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沿 岸 砂 州 の 中 期 変 動 特 性 に 関 す る数 値 シ ミ ュ レー シ ョ ン

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,611‑615. 沿 岸 砂 州 の 中 期 変 動 特 性 に 関 す る数 値 シ ミ ュ レー シ ョ ン Numerical. Model. for Medium-term. Bar Behavior. 栗 山 善 昭1 Yoshiaki. A one-dimensional estimated atiltness. with. Beach. 1.. profile. the model.. the predicted more. numerical. cross-shore. simulation. sediment. transport. changes. every. The comparison. bar movements. developed. than those. model rates. 2 hours. between. was about. KUIRIYAMA. for bar behaviors with. consideration. for a 2-year. the bar movements 1 year,. and almost. in medium-term of undertow,. period. from. predicted agreed. with. periods beach. 1989 to 1990. developed.. and velocity. on the Hasaki. and measured the measured. was. slope. showed. that. one, while. coast. The model skewness. and. were predicted. the duration. the predicted. time bars. of. were. measured.. 栗 山 ・中 官(1999)に は じめ に. 詳 述 さ れ て い る の で,本 章 で は残. りの3つ の サ ブ モ デ ル の概 要 を説 明 す る.. 沿 岸 域 の底 質 移 動 や海 浜 変 形 さ らに は生 態 系 に影 響 を 及 ぼ す 沿 岸 砂 州(浅 (1日 〜2週 間 程 度)に. 瀬)は,波. の 変 動 に応 じて 短 期 的. は 沖 向 き,岸. 向 き に移 動 す る もの. の,中 期 的 に は1〜20年 の 周 期 で 沖 向 き移 動 す る.. (1) 戻 り流 れ速 度 推 定 サ ブ モ デ ル 個 々波 の 戻 り流 れ 速 度Uindは,Svendsen(1984)の デ ル を 基 に した 栗 山 ・中官(1999)の. 波 動 動 成 分 に よ る も の と水 表 面 近 傍 に集 中 して い る非 波. 今 ま で に 多 くの断 面 変 化 シ ミュ レー シ ョ ンモ デ ル が 開 発 さ れ,沿 岸 砂 州 の岸 沖 移 動 の再 現 性 が 検 討 さ れ て き た. 動 成 分(surface. roller)に よ る もの と の和 と して 求 め る.. 波 動 成 分 に よ る質 量 フ ラ ッ ク ス をQw,surface. け れ ど も,そ の ほ とん ど は短 期 変 動 に関 す る もの で あ っ. る質 量 フ ラ ック ス をQrと す る と,戻. た.そ. 次 式 で 表 さ れ る.. れ に 対 して,Ruessinkら(2007)は3.5ヶ. 月 の沿. rollerに よ. り流 れ 速 度Uindは. 岸 砂 州 の 移 動 を数 値 シ ミュ レー シ ョ ンで 再 現 す る こ と に 成 功 す る と と も に,Ruessink・Kuriyama(2008)は. (1). その. モ デ ル の18ヶ 月 の 推 定 精 度 を検 討 して い る.た Ruessinkら(2007)の. だ し,. モ デ ル の 推 定 精 度 は15ヶ 月 を過 ぎ. る と急 激 に低 下 して お り,彼 らの モ デ ル は沿 岸 砂 州 の繰. こ こ で,dtrは. 