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2.騒音の発生原因

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Academic year: 2022

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(1)

ミリング式レール削正後の転動音削減に向けた最適な施工方法の検討について

○西日本旅客鉄道株式会社 正会員 今井 啓貴 西日本旅客鉄道株式会社 正会員 今西 進也 西日本旅客鉄道株式会社 正会員 瀬川 律文 株式会社レールテック 正会員 山田 知宏

1.

はじめに

当社では平成

23

年度からミリング式の新しいレール削正車を導入し、試行を繰り返してきた。その中で、列車 が高速度で走行する線区においては、ミリングのみの施工(以下、ミリング単独作業と言う。)では列車走行後の転 動音が大きいため、ミリングとグラインディングを併用したレール削正(以下、グラインディング併用作業と言う。)

に取組んでいる。グラインディング併用作業を行った結果、施工後の列車転動音の騒音レベルはミリング単独施工 と比較して抑制できるという一定の成果は得られた(図-1)ものの、グラインディング併用作業においても列車騒音 が改善されない場面があった。列車騒音の発生抑制を目的に、レール削正時の各種パラメーターの精査および施工 方法の検討を行った。

2.騒音の発生原因

列車騒音が改善されなかった箇所のレールの状況を確認したところ、以下のとおりであった。

① グラインディング併用作業によりレール凹凸が発生する。(図-2)

② グラインディング併用作業により削正ムラが発生する。(図-3)

グラインディング併用作業により図-2のような波長

20mm

のレール凹凸が原因で騒音問題が発生している。ま た、図-4 のようなミリング削正特性に起因するレール凹凸および、図-5 のようなミリングチップの組付け状態 に起因したレール凹凸を、グラインディング併用作業で完全に除去できずに騒音問題が発生している。

キーワード レール削正,ミリング式,グラインディング

連絡先 〒530-8341 大阪市北区芝田二丁目 4 番 24 号 西日本旅客鉄道株式会社 施設部 保線課 TEL06-6375-8960 図-2削正後のレール凹凸 図-3削正後の削正ムラ

図-1良好なグラインディング施工

波長

ミリングホイール

削正前のレール頭頂面 削正後のレール頭頂面 波高

カーバイドチップ レール削正車の作業方向

カーバイドチップ ミリングホイール回転方向

グループ6

-0.01000 0.00000 0.01000 0.02000

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21(No) (mm)

1組(8チップ)22組 1組(8チップ)22組

図-4 ミリング削正イメージ図 図-5 ミリングチップの相対高さ

20mm

の波長のレール凹凸

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑1013‑

Ⅵ‑507

(2)

グラインディング併用作業を行うと(図-6、7)、ミリング削正特性に起因するレール凹凸もしくは、ミリングチ ップの組付け状態に起因したレール凹凸に対して効果があることがわかっているが、グラインディング特有の

20mm

の波長が助長されてしまうことから、前述のレール凹凸に対する効果を維持しながらグラインディング特有 の

20mm

の波長を抑制する必要がある。

3.最適な施工方法に対する検証

グラインディング併用作業時に確認したこととしてグラインディン グ径が小さくなればなるほど、グラインディング特有のレール凹凸や 削正ムラが発生していた。この理由の一つとして、グライディング削 正装置は、モーメント力を一定に保つようにプログラムされているた め、グラインディング径が小さくなると押つけ圧が大きくなってしま う機構であった。この押しつけ圧が関係していた可能性があることか ら、グラインディングの径が小さくなっていく毎にモーメント力を小 さくし、削正時に押つけ圧を一定に保つ検証を行った。

M=μ×P×r (M:モーメント力、V:周速度)

V=r×ω (μ:摩擦係数、P:押しつけ圧、r:グラインディング半径、ω:角速度)

グラインディング削正装置を制御するプログラムの修正を行い、レールへの追従性を高めた。グラインディング 併用作業が良好であれば、図―9 のように騒音レベルはほぼ変化しなかった。またグラインディングの押しつけ圧 を砥石の径に合わせて変更することで、ミリングチップに起因する 2 種類のレール凹凸に対する騒音抑制効果を維 持しながらグラインディング特有の

20mm

の波長を抑制することができた。レール削正ムラについても、軌道状態 が極端に悪い箇所以外については、問題なく施工できることを確認できた。

4.まとめ

高速度線区においても、グラインディング併用作業により、騒音レベルを抑えることができた。今後は、レール 傷抑制に対するミリング式レール削正車の効果を見極めていきたい。

0.90 0.92 0.94 0.96 0.98 1.00 1.02 1.04 1.06

25 40 63 100 160 250 400 630 1000 1600 2500 4000 6300 1/ 3オクタ ーブバ ンド中 心 周波 数(Hz)

音圧レ変化率

施工直後/施工前 1週間後/施工前

r M

F

進行方向 v モーメントの値を管理

図-

8

グラインディング機構 図-6

50cm

ストレッチャ-凹凸データ(作業別)

図-

9

グラインディング良好時の騒音レベル

図-

7

パワースペクトル密度

(

作業別

)

図-

10

パワースペクトル密度

(

グラインディング良好時

)

列車速度

110km/h

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

レール長手距離(mm)

ル表面凹凸(μm)

ミリング単独作業 グラインディング併用作業

0.00001 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 100 1000

0.1 1 10 100 1000

空間周波数(1/m)

PS D (mm2 / (1 / m) )

ミリング単独作業 グラインディング併用作業

20mm

の波長が助長 組付け状態に起因

組付け状態に起因する

レール凹凸の減少

20mm

の波長が助長

0.00001 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 100 1000

0.1 1 10 100 1000

空間周波数(1/m)

P S D (mm2 / (1 / m )

施工前 施工直後 施工1週間後

f=V/3.6×1/λ×1000 f:周波数(Hz).V:列車速度(km/h),λ:波長(mm)

20mm

の波長が抑制

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑1014‑

Ⅵ‑507

参照

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