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博士(医学)

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Academic year: 2022

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全文

(1)

生年月日

本籍(国籍)

学位の種類

学位論文審査結果の報告書

長井恵

学位授与の (博士の学 論文題目

PTeventing development With atopic dermatitis formula before weanin宮

昭和 57年

京都

博士(医学)

医第 1299 号

学位規程第5条第2項該当

9月

(アトピー性皮膚炎乳児に対する離乳食開始前の人工乳摂取によ る牛乳アレルギーの発症予防:横断研究)

Ⅱ日

学位論文受理日 学位論文審査終了日

Of cow' s milk a11ergies in infants

through intake of cow' s milk

: A cross‑sectional study

審 査 委

2018年 2019年

(主査)

(副主査)

(副主査)

Ⅱ月 1月

14日

24日

東田有智 川田暁 伊木雅之

"1二"XJJ ‑

1 、、,

.ずす

学位記番号

牛)

イ立

条位

(2)

佃的】

近年、食物アレルゲンの早期摂取による食物アレルギーの発症予防について、特定のアレルゲンにおい てはその有効性を示す報告がなされている。牛乳においてはいくつか報告はあるものの、介入研究は存在 しない。本研究ではアトピー性皮膚炎(AD)の児を対象に人工乳(CMF)を早期から摂取することによ る牛乳アレルギー(CMA)の発症予防効果について後方視的に検討した。

【方法】

受診時月齢が生後2か月からⅡか月であり、 ADと診断された児を対象とし、自宅に質問紙票を送付 し記載を依頼した。乳児期の雛乳食の開始時期や食物アレルギーの発症、 CMF摂取の時期、継続期問や 摂取頻度を解析した。

【結果】

解析対象は309例で、人工乳群138例、母乳群171例であった。 CMF群のCMAの発症率はⅡ.6%で、

母乳群の28.1%に比較して有意に低かった(Pく 0.001)。一方、卵と小麦のアレルギー発症率は両群で差 がなかった。 CMFの開始時期と期間においては、生後1‑3ケ月で開始し、 4か月以上継続群のCMA発 症率は母乳群、または1‑3ケ月で開始し3ケ月以下継続群と比較して有意に低かった。1日の中での摂 耳又頻度においては、1日の内の全て、半分程度、1‑2回の3群において差を認めなかった。

【考察】

本研究では、乳児期にADを有した児に対して雛乳食の開始前にCMFを1日に1回以上、4か月以上 継続して摂取させることがCMA発症を抑制する可能性が示された。発症抑制の機序としては、 CMAに おいて早期の耐性獲得に特異的lgE抗体の低下と同時に特異的lgG4抗体の上昇が関連するとの報告があ リ、 CMFを乳児期早期から摂取継続した場合に、 CMFに含まれる牛乳由来のカゼインが消化管から吸 収されることにより、牛乳特異的lgG4抗体の上昇を促し、 ADにて皮膚感作が起きた場合でも、 CMA 発症が抑えられる可能性があると考えられた。しかし、本研究では特異的lgE抗体と特異的lgG4抗体の 測定はしておらず、今後この機序の解明のためにはこれらを測定することが課題である。過去のいくつか の観察研究においても、生後早期にCMFを開始し、日常的に継続することがCMAの予防につながるこ とが示されており、本研究の結果もこれらの結果と相違なかった。さらに、本研究において1日の摂取回 数の違いはCMA発症率に影響しないことが示された。このことは、授乳期の栄養の全てをCMFにする 必要はなく、1日1‑2回でもCMFを使用し母乳と併用してもCMA発症予防効果が得られる可能性を示 唆するものと考えられる。

【結論】

AD を有する乳児のCMFの長期摂取は、 CMFが1日1回または2回の場合でも、 CMAの発症を減少 させ、 CMFが母乳と併用した場合においても有益であり得ることを示唆している。

論文内容の要

(3)

ノ『、

Preventing development of cow's milk aⅡergles 2018年12月

公表予定

出版物の種類及び名称

博士学位論文

Acta Medica Kindai university

博士論文の印刷公表

(4)

1)論文谷の要旨

如的】̲、

近年、食物アレノレゲンの早期摂取による食物アレノレギーの発症予防について、特定のアレルゲンに

おいてはその有効性を示す報告がなされてぃる。牛乳においてはいくっか報智はあるものの、介入

研究は存在しない。本研究ではアトピー性皮膚炎(肋)の児を対象に人工乳(CMF)を早期から摂 取するととによる牛乳アレルギー(CMA)の発症予防効果について後方視的に検討した。

【方法】

受診時月齢が生後2か月からHか月であり、ADと診断された児を対象とし、盲宅に質問紙票を送付 し記載を依頼した。乳児期の離乳食の開始時期や食物アレルギーの発症、CW 摂取の時期、継続期 間や摂取頻度を解析した。

【結果】

解析対象は309例で、人工乳群138例、母乳群171例であった。 CMF 群の CMA の発症率は11,6%で、

母乳群の28.1%に比較して有意に低かった(Pく0.0OD。一方、卵と小爰のアレルギー発症率は両群 で差がなかった。偽舮の閉始時期と期問においては、生後1‑3ケ月で開始し、4か月以上継続群の C除発症率は母乳群、または1‑3ケ月で開始し3ケ月以下継続群と比較して有意に低かった。1日の 中での摂取頻度においては、1日の内の全て、半分程度、1‑2回の3群において差を認めなかった。

【考察】

本研究では、乎U皀期に即を有した児に対して籬乳食の開始前に CMF を1日に1回以上、4か月以上 継続して摂取させることが C磁発症を抑制する可育獣生が示された。発症抑制の機序としては、偽仏