波 の ト ラ フ レベ ル と海 底 面 と の 距 離 で あ. り,dtr=h‑H/2(hは. 水 深,Hは. 波 高)と. す る.. 波 動 成 分 に よ る 質 量 フ ラ ッ ク スQwはSvendsen(1984) か ら導 か れ る 以 下 の 式 か ら 求 め る.. り返 しの 沖 向 き移 動 を 再 現 で きて い な い. そ こで,本 研 究 で は,沿 岸 砂 州 の 移 動 に大 きな 影 響 を. (2) 与 え る 沿 岸 砂 州 上 の 戻 り 流 れ に 関 し てRuessinkら (2007)の. モ デ ル よ り も推 定 精 度 が 高 い サ ブ モ デ ル を 用. い る と と も に,彼. モ. モ デ ル と同 様 に,. らが 考 慮 して い な い水 粒 子 運 動 の岸 沖. 方 向 加 速 度 を 漂 砂 量 計 算 で考 慮 す る断 面 変 化 数 値 シ ミュ. こ こ で,Cは. 波 速,ζrmsは. で あ り,ζrmsは. 個 々波 の水 位 変 動 の標 準 偏 差. 個 々波 の非線 形性 を表 すパ ラメー ター. II(Goda,1983)を. 基 に し た 式(4)か. ら 求め る.. レ ー シ ョ ンモ デ ル を構 築 し,そ の モ デ ル の 砂 州 中 期 変 動. (3). 特 性 の 再 現 性 を2年 間 の現 地 断 面 デ ー タを 用 い て 検 討 し た.. (4). 2. 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン モ デ ル 本 研 究 で 開 発 した 断面 変 化 シ ミュ レ ー シ ョ ンモ デ ル は, 波 浪 変 形,戻. り流 れ速 度 推 定,岸 沖 方 向 流 速 の非 線 形 性. を表 す パ ラメ ー タ ー推 定,断. 面 変 化 の4つ の サ ブ モ デ ル. よ り構 成 され て い る.こ の う ち,波 浪 変 形 サ ブモ デ ル は. こ こ で,Lは surface roller内. 波 長 で あ る. rollerに. よ る 質 量 フ ラ ッ ク スQrは,surface. の 時 間 平 均 の岸 沖 方 向 流 速 鉛 直 分 布 と して 波 の. ト ラ フ レ ベ ル で0,水 し た 次 式 よ り 求 め る.. 1正. 会 員. 博(工)(独. 法)港 湾空港 技術研 究所. 海 洋 ・木 工部. 表 面 で 波 速Cの. 三角形 分布 を仮定.

(2) 612. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). Br=0.064で (5) こ こ で,Arはsurface Surface. rollerの 面 積 で あ る.. 存 在 し,そ しか し,こ. の 方 法 で は,波. に 比 例 す る と 仮 定 し た.. が 再 生 領 域 に 進 行 す る とsur‑. face rollerの 面 積 が 不 連 続 的 に0に で あ る.そ. こ で,surface. 同 様 にsurface. な っ て し ま い,不. 自然. rollerの よ り 滑 ら か な 発 達 ・減. 衰 を 再 現 す る た め に,De. Vriend・Stive(1987)な. ど と. rollerの 面 積 を そ の エ ネ ル ギ ー 収 支 か ら 推. 定 す る こ と と し た(式(6)).た (1987)ら. 山 ・中 官. rollerは 砕 波 が 生 じ て い る 領 域 の み に. の 面 積 は 波 高 の2乗. だ し,De. Surface rollerの 面 積Arが (栗 山 ・中 官,1999),砕. rollerの 面 積 を 求め る 方 法 と し て,栗. (1999)はsurface. Vriend・Stive. の減 衰 項 を 用 い て 計 算 を 行 う と汀 線 近 傍 の 水. 常 に 大 き な 戻 り 流 れ 速 度 と な る こ と が あ る の で,そ. rollerの 減 衰 項 にAr/h2を. のよ. サ ブ モ デ ル で はsurface. 衰 率 は(gEr/C)の0.24倍 (2007)が. は 波 動 エ ネ ル ギ ー,Cgは. き を 正 と す る沖 方 向 距 離,E,はsurface ギ ー,Drはsurface. 