• 検索結果がありません。

学位論文内容の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文内容の要旨"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 工 学 ) 三 島 裕 樹

学 位 論 文 題 名

高柔 軟・高 信頼電 気エネ ルギ ー流通システム (FRIENDS) における電力改質センターに関する基礎研究

学位論文内容の要旨

  近 年 、 電 気 事 業 を 取 り 巻 く 環 境 は 大 き な 変 化 を 見 せ て い る っ ー っ は 、 世 界 各 国 に お い て 電 気 事 業 に 関 す る 法 的 規 制 緩 和 が 進 行 し 、 電 力 市 場 自 由 化 の 波 が 押 し よ せ て い る こ と で あ る 。 例 え ぱ 、 英 国 で は1990年 に 国 有 電 気 事 業 が 民 営 の 発 電 ・ 送 電 ・ 配 電 会 社 へ 分 割 さ れ た 。 我 が 国 に お い て も 、1995年 に 電 気 事 業 法 が31年 ぶ り に 大 幅 改 正 さ れ た 。 そ の 内 容 は 、 新 規 電 源 に 対 す る 競 争 入 札 制 の 導 入 、 特 定 電 気 事 業 ( 特 定 地 域 内 の 一 般 需 要 家 に 対 す る 小 売 り 電 気 事 業 ) の 創 設 、 な ら び に 卸 ・ 自 己 託 送 の 許 可 条 件 の 緩 和 が 主 た る も の で あ り 、 我 が 国 も 徐 々 に で は あ る が 電 力 市 場 自 由 化 の 方 向 に 向 か っ て い る 。 二 つ 目 は 、 近 年 の 技 術 革 新 に よ る 設 備 価 格 の 低 下 な ら び に 省 エ ネ ル ギ ー へ の 関 心 の 高 ま り に 伴 っ て 、 太 陽 光 発 電 シ ス テ ム な ど の 小 規 模 電 源 や 二 次 電 池 な ど の 電 力 貯 蔵 装 置 の 需 要 家 サ イ ド ヘ の 導 入 が 進 む も の と 予 想 さ れ る こ と で あ る 。 現 行 の 電 カ シ ス テ ム は 大 規 模 電 源 か ら 需 要 家 へ の 一 方 向 の 電 カ の 流 れ を 想 定 し 設 計 ・ 運 用 さ れ て い る た め 、 電 カ シ ス テ ム の 末 端 で あ る 需 要 家 サ イ ド に 不 特 定 多 数 の 電 源 が あ る 場 合 、 こ れ ま で に は な か っ た 新 た な 問 題 が 起 こ る 可 能 性 が あ る 。 そ の た め 、 新 し い 柔 軟 な 配 電 シ ス テ ム の 構 築 が 望 ま れ て い る 。 三 つ 目 は 、 需 要 家 の 電 力 供 給 に 対 す る 要 望 の 拡 大 が あ る 。 特 に 我 が 国 に お い て は 、 極 め て 高 水 準 な 品 質 の 電 カ を 全 て の 需 要 家 に 供 給 し て い る が 、 必 ず し も 全 て の 需 要 家 が 高 品 質 な 電 カ の 供 給 を 望 ん で い る わ け で は な く 、 需 要 家 は 電 力 品 質 と そ の 料 金 と に つ い て 多 様 な 選 択 が で き る こ と を 望 む 傾 向 に あ る 。 っ ま り 、 将 来 の 配 電 シ ス テ ム に は 、 こ う し た 需 要 家 ニ ー ズ に 柔 軟 に か つ 高 信 頼 で 応 え う る シ ス テ ム が 必 要 と さ れ て い る 。 最 後 に は 、 配 電 自 動 化 技 術 な ら び に 関 連 技 術 の 飛 躍 的 な 進 歩 が 挙 げ ら れ る : 配 電 シ ス テ ム の 自 動 化 は 高 信 頼 な 電 力 供 給 を 行 う た め に 、 各 電 力 会 社 で 精 力 的 に 実 施 さ れ て い る 。 こ れ ら は 近 年 急 速 に 発 展 し て い る 情 報 処 理 ・ 通 信 技 術 を 組 み 込 む こ と に よ り 、 さ ら な る 高 機 能 化 が 期 待 さ れ て い る 。 ま た 、 半 導 体 デ バ イ ス 技 術 の 進 歩 に よ り 、 大 容 量 ・ 低 価 格 な パ ワ ー エ レ ク ト ロ ニ ク ス 応 用 電 力 変 換 器 も 開 発 さ れ て き て い る 。 こ の よ う に 、 新 し い 配 電 シ ス テ ム を 構 築 す る た め の 技 術 的 要 素 は 徐 々 に 整 い つ つ あ る 。   こ の よ う に 、 現 在 、 電 気 事 業 な ら び に 電 カ シ ス テ ム は 大 き な 転 換 期 を 迎 え て い る 。 将 来 の 電 カ シ ス テ ム 、 と り わ け 需 要 家 に 直 接 電 カ を 供 給 す る 役 目 を 担 う 配 電 シ ス テ ム は 、 こ れ ま で に も 増 し て 需 要 家 サ ー ビ ス を 重 視 し た 考 え 方 、 シ ス テ ム 作 り を し て い か な け れ ば な ら な い 。 多 種 多 様 な 需 要 家 の 二 一 ズ に 高 い 柔 軟 性 と 信 頼 性 を 確 保 し て 対 応 で き る と と も に 、 需 要 家 と の 双 方 向 な 情 報 サ ー ビ ス が で き る 特 性 を も 兼 ね 備 え る 必 要 が あ る 。 こ の よ う な こ と か ら 、 世 界 中 で 、 様 々 な 新 し い 電 力 輸 送 ・ 電 力 供 給 の 形 態 が 研 究 さ れ 始 め て き て い る 。 そ の 中 で 、 茨 城 大 学 奈 良 教 授 、 北 海 道 大 学 長 谷 川 教 授 ら は 、 将 来 の 望 ま し い 電 力 流 通 の 一 形 態 と し て 、1994年か ら 「 高 柔 軟・ 高 信 頼 電 気工 ネ ル ギ ー 流通 シ ス テ ム (Flexible,Reliable and Intelligent Electrical e八切砂Dピff〃PッS炬地所;FRIENDS)」の構想を提唱している。FRIENDS構 想 は 、 電 力 改 質 セ ン タ ー (Q鰡f緲C伽f′0fの 卿を ′ ;QCC) と 呼 ば れ る全 く 新 し い 設備 を 需 要 家 近 傍 に 設 置 す る こ と に よ っ て 、 需 要 家 に 対 し 多 品 質 電 力 供 給 が 可 能 で あ る と と も に 、 高 機 能な 需要 家側帯 【J御fDP MロMdS耐ピル ぬ釘¢ ぴMピ艶f;DSM)や 顧客サービスの向上を果たすことがで

