2の値は S/dの全域にわたって増大し,単独円柱の超臨界域の抵抗値とほぼ等 しい.

4. 結 論

比較的広く間隔の開いた直列2本円柱につき,亜臨界域,超臨界域における静圧分布,抵抗を特に下 流側円柱に注目して求めた.

特に,周期的に大きく変動する後流渦列中にある下流側円柱表面に,単独円柱の臨界レイノルズ数よ りかなり低いレイノルズ数でも層流バプルが形成されることを見い出した..

参 考 文 献

1)  岡島,九州大学応用力学研究所所報,第46号(昭52.9)  111.  2)  岡島・杉谷,九州大学応用力学研究所所報,第53号(昭55.9)  19. 

3)  Zdravk!)vich, M. M., 

J .  

Fluids Eng., Trans. ASME, I, 4 (1977. 12)  618.  4)  Sullerey, R. K.他, AIAAJ., 13,  11  (1975)  1425. 

5)  Bloor, M. S.他, Proc.Roy. Soc. A 294 (1966)  319.  6)  Fage, A.他, ARCR & M 1283  (1929). 

7)  Cooper, K. R.,文献 (3)より.

8)  Suzuki, N.他, Proc.Int. Sympo. Wind Effects  on Buildings  and Structures, (1971)  377. 

(昭和55年6月13日受理)

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