群 速 度,xは. 沖向. rollerの エ ネ ル. rollerの エ ネ ル ギ ー減 衰 率,ρ. 重 力 加 速 度 で あ る.Brは. り,栗 山 ・中官(1999)が. で あ り,こ. 用 い た値(0.05〜0.1)に. の値 はRuessinkら. 比 べ る とやや大 き い. もの の,オ ー ダ ー的 に は 同 程 度 で あ る. 図‑1は 茨 城 県 波 崎 海 岸 で 観 測 され た沿 岸 砂 州 上 に お け る戻 り流 れ 速 度 の 中層 で の 観 測 値 と本 モ デ ル とRuessink ら(2007)の. モ デ ル に よ る 断 面 平 均 の計 算 値 と を比 較 し. た も の で あ る.本. モ デ ル の計 算 値 はRuessinkら(2007). の モ デ ル に比 べ て 観 測 値 と良 く一 致 して い る. (2) 岸 沖 方 向 流 速 の 非 線 形 パ ラ メ ー タ ー 推 定 サ ブ モ デ ル 後 述 す る断 面 変 化 サ ブ モ デ ル で は,岸 沖 方 向 流 速 の非 線 形 性 に よ る漂 砂 量 を 計 算 す る.し か しな が ら,本 モ デ. め る こ とが で きな い.そ. 水 の 密 度,gは. rollerの エ ネ ル ギ ー 減. ル の 波 浪 変 形 計 算 で は岸 沖 方 向 流 速 の非 線 形 性 を 直 接 求. 加 え た.. (6) こ こで,Eω. 波 高 の2乗 の7倍 程 度 で あ り. 波 帯 内 で は 波 高 水 深 比 が 約0.8. で あ る こ と を考 慮 す る と,surface. 深 の 小 さ い領 域 にお い て エ ネル ギ ー減 衰 が 十 分 で な く非. う な 発 散 を 抑 え る た め に,本. あ った.. こで,本 サ ブ モ デ ル で は,Goda. (1983)が. 提 案 した波 の 非 線 形 性 パ ラ メ ー タ ーII1/3を 用. い て,岸. 沖 方 向 流 速 の 上 下 の 非 線 形 性 を 表 すskewness. (β1)1/2uと前 後 の非 対 称 性 を 表 すatiltness(β3)uを. 推定. す る.. は海. (7). 無次元 係数で あ. 戻 り流 れ 推 定 モ デ ル の 検 証 に. 用 い た 現 地 デ ー タを 用 い て,戻. (8). り流 れ 速 度 の 実 測 値 と推. 定 値 との 誤 差 が 最 小 とな る よ う にBrを 決 定 した と こ ろ, (a). (9). こ こ で,H1/3は. 有 義 波 高,L1/3は. 有 義 波 周 期 よ り求 ま る. (b) 波 長,Nは. デ ー タ 数,uは. 波 の進行 方 向を負 とした とき. の 波 の 進 行 方 向 の 流 速,tは. 時 間,オ. ー バ ーバ ー は 時 間. 平 均 を 表 す. 岸 沖 方 向 流 速 の 非 線 形 性 を 表 す パ ラ メ ー タ ー(β1)1/2u, (β3)uとII1/3と. (c). の 関 係 に 関 し て は,栗. 山 ら(1990)が. 波. 崎 海 岸 に お け る 現 地 デ ー タ を 基 に し た 式 を 提 案 し て い る. た だ し,そ Bowen(1995)が. れ ら の 式 の 適 用 範 囲 は 狭 い の で,Doering・ 現 地 デ ー タを 基 に示 した ア ー セ ル数 と. 岸 沖 方 向 流 速 のskewnessお を 参 考 に,次. 図‑1. 沿 岸 砂 州上 の戻 り流 れ流 速 の岸 沖分 布(a)有 (実 線 は計 算 値,黒 丸 印 は実 測 値)(b)戻 (実 線 は本 モ デ ル に よ る計 算 値,破 (2007)の 地盤高さ. 義波高. り流 れ 流 速. 線 はRuessinkら. モデ ル に よ る計 算 値,黒 丸 印 は実 測値)(c). よ びasymmetryと. 式 の よ う にII1/3とskewnessお. と の 関 係 式 を 仮 定 し,栗. 山 ら(1990)の. が 最 小 と な る よ う に 係 数c1〜c5を. の関 係式 よ びatiltness. 提 案 式 との 誤 差. 決 定 し た..