732

(2)

きることを想定しているっFRIENDS構想は次世代の望ましい電力流通システムのー形態と して世界の研究者からの関心も高まりつっあり、早急にその実現が望まれている。そのた めには、FRIENDSの中核的存在を担う電力改質センターとぃう新しいシステムの具体的な 内部構成を明確にするとともに、それらの制御性能・能カを定性的かつ定量的に評価する ことが必要である:本論文はこうした現状を踏まえ、FRIENDS構想の実現に関する基礎研 究として、FRIENDSの概念をより明確にするとともに、FRIENDSの最も特徴的な電力改質セ ン タ ー の 具 体 的 内 部 構 成 を 構 築 す る こ と を 目 的 と し て 検 討 を 行 っ て い る 。   本 論 文 は 全 6章 に よ り 構 成 さ れ て お り 、 各 章 の 概 要 を 以 下 に 示 す 。   第1章では、本論文の背景として、現在、電気事業・電カシステムが直面している話題 をいくっか取り上げ、将来の望ましい電気エネルギー流通システムであるFRIENDSが提案 されるに至った背景を明らかにすることによって、本論文の目的と位置づけを明確にする。

  第2章では 、これ までに提案されているFRIENDSの概念に加え、本研究によってより明 確にしたFRIENDS構想の全体像について説明している。さらに、FRIENDSの中で最も重要な 電力改質センターについて、それがFRIENDSの目的を実現するために呆たすべき役割と、

多品質電力供給の観点から電カの品質について論じている。本章により、基本的イメージ とし て提案さ れてい るFRIENDS構想を、第3章以降で具体的に論じることが可能となる。

