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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 佐 藤 規 文

学 位 論 文 題 名

A simple proof of convergence of the Allen‑Cahn equation to Brakke's motion and its application to  the flow of two‑phase fluid with surface tension

(Allen ―Cahn 方程式の解のBrakke の平均曲率流への収束の 直接証明及びその表面張カを含む 2 相流体問題への応用)

学位論文内容の要旨

    All,en‑Cahn方程 式(AC)とは、 表面張 カによっ て動く 相境界の 挙動を表すために1979 年に導入されたものであり、その解の存在や収束などについて現在までに数多、くの研究結果 が 存 在 す る 。 そ の 中 で 、1993年 にIlmanenはACの 解 によ っ て 構成 さ れ るRadon測 度 が Brakkeの平 均 曲 率 流に 収 束 する 、 すなわ ちACの解 から現れ るRadon測度の極 限がBrakke の不等式を満たすということを幾何学的測度論による手法を用いて証明した。具体的には、

まず単調性公式と呼ぱれる不等式を示し、これを用いてclearing.0utlemma、den8i衂10wer boundな どの い く っ かの 補 題 を示 し 、ACの解に よる測 度に対応 するdねcrepancymea8ure と い うRadon測度 の収束を 示した 上で、最 終的にACの解から 詮る測 度がBrau【eの平 均曲 率流に収束することを示した。

    本 論文 は全部で2つの 章から なる。ま ず第1章では 、上記のnmanenの結果 を、単 調性 公式を用いずに証明する。単調性公式及ぴこれによって導かれたいくっかの補題を用いずに、

ACの解 からな る測度がBrakkeの平均 曲率流 に収束することを直接的に示す。この証明にお い て 重要 な役割 を果たす のが、2006年のR6呂erとSchatzleによ る結果で ある。こ れはDe Gior嵒のmo出fiedconjectureに関する研究の中で証明されたものであるが、この結果を使う こ と によ ってd通crepancymea8ureの収束 を前述 のいくっ かの補 題を使う ことなく 証明で き、さらに具体的な計算量を大幅に軽減することができる。ただし、彼らの結果は空間次元 が2また は3の場合 に限られ るため 、本章で の直接 的な証明 も空間次 元が2または3の場 合 に限られる。

    次 に第2章では、 この手 法を相境 界の曲率による効果を考慮した2相流体問題ヘ応用す る。具体的には、相境界の挙動が流体の流速だけでなく相境界自身の平均曲率にも依存する 下での非圧縮粘性2相流体の時間発展問題において、mea8ure‐valued801utionと呼ぱれる解 の存 在を証 明し、同時に相境界がBra1出eの平均曲率流に近い挙動を表す、っまり相境界が Brakke型の不等式の積分形を満たすことを証明する。な韜、本研究では拡散効果がより強い non一Newtomanと呼ばれる性質をもつ流体について考える。このような流体に対しては、例 え ば 相境 界 の 振る 舞 い に つい て 自 身の平均 曲率を 考慮しな い場合に 、measure‐valued sohltionの 存 在 が2007年 にAbekに よって証 明され ている。 また、Newtonianで ある流体 に対しては、相境界の振る舞いに自身の平均曲率が影響を与える状況下で、時間局所的な古 典解の存在が同じく2007年に前川によって証明されている。

    具 体的な証 明方法については、この2相流体問題をpha8e.丘eld法による近似を用いて Navier・Stoke8方程式 とACの連立 で表し 、この方程式系の弱解をGalerkin法によって構成

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する。そして、この弱解がmeasure‑valued soluti0ロに収束することを示し、さらにこの弱 解 に よ っ て 構 成 さ れ る 相 境 界 を 近 似 す るRadon測 度の 極限 、す なわ ち本 来の 相境 界が Brakkeの不等式の積分形を満たすことを 示す。この不等式が成り立っことを示す際に、相境 界上 での 流速 場の 積分 を 制御 する こと が問 題と なる が、それについては1977年にMeyer8 とZiemerによって示された 不等式を使うことでその点を解消している。また、途中 の計算 につ いて 再度RDgerとSchatzleに よる 結果 を適 用す る こと で、 計算 量を 軽減 して いる。

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学 位 論 文 審 査 の 要 旨

学 位 論 文 題 名

A simple proof of convergence of theAllen‑Cahn equation to Brakke's motion and its application to the flow of two‑phase fluid with surface tension

(Allen ―Cahn 方程式の解のBrakke の平均曲率流への収束の 直接証明及びその表面張カを含む 2 相流体問題への応用)

学位論文の研究対象であるAllen‑Cahn方程式は、表面張カによって動く相分離覧界をモラシレイ匕し たもので、数理物理モデン増勺な観点と数学的を観魚の両方から多くの研究があるのみでなく、数値 計算的にも極めて多用されている重要を方程式 である.この方程式には拡散相分鰍鏡界の厚みオ`一 ダー を表すパラメターが入っているが、このパラメターの零1亟限、っまり拡散零随限における界面 の動 きが平均曲率流になる事が1980年代から1990年代にかけて、jミ占ば猝の理論や幾何学的測度論 を援 用する 事により 証明き れている .一 方、最も 一般的な 仮定の 下に示さ れている結果である 1993年 のDmanenの 結 果 は極 め て 長く て 複雑な 証明を 必要とし ていた ためにそ の後の 応用にっ い て の 進展 が な かったが 、本学位 論文に 韜いて佐 藤君はIlmanenの証 明を10べ ージ以下 にまで 単純 化船 よぴさ らなる一 般化に 成功しており、第一章はその説明及ぴ証明にあてられている.第二章は 自由 界面に よって分 離され た2相 流体問題 につい てである .2相流体の 解の存在 問題は古くから研 究されているものであるが、Navier‑Stolくes方程式の解である流速場が時間大域的には滑らかである 保障 は無い 為に満足 な存住 定理は未 だに得 られてい たい困難な問題である,典型的には(1)極めて 滑ら かなク ラスにお ける時 間局所解 の構成 、およ02)極 めて弱 い意味で 定義さ れた自由界而と流 速場 の設定 での時間 大域解 の構成、 の2っ が以前 から示さ れてい る.この 問題に ついて第2章では ある 意味で(1)と(2)の折 衷であるようた結果を示す事に成功している.すをわち時間は刈或的であ りな がら、 自由境界 は測度 論的に連 続微分 可能たク ラスに入っている2相流体の解を構成すること に本 学位論 文では成 功して いる.問題の設定としては、自由界面の運動速度が、流体の移流速度と 定 数x界 面 の 平均曲 率ベクト ルとの 和になっ ている と考える .また流 体は自 由境界の 表面張 カに よる 圧力不連続陸を持っものとする.流体の粘陸によって強い流速勾酉辞p価が得られる設定に限る ので はある が、その 場合は 自由界面がフラクタルのような構造が起こることを表面張カによって抑 制可 能であ るという ことを エッセンスとして得ており、結果は界面表面張カと流体が相互作用する

廣 玄

吉  

  秀

川 村

利 中

授 授

教 教

査 査

主 副

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2相 流体 問題 にり いての革新的橙存在定理といえるもので、2相流体問題に関する一連の歴史 的な 結果の中でも特記されるものである.よって著者は北海道大学博士(理鞘の学位を授与される資格が あるものと認める.

参照

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