(3) 沿岸 砂州 の 中期変 動特 性 に関す る数値 シ ミュ レー ショ ン. 613. た 底 質 が 戻 り流 れ に よ り沖 向 き に輸 送 さ れ る浮 遊 砂 量Qs, 流 速 波 形 の上 下 お よ び前 後 の非 対 称 性 に よ る岸 向 き の掃 流 砂 量Qb,skew,Qb,atilt,海 底 勾 配 に よ る掃 流 砂 量Qb,slopeを 考 慮 した. (13) 浮 遊 砂 量 の 計 算 に お い て は,Kobayashiら(2008)に な ら い,浮. 遊 す る 底 質 の 量 がsurface. 減 衰 量Drに. rollerの エ ネ ル ギ ー. 比 例 す る と 仮 定 し た.. (14) こ こで,sは. 底 質 の比 重,Uは. 鉛 直 平 均 の 戻 り流 れ 速 度,. wfは 底 質 の沈 降 速 度,α1は. 無 次 元 係 数 で あ る.. 岸 沖 流 速 波 形 の上 下 の非 対 称 性(skewness)に 流 砂 量 はBailard(1981)の 図‑2. (a)岸 沖 流 速 のskewnessとII1/3と のatiltnessとII1/3と. の 関 係.実. る 式(式(10),(11)),破. の 関 係,(b)流. 速 波形. よ る掃. 掃 流 砂 量 式 の 第1項 を 基 に次. 式 の 様 に仮 定 した.. 線 が本 サ ブ モデ ル によ. 線 が 栗 山 ら(1990)の. (15). 式.. こ こ で,θ. は 波 向 き,ub,rmsは 底 面 に お け る 岸 沖 方 向 流. 速 の標 準 偏 差,α2は (1981)の. (10). 無 次 元 係 数 で あ る.な お,Bailard. 掃 流 砂 量 式 の第1項 を 展 開 す る と,平 均 流 速 お. よ び流 速 の長 周 期 成 分 を含 む 項 が 生 ず る.し か し,平 均 流 速 と関 連 す る 漂 砂 量 は 式(14)に 含 ま れ る と考 え こ こで は無視 す る.ま た,長 周 期成 分 に関 して も,現 地 流 速 デー. (11). タ を解 析 したMario‑Tapiaら(2007)の. 結 果 に よ る と,. 長 周 期 成 分 を含 む 項 は 式(15)よ り も小 さ い と考 え られ る 求 ま っ た 係 数C1〜C5は,そ 0.67,‑0.56で. あ る.図‑2は,栗. の で,平 均 流 速 に関 す る項 と同 様 に無 視 す る.. れ ぞ れ0.86,0.54,0.90,‑ 山 ら(1990)の. 式 と本. サ ブ モ デ ル に お け る 式 と を 比 較 し た も の で あ る.岸 速 のskewnessに. 関 す る 式(10)は0.4<II1/3<1の. 山 ら(1990)の の,本. 沖流. 岸 沖 流 速 波 形 の 前 後 の 非 対 称 性(atiltness)に 流 砂 量 は次 式 のHoefbl・Elgar(2003)の. よる掃. 式 を用 い た.. 範 囲で栗. 提 案 式 よ り もや や 大 き くな って い る もの. サ ブ モ デ ル に お け る 式(10),(11)は,そ. 山 ら(1990)の. (16). れ ぞれ栗. 提 案 式 と 良 く一 致 し て い る と言 え る.. (3) 断 面 変 化 サ ブ モ デ ル. こ こで,αb ,rmsは底 面 に お け る岸 沖 方 向 加 速 度 の 標 準 偏. 断 面 変 化 は 以 下 の 底 質 の 連 続 式 よ り 求 め る.. 差,acrは (12). こ こで,zは. 上 向 き正 の 地 盤 高 さ,λ は 空 隙 率(=0.3),. 底 質 の移 動 限 界 加 速 度(=0.2m/s2),α3はm/s. の次 元 を 持 っ た係 数 で あ る. 海 底 勾 配 に よ る漂 砂 量(式(17))はBailard(1981)の 掃 流 砂 量 式 の 第2項 を基 に した.た だ し,流 速 の3次 モ ー メ ン トに関 す る式(15)に お い て は長 周 期 成 分 を 無 視 した. Qは 岸 沖 漂 砂 量 で あ る. 岸 沖 漂 砂 に は い くつ か の移 動 形 態 が あ る.波 や 流 れ に. も の の,流 速 の振 幅 に お いて は,荒 天 時 の 汀 線 近 傍 にお. よ って 浮 遊 した 底 質 は戻 り流 れ に よ って沖 に 運 ば れ る, 一方 ,底 面 近 傍 に お け る底 質 移 動 は流 速 波 形 の 上 下 の非. い て発 達 す る長 周 期 成 分 を 無 視 で きな い と考 え,本 サ ブ. 対 称 性 の影 響(例. した。. 性 の 影 響(例 2003)を. え ば,Bailard,1981)や. え ば,Katohら,1985;Hoefel・Elgar,. 受 け る と と も に,底. Bailard,1981)も. 前 後の非対称. モ デ ル で は海 底 勾 配 に よ る掃 流 砂 量 に長 周 期 成 分 も考 慮. 受 け る.そ. 面 勾 配 の 影 響(例 こで,本. 岸 沖 漂 砂 量 と して 以 下 の4つ の 項,砕. (17) え ば,. サ ブモ デ ル で は, 波 に よ って 浮 遊 し. こ こ で,tanβ 底 勾 配,φ. は沖 へ 向 け て 傾 斜 す る勾 配 を正 と す る海 は 内 部 摩 擦 角(=30degree)で. あ る.ubl,rms.