  第3章では 、FRIENDSの中核的存在である電力改質センターの構成として具体的にどの ような形式があり得るのかを明確にするために、電力改質センターをいくっかの主要部分 に分割し、それらに対して考えられ得る数種類の内部構成をスケルトンレベルで提案して いる。さらに提案した構成について経済性、規模、実現可能性などの特徴を検討している。

本章の結果は、より実際的な電力改質センターを構築するための基礎となるものである。

  第4章では、将来の電カシステムにおいて重要な機能を果たすと期待されている電力貯 蔵装置ついて焦点を絞り論じている。まず、FRIENDSシステムの中において、どの種類の 電力貯蔵装置がと゛のような機能を果たすのに適しているかについて検討している。この結 果より、FRIENDSにおいてその重要性こそ認識されていたが、これまで概念的にしか考え られていなかった電力貯蔵装置の果たすべき機能や役割をより具体的に捉えることができ る。さらに、多品質電力供給が実現可能な電力貯蔵装置の運用アルゴリズムを開発し、FR IENDSにおける負荷平準化や線路損失低減の効果を評価している。

  第5章では、電力改質センターの多品質電力機能について検討している。すなわち、具 体的なーつの電力改質センター内部構成モデルを想定し、電磁過渡解析プ口グラム(EVilTDC) を用いた計算機シミュレーションによって、msecオーダーの時間領域で電カの波形品質を 瞬時値レベルで解析している。特に電力改質センターが多品質電力供給を行うとき、実際 の電圧電流波形にどのような影響が現れるかについて検討している:本章の結果により、

FRIENDSにおける多品質電力供給機能の一方式が、少なくとも技術的には実現できる可能

性があることを示した:

  第6章 は 本 論 文 の 結 論 で あ り 、 各 章 で 得 ら れ た 知 見 を と り ま と め て い る 。   本論文は、「電力改質センター」とぃうFRIENDSの中核を担う全く新しい電力設備の基礎 を固めたものであり、今後のFRIENDSを含む次世代の電力流通システムに関する研究に対 してーつの基盤を与え得るものである。

733 ‑

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

長谷川 大西 本間 北

学 位 論 文 題 名

    淳 利只 利久 裕幸

高柔軟・高信頼電気エネルギー流通システム(FRIENDS) における電力改質センターに関する基礎研究

  現 在 、 電 気 事 業 な ら び に 電 カ シ ス テ ム は 大 き な 転 換 期 を 迎 え て い る 。 将 来 の 電 カ シ ス テ ム 、 と り わ け 需 要 家 に 直 接 電 カ を 供 給 す る 役 目 を 担 う 配 電 シ ス テ ム は 、 こ れ ま で に も 増 し て 需 要 家 サ ー ビ ス を 重 視 し た 考 え 方 、 シ ス テ ム 作 り を し て い か な け れ ば な ら な い 。 多 種 多 様 な 需 要 家 の ニ ー ズ に 高 い 柔 軟 性 と 信 頼 性 を 確 保 し て 対 応 で き る と と も に 、 需 要 家 と の 双 方 向 な 情 報 サ ー ビ ス が で き る 特 性 を も 兼 ね 備 え る 必 要 が あ る 。 こ の よ う な こ と か ら 、 世 界 中 で 、 様 々 な 新 し い 電 力 輸 送 ・ 電 力 供 給 の 形 態 が 研 究 さ れ 始 め て き て い る 。 そ の 中 で 、 将 来 の 望 ま し い 電 力 流 通 の 一 形 態 と し て 、 「 高 柔 軟 ・ 高 信 頼 電 気 工 ネ ル ギ ー 流 通 シ ス テ ム (Flexible, Reliable and Intelligent Electricalむヵァ:ガDelivery System;FRIENDS)」の構想が提案さ れ てい る 。FRIENDS構想 は 、 電 力 改質 セ ン タ ー (Quality Control Center; occ) と 呼 ばれ る 全 く 新 し い 設 備 を 需 要 家 近 傍 に 設 置 す る こ と に よ っ て 、 需 要 家 に 対 し 多 品 質 電 力 供 給 が 可 能 で ある と と も に 、高 機 能 な 需 要家 側 制 御(DemandS轟 ぬ 脇 竹餾 ぞMピ 咒 むDSM) や 顧客 サ ー ビ ス の 向 上 を 呆 た す こ と が で き る こ と を 想 定 し て い る 。FRIENDS構 想 は 次 世 代 の 望 ま し い 電 力 流 通 シ ス テ ム の 一 形 態 と し て 世 界 の 研 究 者 か ら の 関 心 も 高 ま り つ っ あ り 、 早 急 に そ の 実 現 が 望 ま れ て い る 。 そ の た め に は 、FRIENDSの 中 核 的 存 在 を 担 う 電 力 改 質 セ ン タ ー と ぃ う 新 し い シ ス テ ム の 具 体 的 な 内 部 構 成 を 明 確 に す る と と も に 、 そ れ ら の 制 御 性 能 ・ 能 カ を 定 性 的 か つ 定 量 的 に 評 価 す る こ と が 必 要 で あ る 。 本 論 文 は こ う し た 現 状 を 踏 ま え 、 FRIENDS構 想 の 実 現 に 関 す る 基 礎 研 究 と し て 、FmENDSの 概 念 を よ り 明 確 に す る と と も に 、FRIENDSの 最 も 特 徴 的 な 電 力 改 質 セ ン タ ー の 具 体 的 内 部 構 成 を 構 築 す る こ と を 目 的 と し て 検 討 を 行 っ た も の で あ る 。 本 論 文 に よ り 、 得 ら れ た 新 知 見 は 以 下 の と お り で あ る 。 1. 現 在 、 電 気 事 業 ・ 電 カ シ ス テ ム が 直 面 し て い る 課 題 に 基 づ き 、 新 し い 電 気 エ ネ ル ギ ー     流 通 シ ス テ ム を 構 築 す る 必 要 性 を 明 ら か に す る と と も に 、 新 し い 電 気 エ ネ ル ギ ー 流 通     シ ス テ ム の 一 形 態 と し て 提 案 さ れ て い るFRENDSの シ ス テ ム 構 成 、 そ の 持 つ 機 能 や     特徴を整理し、FRIENDSの全体像をより明らかにした。

