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悪性胸膜中皮腫細胞株におけるMCI-186 によるVEGF 産生抑制および腫瘍増殖抑制効果

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Academic year: 2021

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悪性胸膜中皮腫細胞株における MCI-186 による VEGF 産生抑

制および腫瘍増殖抑制効果

岡田浩晋 外科学(外科 2)講座 【背景】悪性胸膜中皮腫は、今後わが国で患者数の増加が懸念されている予後不良な疾患であ る。悪性胸膜中皮腫細胞は種々の増殖因子を産生するが、その中でも VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)は腫瘍血管新生を促すのみならず、腫瘍自体に対しても autocrine な 増殖作用をもつことが示されている。 【目的】MCI-186 は脳梗塞治療薬として本邦で用いられているラジカルスカベンジャーである。こ れまでわれわれは MCI-186 が悪性胸膜中皮腫を含む各種癌細胞での EGF 受容体のリン酸化 を抑制することを明らかにしてきた。今回、さらに悪性胸膜中皮腫細胞における MCI-186 の VEGF 産生抑制効果につき検討した。 【方法】悪性胸膜中皮腫細胞株(MSTO-211H)を用いて、コントロール群と MCI-186 添加群に分 け、各種濃度の IL-1βにより刺激した。各群において細胞数の増殖を比較した。またそれぞれ の群についてリン酸化 IkB(p-IkB)また VEGF 産生についてウエスタンブロット法で比較した。次 に in vivo 実験では、ヌードマウスの背部皮下に腫瘍細胞を 2.0×106個移植し、PBS 注射群と MCI-186 注射群に分けて腫瘍体積の変化について比較した。 【結果】MCI-186 添加(30μM)により、各種 IL-1β濃度の刺激において細胞増殖が抑制された。 また IkB リン酸化とともに、VEGF 産生も抑制された。また、ヌードマウス背部皮下移植実験では、 PBS 注射群に対して MCI-186 注射群の腫瘍体積の増加抑制が認められた。 【考察】MCI-186 の腫瘍細胞増殖抑制に関するメカニズムについては十分には明らかにされて いない。今回、MCI-186 が悪性胸膜中皮腫細胞株での VEGF 産生を抑制し、また NFkB 経路の 抑制がその一因であることが示唆された。これらのことは、MCI-186 が悪性胸膜中皮腫に対して 腫瘍増殖を抑制する薬剤の選択肢となる可能性をもつものであると考えられる。

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