(4) 614. 海. 岸. 工. 学. 論. は 岸 沖 流 速 の 長 周 期 成 分 の 標 準 偏 差 値 で あ り,合 (1975)の. 田. サ ー フ ビー トの 振 幅 の推 定 式 か ら求 め た.. 3.. そ れ ぞ れ 沖 波 波 高,波. 長 で あ る.. (1) 現 地 デ ー タの 概 要 Oceanographical Research. 置 は図‑3参 照)で. 観 測 桟 橋 に 沿 っ て,休. は,長. さ約. 日を 除 く1日1回,5m間. 隔 で 断 面 を 測 定 して い る.図‑4は1日1回 お よ び年1,2回. の断面測量結 果. の 深 浅 測 量 結 果 を基 に した1987〜2001年. の 平 均 断 面 を 示 した もの で あ る.以 下,観 置 は図 一4の座 標 を 基 に 示 す(例 の 地 点 はP115mと. に よ る とHORS周. 辺 の 地 形 は沿 岸 方 向 に ほ ぼ 一 様 で あ. 沖 波 波 高 ・周 期 と し て は,鹿 地 点(図‑3)に. 島 港 沖 の 水 深 約24mの. お け る2時 間 間 隔 の実 測 値 を 用 い,沖 波. に よ って 推 定 した 値 を 用 い た.沖 波 波 高 は1〜3月 お よ び 9〜10月 にか け て大 き く,6〜8月. にか け て小 さい(図‑5).. (2) 断 面 変 化 の推 定 値 と実 測 値 との 比 較. 波 崎 海 洋 研 究 施 設(Hazaki. 400mの. 第55巻(2008). 波 向 と して は,橋 本 ら(1999)が 第 三 世 代 波 浪 推 算 モ デ ル. 断 面 変 化 に関 す る推 定 値 と実 測 値 との比 較. Station,以 下HORS;位. 集. る. (18). こ こで,H0,L0は. 文. 表 す).沿. え ば,沖. 測桟橋上 の位 方 向 距 離115m. 岸 砂 州 はP180m〜P380m. 前 述 した断 面 変 化 モ デ ル の沿 岸 砂 州 の 中 期 移 動 特 性 の 再 現 性 を,HORSに. お い て1989年1月. 〜1990年12月. にか. け て 取 得 さ れ た 断面 デ ー タ を用 い て 検 討 した. 計 算 に お け る格 子 間 隔 は5mで P1200mと. あ り,沖 側 境 界 位 置 は. した.漂 砂 量 に含 まれ る係 数 は,実 測 値 と推. 定 値 との 誤 差 が小 さ くな る よ うに 試 行 錯 誤 的 に決 定 した. そ の 結 果 求 ま った 値 は,α1=4.3×10‑4,α2=2.4×10‑6, α3=1.4×10‑5m/sで. あ る.こ れ らの 値 を既 往 の 断 面 変 化. の 領 域 に お い て1〜2年 の 周 期 で 発 生 ・移 動 ・消 滅 を繰 り. 計 算 に よ っ て 用 い ら れ た 値 と 比 較 し て み る と,. 返 して い る.