2. 本 研 究 で 対 象 と す る 電 力 改 質 セ ン タ ー に つ い て 、 そ のFRIENDSの な か で 果 た す 役 割

734

(4)

    と、多品質電力供給の観点から電カの品質を明確化し、FRIENDSの中核的存在であ     る電力改質センターの内部構成として具体的にスケルトンレベルで提案するととも     に、提案した内部構成について経済性、規模、実現可能性などの特徴を明らかにした。

3.将来の電カシステムにおいて重要な機能を果たすと期待されている電力貯蔵装置が     FRIENDSシステムの中に分散配置された場合について、それらが果たすべき機能を     明らかにし、どの種類の貯蔵装置がその機能を果たすのに適しているかを明確にした。

4.電力改質センターの多品質電力供給機能について詳細な検討を電磁過渡解析プログラ     ム(EMTDC)を用いた計算機シミュレーションによって行い、FRIENDSにおける多品     質電力供給機能の一方式が、少なくとも技術的には実現可能であることを具体的に示     した。

  これを要するに、著者は、「電力改質センター」というFRIENDSの中核を担う全く新し い電力設備の基礎を固め、今後のFRIENDSを含む次世代の電力流通システムに関する研 究に対してーつの基盤を与え得たものであり、電力工学、電力系統工学上寄与するところ 大なるものがある。

  よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

735

参照

関連したドキュメント

  

   夕ンパク質は、地球環境の生命圏を形成する最も重要な物質の

よって生じる電極活性な基質の応答からタンバク―リガンド間相互作用を評価するため、電

本研究は半導体集積回路において,特にチップサイズが 1 ㎜角程度の小型 IC チップを対象に,パッケー

ら、Mrp2 は腎刷子縁膜に発現しているが、アニオンの尿中排泄に対する寄与はほとんどな いことが報告されている。従って、Mrp2

(3) 著者 が提 案 した EV の PQ 制御 手法 を より効率的 、安定的に動作さ せるために,系統 電圧を常に 確認しを

無水 フ ッ 化水 素 (H F) 一 塩基溶液 を支持電 解質と して反応 基質の 電解酸化 が起き る陽極電 位のもと で反応 を行うと 、一なぃ し二電 子酸化を 受けて

はじめに,気体の圧力を用いるアクチュエータの駆動源の現状に関して調査を行った結果を示し,小