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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

やまがた こうじ

山形 倖司

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 857 号 学 位 授 与 の 日 付 令和 2 年 3 月 6 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Exposure of dental anesthesiologists to sevoflurane during general anesthesia and measures to minimize this exposure

(全身麻酔導入時における歯科麻酔科医へのセボフルランの 曝露についての調査及びセボフルランの曝露に対する対策の 考案とその有用性)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 54 巻 第 1 号 令和 2 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 百田 義弘 教授 副 査 井関 富雄 教授 副 査 橋本 典也 教授

論文内容要旨

手術室内で働く医療従事者は, 全身麻酔で使用する吸入麻酔薬に曝露しており, American

Society of Anesthesiologists は, 麻酔ガスの曝露によって手術室内の医療従事者に健康被害が生

じていることを報告している. そこでエレクトロンキャプチャ検出器付属ガスクロマトグラフを 使用して空気中のセボフルラン濃度を測定する方法を確立し, 研究 1 で全身麻酔導入時の歯科麻 酔科医に対するセボフルラン曝露の有無を調査し, 研究 2 でセボフルラン曝露に対する対策を考 案しその有用性を調査した.

研究 1 では, 全身麻酔導入時の診療室内の空気を採取し, 空気中のセボフルラン濃度を測定す ることで, 歯科麻酔科医へのセボフルランの曝露を調べた. 試料採取には真空ポンプにて中を陰 圧にした真空捕集びんを使用し, 試料中のセボフルラン濃度の測定にはガスクロマトグラフを使 用した. 試料採取は麻酔導入時から 1 分間隔で連続して 5 分間行い, それぞれを測定時点 1 から 5 とした.

研究 2 では, 全身麻酔導入時を再現したモデルを用いた. また, セボフルラン曝露に対する対

策は, ①コントロール群, ②吸引法, ③呼気終了法, ④二重法の 4 群に分け比較した. 試料採取と

試料内のセボフルラン濃度の測定は研究 1 と同じものを使用した. なお, 研究 2 ではセボフルラ

ンの使用開始を全身麻酔導入開始と仮定し, 麻酔導入時から 1 分間隔で連続して 5 分間行い, そ

れぞれを測定時点 1 から 5 とした.

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研究 1 の結果として, 全身麻酔導入開始 1,2,3 分後はマスク換気に相当し, 開始 4 分後は綿 棒による鼻腔清掃等の操作, 開始 5 分後は気管挿管に相当した. 試料採取を行った全身麻酔 40 例 の内, 35 例はセボフルランを検出せず, 5 例はセボフルランを検出した. また, セボフルランを検 出した 5 例全てで全身麻酔導入開始 1,2 分後ではセボフルランを検出しなかった.

研究 2 の結果として, コントロール群で 8 例, 吸入法で 3 例, 呼気終了法で 7 例においてセボ フルランを検出し, 二重法を使用した群では全例でセボフルランを検出しなかった.

現時点で日本ではセボフルランの曝露限界の基準濃度は定められておらず, 職業曝露を最小限と するのが賢明である. 全身麻酔導入時のセボフルランの曝露に歯科麻酔科医はさらされているが,

考案した二重法を使用することでその曝露は最小限に抑えることができ, セボフルランの曝露に 対する対策として有用であることが分かった

論文審査結果要旨

手術室内で働く医療従事者は全身麻酔で使用する麻酔ガスに曝されており、American Society

of Anesthesiologists は麻酔ガスの曝露によって医療従事者に健康被害が生じることを報告して

いる。よって、曝露を軽減することは医療安全の観点から重要であり、著者はこの研究で歯科麻 酔科医への麻酔ガスの曝露を明らかにし、それに対する対策を考案しその有用性を証明している。

なお、歯科麻酔科医への麻酔ガスの曝露は全身麻酔導入開始 1-5 分後で調査を行い、試料は診 療室内の空気とした。試料の測定に関してはエレクトロンキャプチャ検出器付属ガスクロマトグ ラフを使用した。そして、対策は吸引法と呼気終了法と二重法の 3 種類を考案し、全身麻酔導入 時モデルを作成することでその有用性を調査した。

その結果、歯科麻酔科医は全身麻酔導入時にセボフルラン曝露があることが示唆された。その 曝露量は National Institute for Occupational Safety and Health が定めているセボフルラン曝 露の基準値である 2ppm を超える量であった。そしてセボフルラン曝露の対策については、全身 麻酔導入時に二重法を行うことでセボフルラン曝露を 2ppm 以下にすることができたことから、

二重法は曝露の対策として有用であることが示唆された。

以上、全身麻酔導入時における歯科麻酔科医へのセボフルランの曝露について調査を行い、そ

の曝露に対して対策を考案し有用性を調査した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与

するに値すると判定した。

参照

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