底 質 の 中 央 粒 径 は0.18mmで. Kobayashiら(2008)は. あ り,深 浅 図. ら(1998)は. α1と して5.0×10‑4,Gallagher. α2=6.0×10‑4,Hoefel・Elgar(2003)は. 1.4×10‑4m/sを 用 い て い る.α,に. α3=. 関 して は 本 研 究 の 値. と既 往 の 研 究 の 値 と は 同程 度 で あ った も の の,α2と. α3. に 関 して は,今 回 得 られ た係 数 の 値 は既 往 の 研 究 で 用 い られ た 係 数 よ り も1〜2オ ー ダ ー小 さ な値 で あ った. 以 上 の 係 数 を用 い て 計 算 さ れ た 断 面 と実 測 の 断 面 と の 比 較 を 図‑6に 示 す と と も に,図‑7に 部 位 置 の 経 時 変 化 を 示 す.さ. 実 測 と計 算 の 砂 州 頂. らに,図‑8に. は以下の式 で. 表 さ れ る モ デ ル の 精 度 を 表 す パ ラ メ ー タ ーSS(Skill 図‑3. 波 崎海 洋研 究施 設 と沖波波 高計 の位 置. Score)の. 経 時変 化 を 示 す.. (19) ここ で,zp,zmは. そ れ ぞ れ 地 盤 高 さ の 計 算 値 と実 測 値 で. あ る.式 か ら もわ か る よ う に,計 算 値 が 実 測 値 と一 致 し た と き に はSS=1と. な り,SSが0よ. り小 さ くな る とモ デ. ル は初 期 地 形 か ら全 く変 化 しな い と考 え る モ デ ル よ り も 精 度 が悪 い こ と に な る. 図‑4. 1987〜2001年 の 平均 断 面(波 崎 工 事基 準 面基 準).太. 図‑7よ り,モ デ ル は現 地 に お け る1年 周 期 の 沖 向 き の. い実 線 は断面 測 量結 果 を,細 い実 線 は深 浅 測量 結 果. 砂 州 移 動 を お お む ね再 現 して い る こ とが わ か る.し か し,. を基 に してい る.. 計 算 で は 現 地 に比 べ て砂 州 が 発 達 しす ぎて お り(図‑6), それ が 計 算 開始16ヶ 月 以 降 のSS<0(図‑8)の. 原因 になっ. て い る と考 え られ る. 本 モ デ ル で はBailard(1981)に. な ら い斜 面 勾 配 に よ. る 漂 砂 量 項 のtanφ を 固 定 した け れ ど も,Ruessinkら (2007)は. こ れ を 変 数 と して 取 り扱 っ て お り,今 後 は,. 式(17)に お け る斜 面 勾 配 の影 響 を大 き くす る こ と に よ り 図‑5. 沖 波波 高 ・周期 の月平 均. 砂 州 の発 達 を 抑 え る こ とを 試 み る予 定 で あ る.ま た,本 モ デ ル の戻 り流 れ の推 定 精 度 は沿 岸 砂 州 上 で は高 い もの.