において早期の耐性獲得に特異的 lgE 抗体の低下と同H割こ特異的距G4 抗体の上昇が関連すると の報告があり、CW を乳児期早期から摂取継続した場合に、CMF に含まれる牛乳由来のカゼインが 消化管から吸収されることにより、牛乳特異的 lgG4 抗体の上昇を促し、肋にて皮膚感作が起き た場合でも、CMA 発症が抑えられる可能性があると考えられた。しかし、本研究では特異的珸E抗 体と特異的 lg磁抗体の測定はLておらず、今後この機序の解明のためにはこれらを測定するこ が課題である。過去のいくつかの観察研究においても、生後早期に CMF を開始し、日常的に継続 するととが C蹴の予防につながることが示されており、本研究の結果もこれらの結果と相違な かった。さらに、本研究において1日の摂取回数の違いは CMA 発症率に影響しないととが示され た。このことは、授乳期の栄養の全てを CW にする必要はなく、1日1‑2回でも CMF を使用し母乳

と併用しても岱仏発症予防効果が得られる可^断生を示唆するものと考えられる。

【結論】

肋を有する乳児の CMF の長期摂取は、 CMF が1日1回または2回の場合でも、偽始の発症を減少さ せ、CMF が母乳と併用した場合においても有益であり得ることを示唆している。

本論文は牛孚Uこ対する感作を受けやすいハイリスクグループである、乳児期にアトピー性皮膚炎 (A功を有する児に対し、人工乳(CM"を雛乳食開始前に摂取することによる牛乳アレルギー (CMA)の発症予防効果をアンケート調査により後方視的に検討し、論じたものである。近年、

物アレルギーの予防として経口免疫寛容が注目されており、ピーナッツや鶏卵は早期摂取によるア レルギー発症の予防効果が示されてぃるが、牛乳は観察研究がいくつか存在するのみで情報は限定 的で母乳との関連や人工乳の摂取頻度に関しては不明である。著者らは牛乳アレルギーのハイリ ク群である乳児期に AD を有した児を対象にアンケート調査を行い、乳児期の栄養方法の違いによ

り母乳群、CMF 群に分けて両群で C磁の発症率を比較検討し、CMF 群で発症率が有意に低い結果 が得られ、 CMF 摂取による偽仏の発症予防効果を示した。さらに CMF の摂取開始時期や期間、1

日の摂取頻度にっいても検討を行っており、生後1‑3か月で開始し、4か月以上継続した場合に効果 が得られ、1日の摂取頻度については差がなく、1日1回以上でも発症予防効果があることも示され た。1日の摂取頻度にっいては、これまでの研究で論じたものはなく、新たな知見であり評価に値

す、。本研究は母乳栄養を否定する結果ではなく、アレルギー発症ハイリスクの乳児及びその養育

者にとって有益な情報となり得る結果であり、さらに今後は発症予防の根拠となる免疫学的機序の 解明にも介入研究が必要となるが、そのような研究をtすめる上でt。本論文は有益な情報となり得

ると考える。

言△0土'ノ、 ヒ=ニ

(5)

2)'査j幻果の要旨

長井恵氏の博士学位論文に対する最終試験は、平成31年1月9日の午後6時から小講堂で実施され

た。

まず、長井恵氏が本研究を行うに至った背景、対象と方法、結果と考察を口頭で発表し、それに対 して主査である東田有智、副主査である川田暁、伊木雅之両教授がいくっかの疑問点を質問した。

東田からは、今回の研究はアンケート調査だけに基づくものであり、結果を論ずる根拠として弱 いことを指摘した。また、メカニズムの点から、特異的 lgE や特異的 lgG4 の測定をしてぃる例 はないか、摂取期間を3か月ごとに分けた理由はなにか、早期に発症して CMF を途中で中止した児 が母乳群に入っているが、母乳と CMF を比較する上でそれは除外して解析すべきではないか、'肋

CMA、BA の診断はアンケードでなされているが、その診断方法に問題はないか、今回の研究結 果から今後はどのような研究が必要かなどを問うた。

伊木教授からは、この研究は横断研究ではなくレトロスペクティブコホート研究ではないか、対 象の選択方法は正しいか、対象者の,人数はどのように設定したか、対象者となったのは655人であ るが、実際に解析対象となったのは300人程度であり、半分程度が除外されたことは結果に影響は しないか、などの研究デザインについての質問をされた。また、母乎繍羊に CMF を摂取したがCMAを 発症したから継続できずに中止した児が含まれるのではないか、同様に喘息を発症したためCMFを 継続できなかった児もいるのではないかなどの質問がなされた。

川田教援からは、特異的 lgG4 が上昇'して特異的珸E が下がることが発症予防にっながるとし ているが、それはどのような機序なのか、また AD の児を対象としているが、治療による皮膚のコ ントロール状態によって CMF の CNIA び)発症予防効果に影響はないのか、牛乳はどのように経皮感 作されるのか、この論文の結果で CMF をより早"く、かつ長期的に継続するのがよいというととだ が、その量やいつまで継続を含めた具体的な実施例はあるか、など多方面にわたる質問が行われ た。

これらの質問に対して著者は具体的な例をあげながら的確に応答した。また、論文内容からも乳 幼児期の食物アレルギーの知識やハイリスクの乳児に対する食物アレルギーの管理能力にっいても 卓越したものを持っことが確認された。

したがって、主査・副主査は合議の上、提出された学位論文が確かに長井恵氏の研究成果であるこ と、学イ立授与にふさわしい食物アレルギーの知識や管理能力をもっことを確認し、最終試験を合格 と判定した。

3)最終試験の結果:合格

4)学位授与の可否:、可

参照

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