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多摩大橋の設計

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Academic year: 2022

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多摩大橋の設計

パシフィックコンサルタンツ株式会社 正会員 ○上野 次男 パシフィックコンサルタンツ株式会社 正会員 伊東 靖 東京都建設局 北多摩北部建設事務所 非会員 藤田 進

1.はじめに

昭和41年に開通した現在の多摩大橋は、東京都の多摩南西部と多摩北東部を連絡する多摩地域の主要な南 北道路として、災害時の緊急通路、緊急物資輸送路に指定されている重要な橋梁である。

一方、周辺地域の急速な市街地化等に伴い、1日に約3万台を超えるまでに交通量が増大し、多摩大橋を含 む前後で慢性的な渋滞をきたしており、交通上のボトルネック

解消が急務であった。また、現橋の片側歩道幅員は0.7mと狭く、

歩行者の安全性の向上が求められている。

新設橋梁はこうした状況を改善させるため、現橋の上流側に 併設し、現橋とあわせて両側に幅 3.0m の歩道を確保し、現多 摩大橋の拡幅事業として計画された。(図―1)

新設橋梁は次のような特徴をもつ。

・ 本アーチ橋はローゼ形式として設計され、主径間をアーチ により補剛することで、1:3の径間比による負反力と応力 バランスの問題を解決するとともに、経済性の向上と全桁高の 統一による景観性の向上を図った。

・ 一般的な下路アーチの構造は、アーチ主構と補剛桁とに分 離される。一方、本橋梁は、全連続構造として、一般部の 箱桁とアーチ部の主構部分が連続化するものであり、これ とアーチ主構が一体化する必要がありその隅角部を図―2 に示すようなモノコック構造を採用した。最小数の面構成 と極力エッジを減らすことにより、ランドマークとなる優 雅でおおらかな構造美の創出を実現した。また、鉛直ケー ブルを採用することで、優雅なアーチを引き立てることに 寄与させた。

・ 機能分離支承による7径間すべてを連続化し、耐震の向上ととも

に経済性の向上を図った。こうした特徴をもつ多摩大橋(新設橋梁)の設計について以下に述べる。

図-1 多摩大橋側面図

キーワード バスケットハンドル,多径間アーチ,免震,ケーブル,機能分離支承

連絡先 〒163-0730 東京都新宿区西新宿 2-7-1 パシフィックコンサルタンツ株式会社 TEL03-3344-1708 写真-1.多摩大橋全景

写真-2.多摩大橋全景右岸より

1-389 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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2.設計概要

本設計の橋梁形式は、経済性、施工性、維持管理性、河川への影響、周辺環境へ配慮を総合的に配慮し「7 径間連続PC床版鋼箱桁主径間補剛アーチ橋」を選定した。

3.適用支間の選定

本設計における適用支間は、主径間を 150mとし、その側径間の 50mを基本に考えられた。本橋は既存橋と の並列橋であり、河川構造令から既存橋脚位置(9@50m)に新橋脚を設置することを限定された。主径間を 100m と 150m を検討した結果、幅 130m程度の澪筋をさけて橋脚施工時の仮桟橋を省略した案が経済的に 有利であり、河川への影響が少ないと判断し、主径間の支間を 150mとした。(図-1)

4.補剛アーチの構造特性

本設計の特筆すべき点は、一般部50mに対して主径間150mと主径間比1:3と支間割が、通常に比較して大 きく、桁橋では端支点の負反力と応力バランスが悪いが、本設計は主径間をアーチにより補剛することによっ て、この負反力と応力バランスの問題を解決した。

通常の梁を考えると1:3:1と1:1:1の支間比の主径間のモ ーメント比は、約3倍の数値となる。支点反力に対しては、端支 点に大きな負反力が発生し、ペンデル支承の配置などが必要とな り、まずこの支間比では桁形式での採用はしない領域であるが、

本形式の主径間を補剛することにより、モーメントはほぼ1:1:

1の支間と同じものとすることができる。

本橋梁の全桁高は、50m支間の経済桁高(2.4m)の統一桁高 を採用し、主径間部分においての支間中央と支点部の曲げモーメ ントを50m支間のものと同等となるようにアーチで補剛した。また、

アーチと箱桁の結合部分において、一体化を図るため、モノコック構 造を採用した。この部分の応力集中の問題を明確にするために、

図-2に示すような3次元立体FEM解析モデルにより問題を解 決した。

5.補剛アーチの造形

本橋に並列する既設橋が、今後架け替えられることを想定し、

将来的に本橋がもう一連並列されることを念頭にいれ、構造上決 まるライズ比率に対して若干低い1/7.5を採用し計画を行った。

アーチを2主構とした場合に合計で4主構となることから単弦ア ーチもしくはバスケットハンドル形式の採用を優先的に考えた。

その上で、本橋は中央分離帯のない片側通行形式であるため、車線を跨 ぐ形のバスケットハンドル形式を採用案として妥当であると設計当初に

判断した。採用のアーチ形式はバスケットハンドルをさらに洗練させるため、モノコック構造形式とし、面の 構成が最小数にでき、エッジを極力減らすことで優雅かつおおらかな構造美の創出を実現した。(写真-3)

6.機能分離支承の採用並びに反力分散と連続化

本橋の支承形式は機能分離支承を採用することにより、反力分散を効率よく伝え、7径間全ての連続化を可 能にすることにより、耐震性の向上と経済性を両立させた。機能分離支承は基本的に免震支承の一種であり、

摩擦減衰による減衰装置と側方に配置させる。ゴムバッファとで構成される。この種の支承は、緩速荷重(温 度変化など)に対して反力をほとんど吸収することから連続化に寄与する働きをする。また、連続化すること により、かけ違い部の応力の均一化することや伸縮装置・支承の個数を減らすことができ経済的である。免震 化と連続化をすることにより耐震性を向上させると同時に経済性に寄与できた。

図-2. 3次元立体FEM解析モデル

写真-3.補剛アーチの造形

1-389 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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参照

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