(5) 沿岸 砂州 の 中期変 動特 性 に関す る数値 シ ミュ レー ショ ン. 615. (a)July1,1989. 図‑7. 沿岸 砂 州頂 部位 置 の経 時変化. 実線 は実 測値, 白丸 印 は計算 値, 縦 の破線 は図‑6の 比較 日.. (b)Feb.2,1990. (c)Oct.2,1990. 図‑8 14巻,. 3号,. SSの 経 時変化. pp.59‑106.. 橋 本 典 明 ・川 口 浩 二 ・真 期 俊 行 ・永 井 紀 彦(1999):. 図‑6. 断 面 の計算 値(太 実線)と 実測 値(細 実線)と の比 較 破線 は初 期断 面(1989年1月4日).. の(図‑1),汀 り,戻. 線 近 傍 で は過 大 評 価 して い る可 能 性 が あ. り流 れ の 推 定 精 度 を よ り広 範 囲 の デ ー タで 検 討 す. る予 定 で あ る. 4.. おわ りに. 本 研 究 で は,沿 岸 砂 州 の 中期 変 動 特 性 を再 現 す る た め の 断 面 変 化 数 値 シ ミュ レー シ ョ ン モ デ ル と して,砕 波 に よ って 浮 遊 した 底 質 が 戻 り流 れ に よ り沖 向 きに 輸 送 さ れ る浮 遊 砂 量,流. 速 波 形 の上 下 お よ び前 後 の非 対 称 性 に よ. る岸 向 き の掃 流 砂 量 お よ び海 底 勾 配 に よ る掃 流 砂 量 を考 慮 した モ デ ル を 構 築 した. モ デ ル の砂 州 中 期 変 動 特 性 の 再 現 性 をHORSで. 観測. さ れ た2年 間 の 断 面 デ ー タ を用 い て 検 討 した と ころ,モ デ ル は 現 地 に お け る1年 周 期 の 沖 向 き の砂 州 の移 動 を お お む ね 再 現 して い る こ とが 明 らか と な った.た だ し,モ デ ル で は現 地 に 比 べ て 砂 州 が 発 達 しす ぎ て い る な ど の 改 善 点 が あ り,今 後 改 良 を行 って い く予 定 で あ る.. 参. 考. 文. 献. 栗 山善 昭 ・中官利 之(1999): 沿岸 砂州周 辺 の戻 り流 れ ・沿岸 流推定 モデル,土 木学会論 文集,No.635/II‑49,pp.97‑111. 栗 山善 昭 ・加藤一 正 ・磯上 知良(1990): 砕波位 置近傍 で の流 速波形 の非線形 性 と岸沖 漂砂量, 海岸 工学論文 集, 第37巻, pp.284‑288. 合 田良実(1975): 浅海域 にお ける波 浪 の砕 波変形, 港研報 告,. 第3世. 代. 波 浪 推 算 法(WAM)の 推 算 精 度 に 関 す る検 討, 港 研 報 告, 第38巻, 第4号, pp.3‑47.. Bailard, J.A.(1981): An energetics total load sediment transport model for a planar sloping beach, J. Geophys. Res, Vol.86, C11, pp.10938-10954. De Vriend, H.J. and M.J.F. Stive(1987): Quasi-3D modelling of nearshore currents,Coastal Eng., Vol.11, pp.565-601. Doering, J.C. and A.J. Bowen(1995): Parameterizationof orbital velocity asymmetries of shoaling and breaking waves using bispectral analysis,Coastal Eng., Vol.26, pp.15-33. Goda, Y.(1983): A unified nonlinearityparameterof waterwaves, Rep. Port and Harbour Res. Inst., Vol.22, No.3, pp.3-30. Hoefel, F. and S. Elgar(2003): Wave-induced sedimenttransport and sandbar migration, Science,299, pp.1885-1887. Katoh, K., N. Tanaka, T. Kondoh, M. Akaishi and K. Terasaki (1985): Field observationof local sand movementsin the surf zone using fluorescent tracer(second report), Rep. Port and Harbour Res. Inst., Vol.24, No.4, pp.3-63. Kobayashi,N., A. Payao and L. Schmied(2008): Cross-shore suspended sand and bedload transport on beaches, J. Geophys. Res., doi:10.1029/2007JC004203, in press. Marino-Tapia, I.J.,P.E. Russell, T.J. O' Hara, M.A. Davidson and D.A. Huntley(2007): Cross-shore sedimenttransport on natural beaches and its relation to sandbar migration patterns: 1. Field observations and derivation of a transport parameterization, J. Geophys. Res., Vol.112, CO3001, doi:10.1029/2005JC002893. Ruessink,B. G. and Y. Kuriyama(2008): Numericalpredictability experimentsof cross-shore sandbar migration, Geophys. Res. Lett., Vol.35, L01603, doi:10.1029/2007GL032530. Ruessink,B.G., Y. Kuriyama,A.J.H.M. Reniers,J.A. Roelvinkand D.J.R. Walstra(2007): Modeling cross-shore sandbarbehavior on the timescale of weeks, J. Geophys. Res., Vol.112, F03010, doi: 10.102912006JF000730. Svendsen, I.A.(1984): Mass flux and undertow in a surf zone, Coastal Eng., Vol.8, pp.347-365..

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